【2002/2/14 バレンタイン企画もどき】 パート1 【青学バージョン】 菊海・桃海・千海 日本中、どこか浮かれた雰囲気をもたらすその日 海堂薫は、朝から浮かない顔を浮かべていた 1人歩く通学路で笑顔全開の者はいないであろうし ましてや (多分、誰も笑顔を見たことが無いであろう)海堂 しかし その日の海堂は特に暗ーい様子で 「・・・・・・・・っかんねえ・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺?それとも・・・・・・。」 時折、小さく呟きながら歩く その、人を寄せ付けないほどのもの凄いオーラに 海堂が通るのを、まだかまだかと待ち伏せしていた女の子達も 誰1人として 声をかけられる者はいなかった そんな今日は 2/14 1日が終わる頃には、人によって大きな差がでるものの とりあえず、男性にとって幸せな日であるバレンタインデー 特に、中学生ぐらいとなると それはもう大変で 女生徒は、手作りのチョコを片手にそわそわと そして 男子生徒は、それが自分の手に渡されるかそわそわと とにかく!! 収穫無しで終わった、その日の夜じゃあるまいし 朝から、暗ーーーーい顔をしているのは 海堂薫、ただ1人だったのだ 結局海堂は、一日中 授業が始まってもずーーーーーーーーっと そのテンションのままだった ブツブツ ブツブツ 休み時間さえもその調子で 時折その合間に 勇気ある女生徒が、チョコを渡しに来たのだが それさえも、心ここにあらずの様子で ぼんやりと受け取っていた海堂なのであった そんな状態で迎えた放課後 変わらぬ低いテンションのまま、海堂はのろのろと部室へと向かった いつもなら、少しでも早く練習を始めようと急ぐのだが まるで、足に鉛でも付いているかのように ゆっくり ゆっくりと歩く そして すこしためらいながら 部室のドアを開けた瞬間 「かいど〜〜〜〜〜!!!!!!!」 「マムシっっっっっっ!!!!!!!」 耳に飛び込んできたのは 日々聞き慣れた そして今日は、少し戸惑う 2人の呼び声 「・・・・・・・・・・・・・・・ッス・・。」 ぎこちなく、返事を返した海堂の目の前に 2人は部室の奥から、突進するような勢いで走り込んできた 「あのね!あのね!!これ昨日頑張って作ったんだけどぉ〜〜〜」 「マムシっっっ!!お前甘いの苦手だったよな??」 「ちょっ!桃〜〜〜〜!!今オレがかいど〜と話してるんだから〜〜!!」 「あ!何するんスか!!俺の方が先に部室に来てたッスよー!!」 「うるさぁ〜〜〜い!!オレのが先輩だもん。それでね、かいど〜〜。」 「うわっっ!!何だそれーーー!!」 未だ、部室のドアノブを持ったままの状態で 海堂はただただ立ちすくんでいた 目の前では、菊丸と桃城が互いに海堂の正面に立とうと押し合っている そして その奥、部室の中では、残りのレギュラー達が 一部は不機嫌そうな顔で 一部はニヤニヤしながら 一部は心配そうに その様子を見守っていたのであった まあ 誰も止めないところが その情景が日常的であることを証明しているのであるが 「・・・・・・あ・・・の・・・・・。」 とりあえず、中に入れてもらおうと 海堂が2人に声をかけた瞬間 「はいvvかいどぉ〜〜〜〜vvvvvv」 「やるっっっっ!!!!!!!!」 間髪入れず 4本の手が、海堂の目の前にぬっと差し出された その上には シルバーのクルクルリボンがかかった真っ赤な小箱と 青の小さなリボンが付いているベージュの紙袋が乗っている 「・・・・・・これ・・・。」 「バレンタインのプレゼントvv受け取ってね〜かいど〜〜vv」 「ちなみに俺のは、アロエヨーグルト得盛り10個セットだ。」 「なにそれぇ〜〜〜。桃、全然バレンタインじゃないし。」 「だって、コイツ好きでしょ??」 「む〜そうだけど。オレのはね〜フルーツのチョココーティングなのvvオイシーよ。」 「・・・・・・・・・・何かホントに旨そうッスね、それ。」 「皆にも少しずつ持ってきたけど〜、絶対桃にはあげないっっ。」 「うわっっっ!!何でっスか!!!!」 プレゼントを差し出したまま 再び、言い合いを始めた2人であったが ふと 目の前の、海堂の様子に気づき、2人の会話は止まった 2人からプレゼントを差し出されても 海堂は変わらず、2人を見ながら呆然と立っているだけで それらを、受け取る様子が全くなかったのだ 「・・・・どうしたの?かいど〜。」 「いらねえのかよ???」 しかしその問いにも、海堂は答えなくて 2人が、心配そうに覗き込み始めて やっとで海堂の口が小さく開いた そこから聞こえてきた言葉は 「俺が・・・・もらうんだ・・・・何だてっきり・・・・・・・・。」 その、独り言のような一言 そう 海堂は、ずっとそのことで悩んでいたのであった 迫り来るバレンタインデー しかし果たして自分は 貰う方なのか!? それともあげる方なのか!? 2人の性格を考えると、自分が貰う方な気もするが 客観的なお互いの役割から考えたら 自分があげる方な気がしないでもなくて 悩んで悩んで さりとて、2人に 「俺が貰うんスか?あげるんスか??」 とか訊ねるのもバカみたいだし 誰かに相談なんて、出来るわけもなく ただただ 海堂はそのことで頭を悩ませていたのであった しかし、もうそれも終わり 目の前に、2人からのプレゼントが並べられた今 明らかに自分は「貰う側の人間」である やっとのことで、その悩みから解放されて 晴れ晴れとした表情で顔を上げた海堂は 目の前に恐ろしい光景を見ることとなる 「・・・・・・・かいど〜、もしかして・・・チョコ持ってきてくれてたりとか〜?」 「お前がくれるの??俺に??????」 「うっ・・・・・。」 キラキラと目を輝かせる2人を見て 何で、この人達の前で呟いてしまったんだと 思ってみてももう遅い 合図もなしに、2人は海堂を部室に引きずり込むと 思いっきり海堂の鞄を狙い始めた 「なっっ!何も無いッスよ!!!!」 「じゃあ見せてくれてもいいじゃ〜〜ん!」 「何も入って無いんだろっっっっ!?」 「いや・・・とにかくダメッス!!ちょっっっ!!!!うわっっっ!!!!!!」 さっきまで言い合いをしていた2人とは思えないチームワークで 2人はあっさりと、海堂から鞄を奪い取った 他のレギュラー達は、2人の手荒な行動が気になりながらも、 それ以上に、鞄の中から出てくるモノの方がさらに気になるらしく その様子をさり気に見守っている ガサガサと、鞄をあさる菊丸に 海堂を羽交い締めにする菊丸 そして 「えっと〜〜〜〜あ!あった!もしかしてコレ????」 海堂の鞄から出てきた菊丸の手が持っているのは 包装もされていないままの クランチチョコバー×2本 そう それが、海堂が2人に用意していたチョコ いくら、包装済みのチョコレートが氾濫しているこの時期といえども 女性ばかりが群をなしているその場所に海堂が入れるはずもなく 悩みに悩み抜いた末に 自身も時折食べる、そのチョコバーを選んだのであった 「それは・・・も、貰ったんスよ!!」 「うそぉ〜〜!!だってかいど〜貰ったのは紙袋に全部入ってるじゃん。」 鞄と一緒に持っていた、チョコレートがてんこ盛りの紙袋を指しながら 菊丸が口を尖らせる 「いや・・・・・それは・・・。」 「お前ウソつけねえんだから無理するなって!!俺らのだよな?なっ??」 バンッと肩を叩きながら、そう確認する桃城 チョコバーを片手に、じぃーーーーーっと見つめる菊丸に 海堂はついに根負けして 俯いたまま小さくコクンと頷いたのであった 「ホントに〜〜〜〜〜???すっごいうれし〜〜vv」 「あ!一個は俺のッスからね!!英二先輩vvvv」 海堂の答えを聞いた瞬間 2人は、チョコバーを片手に満面の笑みを浮かべ 互いの幸せをかみしめあっている その2人の様子に、海堂は思わず真っ赤な顔で再度俯くことになってしまった だって 2人のロッカーには 既に沢山のチョコレートの山 しかし目の前の2人は それの貰い主とは思えないほどの喜びようで 「ありがとね〜〜〜〜vvかいど〜〜〜〜vv」 「俺、飾っとくわ!!!!!サンキュー!!」 2人に、再び抱きしめられながら その幸せをこそばゆく感じつつも 思わず、小さく笑ってしまう海堂なのであった そんな3人の とっても幸せなバレンタインデー そこまでは 一通り、2人からの感謝の抱擁を受けた後 やっとで海堂が、自分の鞄を手にしたその時 その、何もつけていないはずの鞄の一部で 何かが ぷらーーーんと 揺れた 「??????」 それは 青・緑・オレンジの三色ボーダー 両手両足と耳は真っ赤な クマ クマ!? 目の前の光景に 思わず、自分の鞄かと確認する海堂であったが 先ほど、チョコバーが出てきたのだから間違いはない ボーっとはしていたが 確かに朝はついてなかったはずだ 「あれ?何それ〜〜??お誕生日クマだ〜〜。」 ひょこっと 呆然としている海堂の肩の辺りから、顔を出した菊丸が 珍しそうにそのクマを見る 「かいど〜の誕生日なの〜?それ。」 「は!?」 「それ、誕生日によって柄が違うクマなんだよ。」 そう言いながら、菊丸はクマに付いている小さな紙切れを開いた 「ほらぁ〜5月11日って・・・・・ああああ!!!何これっっっっ!?」 いきなり叫ぶ菊丸に驚きつつ、海堂がそれを見ると 確かに、日付が「5月11日」と入っている そしてその横には手書きで name vvきよすみvv 「何これ!何これぇ〜〜〜〜!!!!!かいどぉ〜〜〜!!」 「何スか??何書いてあったんスか???」 「ちょっっ、なんで・・・これ・・・知らな・・・・・。」 さっきまでの和やかな空気から一転 とんでもなく追いつめられた空気の中で 海堂の頭は、朝以上に混乱しまくっていた 何時? 何処で?? ってか他校だろ!!!! 色んな疑問が、頭をぐるぐると駆け回る中 それ以上に 目の前の2人を納得させる答えを出すのに 果たしてどれぐらい悩めばいいものか 海堂はそれを考えただけで 目の前が真っ暗になる思いだった 海堂薫は答えを出せるのか? 残念ながら 彼のバレンタインデーは まだまだ長くなりそうである |
バレンタインデーということで・・・・
企画モノでございますーvv
ホントは出来ないと思ったんですけれど
というか、未だ出来ていないんですけれど(汗)
強引にやらせていただくことになりました
途中でつぶれても許して下さい(汗)
まずは一本
青学です
菊海・桃海+千海(笑)
3〜40分ぐらいで書きました(オイ)
もしかしたら後日修正あるかも・・・?
今から2本目書きますーー。
14日中にUP出来るのか!?私・・・・・・
0:50UP