謳う丘


ここへおいで
全てを脱がして
私はあなたの全部を受け入れるから
怖がらないで その身を委ねて
嬉しい 嬉しい
波になれること
花になれること
貴方になれること
世界になれること
詩は不思議だといつも思う
詩は何よりも心の奥底を振るわせるものだと
幸せの魔法紡ぐように私の琴線かき鳴らす
深い深い心の淵で


天上を翔舞う 霊囁き給えば
冠火降り満ちて 何人幸織り成せ

五月雨の藍海を 唯流るる声は
移ろひ逆凪ぎ 朧気な故郷の音

奏で鳴り吹く凱亜 空に響き相成せば
飛翔く 祈りの謳 纏ひて

安らぎの丘 涙の硝子 記憶の箱 想いの碑
一重幾重の虚ろふ生糸 魂の根給び繋ぐ

たゆたう無の海 精霊の風息
溶け給ふ真荼羅に謳ひの御子あれ

詩は不思議だといつも思う
詩は何よりも心の奥底を振るわせるものだと
詩は不思議だといつも思う
詩はなによりも記憶の宝箱を作るもの
草や木、風や小鳥
この世界の全てが持ち
そして奏でる共通の調べ
それこそが詩
私は謳になる。




EXEC_CHRONICLE_KEY/.

尊いアナタを守護る為 クロニクルキーを奏でよう
この身を犠牲と引き換えに 今 この詩を捧げよう
何故 力は 無欲な人に宿るのだろう

何故 力は 諍い望まぬ優しい人を苛むのだろう


神の子よ 力の子よ

もし貴方が争い厭い 永久の安寧を求めるのなら

力と そして肉体を 共に眠りに就かせなさい

己が力が禍となり 貴方の身さえも蝕む前に



優しい音色を奏でよう

貴方の為の子守唄

この身の呪縛と引き換えに 今 この詩を捧げよう

貴方の心を守護る為 永い眠りを与えよう

暗く翳した魂を 救済へと誘おう

祈りの言霊 貴方へと紡ぐ 深い嘆きを解き放て



EXEX_PAJA/.

踊れや 踊れや
黄泉路の宴 妖の刻
我は舞巫女 神の生贄
戯れよ 捧げよ

いざ

今際の刻みを
舞にうつすが
我が定め

尽き満つれば
己が姿
仇なる業と共に闇の彼方へ

然らずは
我が躯と魂を召されよ
禊の詩を奉り祷る

天清浄 地清浄 内外清浄 六根清浄
天津神 国津神 八百万の神
枉事罪穢 祓ひ賜へ清め賜へと申し奉る

神楽の音色に
うつせみの名残に
酔い痴れ眠れ 魑魅魍魎ども
岩戸に隠りて
常しへの夢
黄泉つ命に委ね給え

踊れや 歌えや
黄泉路の宴 艶なる宴
我は舞巫女 我は奏でる
戯れよ この調べ

いざ

尽き世の哀れを
詩に宿すが
我が定め


EXEC_HARMONIUS/.


小鳥は 啼く 世界を想い
小鳥は 謳う 人々を想い
掛け替えの無い世界 貴き生命達

悲しみの光 溢れる日を 願い
小鳥は 奏でる ”冀望の詩”を
”冀望の詩”紡いだレーヴァテイル ミュールよ
希わくは 此の詩を 御身の耳に受け留めて

希わくは 此の詩を 御身の心に受け留めて



喩え 数多の刃に うたれる時も
数多の恐怖に 慄く時も
数多の苦難に喘ぐ時も
数多の禍に 追われる時も

数多の嘆きが 絶望へと歪む時も
決して 途絶えぬ詩を 御身へと捧げん

今が 贖罪の刻
増悪の連鎖 嘆きの歴史を 今 断たん
”冀望の詩”紡いだ レーヴァテイル ミュールよ
希わくは 此の詩を 其の耳に留め
希わくは 御身を誡める 憎しみの炎より解き放たれ
希わくは 其の心に”冀望の詩”甦らんことを

小鳥は 啼く 世界を想い
小鳥は 謳う 人々を想い

小鳥は 啼く 母の胸に抱かれ
小鳥は 謳う 父を想い

掛け替えの無い絆 信じ愛し合える生命達
歓びの声 充ちる大地を 願い
小鳥は 奏でる ”冀望の詩”を





星詠み


とり残された瞳の奥に
孤独を抱いて生きる少女は
はぐれた星の光を数え
夜の闇に身を震わせた 

優しく髪を撫でて 
あなたは言った 
その涙を拭って さあ詩を謳ってごらん

星空に響き渡る清らかな調べ
あなたの名前は旋律
心にさす光

哀しみを包み込んで
夢を紡ぎ出す
神様の贈物
形の無い魂

人は想いを伝える為に
風に乗せて歌い続ける


優しく微笑みかけ
あなたは言った
希望を忘れたなら ほら耳を澄ましてごらん

どこからか聞こえて来る懐かしい調べ
あなたの名前は旋律
心繋ぐ光
あなたがそっと囁いた 時間の忘れ物
ささやかな幸せはいつでも此処にある


詩は不思議だといつも思う
詩は何よりも心の奥底を振るわせるものだと

幸せの魔法紡ぐように私の琴線かき鳴らす

嬉しい 嬉しい

波になれること
花になれること
貴方になれること

世界になれること




Navigatoria

水に沈んでゆく
蒼く錆びついた時計
私の時間は再び
動き出す

舟を出すなら今
雲が切れぬうちに
迷う心白い月に
見透かされてしまう前に

Navigatoria 貴方は今も 夜空のどこかで きらめいて
Navigatoria 私の眠りを 呼び覚ます 揺り起こす
Navigatoria 見えないあなたを 求めて 二度と戻れない旅へ



陽に褪せた海図は
指を離れ舞い上がる
迷う心風の中に
高く小さく消えてゆく

走り去ってゆく雲 拡がるそら 流れ込む月の光
こんな 満天の星の 星達の歌う 言葉の中
一つ ただ一つだけを 耳を済まして貴方の その声だけを・・・・

Naviogatoria 貴方はずっと 明けゆく空にも 輝くよ
Naviagatoria 彷徨う小舟を 見守って 導いて
Naviagatoria 眩しいあなたを 見上げて 何も恐れない旅へ 遠く 遠く




睡恋


こぼれ落ちた泪ひと雫
水面に孤を描き出す
今もまだ胸に響くのは
もう失った幸せの歌

声もなく孤独に震えてる
麗し愛しき花よ
幾重にもまとった花びらで
その傷口を隠しているのでしょう


疲れ果てた心 かたく閉ざした蕾

微睡なさい
明日を夢見ては
夜にたゆたう睡蓮の蕾
透きとおる 淡い紅の
花ひらく時 恋が咲くのだから


砕け散った愛を集めては
欠片にまた傷ついて
くり返し痛みに耐えても
まだ眩しすぎた想い出に彷徨う

心色褪せたら 花は枯れてしまうわ

微睡なさい
この胸に抱かれ
私は闇を
照らす十六夜月
蒼白く優しい光で
あなたをすべて 包み込む様に

夜霧の揺り籠 そっと揺らして
愛しき想い口ずさむ子守唄
心枯れぬように 恋が枯れぬように

目醒めなさい夜が明けたなら
螺旋を描くすがた美しく
今はただ水面に消えゆく
水泡の様に嘆きを忘れて



西風の贈り物


ゼフェロスがフローラの手を取り踊ると
ティレニアの海は碧色に変わり 春が訪れます

憂鬱な冬は終わりを告げ 港は帰港した船達で賑わいを見せます
頬を染めて桟橋を歩くあの青年は 恋人の元へと帰るのでしょう


西から吹く優しい風で 空は晴れてゆき
長い眠りから目覚めた魚が そっと波間に顔を出します


ゼフェロスがフローラに愛の言葉を囁くと
花のつぼみは桃色にふくらみ 春が訪れます

汽笛が埠頭に流れ 港は異国へ向かう人で賑わいを見せます
希望と不安を抱きながら 開拓者太刀はまだ見ぬ土地を目指すのでしょう


西風は花と共に 新たな街へと向かい
燕は覚えたばかりの歌をうたいながら 新しい季節に歓喜しています







花帰葬


あてどなく ただ君は 彷徨いながら
冷えた心を震わせ 天を仰いだ

終焉の鳥が 高い空から刻を告げ
閉ざされた世界で 僕らはまた巡り合う

君を奪い去るその全てを 凍てつく街に捨て
永い哀しみの終わる場所へ 堅く手をつなぎ駈けてゆこう

白く 散り急ぐ花のように
朱く流れるいのちの上に 雪は止め処なく降りつもる

果てしなく続く この白銀の路
淡く儚い希望に 明日を夢見た

春告げの鳥は 泪の雫数えつつ
永久に繰り返される 流転を嘆いて謳う

君を慈しむその想いが 闇を導いても
罪に 穢れなき魂だけに 今 身を委ね生きる

創造主に 見放されたこの世界
風花の舞いに解き放たれ 雪解けに目覚め光さす

滅びゆく 生まれいづる 全てのいのちは 雪原に咲く花
箱庭の 小さな花
まるで白い幻のように 風に揺られる まま

喜びに 哀しみに 輝いて 包まれ 時は流れる











HOLLOW




闇とは我自身である
汝を憎悪し そして寵愛する

時は”永遠”の眷属である
理性こそが万物を束ねし女王
世界は綴れ織りの網にも似て
善き糸と交錯する悪しき糸
其れはにしても人間は 何と儚き存在

我等は常に 救済とは隔たれた棺に棲む
還らぬ月日への感傷ならば 心行く迄嘆くが良い
涙は孰れ枯れてゆく


束縛からの解放に喜び給え
新たなる呪縛へと親しみ給え
紅き果実へ唇を浸せば 甘美な蜜は咎の味


我らの存在を虚構と呼ぶのなら
一体何の理を真実と云うのか


光が闇を求めた刹那 全ての色彩は沈黙に染まり
其処に安息は介在しない
降り注いだ花弁は塵と成り果て
僅かな傷跡さえも残しはしない

汝の荊を嘲笑い給え
血塗られた王冠を崇め給え
如何に藻掻き振り払おうとも 闇は拭えぬ痣と同じ


喉の渇きを癒し給え
己が躯の命ずる儘に
溺るる程に飲み乾した後
飽く無き虚は充足される