『また会える?』
まるで夢の中にいたみたい、というけれど。夢というにはその言葉に含まれるふわふわとしたたゆたうような感触は僕にはなかった。鉄のカーテンを突破したのはギル君側からだったけれど、あの熱気と歓喜に包まれてすら、彼は口の端を少し上げただけだった。そして言ったんだ、さて俺様は何者になる?

カーテンは開かれた。その先には懐かしい顔、会いたかった顔が連なっている。ギル君は目を細めて、その顔ひとつひとつを愛おしげに眺めていた。ブラウン管のこちら側から、ね。僕は嫌われちゃうなぁ、呟いた時も視線は外さなかったけれど、嫌っちゃうなぁ、言ったその声は僕と会話を楽しむようだった

優しい言い方をすれば質素、酷い言い方をすれば劣悪な環境だったと、それは認める。僕は何でも出来ると思っていたし、僕には確固たる敵がいたし、はっきりと周りが見えていなかった。けれど、お前は最悪だ、どうしようもない、本当に酷かった…言ったギル君は笑っていた。それだけが僕の励みだ

夢の中にいたのはここからで、ギル君がさようならを言うまでの記憶が僕にはふわふわとたゆたうように感じる。だからきっと、ギル君が。ギル君だけが僕にとっての現実だったのだと思う。それは今思えば、危険な事だよね。ごく個人的すぎるから

また会える?僕は聞いたよ、さようならを聞きたくなかったから。そしたらギル君は急に怒り出してね、お前は俺に与えなければならないと言うんだ。責任を取れ、未練を残したら何処にもいけない、俺に問いかけるな行動しろ!って。ギル君が僕の前で、カーテンが引かれてから初めて怒った

彼は今、右足を彼の愛する大地に置き、左足を僕の愛する街に縛られている。凍らない海、なんて素敵だろう。ギル君の一部は僕に属し、未練を残し続けている。なんて素晴らしいだろう。僕はもう問いかけないよ、ギル君。君とは必ず、また会えるんだから

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