騎乗位





髪の毛を弄る指が、自分でも何をしているのかわからないようで笑える。ギルベルトがイヴァンのつむじに鼻を押し付けて、髪の毛を弄って、抱き上げられた不安定な体勢など気にもしていない。必死でしがみ付こうともしないし、素振りも見せなかった。ただ腰に絡んだ足だけが、先を急かすように少しだけ食い込んでいる。
「そんなに足に力入れちゃ」
がちりと尻の肉を持ち開きながら、イヴァンがふと笑った。
「いくら柔らかいギル君のここも、締まってなかなか入らないんじゃない?」
薄いギルベルトの尻たぶに、指が食い込むくらい強く掴んで開きながら。言いはしてもイヴァンは、入れないという選択をしないだろう。白昼に晒されたアナルもまた、はくはくと蠢くそこも、入ってこない想定などしていない。
イヴァンの柔らかい髪に絡んでいた指がすと離れ、漸く背に回された。片腕だけ、左腕だけ。体を少し反らして、イヴァンの顔を覗き込むような体勢で。開いた右手が、尻に食い込むイヴァンの手に触れる。
「嘘だろ、俺のケツがどんだけお前のちんこにだらしないか、知ってるよなぁイヴァン」
ギル君の体で一番僕に従順な場所、っていつも言う
呟きながら鼻にかしりと犬歯を当てるギルベルトは、これで煽っているつもりなのか。何時も通りすぎてよくわからないけれど。促すようにイヴァンの指に爪を立てる仕草は、とても可愛らしく感じたから。イヴァンは笑って、ゆっくりとギルベルトの腰を落としていった。
亀頭がひたりと当るだけで、何を言わなくてもギルベルトがカリを押さえ、そのまま中に入り込むように促してくれる。
んっ
鳴った喉が、すっと落ちた瞼が期待に彩られているようだった。
先端が触れて、はくはくと開いていたアナルに亀頭が食い込んでいく。皇かな表面を、呼吸のたびに飲み込んでいく即物的な動き。
はっは…んぅ
甘ったるい吐息が後頭部から漏れ聞こえる。なんて甘えた生き物だろう。
きつい入り口が皺を最大まで伸ばしペニスをぐぷりとくわえ込み、カリが飲み込まれた瞬間くびれをぎゅっと絞める。亀頭はもう柔らかく絡む肉壁に包まれて、奥に促すように擦られて、たまらない。
ほら、ほらぁ
うわ言のように、歓喜に濡れた声がする。
「うん、本当にだらしない」
言えば、ぎゅっと締まるアナルに一瞬息を吐き、それから一気に。締まった入り口を強引に、竿がねじ開け広げて浮いた血管ごと。ぞわぞわとした快楽はとりあえず気付かないフリで、いつも亀頭が押し上げるところまで。
「ひぁぁあっぁ、ぁっ」
無理矢理ねじ開けたのに、途端仰け反ったギルベルトの背が更に体勢を不安定にして、またぎゅうと締まって。抜けそうになる腕の力を維持するだけでわりと必死。ざりと音がしたのは、ギルベルトの反った背が背後の岩に当ったからか。不平を言わないのは、痛みも今は気付かないからだろう。
後で文句言われるかなぁ
思いはしても、アナルは今がっちりとペニスを食んで離しそうにない。腰を突き上げるたび、きゅんと締まってだらしない襞が少しはみ出て。いっぱいいっぱい、咥え込んだ結果、証拠。
「がつがっ、ぃい、ぁ、いわん、ぎゅっ、ぎゅうぅ」
引きずられる襞をペニスに絡めて、刺激して煽って。それなのにギルベルトは抱きしめられたいらしい。反ってしまった背を自分で戻せないのか、戻そうとするたびくっきりペニスを感じて力が抜けるのか。ぱたぱたと手を伸ばして抱きつこうとして、それすら出来ていないギルベルトの顔はアナル以上にだらしがない。
笑いながら背を引き寄せると、今度こそ抱きついてきてほうと息を吐く。それなのにきゅんきゅんと小刻みに締まるアナルは、これからの期待を示しているようで。
「ギル君のえっち」
言いながら突き上げた。
ギル君のえっち、ギル君のえっち
「あっんん!ぁう、ゃ、やぅ、だっ、ちんこ、いわん、ちんこすきぃ、なん、ヒンッ」
そのたびに嬌声を上げ、きゅんと絞めて、先走りを擦り込まれては身悶える。本当に。
「ギル君の、ここ、僕に従順」
快楽に直結しすぎて、いやになっちゃう







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