藍子があの写真を見つけてから一月もたっただろうか。 ある日の朝。 「ママ、ごちそうさま。」 そう言いながら、翠は食べ終えた食器をいつものように台所へと運ぶ。 「あら、今朝はすこし早いんじゃない?」 「うん。今日、日直当番だから・・・。」 母の問い掛けに答えながら、彼女は食器を片つけると部屋へと戻っていった。 十数分後。 制服姿の翠がカバンを片手に玄関へと向かう。 「翠ちゃん、ほら・・・。」 藍子は娘を呼び止める。 「リボンが曲がってるわよ。」 翠に近寄り、胸元のリボンにてをかけた。 「ありがとう、ママ・・・。」 と突然、娘の口を感謝の言葉ごと『母』は自らの唇で塞いだ。 驚いたような表情の翠。 その口の中へと藍子は舌をするりと差し入れると相手の舌に絡ませる。 『娘』もその動きに合わせるように自分の舌を動かした。 「「んんっ・・・。」」 苦しそうとも心地良さそうとも聞こえる声が玄関に漏れる。 舌戯を施しつつ藍子は次の行動へと移す。 『母』の手の動きに翠は目を見開き唇を離した。 「ママ・・・、わたし、これから学校・・・。」 「ごめんね・・・、でもママ、どうしても『デザート』が欲しくて・・・。」 と、言いながら動く藍子の手は、 翠のスカートの中へと差し込まれ、ストッキング、そしてパンティの奥に潜り込んでいた。 「あんっ・・・。」 指の2本が『娘』のアナルを捉る。 藍子は躊躇することなくその内側へと指を挿しいれた。 「あうっ・・・、ママぁ。」 翠は『母』の愛撫に切なげな声を上げる。 ・・・あの日。 『母』が『娘』の味を知った後、満たされぬ淫欲に流された二人。 それ以来、彼女たちの関係は徐々に変化をしていった。 次の交わりはある夜のリビング。 身体を藍子に預けるように座った娘。 その触れる肌の柔らかさに『母』の手が伸びた。 3度目は日曜朝の藍子の寝室。 翠がいつまでも起きてこない母の様子を見にいったとき。 自らを慰めたまま眠ってしまった藍子の姿が『娘』を狂わせた。 時を選ばず身体を重ね、禁忌を破る背徳感が消え去ったのは、いつたった頃だろう。 今では愛娘を喜ばすため、そのアヌスを犯すことすらためらわなくなった藍子。 それは翠も同じ。 『母』を気持ちよくするため乳房をしゃぶり、 自らが生まれ出たところに望まれるまま指を這わす『娘』。 互いを思う心に変化はない。ただ、その心が淫らな色に染まっただけのこと。 『母』の愛撫によって翠の黒いストッキングは、股間のあたりの色が濃く変わっていく。 「・・・ママ、待って。今、脱いじゃうから・・・。」 その言葉に藍子が一旦離れると、彼女は“準備”を始めた。 下半身に身に着けているものは全て脱ぎ去る。 そして、家の奥へ向かうと何かを両手に持ち戻ってくる。 「ママ・・・。」 手にしていた一つを藍子に渡すと床の上に四つん這いになり、尻だけを『母』に突き出す『娘』 翠はもう片方の手に持っていたグラスは自らのラビアにあてがっている。 「お願い・・・。」 『娘』の期待の眼差しを受け、藍子は渡されたアナル用のバイブを肛へと突き立てる。 ラビアのためのものより細身のそれは、茜が翠にプレゼントしたもの。 細身とは言え、これまで愛撫に使った指などとは比べられない太さ。 初めて藍子がバイブの存在を知った時、母として咎めるどころか、 『娘』の尻穴がこんなものまで飲み込むことができるようになったことに感心してしまった。 「んっ、あ・・・。」 快感に身を委ね、牝として成長していく『娘』の姿に喜びを感じる藍子。 ひと月前には思いもよらなかった光景が当たり前のものとなっていた。 その日の午後。 仕事部屋を兼ねた寝室でコンピュータに向かう藍子。 あのあと、娘を学校まで車で送り届けた彼女は、“日常”へと戻っていた。 午前中のうちに家事を終わらせてしまい、昼からライターの仕事に取り掛かる。 「ふう。」 取材も含めて一週間がかりで、ようやく依頼されていた記事を書き終えた彼女。 一息ついて伸びをしたところに玄関の呼び鈴が軽やかに鳴らされる。 時間は午後2時半をすこし過ぎたころ。まだ、翠が帰ってくるには早い時間だった。 「はぁーい」 足早に玄関へと向かう藍子。 「となた?」 「あたしです。」 聞き覚えのある少女の声に扉を開けた。 「茜ちゃん、いらっしゃい。」 「こんにちは、藍子さん。」 藍子は『おばさん』と言われるのを嫌がり、 娘の幼い頃からの親友である茜には、名前で呼ぶように言い含めていた。 「こめんね。翠、まだ帰っていないのよ。」 「そうなんですか・・・。」 茜はすこし考えるような素振りをみせた。 「よかったら、中で待ってる?」 「良いんですが?」 「構わないわ、どうぞ。」 「それじゃあ、お邪魔します。」 藍子に促され玄関を潜る茜。 その時、少女の表情が微妙に変化したのを、藍子は気づくことは無い。 リビングのソファに二人並んで腰掛ける。 娘と一緒に卒業以来、久々に会ったこともあってか話しは弾んだ。 そんなな流れの中で、話題は翠のことに移っていく。 「そういえば、翠って最近、変わりましたよね?」 「え? どんなふうに?」 「うん、なんて言うか、大人っぽく・・・、女っぽくなったような・・・。」 茜は何気なくそう表現したのだろう。 だが、藍子はその言葉に強い衝撃を受けた。 誰にも知るはずの無い『娘』の、そして母子の秘密。 まるで、そのことを指摘しているように彼女には聞こえる。 「まぁ・・・、翠も上の学校に進んだから・・・。」 逃げるような言葉を吐く藍子に茜は一瞬、冷たい視線を投げた。 会話が途切れたところで、茜は不思議そうに部屋を見回した。 「どうかしたの?」 「藍子さん・・・。この匂い、なんの匂い?」 言われてみると、確かに覚えのある匂いが微かに漂っているような気がする。 「・・・わたしは、何も感じないわよ。」 冷静を装い答える藍子だったが、心の内は激しく揺れた。 覚えのある匂い、それは“母”と“娘”が交わった証の匂い。 この部屋でも幾度と無く愛し合っていたからのだから、もしもということもあり得る。 藍子はそっと辺りに視線を向けたが、匂いの元になるようなものを見つけられなかった。 「そうかな・・・。」 と言って、茜は藍子のほうに顔を向けた。 「茜ちゃん、大丈夫?」 茜は瞳を潤ませ、少し顔を赤らめている。 「うん・・・、なんだか身体が熱くなってきちゃって。」 そう言うと、トッと藍子に身体を預けてきた。 その途端、先ほどから漂っていた“牝”の匂いが強くなる。 (この子、匂いに興奮しているの?) 思わず息をのむ藍子。 「どうしたのかな・・・。」 上目遣いにこちらをみる少女の艶かしい表情に鼓動が高まる。 (ダメよ!) 藍子は必死に湧き上がる欲情を抑えようとする。が・・・。 「藍子さん・・・、どおしよう・・・。」 戸惑うような茜の様子に彼女のなかで張り詰めていたものが切れた。 「・・・わかったわ。」 藍子は、茜の顎を支えるように手を当てる。 「私の言うことを聞いてくれるなら、その火照りを収めてあげるど・・・、どう?」 「うん・・・。」 少し不安げな表情を浮かべながらもコクリと頷いた茜。 藍子はそんな少女の顔にゆっくりと自分の唇を近づけていく。 (かかったわね・・・。) 下着の上から優しく秘部を撫でる藍子の指先に甘い吐息をもらしながら、茜は心で冷たく笑う。 藍子の目にこれまでの彼女は、性の知識などほとんどない初な娘に見えていただろう。 とりあえず、今は藍子の性戯に身を任せればいい。 全ては行いが終わったあと。 「あんっ!」 ラビアに直接触れる藍子を感じて、思わず声をあげる茜。 「茜ちゃんの声、かわいい。」 藍子の上気した顔を見つめる茜の潤んだ瞳の奥には別のものが写っている。 作り変えられた恋人とその母親の関係。 そのことを緋から告げられた茜の様子は無残なものだった。 「大丈夫、翠の貴女への気持ちは変わっていないから・・・。」 顔色を変え立ちすくむ彼女をそっと抱きしめた緋は、耳元でそう呟く。 「でも・・・。」 「今の翠にとって、愛おしい女と肌を重ねることは当たり前のこと。」 「・・・。」 「それは茜、貴女も同じでしょう。」 その言葉に茜の身体がピクッと微かに震える。 もしも、翠と同じ立場だったら。 (翠様のように躊躇ったりせず、受け入れていたかも・・・。) 人がいう“常識”のなかで生きていくことが叶わなくなった自分を改めて思う。 「でも、茜・・・。」 緋は茜から少し身体を引いた。 「翠の立場がどういうものか、解っていますね。」 「はい・・・。」 小さく答える茜の身体にいつものが巻きついてくる。 「とは言え、藍子を排除するの可哀想ですから・・・。」 激しい快感の中にある茜に緋は一つ、命を下した。 茜の股間に顔を埋める藍子。 ペチャペチャと水音と荒い吐息が部屋に響く。 「・・・翠のほどではないけど、あたしの蜜もおいしいかしら。」 突然、嘲るような口調の言葉を浴びせかけられ、藍子は動きを止めた。 恐る恐る顔を上げると、薄笑いを浮かべた茜が見下ろしている。 「それとも、初めて知った女の膣の舌触りがそれほど良かったの?」 さっきまでの、初めてアクメを知ったような愛い愛いしさの欠片も感じさせぬ彼女の様子。 「あ・・・茜ちゃん?」 あまりの茜の変貌に、藍子は思わず後ずさった。 「翠の感度がこのところずいぶん良くなったと思ったけど・・・、よく分かったわ。」 藍子はその一言で、心に絡まっていた疑問が全て解けた気がした。 「あの子がアナルを知ったのも、もしかして・・・。」 「そう、あたしが教えてあげたの。」 さらりと答えた茜は、続けて言う。 「翠は、初めてのときからお尻でしかイッたことがないのよ。知ってた?」 「・・・。」 幼い頃からよく知っていたはずの少女が、 娘を異形な性の道に引き込んでいたことに藍子は愕然とした。 「いまさら何を驚いているの? 藍子さんだって、喜んで翠のアナルを犯していたじゃない。」 「う・・・。」 これまでの行いを露骨に指摘され、言葉に詰まる藍子。 そんな彼女に茜は身体を寄り添えると、耳元へ口を近づけた。 「いいじゃないですか・・・、こうすることで、ずっと翠様のお傍にいられるのですから。」 言葉使いの変化に違和感を感じた藍子は、茜の顔を見た。 しかし、茜はまったく別のほうへと視線を向けている。 「そうですよね、緋様。」 彼女の呼びかけと同時に藍子、もう一人の気配を感じた。 「あなた・・・。」 突然、現れた女性。 その耽美な容姿が眠らされていた藍子の記憶を揺り起こした。 「さ、藍子さん。行きましょうか。」 茜はぎゅっと藍子を抱きしめる。 「貴女には、いろいろと教えなくてはなりませんから・・・。」 藍子に緋の言葉は届いたのだろうか。 ただ彼女がその時に覚えているのは、緋の背後から異形のものが自分へ向かって伸びてきたことだけだった。 ・・・・・・・・・・。 「ただいま。」 翠が帰宅したのは、陽が傾き始めた頃。 玄関に入ると、見覚えのある靴が置かれていた。 「翠、おっかえり。」 リビングから飛び出してきた人影に翠は驚いた。 「茜ちゃん!?」 靴を脱ぐのももどがしく、愛しい人へ駆け寄る彼女。 「どうしたの?」 「うん、早く学校が終わったから、もしかして翠がいるかなと思って来てみたの。」 「そうなんだ。」 と、翠はふと、他に人気が無いことに気付いた。 「あれ?ママは?」 「あぁ・・・、藍子さんなら急な取材があるとかで出かけたよ。2、3日戻れないかもしれないって。」 「え? そうなの?」 母が数日も家を空けるのは、久しぶりのこと。 急に寂しさがつのる翠に茜は言う。 「それでね、あたしも一緒に留守番することになったから。」 「ほんと!?」 「うん。」 翠は飛びつくように茜に抱きついた。 当たり前のように二人の唇が重なる。 これからの時間に期待するかのように、二つの舌はねっとりと絡み合った。
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