作品名 作者名 カップリング
「佐々岡先生の遊び方」 トマソン氏 -


「だ~る~ま~さ~ん~が~こ~ろ~ん~だ!」
 セリフが終わると同時に、落ち着いた雰囲気を持った美人が振り返った。セミロング
の輝くような金髪がひるがえり、鋭い視線が子供達に注がれる。
 だがその一瞬前に、にじり寄っていた子供たちはぴたりと動きを止めていた。

 ここはひだまり幼稚園。ある晴れた早春の一日のこと、いちょう組の担当の先生、
佐々岡アヤは子供たちの面倒を見ていた。というか一緒に遊んでいた。

「だ~る~ま~さ~ん~が~こ~ろ~ん~だ!」
 もう一度、木の幹に顔を向けた佐々岡アヤ。セリフが終わると同時にバッと振り向く。
 再び、園児たちの動きがぴたっと止まった。
 どんな僅かな動きも見逃すまいと佐々岡アヤは子供達を見回したが、子供達は見事な
ストップモーションを披露している。息まで詰めているようで、腹さえ動かない。男の
子の一人に至っては、地面に降りる直前の脚が、魔法のように空中に止まっていた。
 弱冠5歳にして、難易度が高い技を身につけているものである。

「微動だにしないわね」
 子供達に流し目を飛ばし、ついでにシナを作る佐々岡アヤだが、所詮、相手は幼稚園
児。流し目に反応するはずもない。ていうか、いくらなんでも、「微動だにしない」な
んて言葉を知っている幼稚園児がいるのか?




「……でも、次はどうかしら」
 自信ありげな微笑を浮かべた佐々岡アヤ、何を思ったか、そばで見ている女の子に
頼んでラジカセを持ってこさせると、何かのテープを再生した。ついで再び顔を木の
幹に向ける。
「だ~る~ま~さ~ん~が~」
 その刹那、ラジカセからおかしな雰囲気の曲が流れ始める。

じゃららーん。た~り~ら~♪

 流れ出したのは、佐々岡アヤのお気に入りの曲。言うまでもなく、かつてストリップ
ダンサーだったときの十八番のメロディである。
「こ~ろ~ん~だ(はあと)」

 佐々岡アヤが振り向く。ぽっと桜色に染まった顔が子供達の方を向いた。
 普段はどちらかといえばニヒルな彼女の、色白な細面のうりざね顔。だがこれが赤く
上気すると、通常の三倍の色気を発揮するのだ。ってシャ○専用かよ。

た~ら~り~♪

 ラジカセから玄妙な音楽が流れ続ける。
 アヤのスラリとした長身がくねり、シナを作ったと思うまもなく、彼女はブラウスの
前を思いきり左右に開いた。木の幹のほうを向いていたわずかな間にボタンを全て外し
ていたとは、恐るべき早業。
 石になったかのように動かない園児達を前に、佐々岡アヤの真っ白な素肌が一気に面
積を広げた。この肌で何人の男を惑わしてきたのか、シミ一つないしっとりとした素肌
である。そしてあらわになった、胸の隆起をかろうじて隠す純白のプラジャー。
 彼女はそこで一瞬動きを止め、観衆に一人一人にアイコンタクトを送った。

ら~る~♪

 続いてアヤは、音楽に合わせて腰をくねらせながら背中に手を回し、ブラのホックを
プチンと外した。
 肩と腕にひっかかっただけのブラウスはそのままというあたりがフェチ心だ。
 整った形の隆起を頼りなく覆う二つのカップは、今や首からの紐でぶら下がっただけ
となり、今にも風に浮きそうだ。彼女は恥ずかしそうに掌でカップを押さえ、目を細め、
身をくねらせて甘い吐息を漏らした。
「ああ……」
 あとは彼女がほんのすこし両手をずらせば、幾多の男を夢中にさせてきた、柔らかく
張った乳房と、その先端に息づく可愛い乳首に、多くの視線が突き刺さるだろう。
 しゃれた花模様の刺繍がなされたカップが、押さえるたおやかな手ともども、ゆっく
りとずり上がっていった。





 そのとき。
 ドガァッ!! 
 園庭のもう一方の端から全力疾走してきた宮本レイコ先生が、見事な踏み切りから
空中で体を一回転させつつ、脚を鉈のように振り回してアヤの胸板に叩き込んだ。
 フライングニールキックを食った佐々岡アヤの体は吹っ飛んで地面に倒れた。両腕で
地面を叩き、見事な受身を見せたアヤだったが、当然の結果として、ブラジャーを押さ
えるほうはお留守になり、純白のカップは柔肉から飛び散った。
 まだ寒い空気の中、見事なお椀型の隆起がぷるんと弾け出た。
「きゃあっ! ……ちょっと、何をするんです。見えそうで見えないところでやめて
おくつもりだったのに」
 いつのまにか頭に絆創膏を貼った佐々岡アヤが、上体を起こす。宮本レイコの運動能
力もすごいが、この攻撃を食らって平気な顔をしている佐々岡アヤもすごい。
「あ~、ささおかせんせいのオッパイ~」
 男の子達がたまらず、もっとよく見ようと佐々岡アヤに走り寄った。が、それを見逃
す佐々岡アヤではなかった。弾け出た乳房を腕で隠すと、子供達に勝ち誇った笑みを向
ける。
「あ、ヨシオ君にタカシ君、動いたね」
「あ~っ! 負けちゃった~!」
 この女性はイロモノであると同時に、本当に負けず嫌いなのだ。



 一方の宮本レイコはそんなことより言うことがあった。
「そうじゃないだろおおお! 子供達に何を見せるんですか!」
「だって、子供達に動いてもらわないと負けちゃうし」
「だからってどうして上を脱いだりするんです!!」
「だって、このくらいの子供たちはまだ、下よりおっぱいのほうが興味があるでしょう
から下は脱がずに上を」
「そうじゃなくて! 脱ぐんじゃないと……あ……」
 幼稚園の門のすぐ外にいた、郵便配達の若い男の姿が宮本先生の目に入った。
 しばし石化したまま佐々岡アヤのストリップを凝視していたらしい彼は、宮本先生と
目が合い、あわてて立ち去ろうとした。
「あ、いやあの……失礼……」
 目が血走っている。そりゃ、若い男があんなもの見せられたらねえ。
「あああ、あの、これは違うんです~」
 あわててフォローしようと走り寄った宮本だが。
「いいい、いや、なな、なにも見てません、はい。失礼します、はい……」
 郵便配達人は前かがみになりがら、キョドりつつ去っていった。
「ああ~待って~……行っちゃった……ど、ど、どうしよう~?! ひだまり幼稚園に
変な噂が立って、子供達がこなくなっちゃったら……」
 泣きそうな表情で佐々岡アヤのところに戻ってきた宮本レイコ。
「あ~あ、失敗しちゃった」
 佐々岡アヤは着衣を直して立ち上がり、残念そうにぺチンと自分の額を叩く。
「もうっ、やっと分かってもらえました? こんなところで服を脱いだら」
「子供達以外に見せるんだったら、お金取れたのに」
「だからそうじゃないだろおおおお!!」

 そこへ長渕ハジメ園長の妻、ミナコが走り寄ってきた。これまた目が血走っている。
(あ、奥様……園児が減ったら園長先生と奥様の生活だって危なくなるんだし、佐々岡
先生に注意してくれるよね、きっと)
 ───などという宮本レイコの期待は甘かった。

「佐々岡せんせえっ! どうか私を弟子に!!! ウチの主人がああなるなんて、なん
て久しぶりかしら? ぜひその秘訣を私にも!!!」
 ずっこける宮本先生の目に入ったのは、園舎の前で前かがみになって股間を押さえる
長渕ハジメ。この幼稚園の園長先生である。
「あ、いやあのこれは……何でもないんだ、うん。佐々岡先生、宮本先生が言うとおり、
こんなところで脱いでもらっちゃ困……」
 必死でごまかそうとするハジメだが、佐々岡アヤは聞いちゃいない。
「あら、園長先生でさえそうなるとは、光栄ですわ。私ったら、回春マッサージのお仕
事も出来そうね」
「お願い、どうか私にご指南を! 心構えとか視線の配り方とか、下着の選び方とか!」

(あああ……駄目だ……_| ̄|○)
 四つんばいになってヘコんだまま、立ち上がる気力もない宮本レイコ。
 今日も今日とてひだまり幼稚園は平和だった。

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