作品名 作者名 カップリング
「冬休みのある日」 トマソン氏 -


「お兄ちゃん、これ買い物のメモね。今夜はおでん、明日はラーメンにするね」
「ああ。めっきり寒くなってきたし、暖かいものが食べたいな」
 冬休みに入ったある土曜日。
 城島シンジは、妹のカナミから買い物を頼まれたところだった。メモを受け取り、
自宅を出ていつものスーパーに向かう。城島家の日常の光景である。

 スーパーはそこそこの客入りで賑わっていた。中に入ったシンジは、プラスチックの
カゴを手に取ると、メモをポケットから取り出す。
(えーと……)
 メモに目をやると、なんというか、実にカナミらしいラインアップが並んでいた。

キュウリ
ニンジン
ごぼう
大根
こんにゃく
おでんの具(玉袋に似てるヤツ)
お○んこ
生○ーメン

(……まあ、いつものことか)
 シンジはもはやカナミのエロボケには慣れっこで、冷静にスルーした。スーパーの
店内をあちこち回り、必要なものをカゴに放り込む。手に提げたカゴが次第々々に重く
なっていった。
(よし、これで全部だな)
 カゴの中を指差し確認してレジに向かったところで、シンジは向こうから歩いてきた
女性とぶつかりそうになった。
「おっと、すみません。……て、あれ?」
「あら、偶然ね」
 危うく衝突しかけた相手を見ると、メガネをかけたショートの黒髪の女性。高校の
クラス担任にして、化学を教わっている小宮山先生だった。
 小宮山先生、シンジが手に提げたカゴの中を見やり、ピシ!と親指を立てる。
「妹さんにプレゼント? いいお兄ちゃんね。でもアナタ自身はこんにゃくでいいの?」
 彼女がカゴの中に見たものといえばキュウリにニンジン、ごぼう、大根、そしてこん
にゃくとあって、いかにも小宮山先生らしいエロボケではある。
「全部、食べるんです」
 既にこの事態を予期していたシンジは律儀なツッコミで返した。が、小宮山先生は
この程度では撃退に至らない。
(全く、お約束なボケを……うおっ?!)
 シンジはビクッと身を震わせた。柔らかく暖かい何かに下半身を揉まれ、全身に電流
が走る。
 あわてて下を見ると、小宮山先生の手がいつの間にかシンジの股間に伸び、にぎにぎ
と閉じたり開いたりしていた。小宮山先生は手を引っ込めると、ニヤニヤと笑みを浮か
べてシンジの目を覗き込む。
「そんなニセ物より、実物を味わってみない?」
「……ていうか今、ありえないことしましたね?」

 などとスーパーの真ん中で漫才をしてしまったのは余分だったが、シンジはようやく
のことで小宮山先生の追及をかわし、ビニル袋をぶら下げて無事帰宅した。




「ただいま〜」
「お帰りなさい、お兄ちゃん。全部あった?」
 帰宅したシンジをカナミが迎えた。袋を受け取り、中を確認する姿は真面目に家事に
いそしむ女の子そのものだ。が、このメモは兄として放っても置けまい。
「あったけど、それよりなんで伏字なの?」
「お兄ちゃん、好きでしょ?」
「好きだよ、おしんこもラーメンも」

 そこに居間から黒田マナカが顔を出した。シンジが不在の間に遊びに来たらしい。
「お兄さん、お邪魔してます」
「やあマナカちゃん、いらっしゃい」
 マナカはシンジが手にしたメモにちらりと目をやった。もちろんカナミのエロボケは
一目で見破る。
「あらお兄さん、おま○こも好きなんでしょ?ザ○メンを出すのも」

───空気が凍りついた。
 というか、「おま ピー こ」という発音はどうかと。

 いの一番に立ち直ったのは、普段から付き合いの深いカナミ。
「……マナカちゃん、女の子なんだから、おまん○とかザーメ○とか言っちゃ駄目だよ」
「あらやだ、私ったら」
 ポッと赤くなるマナカ。
「ていうか、お前も言ってるぞ」
「あ」
 カナミもまた顔を赤らめた。マナカともども、こうやってしおらしくしていれば可愛
いのに、どうしてこう無駄にエロいのだろう?
 いつもながらの感想に内心で嘆息したシンジに、カナミが追い討ちをかける。
「……でも、お兄ちゃんだって、アナル好きなのは知ってるけど、○まんこだって好き
でしょ?」
「その話はやめろ。……ていうか、そこを伏せてもぜんぜん伏せてねえ!!」


 その晩のおでんに入っていたこんにゃくには、なぜか怪しげな切れ目が作られており、
円柱形に切られた大根(丸められた先端に割れ目入り)が刺さっていたとか。

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