作品名 作者名 カップリング
「先生のつまみ食い」 トマソン氏 小宮山×シンジ

(プロローグ)
「ピーピー……」
 アパートに目覚まし時計のアラームが響く。時計が示す時刻は朝5時。
「ん〜……」
 小宮山先生は、腕を伸ばして目覚ましを止めると、ベッドから抜け出し、大きく
伸びをした。
 寝間着のネグリジェをするりと脱ぐと、彼女にしては地味なコットンのショーツ
一枚のみを纏い、あとは体を覆うものとてない、美しい半裸の体があらわになった。
 肌着のタンスに手を伸ばし、これまたコットンの白いブラジャーを身につけると、
洗いざらしのTシャツの袖に手を通し、再びタンスに手を伸ばすと紺色のブルマを
取り出し、すらりと締まった脚を通す。
 ちなみにブルマは、誰とも知れない生徒の落とし物。落とし主不明の拾得物を
もらってきたものだ。
 鏡に映った自分の姿を眺める。
「ふふ〜ん、アタシもまだまだいけるじゃない?」
Tシャツとブルマの健康的な姿を鏡の中に確認し、姿見の前でくるりと一回りすると、
小宮山先生はソックスを履いて戸口に向かう。
 運動靴を履くと、彼女は軽やかな足取りでさわやかな朝風の中へ、最近始めた日課の
ジョギングへと出ていった。

 朝6時。
 ジョギングをすませ、軽くシャワーを浴びた小宮山先生は朝食の卓についた。卓に
並ぶのは、ご飯に味噌汁、あとは納豆の小鉢。
「朝はやっぱり納豆ね〜」
納豆を箸でかちゃかちゃとかき混ぜる。
「でも、ジョギング始めて良かったわ〜、体調はいいし、体は軽いし、ウエストも
なんだか締まってきたみたい〜♪
あっと、納豆の糸が手についちゃった……
あらっ!?手についたらものすごくエロい感じに〜!」
指を開いては閉じて、指の間に伸びる、にゅちょにゅちょとした糸をいたずらっぽい目
で眺める。
 が、その仕種もすぐにため息に変わった。
「(……は〜。ツッコむ人いない……なんだか寂しいなあ……)」
 体調も良く毎日が楽しい小宮山先生であったが、そろそろ身を固めたい、と思う今日
この頃であった。

「(でも、身を固めるといっても、誰がいるかしら? 今アタシの回りにいる中だと、
候補になるのは後輩の坪井先生か……あとは高校生男子。坪井君もダンナにするには
まだ早い気がするし、高校生はつまみ食いはしてもいいけど、ダンナには流石に
ちょっとねえ。
……そうねえ。とりあえず、若い男の子でもつまみ食いしようかしら?)」
 視野を広げて、まじめに結婚相手を探すほうには発想が回らないらしい。


 その日の午後。小宮山先生は科学準備室で、コーヒーカップを傍らに、
書類に目を通していた。
そこへ、コンコンとドアがノックされる音がする。
「どうぞ〜」
ドアを開けて入ってきたのは、彼女と親しい生徒の1人、化学のみならず、
風紀委員会でも面倒を見ている、3年生の城島シンジ。
「先生、プリント持ってきました」
「ごくろうさま……あっ!」
プリントを受け取ろうとした手が机の上を平行移動し、偶然コーヒーカップを
払いのける形になる。
ガチャン!カップが机から落ち、小宮山先生のスカートに熱いコーヒーが飛び散った。
「熱っ!!……」
「だ、大丈夫ですか?ヤケドは?」
 慌てて、こぼれたコーヒーを台ふきんで拭いとったが、スカートの染みは消えない。
いやそれより、その内側の肌が心配だ。
「分からないわ、見てみないと……」
 小宮山先生は立ち上がり、やけどの具合を確認すべく、スカートの脇のホックを外し
ファスナーをおろす。そしてスカートの脇の部分を持ち、落とそうとしたところで、
すかさずシンジの手がそれを止めた。
「……なんで止めるの?」
「スカート下げるより上げたほうが、オレはいいと思う」
「あら、アタシのスカートの中なんか、見たくないってこと?」
「……?!」
「冗談よ。裾を少しだけめくるから、手を放して」
シンジは一瞬ドキッとさせられたが、言われるままに手を放した。

「……なーんてね」
 小宮山先生の手はつまんでいたスカートの脇を離す。布地はするりと下に落ちた。
「!?」
 シンジも油断していたわけではない。小宮山先生が何をしようとしているかを
見て取った瞬間、すかさずもう一度手を伸ばし、スカートを押さえようとしたが、
ほんの一瞬間に合わなかった。
 下に落ちたスカートを押え損ねたシンジの指がつまんで押さえたものは……
小宮山先生の、意外と清楚なシルクの白いショーツ。
「あ?!」
 自分が何をつまんでいるかに気づいてシンジは石化した。
「あら、もう脱がしたいの? 焦っちゃ、駄目よ〜?」
 ショーツを男につままれながら、マイペースの小宮山先生であった。

 そこに折り悪しくドアが開き、時々、小宮山先生に恋愛相談を持ち掛けてくる
一年生女子、叶ミホが入ってきた。
 いや正確には、入ってこようとして固まった。
「こんにちは小宮山先生、また相談に乗ってくだ……?!#$%&」
ミホは目の前に広がる情景に息を呑む。
 椅子から立ちあがったところとおぼしき小宮山先生は、スカートは床に落ち、
下半身を覆い隠すのはショーツとガーターベルトのみ。
そして、ショーツの布地の左右をつまんで、今にも剥きおろそうとしているように
見える学生服の男性は……ミホの片思いの相手、城島シンジ!
「お、お邪魔しましたー!!!」
叶ミホは気が動転し、ドアをバタンと閉め、全力疾走でその場を逃げ出した。
「あらあら、急な展開だったから、鍵かけるの、間に合わなかったわねえ」
 小宮山先生はすっとぼけたものだ。

 城島シンジはようやく石化状態から開放された。
(とにかく、あの子の誤解を解かねば!)
 慌ててショーツから指を放し、逃げだした女の子を追い掛けようとした。が、
小宮山先生の腕と脚が後ろからコブラツイストで絡み付く。
「あ痛ててて!離してください!いや、離せ!一体何をしているんだ!
あの子の誤解を解かないと……」
「解く?誤解を解くんじゃなくて、正解にしちゃえばいいじゃない? ふうー……」
小宮山先生はシンジの耳に甘い息を吐きかけた。
「のわああ!先生、離して下さいってば……むぐ……」
 首を回し、小宮山先生に顔を向けた瞬間、小宮山先生の唇がシンジの唇を奪った。
 同時になにか苦い液体が口の中に流れ込んでくる。
「む……むが……」
 首を振り、ようやくのことで小宮山先生の唇を振りほどき、続いてコブラツイストを
振りほどいて、改めてダッシュをかけるべく腰を落としたところで、シンジはそのまま
床にへたり込んでしまった。
「(な……なんだ、視界がぐるぐる回って……)」
「あら、すごい効き目ねえ。口移しで、ちょっと薬を飲ませたんだけど……」
「(な、なんつーことを……)」
 動かぬ筋肉を無理に動かし、シンジは小宮山先生を睨み付ける。が、小宮山先生は
涼しい顔でその視線を受け流した。
「あら、あんなに熱烈に飲ませて上げたのに、まだご不満?それじゃ、これから
ゆっくり満足してもらうわね♪」
「(一体、何を……)」
「今飲んでもらったのはちょっとした痺れ薬ね。でも量が足りないから、改めて、
本格的な痺れ薬と、それとこの媚薬を飲んでもらうわね?」
 小宮山先生は科学準備室の鍵を閉めると、改めて痺れ薬と、続いて、「媚薬」と
書かれたビンから白い粉を口に含み、今は痺れて床に横たわるシンジの唇に体ごと
覆い被さり、改めて唇を合わせ、薬を口移しで飲ませた。


「む……むぐ……」
 苦い薬が先生の唾液に混じって喉に流れ込んでくる。呼吸が出来なくなったシンジが
たまらずそれを飲み込んでしまうと、その喉の動きを確認した小宮山先生はシンジに
馬乗りになったまま、妖艶な笑みを浮かべた。
「城島君……今日はあなたをつまみ食いさせてもらうわね。後腐れはなしだから、
心配しないでね?……ゆっくり楽しみましょ♪」
 シンジは意識と聴覚、触覚ははっきりしていたが、体は動かず、声を上げることも
出来なかった。
(一体なんなんだ、この痺れ薬は?悪魔の薬か……?!)
 とはいえ、シンジには強烈な刺激が加えられ、深く考える余裕などなかった。
 若い女の体がシンジの体の上にのしかかり、シャンプーの匂いがシンジの鼻腔を
くすぐり、胸には女の乳房が圧力を加え、暖かいガーターベルトと太腿の感触が
ズボン越しにシンジの脚に伝わってくるのだ。

(……でも床じゃ痛いし、あんまりねえ……)
 シンジの体は重過ぎて、持ち上げるのは小宮山先生には無理だ。仮眠用のマットを
床に敷き、苦労してシンジの体を引きずり、また転がして、マットの上に横たえた。
 小宮山先生はマットに大の字のシンジを画面に納めるように三脚とビデオカメラを
設置すると、テープを回し、一部始終を記録し始めた。
「そろそろ薬も効いてきたようね」
 シンジの制服のズボンの前に、テント状の隆起を見て取り、小宮山先生は嬉しそうに
微笑んだ。
「ちゃんと気持ち良くさせてあげるから、安心して身を任せてね。
それに、プレイの模様はあのビデオで撮影するけど、個人用途にしか使わないから、
安心してね?」
「(この変態は……つまり、俺を逆レイプってか?……さっき飛び出していった
あの女の子が助けを呼んでくれればいいが……)」

 シンジの願いも空しく、叶ミホはその頃、屋上の片隅で1人、すすり泣いていた。
「せ、先輩……小宮山先生……ひどすぎます……ひくっ……
これじゃ、小宮山先生に恋愛相談してた私って、私って……まるでピエロ……」


 小宮山先生はマットに横たわって動けないシンジを見下ろすと、
「うふふふふ……」
と舌なめずりをした。マットの上、シンジのとなりに腰を下ろし、続いてシンジの
ワイシャツのボタンをゆっくりと外していき、あらわになった色白のシンジの胸に
頭をうずめる。
 そのまま首筋にキスの雨を降らせ、指先で乳首を弄ぶ。ついでシンジの乳首を口に
含むと、舌が乳首を這い回り、ねぶり、吸った。
「(う……、これは……)」
 流石は百戦錬磨の小宮山先生。絶妙の舌使い。シンジの興奮はジェット戦闘機にも
劣らぬ上昇力で高まっていく。
「(しかも……あの媚薬のせいか……異様に体が熱い……)」
 小宮山先生は次いで下半身に手を伸ばし、ズボンのベルトを外し、ついでにズボンの
ボタンも外し、ファスナーも下げてしまった。
 股間のテントの邪魔をものともせず、ズボンの裾を持って引っ張り、ゆっくりと下に
脱がせていった。見事な隆起を示したトランクスが現われる。
 トランクスの割れ目に指を入れ、そっと開き、シンジの男根をその割れ目に通すと、
シンジの天を向いて屹立した男性自身が、ついに小宮山先生の前に現われた。
「(……そ、そこは……)」
 シンジはパニクったが、どうにか出来るわけでもない。
「まあご立派♪……でも、まだまだ色は綺麗ね……あなた、童貞?うふふ……
子供じゃないんだから、捨てられるものは早く捨てなさいね、昔の雑誌とか、
空のペットボトルとか、童貞とか。
あなたのはアタシがもらってあげるからね。まずは、味見味見、と……」


 小宮山先生はそっとシンジの男根に口に近づけた。舌を伸ばし先端をつつき、
続いて周囲をゆっくりと舐めまわす。
 裏筋、玉袋の辺りも漏らさず、しばし舌を這わせる。
 小宮山先生は上目使いで切なそうにシンジを見つめた。
「やっぱり若いっていいわぁ……このまま一回イカせてあげるね?」
 今度はシンジの男根を口に含み、カリの内側、先端の割れ目と、所かまわず舌で
刺激しつつ、口腔全体でバキューム攻撃を開始した。
「(ぐ……む……悔しいけど、気持ちいい……うっ……)」
 シンジの昂ぶりはあっという間に限界点を迎えた。シンジの男根が断末魔のように
蠢動し、どくんどくんと小宮山先生の口内に男の精を吐き出す。
 小宮山先生は落ち着いてそれを口内で受け止め、ゆっくり味わってから、喉の奥に
それを流し込んで、ごくんと飲み干してしまった。
「うふふ、おいしい……若いから、量もたっぷり……。
次は、アタシを満足させてね……?」
 小宮山先生はシンジの男根が一旦力を失ったのをいいことに、トランクスをおろして
脚から抜き取ってしまった。
 シンジは前をはだけたワイシャツだけという情けない姿で、マットに横たわった。
 小宮山先生もまた服を脱ぐ。ブラウスを脱ぎ、これまたシルクのブラジャーを外すと、
巨乳というほどではないが、豊かな胸の隆起があらわになる。その先端に息づく
ブラウンの乳首は、経験人数の割りには綺麗なのだろうか?
 エロ本やAVでの学習経験は豊富だが、実物を見た経験がほとんどないシンジには
いまいち分からない。
 小宮山先生は身動きできないシンジの顔を胸の膨らみにはさみ、そのままゆっくりと
乳房の外側から揉み、シンジに刺激を与える。
「こんなのはどう?貧乳の子供には出来ないわよ?」
「(む、むぐ……正直、たまらん……)」
 シンジの目がトロンとなったところで、小宮山先生はガードルはそのままに、
ショーツをゆっくりと降ろした。股間の黒みはどれだけの男の精を吸ったのか、見事な
下ばえを形成している。
 そのわずか下には、既に開きかけ、濡れて光る小宮山先生の秘奥が息づいていた。
 シンジはそこから目を離せなかった。


 よく見ると、そこから細い導線のようなものが伸びている。
「見て……」
 小宮山先生はそっとその導線のようなものを引っ張り、なにかを取り出した。
小さな、ピンク色の丸いこれは……ピンクローター?
「今日は朝からピンクローターを入れっぱなしだったから、前戯なんか要らないわよ?
さ、もう一回元気になって……」
(……つうか、朝から入れっぱなしだったのか?!)
 半勃ちだったシンジの一物に、再び手と口で元気を吹き込む。さきほど爆発した
ばかりのシンジだが、小宮山先生のテクの前にあっというまに復活を遂げた。
「いよいよね……あなたの童貞、アタシがもらうわね……」
 小宮山先生はシンジにまたがり騎乗位に位置を占めると、再び天を向いたシンジの
男根に位置を合せ、ゆっくりと腰を下げていく。
 シンジの男根が、次第に小宮山先生の体内に侵入していった。
「ああっ……久しぶり、こんなに活きがいいのは……」
 荒い息をつき、腰をさらに落としていく。
 やがて根元までくわえ込むと、その腰はツボの全てを知り尽くした動きを開始し、
自分自身もシンジも追い上げていった。
「あっ……ああっ……とてもいいわ、城島君……アタシ、ピル飲んでるから、心配は
しないで……あう……たっぷり中にちょうだい……ああああ……」
 シンジはシンジでたまらない興奮の中にいた。俺のアレが女性の体内に飲み込まれ、
吸い付く肉壁に熱く締め上げられている!
「あ、う、くふう、ん、んーっ!」
 ひときわ小宮山先生の嬌声が高まり、その膣内の圧力がキュッと高まる。一瞬ののち、
シンジの欲望の汁がもう一度、今度は小宮山先生の体内で弾けた。
「はあ、はあ……あ……」
 小宮山先生の体はシンジの体の上に倒れ込んだ。余韻に浸りつつ、シンジの胸に
顔をうずめ、たくましいというには少々薄い、白い肌の胸に指をさまよわせた。
「……素敵……次は、アナルに行ってみる?」
(な、なぜ俺のフェチを知っている?!)
シンジは身動きできぬまま、蟻地獄の底にいるような錯覚に囚われた。


 さらにアナルセックスまでを楽しんだあと。
 二人してしばし脱力したのち、シンジはようやく、それもだんだんとだが、体が
動くようになった。
「城島君、動けるようになった?……素敵だったわ……」
 小宮山先生はまだトロンとした目をしている。
 シンジは、薬を飲まされた直後はどうやってこの淫乱教師を告発するかを考えていた
のだが、自分も嫌というほど、それも3発も楽しんでしまったあととあって、もはや
告発する気は失せていた。
(本当に後腐れなしなら、これはこれで悪くないかも……。
薬でこういう目に合わされるとは屈辱だが……とりあえず肉体はまだ若かったし、
美人でもあるし、この際、筆おろしをしてもらったと思えばいいか……

って、そんなわけないだろうがー!
この変態に逆レイプされた俺は、一体どうすりゃいいんだ?)
 脳内で自分ツッコミを入れるが、それで考えがまとまるわけでもない。
 まだだるさの残る体を強引に動かしてシンジは服装を整えたが、小宮山先生に何を
言っていいのか、シンジには分からなかった。
 小宮山先生は、
「いいわね、今日のことは内緒よ?」
と最後に頬にキスをしてシンジを送り出した。

(内緒っつーか、誰にも言えるわけがねえ……)
 とりあえず落ち着け、俺。シンジは屋上に行き、空を眺めて気を静めようとした。
 階段を昇り、屋上のドアを開けたシンジの視界に入ったのは……さっき化学
実験室から走り去った女の子。
 栗色の髪が可愛いその子は、屋上の片隅でまだすすり泣いていた。
「あ?!君はさっきの……えーと、その、あれは……」
「……城島先輩……」
「……? 俺のこと、知っているの?」
「……はい。一年生の叶ミホといいます。
城島先輩……私、ずっと先輩のことが気になっていて、それで何度か小宮山先生の
ところに恋愛相談に乗ってもらいにいっていたんです」
「(ミスキャストだな、そりゃ。加藤先生にでも頼めば良かったのに)」
 シンジはしごく真っ当な感想を抱いたが、それをここで口に出すのは差し控えた。
「それが、小宮山先生と城島先輩がああいうことになっているなんて……。
私、私……」
 今まで散々泣いたのだろう、ミホの頬に涙の跡がはっきり残っている。それでもまだ
涙が枯れてはいなかったのか、再びミホは目に涙をためてシンジを見つめた。
「……いや、それは誤解だよ。君がさっき見たあれは、コーヒーをこぼした先生が
やけどを調べようとして、スカートを下ろそうとしたもんだから、俺がそれを止めよう
としたのが、一瞬間に合わなくて、ああいう体勢になったんだ。
小宮山先生と俺とは、別になんでも……」
 スカートを下ろした女教師の下着を自分がつまんでいる場面を見られたのだ。
ごまかすも何も、正直に言うしかなかった。
(とりあえず見られた場面だけはフォローしなくては……)
「でも、城島先輩、イカ臭い匂いと、小宮山先生のシャンプーの香りがします……
それに、頬に口紅が……小宮山先生と最後までヤったんでしょ……?」
「!?@#$%^&(し、しまったあ!?そんなに証拠が……)」
 折角のフォローも、スペースシャトルの爆発事故もかくやの大失敗。
 シンジはせっかく可愛い女の子の告白を受けながら、見事に自爆した。

(エピローグ1)
 カナミはいつもの通り、シンジのコレクションから一本を無断借用し、マナカ邸で
マナカと共に鑑賞したところだった。
 帰宅したカナミは既にシンジが帰っていることに気づき、
「お兄ちゃん、これ返すね〜?」
とシンジの部屋に入っていった。
 昔はこっそりと気づかれないよう返すべく、さまざまな工夫をこらしたものだが、
今はあっけらかんとしたものだ。
 シンジは突っ込む気力もなく、精も根も尽き果てた体でベッドに身を投げていた。
「ん? お前、またエロビデオを持っていったのか……?」
「うん。今日は「変態女教師・童貞食い」ていうのを借りたよ〜。
なんだか、小宮山先生みたいのが出てきたよ?」
「そ、そうか、そうだな、ハハハ……」
シンジはうつろな笑いを浮かべるよりなかった。
「……お兄ちゃん、今日はなんだか疲れてる?添い寝してあげよーか?」
カナミがシンジの布団に潜り込もうとする。
「何をしている〜!」
 なんだかんだ言ってシンジは幸せ者である。


(エピローグ2)
 あれから、シンジも小宮山先生も、あの日のことはおくびにも出さず、外面上は
なにも無かったように過ごしていた。
 もっとも小宮山先生のほうは本当に何事も無かったように過ごしていたが、シンジの
ほうは顔を合わせるたびに心臓が高鳴っていた。が、それも数日経つとようやくにして
落ち着き、静かに日々が過ぎていった。

 そんなある日。小宮山先生は職員室で何事か考えごとをしていた。そこへ日直の
日誌を持ってきたシンジが声をかける。
「何をそんなに考え込んでるんですか、先生?」
「ええ……生理のとき、タンポンの代わりにバイブ挿れたら、痛みが
和らげられるんじゃないかしら?」
 シンジの本能が次の一言を言わせた。
「ツッコんでいいですか?」
「え?
 ドコに? ナニを?」
 悪戯っぽい目で小宮山先生はシンジを見つめる。
(しまった…)
 あの日のことが脳裏に蘇り、下半身が蠢動してしまうシンジであった。

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