作品名 作者名 カップリング
「影四つ 最終話 ずっと4人で」 そら氏 -

「くぅん・・・はぁ・・・んんん・・・・」
ベッドの上である男と女が己の性欲の赴くままに体を重ねあっている。
「ん・・・アキちゃん・・・・」
男・・・城島シンジ。現在22歳が腰を打ちつけている。シンジが腰を前後に動かすたびにアキと呼ばれた
女の子・・・矢野アキ現在20歳が艶かしい声を上げる。
前回・・・アキの告白から実に4年近くの年月が経っていた。二人は今シンジの部屋で交わっている。
「はぁ・・・くぅ・・・アキちゃん・・・可愛いよ・・・」
腰は動かしながらアキの髪を撫でるシンジ。サラサラと流れていくアキの色素の薄い髪。
シンジが手櫛でとかしているアキの髪は今や肩より下まである。想像しにくい方は妹の七巻で
エクステ付けたアキを想像すると分かりやすいだろう。
「はぁ・・ん・・・髪・・・くすぐったいですよぉ・・・あん・・・」
アキの豊満な胸が体に合わせて揺れる。シンジはその胸を気の向くままに揉みしだく。
「アキちゃんの胸、やっぱり大きくて柔らかいな。」
シンジの指の動きに合わせてアキの胸は形を変えていく。
「そりゃ・・・昔からマナカやカナミにいじられてましたしね・・んふぅ・・・ん・・・」
そういえばそうだったなとシンジは思い出す。当時にはカナミ&マナカの貧乳コンビがアキの巨乳を弄るのが
日常茶飯事だった。今では二人の胸もそれなりには成長している。それでも若干平均よりは
小さめな気がしなくもないが・・・
「シンジさん・・・カナミとマナカの事考えてるんですか?」
アキの指摘にシンジがギクリとする。見ればアキの顔はどことなくむくれてる気もする。
「ん、ごめん。少しだけ考えてたかも・・・」
シンジがポリポリと頭をかく。アキはジト目でシンジを見ながらも言った。
「ダメですよ・・・今日は私だけ見てくれないと嫌です。」
アキがシンジの首に腕を回してキスを求める。シンジの首筋にはアキの生ぬるい吐息がかかっている。
「うん、ごめんね。今日は・・・アキちゃん・・・」
シンジもアキの体を抱きしめる。アキの柔らかい体の感触と体温が全身で感じられる。
「ん・・あぁんん・・はぁ・・・キス・・・ん・・・してくれたら・・ん・・・許してあげます・・ひぁ・・・」
アキが喘ぎ声をあげながら言う。シンジはそのままアキの唇に自分の唇をあてる。
「ん・・・ふぁ・・・ぴちゃ・・・ちゅう・・・ちゅる・・・・」
赴くままに舌を絡めあう。シンジの腰の動きが徐々に加速していく。
「あぁ・・・アキちゃん・・・んん・・俺もう・・・イク・・・」
シンジの激しいピストンにベッドはギシギシと音を立てる。
「はぁん・・・ああ・・・ん・・・私も・・・ん・・・イク・・んんああああ!!!」
シンジの背中に衝撃が走ると同時にシンジはアキの中に精を吐き出した。
「はぁ・・・はぁ・・・アキちゃん・・・」
シンジはアキと繋がったままアキの体を抱きしめる。アキもシンジに抱かれながら心地よさそうだ。
「はぁ・・ん・・・でも、シンジさん。そろそろ・・・決めないとですよ?」
シンジの胸の中でアキが言う。そうだ・・・そろそろ決めないといけないんだな。




「はい、飲み物だよ。」
カチャカチャと音を立てながら飲み物をみんなに配っていくカナミ。今日は城島邸にマナカとアキがいる。
「ありがとう、カナミちゃん。さて・・・と・・・話しましょうか。」
マナカが上品に飲み物を口につけるとそう切り出した。
「そうだね・・・そろそろ決めてもらわないとね。」
マナカに同調するようにアキが言う。決めなくてはならないこと。それは・・・
「そうだね。お兄ちゃんがどうするか。私といるか・・・マナカちゃんか・・・アキちゃんか・・・」
カナミが言う。あれから4年。シンジは実にこの3人と交際をしていた。もちろん3人ともこれは了承済みである。
デートや情事は順番に行い、たまぁ〜に複数だったり・・・である。
しかし、この度シンジの就職が決定。県外に就職したため引っ越さなければならないのである。
また、3人もそれぞれ専門や短大を今年卒業する。それに伴いシンジが最後は誰を選ぶのか。
今日はそんな大事な日なのであった。
「・・・やっぱり・・・今日決めないといけないのか?」
「ズルズル引きずってもいけないしね・・・私たちはお兄ちゃんの決定に従うよ?だって・・・それがお兄ちゃんの
選んだ人なんだから・・・だから・・・お兄ちゃんに任せる。」
シンジの言葉にカナミが言う。シンジは自分の眼前にいる少女達を見回す。
初めに目に入ったのはマナカだった。
思えば、あの冬の旅行でのことが全ての始まりだった。思いがけなかったマナカの告白。それで全てが変わった。
その後の体育倉庫でのマナカとの交わり。マナカが思い出させた幼い頃の誓い。誓いますか?誓いませんか?
マナカには聞かれてなかったが・・・あの時シンジは無意識に誓っていた。
たとえ長い間離れていてもマナカはずっとシンジを思っていた。これだけ可愛らしい少女だ。まぁ、多少変わっては
いるが・・・中学の時もモテなかったはずがない。それでもシンジと再び出会うまで彼女は一点の穢れもない
少女だったのだ。シンジへの思いは強い。
この4年間も実にマナカらしい4年だった。友人たちとも上手く付き合いながら、シンジとも付き合う。
さらに、夢を追い続ける為に小説を書くのもやめていない。もしかしたら、この4年で一番頑張ったのは
マナカなのかもしれない。
目を滑らせるとカナミが目に入る。ずっと一緒に育ってきた大事な妹。お兄ちゃんっ子でいつも後ろに
くっ付いて来たカナミ。あの日・・・まぁ、シンジも浅はかだったと言えば浅はかだったが犯してしまった禁忌。
しかし、そこまでしてまでシンジを思っていたカナミ。社会的に、道徳的に外れようともシンジと一つに
なりたかったという思いは決して非難できるものではない。ただただ、カナミは好きな人が兄だった。
それだけなのである。
カナミにとっての4年間は色々な感情の入り混じった4年だった。兄妹という事に罪悪感を感じたことも
実は少なからずある。それでも彼女は今も自分の気持ちを捻じ曲げずに曇りなき信念を持っている。
三つ子の魂百までというが・・・カナミの場合シンジへの思いはまさにそれである。
そしてそれは、これからも変わらない気持ち。
さらにアキを見る。抱いていたシンジへの恋心はあの旅行で露になってしまった。彼女が見たくなかったもの。
それはシンジから他の子への愛情を見せる行為の他になかった。シンジからマナカにキスするのを見たくない
という嫉妬の心。それはそのままアキのシンジへの気持ちへと変換するのが自然だった。
そこで気づいた自分の恋心にアキはシンジの家で全てを吐き出した。嫉妬するのは好きである事の
裏返し。全てを告白したアキは、シンジにとっても。アキにとっても初めてのキスを交わした。
また、この4年で最も変わったのもアキかもしれない。アキはあの日以来髪を伸ばし始めた。
別にシンジに言われたからでなく本人の意思だ。シンジのために可愛らしくありたい。別に髪が短くとも
アキは可愛らしい少女だったが、長い髪こそ女性の象徴と思ってるんだろう。
そんな健気な所もこの4年で気づいたアキの魅力であった。



3人の少女を見渡してシンジは目を瞑る。誰が一番いいか・・・なんて失礼なことは思えない。
カナミも、マナカも、アキも。みんな最高にいい子なんだ。だから・・・誰かを選ぶなんてできない。
「やっぱり・・・誰かなんて選べないよ・・・もし選べって言うなら・・・俺は誰も選ばない。」
思案の末シンジは3人にそう告げた。
「えっと・・・それはどういう?」
アキが首を傾げる。
「俺はカナミも・・・マナカちゃんもアキちゃんも・・・みんな好きだ。子供みたいだが、それが事実。
4年間3人と付き合って、3人の良い所も悪い所も見てきた。だからこそ・・・誰かを選ぶなんて
俺には出来ない・・・どうしても誰か選べって言うなら俺は誰も選ばない。俺はこのまま一人身でいい。」
それがシンジの出した答えだった。誰かを選んでしまえば他の二人を傷つけてしまう。それは嫌だった。
エゴでしかないが・・・誰も選ばないのはきっと3人ともを傷つけてしまうだろう。
それでもシンジは、誰かだけ幸せになって2人は傷つくのは嫌だった。
室内がシーンとして、なんだか重い空気が流れていたときだった。
「ぷぷ・・・」
ふと誰かの笑い声が漏れる。どうやらマナカが下を向きながら必死に口を押さえている。
「だ・ダメだよマナカちゃん。ここで笑っちゃ・・・ふふ・・」
「そういいながらカナミも笑ってるじゃない・・・・あははははは。」
シンジには状況が全く掴めなかった。笑えるようなことを言った覚えはないんだが。
だが、3人の少女達は笑っていた。それはもう盛大に。
「え・・・っと?俺何か笑えるようなこと言ったかな・・・?」
シンジが首を傾げる。するとよっぽど面白かったんだろうか、マナカが涙目を拭きながら言った。
「すいません、シンジさんの言ったことが面白い訳じゃなくて・・・あ、ある意味面白いんですけど・・・ふふふ。」
全く意味が分からない。
「えへへ、ごめんねお兄ちゃん。実はね、みんなで話してたんだよ。お兄ちゃんはどんな答えを出すのかって。」
同じように笑いを堪えながらカナミが言う。
「俺がどんな答えを出すかって?それってどんな意味だ?」
「シンジさんの事だたか、きっと誰も選べないんだろうねってみんなで予想してたんですよ。
そしたらもう、見事に予想通りで・・・余りに見事だったんでついつい。」
アキの言葉でようやく分かった。つまり・・・散々シンジが考えて考えて、考え抜いて出した答えは
すでに予想されていたのであった。予想した方は面白くない訳がない。
恐らく、戦国時代とかの軍師の策が的中した時の快感はこんなもんなんだろう。
「む・・・何だよ・・・それでも・・・俺が誰も選ばないのは変わらないぞ?」
シンジが言う。確かにそうだ。予想通りだからってシンジの決意は変わりない。
しかし、その決意すらバカらしいような事をマナカが切り出した。
「いいですよ?誰か1人なんて選ばないで。私達3人全員選んでくれればいいんですから♪」



「はぁ?それってどういう・・・」
「ですから、私達4人一緒に暮らしませんか?ってことですよ。これなら何の問題もないですよね?」
あっけからんとマナカが言う。確かに問題はない気がする・・・気がするが・・・
「いやでもさ、婚姻届とかどうするんだ?重婚はできないだろ?もともとカナミとは結婚できないけどさ。」
シンジが言う。確かに元々カナミと結婚はできない。最も法律では婚姻届が受理されないだけで
兄妹で子供を作るのは違法ではない。まぁ、生物学上遺伝的に問題はあるかもしれないが。
「ええ、結婚はできませんね。だったらしなければいいだけだと思いませんか?いいですか?
確かに日本では重婚は禁止されています。また、近親者との結婚もできません。
では、こう考えて見たらどうですか?結婚しなければいいんです。」
マナカがかなりぶっ飛んだ理論を持ち出してくる。
「け・・・結婚しなければいいってどう言う・・・」
「まぁ、世間的には同棲状態ってトコですかね?表札には城島、黒田、矢野の3つの苗字が並ぶ事に
なりますが・・・まぁ、今の世の中そんな珍しくないですよ。その会社専用のアパート等ではよくある
事です。郵便局の知り合いがいたら聞いてみたらどうですか?一つに家にいくつも苗字があるのは
そんな珍しくありませんから。」
マナカがスラスラと説明してくれる。つまり・・・結婚はしないが、4人一緒に住むってことか?
確かにそれなら問題ないだろう。子供に関しても、婚姻届がなければ子供の戸籍が作れない訳じゃない。
「それでも・・・3人とも戸籍上は一生独身になっちまうんだぞ?いいのか?」
お嫁さんになるのは女の子の夢の一つとも言う。かなり大きな問題なはずだ。
「私は構いませんよ。そんなの便宜上のものでしかないですから。」
と、マナカはあっさりと言う。
「私も・・・お兄ちゃんと一緒にいるのはそれしかないから・・・」
カナミは少し残念そうに言うが、納得しているようだ。
「私は・・・正直ちょっと迷いました。これでもやっぱり好きな人の苗字になるのが結婚だと思ってましたから。
でも・・・私もシンジさんと居たいから・・・だから、私も4人一緒がいいです。」
と、微笑みながらアキは言った。3人の気持ちを聞いたシンジは一つため息をつきながら
「全く・・・3人ともバカだな・・・でもそれを認める俺はもっとバカだな・・・決まり・・だな。
世間の目なんてどうでもいい。大事なのは・・・一緒にいることだもんな。」
と言って、3人を順番に抱きしめた。こうして何とも奇妙な4人の関係は終わりを告げた。
ずっと4人一緒。それが例え世間的にはおかしな関係だとしても。それが幸せなのだから。



「おーい、この荷物はこっちでいいのか〜?」
そして季節は変わって春の某日。シンジは引越しの荷物を家へと運んでいた。
「うん、そこに置いといて〜。あ、これはアキちゃんの荷物だからそっち〜。」
カナミが家の中で荷物を整理しながら言う。あの日からなんだかドタバタしながら今日を迎えた。
マナカとアキの両親は驚くくらいこの関係を受け入れてくれた。娘がそれが一番なら・・・と思ったんだろう。
「マナカー!この荷物はあんたの〜?やけに重いけど何が入ってるの?」
アキがダンボールを持ちながら叫ぶ。すると部屋からひょっこりマナカが顔を出した。
「あ、それは私の本です。読みたいなら貸しますよ?」
「いや、いい。どうせ官能小説だろうし・・・」
あっさりとマナカの勧めを拒否するアキ。実際、中身は官能小説だった。
「ふぅ・・・にしてもいい物件があって助かったな。」
4人が住むのは賃貸マンションだ。部屋数も多く、なかなかいい物件だ。家賃は4人で割り勘となっており
生活費なども割り勘と決めている。
やがて、夕日が部屋に差し込む頃、ようやく引越しは終わった。
「ふぅ〜。お疲れ様・・・結構時間かかっちゃったね〜。」
カナミが汗を拭きながらみんなにお茶を配っていく。
「あー、明日は筋肉痛になりそうだ・・・」
シンジがお茶をすすりながら言う。
「あら、だらしないですよシンジさん。今日から夜はもっと筋肉痛に・・・」
マナカが正座をしながら言う。ああ、確かにそれは由々しき事態かもしれない。でも、これが自分の選んだ道。
というか、無茶苦茶に羨ましいシチュエーションだ。
「あ、そういえば今日の晩御飯どうすんの?」
アキが胡坐をかきながら言う。見た目は女の子らしくなったがこういう所は矢張りアキのようだ。
「あ、それじゃあみんなでお買い物行こうよ!近くにスーパーあるしさ。」
さぁさぁとカナミがみんなを玄関に追い立てる。そのまま4人で街中を闊歩する。
「そういえばさ、食事当番とかどうすんだ?」
「ああ、それでしたら4人で交代制にしましょう。今日は4人で作って、明日から順番で。」
シンジの言葉をマナカが答える。それに不満そうなのはアキだ。
「えええー!?マナカとカナミは料理上手いんだから二人で作ればいいのにぃ〜。」
「私はいいけど・・・お兄ちゃんもアキちゃんの手料理食べたいよね〜?」
と、カナミがウインクしながらシンジに言う。
「ん?ああ、そうだな。アキちゃんの料理も食べてみたい。」
シンジにそう言われてはアキも断ることが出来るはずない。完全に作戦勝ちだ。
「うぅ〜・・・頑張りますけど・・・でも私お料理はそんなに・・・」
アキがしおらしく言う。
「大丈夫ですよ、アキさん。料理は愛情ですから・・・」
そんなアキをフォローするマナカ。そんなやり取りをみながらシンジは空を仰ぐ。
これから続いていく日常。それは普通ではない日常かもしれない。
それでも・・・4人一緒なら何が起こっても問題ない。1人より2人、2人より3人、3人より4人。
それだけ大きく、強い絆があるんだから。そんな4人を柔らかな夕日が見守るように照らす。
4つの影はどこまでも伸びている。そう、どこまでも、いつまでも・・・・

(FIN)

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