作品名 作者名 カップリング
「影四つ 第一話 バッドタイミング」 そら氏 -

「っつはぁ・・・やべぇ・・・イクかも・・・」
とある旅館の和室で、城島シンジは備えつきのテレビでAVを見ながら自慰にふけっていた。
隣には妹である城島カナミと友人の矢野アキ、黒田マナカがいるにもかかわらずだ。
元はと言えばこの旅行は女の子三人だけでは危ないかもということでカナミにお願いされて同行したのだ。
日中はなんともなかった。アキもマナカも年頃の女の子ではあるが、普段から見慣れてる。
しかし・・・急に興奮を覚えたのは日も落ちてからだった。温泉に入り、その後一緒に旅館で食事の時。
お風呂上りの濡れた艶やかな髪、赤くほてった体に、見慣れない浴衣姿に。不覚にもシンジは興奮を
覚えてしまったのである。浴衣から覗く白い肌。気付かずかはだける浴衣。それが目から離れなかった。
今、隣の部屋では妹と友人が楽しそうにしている。壁はフスマ一枚だ。少しでも注意がそれれば
彼女たちに自分の自慰行為を晒してしまうだろう。いや、もしかしたらどれだけ注意してもバレるかも知れない。
そんな極限状況のスリルがさらにシンジを駆り立てていた。
「あぁん・・はぁ・・いっちゃう・・・お兄さん・・・いっちゃいます・・・」
AV嬢が声を上げる。無論音量はギリギリシンジに聞こえる程度だ。隣の妹達には聞こえない。
偶然か、あるいは必然か。そのAVもシチュエーションは妹の友達としてるシーンだった。
本能的にアキとマナカで妄想してしまう。さっき見たばかりの本物の肌。手を伸ばせば触れれたくらいの距離。
想像する。不思議とAV女優の喘ぎ声がアキとマナカで脳内再生される。
シンジのペニスを擦る速度が徐々に上がっていく。
「く・・・やべぇ・・・そろそろ・・・」
イキそう・・・・そんな時だった。スッと音を立ててフスマが開かれたのだった。
「お兄さん、私達と遊びま・・・・」
冗談半分で浴衣の肩をはだけさせたマナカが部屋を見て・・・そして動きが止まる。
シンジの背中に一気に冷水が注がれる。ナニを握ったまま動けない。
見られた!見られた!見られた!見られた!見られた!マナカちゃんにオナニーを見られた!
ただその事実だけが頭の中をぐるぐる回っている。不幸はここでは終わらない。
「ん?マナカどうしたん?お兄さんもう寝てたと・・・か・・?」
全く動かないマナカを見て不思議に思ったアキがヒョイと顔を覗かせて、そして止まる。
アキは口をパクパクさせている。恐らく同年代のペニスを見るのは初めてだろう。
シンジがいきり立ったペニスを握っている。それが何を意味するかアキも分からないわけじゃなかった。
「も〜、二人ともどうしたの〜?お兄ちゃんが何か・・・し・・・て・・・」
そして・・・今まで実際にしてる所は見られたことがなかった・・・妹のカナミにも見られた。
「あ・・・えーと・・・その・・まぁ・・・うん・・・」
何とか取り繕うとするシンジ。しかし、何だか場は重い。最早冷静な判断力は失われている。
とりあえず逆ギレしてみるか、或いは何もなかったようにするか、或いはとりあえずペニスをしまうか。
様々な選択肢がグルグル回っていると、そこでようやくマナカの口が開いた。
「あの・・・お兄さん・・・その・・・急に入ったのはすみません。」
ペコリとマナカは頭を下げる。実際頭を下げられた所で状況は改善しそうもない。
一気に全ての信用を失った気さえする。だが、マナカが次に発した言葉は予想をはるかに超えたものだった。
「だから、その・・・私が続きを・・・してあげます。」



「え・・・・・」
マナカが何を言ったのかシンジは全く分からなかった。続き?何の?してあげる?何を?
「ちょ・・・マナカ?あんた何言って・・・」
ようやく我に返ったアキがマナカに言う。しかし、マナカはアキに
「いいんですよ。私の意志ですから。それに・・・お兄さんは・・・私の・・・」
マナカは少し顔を赤らめながらシンジに近づいてくる。そして、その白い綺麗な手でシンジのペニスを握った。
「うあ!!???」
生まれて初めて他人が自分のペニスを触った感覚がシンジを襲う。よく利き手じゃないほうで触ると
そんな感じと言うが・・・それどころじゃなかった。ただ、他の人が触っている。それだけなのに
シンジのペニスはさらに固さを増し、いきり立っていった。
「お兄さんの・・・凄いです・・・こうすると気持ちいいですか?」
マナカがゆっくりペニスをしごく。その度にシンジの背中には電流が走る感覚が生まれる。
「うっ・・・はぁ・・・く・・・ぅ・・・」
シンジの腰が浮いたり沈んだりする。初めての快感に体が戸惑っているらしい。
「ふふ・・・お兄さん可愛いです・・・ん・・・・」
マナカは右手でシンジのペニスをしごきながら、シンジのTシャツを脱がし乳首をチロチロと舐めた。
「うあぁ!やべ・・・気持ちいいかも・・・」
シンジの体がビクンと跳ねる。目は瞑りながらも息遣いが荒い。
そんな光景を見てアキの体も異変を感じていた。なぜか体が熱い。人の情事を生で見て興奮してるのだろうか。
「えへへ・・・じゃあアキちゃんは私としよっか・・?」
アキの体を後ろから包み込むカナミ。そのままアキの首筋に舌を這わせる。
「ひゃぁ!?ん・・・カナミ・・・何・・・を?」
「だって・・・お兄ちゃんとマナカちゃんの見てたら・・・アキちゃんだってそうでしょ?」
何がそうなのか。それは言わなくてもアキも分かっている。何とも言い表せない感じだ。
「へへ・・・アキちゃん柔らかくていい匂い・・・大好きだよぉ・・・ん・・・・」
カナミはキュッとアキの体を抱きしめて自分の体全体でアキを感じる。そしてトロンした目でアキにキスをした。
「はぁ・・ん・・・ふぅ・・・カナミ・・・」
いつもならこんなカナミには鉄拳でお仕置きが飛ぶのだが、今日に限ってはそれがない。
「えへへ・・・女の子同士はノーカウントだよ。」
カナミはにっこり笑ってもう一度、今度はネットリと舌を絡ませてアキとキスをした。
「ん・・・お兄さん・・・私達も・・・」
マナカが潤んだ瞳をシンジにむけ、顔を近づける。
「マナカちゃん・・・その・・・いいの?俺で。」
ここまで来てそんな情けない事を聞くシンジ。そんなシンジにマナカは何も言わずそのまま唇を重ねる。
「・・・ぅん・・・ちゅぷ・・・はぁ・・・んん・・・」
ただがむしゃらに。本能のままにお互いの口の中で舌を暴れさせ絡ませあう。
「ん・・・はぁ・・・マナカちゃん・・・」
シンジがマナカの頭を軽く抱きしめる。マナカはそれを感じた後ペニスに顔を近づけた。



「ふう・・・多少は勉強してますけど・・・実践は初めてです。いきます・・・はむ・・・ん・・・」
マナカはシンジのペニスを前に一度目を瞑り深呼吸をすると、そのまま躊躇なくかぶり付いた。
「ぐぅ!マジかよ・・・これやべぇ・・・うあ!」
シンジのペニスを這うマナカの舌。何か別の生き物のように這いずり回る。
「ん・・・ちゅぷ・・・ちゅぽ・・・ん・・・んぐ・・・」
本か何かで勉強した通りなのか、俗に男の感じる所を舐めていくマナカ。
シンジにはそれが上手いか下手なのかは分からない。ただ、ペニスを包む温かい感じとペニスを這う舌の
動きがただただ快感だった。さっきまでのオナニーの余韻なのか、すぐに頂点を迎えてしまった。
「く・・・やべ、マナカちゃん!イク!うああ!!」
シンジはそのままマナカの口の中に精液を放出する。恐らく自分の中でも最高レベルの量を
出した気がする。腰がまだビクビクと動いている。
「ほら、アキちゃん見て・・・お兄ちゃんイッちゃったみたいだよ・・・」
浴衣をはだけさせながらアキと体を絡ませていたカナミが言う。
アキも目が虚ろになりながらもソレをじっと見ている。
「ん・・・凄い量が出るんですね・・・本当に苦くて、ネバネバしてて・・・でもネタに使えます・・・」
シンジのペニスから顔を離し、口に中に出された精液をティッシュに出したマナカが言う。
精液と唾が入り混じりマナカの口とティッシュを繋ぐ糸がエロスを感じさせる。
「マナカちゃん・・・その・・・ごめん。」
少し息を荒げているマナカにシンジは言う。しかし、マナカはニコリと笑うと言った。
「いいですよ・・・私お兄さんの事・・・昔から好きでしたから・・・」
シンジの頭がハンマーで殴られたような衝撃を受ける。何だって?WHY?
「え・・・ええええええ!?いや、そんなの初めて聞いた・・・」
「それは初めて言いましたから♪だから・・・このまま私の初めて貰ってくれませんか・・・?」
貰う・・・何を?いや、そんな事決まっている。施錠で封印されていたマナカの秘境。
黒い真っ直ぐな瞳がシンジを見据える。シンジの頭は爆発状態だ。
オナニーしてたらマナカちゃんが入ってきて、フェラチオしてくれて、告白してくれて、セックスしようって?
順番が明らかにおかしい。おかしいけど、現にこうなっているのだ。
「いや、その未だに情けないことに混乱してるんだけどさ・・・つまり・・・しようってこと?」
「簡潔に言えば・・・ですけど。その・・・お兄さんは嫌ですか・・・?」
シュンとしおらしくなるマナカ。嫌な訳がない。そりゃあ胸は小さいけど、可愛らしいいい子だ。
「嫌なわけないよ。ただ、その・・・俺でいいのかなって・・・ん?」
シンジが言いかけるとその口をマナカが覆った。
「それは言っちゃダメですよ。私はお兄さんが好きですから・・ずっとずっと・・・」
そう言ってマナカは笑った。そこまで言われたら断れない。シンジはマナカの肩に手を置き、キスをしようとした。
「あ・・・・」
しようとした。しかし、それはシンジの腕をつかむ誰かによって阻まれたのだった。
「アキちゃん・・・?」
シンジの視線の先には腕をつかんでいるアキがあった。



「え・・・あ、あれ・・?何で私・・・あれ?」
自分でも何故二人のキスを止めようとしたのか分かってない様子だった。そんなアキに代わってカナミが言う。
「お兄ちゃん、アキちゃんもね、お兄ちゃんが好きなんだよ・・・さっきだってね・・・ずっとお兄ちゃんの事見てた。」
再び衝撃の告白だった。全く気付かなかった・・・と言うか、気付くはずなかった。
「え、ちょ・・・カナミ・・・違う、そんなんじゃ・・・違う・・・違うよ。その、ごめんなさい・・・何か二人の邪魔した
みたいで・・・・えっと、その・・・ごめんなさい!」
アキが深々と頭を下げる。そんなアキにマナカは近づくとキスをした。
「ん・・・マナカ・・・??」
「アキさん・・・アキさんもお兄さんの事好きだったんですね・・・なら・・・3人でしますか?」
かなりぶっ飛んだ提案だった。シンジはポカーンと口を開けている。
「あ、二人ともずるいよぉ〜。私だってお兄ちゃん大好きなんだからぁ〜!だから4Pで♪」
さらに話をややこしくするカナミ。しかし、アキは言った。
「ううん・・カナミはああ言ったけど、私は正直誰が好きか分からないんだ・・・何でさっき止めたのかも
分からない。分からないことだらけだから・・・だから今回はマナカ一人で・・・ね?初めてがその・・・
4人なんて嫌でしょ?だから・・・ね?」
アキがヘヘっと笑って言う。マナカはそれを聞くともう一度アキにキスをしてシンジも元へ行った。
「と、言うわけですので・・・すいませんお兄さん。やっぱりさっきの無しにしてくれませんか?」
マナカは頭を下げてシンジに言った。正直シンジにもこれは好都合だった。
「それはいいけど・・・どうして?」
当然の疑問をマナカに問う。するとマナカはこう言った。
「フェアじゃないですから。私はお兄さんの事・・・好きです。きっとアキさんもです。カナミちゃんだってです。
だから・・・私がここでフライングなんてできませんから。旅行が終わって、また日常に戻ったら・・・
そこで勝負します。お兄さんをかけて。もし、それでアキさんもカナミちゃんもお兄さんに何もモーション
かけなければ・・・その時はお兄さんは私が貰います。」
すでにシンジの意思は無視されてる気がする。それでもきっと・・・そうなればシンジはマナカを選ぶだろう。
「マナカ・・・いいの?絶好のチャンスだよ?」
アキがマナカに言う。しかし、マナカは不敵に笑って
「不意打ちでしか落とせないと思われたくないですから。」
と言った。ただ正々堂々の勝負を望んだだけなのだ。
「じゃあ決まりだね。誰がお兄ちゃんを手に入れるか、勝っても負けても文句なし!」
カナミが言う。ところでカナミも参加するつもりなんだろうか・・・
「それじゃあお兄さん・・・明日からが大変ですよ?それじゃあお休みなさい。」
マナカが浴衣をキチンと整えて部屋へ戻っていく。
「あの、お兄さん・・・私、その・・・何か気持ちに整理ついてませんけど・・・・よろしくお願いします。」
顔を真っ赤に染めてアキも部屋に戻っていく。
「お兄ちゃんのオナニーが大変な事に発展したね。体力つけてね、お兄ちゃん♪」
何故だかニコニコしながらカナミは部屋に戻っていった。
部屋が静かになる。自分のオナニーが原因で発展した今回の事件。なんだかひたすら受身になりそうだ。
カナミの言った通り体力はないとヤバイかもしれない。気持ちも落ち着いたシンジは布団に身を委ねた。
明日からまた日常に戻る。どうやらその日常も慌しい事になりそうだった。

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