作品名 作者名 カップリング
「俺がカナミでカナミが俺で」 そら氏 -

ここはとあるちょっと仲のいい兄妹の住む家。
「お兄ちゃ〜ん、今日は逃がさないよ。」
「ちょ、カナミ、やめ・・・うわぁぁぁ〜。」
ちょっと仲が良すぎるようですが・・・こんな二人に突然の事故が襲いました。
ぐらぐらぐらぐらぐら   ぐらぐらぐらぐらぐら
「!?地震だ!これ・・・強いぞ!うおっ!!?」
「わわっ!えっと、ベットの下に・・・きゃ!」
ごち〜〜〜〜〜〜〜ん 
地震のせいで頭を強く打った二人。そのまま朝まで目は覚めませんでした。

翌朝、シンジの部屋に目覚ましが鳴り響きました。
「つ・・・まだ頭がズキズキしやがる・・・昨日あのまま気絶しちまったのか・・・・」
頭を抑えながら起き上がる女の子。次の瞬間目を丸くしてしまいます。
「えーっと・・・なんで俺が寝てるんだ・・・?ていうか、俺髪こんな長かったっけ・・・」
髪をいじる・・・長い。胸を触ってみる・・・大きくはないがやわらかい・・・
「これって・・・これってまさか・・・・」
恐る恐る自分の股間に手をやってみる・・・・ない・・・息子が・・・マイサンが・・・漢の証が・・・
「うふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉx!!!!!?????なんじゃこりゃあああああああ!!!!」
「ん・・・お兄ちゃんうるさ・・・今女の人の声・・・というか私が男の人の声・・・?」
ようやく目をさまし起き上がる男。髪に手をやる・・・短い。胸に手をやる。毎日揉んでいるのより小さい。
というか、ない。そして堅い。股間に手をやる・・・ある・・
「ふぇぇぇぇぇ!私お兄ちゃんになってるーーーーー!!!!????」
兄妹そろっての絶叫。 

「えっと・・・つまり昨日の地震で頭ぶつかって、中身入れ替わったってことか?まるで漫画だな・・・」
カナミが言う。しかし、いわずもがな、中身はシンジだ。
「でも、それ以外考えられないし。で、どうする?このまま学校行く?」
シンジが言う。中身はカナミだが・・・
「それしかないよな・・・とにかく入れ替わってるのばれないようにしないとな・・・」
「そうだね〜。じゃあ、準備を・・・のまえにオナニーしてみようかなぁ。一回男の人のしていたいんだよね〜。」
「それはダメだーーー!!ほら、時間ないぞ!そんなん後にしろ!」
「後ならいいんだね〜?よし、ほいじゃいこ〜。」
結局、二人は中身が入れ替わったまま登校するのであった。さてさて、どうなることやら・・・




学校 カナミのクラス
「おー、カナミおはよ〜。」
色素の薄い髪、ショートヘア、そして服の上からでも分かるスタイルの良さ。矢野アキである。
「(おっし、ばれないようにしないと・・・)お、おはよ〜。アキちゃん。」
「カナミちゃん、アキさんおはようございます。」
黒いロング、少し癖のある髪、すこしきつい印象を与える釣り目。カナミといい勝負の(失礼)胸。黒田マナカだ。「おー、マナカおっす〜。」
「あ、(呼び方って基本的にちゃん付けだっけ)マナカちゃんおはよ〜。」
次々に現れるカナミの友人達。さすがに挨拶だけではばれてはいないようだ。
「お、皆の衆おはよ〜。」
黒のストレートロング、美少女と言うにふさわしい顔、アキほどではないが上々のスタイル。岩瀬ショーコだった。
それぞれ挨拶をかわし、授業前の雑談にはいる。  
「ねぇねぇ、昨日のキムカズのドラマ見た?」
「アキはキムカズ結構好きよねぇ〜。私も嫌いじゃないけどね。」
「ショーコさんは分かってませんね。あれはアキさんがキムカズにはめてほしいって意思表示なんですよ。」
(なんて会話してるんだこの子達は・・・・・)
「黙れ釣り目・・・どうしたのカナミ?随分おとなしいじゃない。いつもなら私にボケるのに。」
「アキさんもダメですね。カナミちゃんはあの日なんですよ、きっと。」
「そうなん?カナミ。じゃあ、あたしの・・・とりあえずバイブでもつめとく?」
「え、えっと・・・実はちょっと夜更かししちゃって眠たくて・・・」
シンジは焦りながら返す。と、同時に妹の学園生活に不安を抱く。
(カナミのやつ・・・俺の格好で変なことやらかさないだろうな・・・)

一方、シンジの教室
(えーっと、お兄ちゃんのクラスはここだったっけ)
「お、城島君おはよ〜。今日は随分早いじゃない?」
肩くらいの髪が外ハネにし、活発そうな女性が話しかけてくる。
「(えーと、確か今岡さんだったっけ)ん・・おー、おはよう今岡。今日もいい体してるな。」
瞬時、空気が凍る すぐ今岡は後ろを振り返り
「カズヤあああああ!!今のはおまえかぁあああああ!!!」
「え、ちょ、なんのはな・・・具ぎゃ嗚呼ああああああああああああああ!!!!!」
教室が血に染まる。
(あー、そうだ。お兄ちゃんそんな事言わないか・・・注意しないと・・・)
カナミが考えていると、ショートの大人しそうな、清楚な女性が話しかけてくる。
「おはよう、城島君。今日もあの二人は激しいね。」
呆れたような、それでも楽しそうな顔で木佐貫ケイが話しかけてくる。
「(この人は木佐貫さんだっけ)おう木佐貫。今日も斜めに顔射したくなりそうな顔してるな。」
ひきつるケイの顔。その後ろでは
「今のもあんただろおおおお!!朝からセクハラをするなぁあああ!!!」
もはや地獄のほうがマシな光景であった。
「ぐ・・は・・・待て待て。今のは間違いなくシンジの声だろう?」
あれだけ殴られても無事な男、新井カズヤ。
「分かってるぜシンジ・・・俺たちは親友だからな。お前もついに一線をこえてぶっちゃけたくなったんだろ?
まぁ、仕方ないよな。家にはあんなかわいい妹と二人なら近親相姦してもおかしくな・・・ごぶふぁあああ!!」
最後まで言うことなくナツミに裏拳をかまされる。
「シンジ君・・・さっきの冗談だよね?カズヤ君に何か変なの食べさせられたんだよね?」
なんだか泣きそうなケイ。それを見てなにか変な衝動にかられるカナミ。
(木佐貫さん・・・もしかしてお兄ちゃんのこと?嫌だよ・・・私はまだお兄ちゃんと一緒にいたい・・・よし!)
そしてとんでもない事をシンジの姿で言うカナミ。
「さすがはカズヤ。俺の親友だな。そうなんだよ、最近カナミがかわいくてさぁ〜。もうたまんねーよ。」
もはや半泣きすら超えてしまったケイ。顔が引きつっているナツミ。そして勝ち誇った顔のカズヤ。
「はっはっは。そーかそーか!よし、あっちで男同士の話をしようぜ!親友よ!」
カナミとカズヤは去っていく。いまだに信じられないという顔をした二人を置いて・・・




カナミのクラス
放課の時間。いつもの4人で談笑しているとこんな話が聞こえてきた。
「なぁ、今日の城島さんすっげえよくね?普段あれだからあれだけど、今日みたいに大人しいとグッとくるよな。」
「俺も思ってた!やっべえ、惚れそう・・・」
「お前おっぱい星人だろ。矢野さんにしとけって」etc
(カナミって意外にもてるんだな・・・それでも彼氏がいないのはあの性格のせいか)
男子の話を聞いて、嬉しいやら悲しいやら。
(いつかカナミも彼氏作って俺から離れていくのか・・・それはそれで・・・寂しいものだな・・・)
普段は軽く本気で妹のアプローチを嫌がっていたが、案外マンザラでもないのか・・・もっともシンジは
この気持ちには気づいていないようだが・・・


放課後
(は〜、なんとかばれなかったか・・・それにしても俺思ったより勉強覚えてないなぁ〜。アキちゃんでも分かる
問題わからなかったのはマズイよなぁ。戻ったらしっかり復習しよう。)
と、軽く失礼な事を考えながら家へと歩くシンジ。すると、アキが言った。
「そういえば、カナミ。今日お兄さんのあれ買いに行くんでしょ?」
「へ・・・??」
間の抜けた返事をするシンジ。
「お兄さんのプレゼント用のセーターの毛糸買いにいくの手伝ってっていってたじゃん。」
「そういえばお兄さん、今年受験ですものね。風邪なんて引いたら大変ですからね。」
「手編みのセーターか・・・私も彼にあげようかなぁ。」
(セーター?カナミが俺に?そんな話聞いてないぞ・・・あ!そういえばこの前サイズ測ってたがこのためか!?)
そんなことを考えていると、シンジINカナミが走って近づいてきた。
「カナミ!何やってるんだ。今日は父さんと母さん帰ってくるから外食行くって言ってたろ?」
「(そうだったっけ?)カナ・・・お兄ちゃん!ごめんごめん、そうだったね。じゃあ、みんなごめんね。私今日は帰るよ。ばいば〜い。」
「あらら。仕方ないわね。んじゃあ、また明日ね〜。お兄さんもさようなら〜。」
そうやってアキ達と別れる城島兄妹。そして家へ。
「お兄ちゃん・・・もしかして話聞いた・・・??」
シンジINカナミがカナミINシンジへ問う。
「なにがだ?セーターの話なんてしらないぞ?」
その瞬間涙目になるシンジ。
「う・・・せっかく・・・内緒にしてたのに・・・せっかく・・・せっかく・・・」
ポロポロ涙を流しながら言う。中身はカナミといっても外見がシンジなのは多少不気味だが・・・
そんなシンジに近づくと、カナミは優しくシンジを抱きしめた。
「カナミ・・・ありがとうな。楽しみはなくなったけど、すっげえ嬉しいよ。そういえば最近受験勉強であんまお前にかまってやれなかったもんな・・・寂しかったんだよな?昨日のもそのせいなんだろ?」
今日一日、シンジはカナミになって思った。アキたちに色々聞いて、改めてカナミの気持ちを知った。
普段親は仕事でいない。しっかりしてるがカナミはまだ16だ。しかも、もっと小さい時からこの状態だ。
カナミにとって一番の肉親は俺なんだろう。だから、甘えてるんだって。そう考えると
カナミがとてもいとおしく、いじらしく、かわいく感じた。
「お兄ちゃん・・・・大好きだよ・・・・」
カナミも今日一日シンジになって思った。本当に兄が好きなんだなと。いつかは兄から離れなくては
ならないんだろうが、今はまだ兄に甘えていたい。だから誰にも兄を取られたくない。
我侭でしかないが、これがカナミの気持ちだった。
しばらく抱き合っていた兄妹。いつまでそうしていただろう・・・そのとき
ぐらぐらぐらぐらぐら ぐらぐらぐらぐら
「!?また地震?これもおおき・・・ぐは!」
「わ、おにいちゃ・・・いた!!!」




目覚ましが鳴る。朝のサイン。その中男が目を覚ました。
「ぐ・・・また頭うったか・・・うん?」
体をさわりまくる。たった一日だったのになんだか懐かしい肌触り。つい股間もさわる。握りなれたモノあった。
「いいいいっやったあああああ!!!戻ったぞカナミーーーーーー!!!」
同じベットで眠っていた妹をガクガク揺さぶる。
「ふぇ・・・お兄ちゃんの顔・・?てことは・・・・?」
シンジ同様体を触りまくる。そしてシンジの顔を見据え・・・・
唇に感じる暖かい、心地よい感触・・・
「!!??カナミ!!?何を!?」
「へへ・・・お兄ちゃん・・・昨日ありがとうね。私はお兄ちゃん大好きだよ!」
そういって朝食の準備のため部屋を出るカナミ。
まぁ・・・悪くないか。あいつは俺にとっても・・・たった一人の・・・大事な妹だ・・・・

こうして、ちょっとした出来事が二人に兄妹の絆を深めましたとさ・・・

追伸
シンジが教室に入ると冷たい視線を感じた。
「よう、兄弟!昨日はカナミちゃんと一線をこえたか?」
「はぁ?お前なにいって・・・・」
カズヤと話しているとナツミがよってくる。
「城島君!考え直しなさい!兄妹同士なんて茨の道よ!そこの変態と同じ道に走ったらダメよ!!!」
シンジは思った・・・・カナミのやろぉおぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!
なんとか時間はかかったが誤解を解いたシンジ。
信頼を築く時間は長く、壊れるのは一瞬・・・そのことを悟った18歳の冬だった・・・

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