作品名 作者名 カップリング
『100人目は変態と』 白帯侍氏 カズヤ×リョーコ

雲ひとつないとある休日。
シンジとカズヤは何かをするあてもなく街を徘徊していた。
シンジはアキと付き合い始めてから、アキとばかり出かけていたのだが
カズヤに「男の友情はどこに行ったんだ!!」と号泣された為、仕方無しに付き合っていたりする。
なのだが。
「今年の夏休みも何の出会いも無いなんてなぁ・・・」
さっきからこればかりだ。
カズヤがこの台詞を言った数だけシンジも溜息をついていた。
「そのうち出来るから待てって」
この台詞も今日は何回言ったのだろう、シンジは気休めの言葉を友人に向ける。
「純な愛じゃなくてもいいんだよ!一夏の火遊びみたいなことがしたかったんだよ俺はーっ!」
やっぱりカズヤに付き合わなければよかった、と今更ながら後悔。
公衆の面前でよくそんなことを大声で。
適当に理由つけてここで別れようか・・・・・
シンジがそんなことを思案しているとカズヤが指をさしながら話しかけてきた。
「おい、シンジ。あれ見ろよ」
シンジが言われたところに視線を移すと、中学生らしき4人が歩いていた。
「どうしたんだ、あれが?」
「男女比を見てみろ!」
改めて観察。なるほど、カズヤの言いたいことが分かった。
彼らの人数構成は男1人、女3人。しかも女の子はタイプが違うがみんな可愛い。
男の方もそれなりの美系だ。でもどこか憎めない感じを受ける、そんな少年だった。
「まぁ言いたいことは分かったよ」
「幼馴染みっぽい娘にお嬢様っぽい娘、それに天然っぽい娘まで侍らかすなんて・・・!」
怒りに拳を震わせるカズヤ。つーか見ただけでそこまで分析できるか、普通。
「人類普遍の敵だぞあいつは!もてない男全てを挑発してるんだ!」
怒りに任せてわめき散らすカズヤ。シンジは周囲の痛い視線に身を縮めて耐える。

「このままじゃ気分悪いぜ・・・よし、さりげなく嫌がらせをしてみよう」
あまつさえ物騒なことを言い出す始末。シンジもこの言葉には驚き、カズヤを宥める。
「お前、いくらなんでもそれは・・・・」
「大丈夫だって、そんなヤバいことはしないから。それに・・・・」
カズヤの目が怪しい光を放つ。心なしか息も荒い。
「あの娘たちの非難の視線を浴びれるかもしれないからな」
変態ここに極まり。カズヤのM願望はかなり屈折したものになっていた。
(お前・・・・もうそんなところまで・・・・)
息巻いているカズヤを、シンジは最大限の哀れみを込めた目で見る。
人としての一線を越えさせない為に、いや、もう越えてるが
戻って来れないところまでいかないように止めなければ。
シンジがそう決意しいざ話しかけようとしたとき、後ろになにやら異様な気配を感じた。
振り向いてみるとそこには、学校内でカズヤに怒りの鉄槌を下す戦乙女の姿が。
笑みを浮かべているがあきらかに好意的なものじゃない。青筋まで見える。
(カズヤ・・・・ご愁傷さん・・・・)
「どんなのがいいだろうな?」
「そうね、その腐った脳を完璧に破壊できるくらい強烈のなんてどう?」
「え?」
カズヤが振り返ると、そこには大気を震わす豪腕が彼のこめかみ目掛けて迫っていて・・・・
“ドグシャッ”
どう形容したらいいのだろうか、少なくともそれは人間を殴って聞こえる音とは違っていた。
カズヤはそのまま地面に叩きつけられるように盛大に倒れる。殴られたところには拳の痕が残っていた。
「こんにちわ、城嶋君♪」
今岡は何事も無かったようにシンジに眩しい笑顔を向ける。
(俺は殺害現場に居合わせてしまったのだろうか・・・)
惨劇を目の辺りにしたシンジはただ呆然と、少年の亡骸と笑顔を見せる少女を見比べていた。



同じ時同じ場所にて。
「マサヒコ君、基礎がしっかりしてきたからもうちょっとレベル上げてもいいですかね?」
ショッピングに来ていたアイはリョーコにマサヒコの授業のことを話していた。
勤務時間外でも生徒の事を気にかける、正に家庭教師の鑑だ。
が、中村はそれにほとんど生返事を返して考え事をしていた。
(最近欲求不満ってゆーか・・・なんか刺激が無いのよね〜)
最近はリンコ達の方に付きっ切りで、昔のように遊んでもいられないのだ。
家庭教師をすることはリョーコにとって有意義なことなので、別にそれ自体には不満は無いのだが。
実はリョーコは以前リンコに『若い男を99人食った』と言ってから、次の100人目がなかなか見つからないでいた。
まぁ古い仲で身体を重ねることはしばしばあったのだが、如何せん新しい出会いというのは皆無だったのだ。

2人が話しながら歩いていると、どこからか男の声が聞こえてきた。
「純な愛じゃなくてもいいんだよ!一夏の火遊びみたいなことがしたかったんだよ俺はーっ!」
声のした方を見てみると高校生と思われる2人が。様子から見るに金髪の子の方が叫んでいたみたいだ。
「はははは・・・・元気ですね」
「そうね」
引きつった笑みを浮かべるアイ。欲望全開の少年を見て半ば呆れているらしい。
(若いわねぇ。欲望を持て余してる性少年、ってか)
それに比べてリョーコは少年の言動になんら疑問を抱かなかった。
普通ならカズヤのような人間にいい印象を抱かないのだが、そこは中村リョーコ、そっち方面の理解は十分にある。
若い男がそういう思いを抱く、それはどこもおかしくはない。彼も健全な一少年なのだ。
リョーコはカズヤにその程度の認識しか持たなかった。

数秒後に彼の煩悩の深さを知るまでは。

カズヤを眺めていると、その先に見知った人物がいることに2人は気づいた。
「先輩、あれってマサヒコ君達じゃないですか?」
そこにいたのは確かにマサヒコ達だった。楽しげに何かを話している。
彼らの手にはなにやら本が。おそらく参考書でも買いにいったのであろう。
「ホント仲が良いですよね、みんな」
「ん〜〜・・・・というかマサって・・・・」
どこまでも能天気にそう話すアイに、つくづく罪作りな男よね、とリョーコは心の中で答えた。
1人連れて歩くだけでも羨ましがられる美少女達を、あろうことか3人も引き連れているのだ。
しかも全員がマサヒコに好意を持っているのだ。(しかも1人は完全に恋愛感情を抱いている)
マサヒコにそういう思いはないだろうが、正に男の敵と呼ぶに相応しい。
それはさっきの性欲全開少年にも言えることであって。
なにかマサヒコに対して愚痴をもらし、しまいには嫌がらせをするとまで言い始めた。
「セ、センパイっ!どうしましょう〜〜!?」
流石にこの発言にはアイも戸惑いを隠せない。
リョーコは冷静を装っていたが、明らかにカズヤに対して怒りを抱いるというのが
重苦しい空気からひしひしと伝わってくる。
「私らの教え子に手ェ出そうなんてね・・・・アイ、あんたはマサ達とでも合流してて。
 私はアイツにちょっと教育してやらなきゃいけないから」
拳を鳴らすリョーコを見て、アイは「や、やりすぎないで下さいね・・・」と引きつった笑みを浮かべてこの場から立ち去った。
それを見届けて改めてカズヤに視線を向けるリョーコ。
(どんなのがいいかしらね?それなりの罰は受けてもらわないとねぇ)
凶悪な笑みをたたえるリョーコ。ある意味こちらの方が社会にとっては有害かもしれない。
真っ直ぐにカズヤのところへ向かい、声が十分聞こえる所で立ち止まる。
「おい・・・・」
声をかけようとするリョーコ。だが・・・・・
「あの娘たちの非難の視線を浴びれるかもしれないからな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カズヤの言葉にリョーコは思わず言葉を呑む。

(こ、こいつ・・・!)
普通の人間ならこの発言の意味が分からないのかもしれない。
だがリョーコ程の人物だ、この言動でカズヤの人物像というのを完全に把握してしまった。
(こいつは一般人と比較にもならない程の変態・・・・一般人と戦闘民族くらい差があるド変態!)
これから折檻しようとした人物の本性を目の当たりにして、しばし呆然とするリョーコ。
そうしてる間に彼らの知り合いと思しき少女が、豪腕一閃で自分が痛めつけるはずの対象を昇天させてしまった。
もう1人の少年は少女にどこかに連れて行かれ、この場にはカズヤだけが残された。
周囲の人間も惨劇の現場から逃げるように退散する。
ぽつんと周囲から孤立してしまったように残されるカズヤとリョーコ。
(どうするべきか・・・・)
日常から切り離された空間でこれからどうしようかと考え中のリョーコ。
制裁はさっきの少女が済ませてしまったので自分の目的は果たされてしまった。
(じゃあもうこいつに用は・・・・・・・待てよ・・・・・)
リョーコは突如ある考えが思いついた。顔には獲物を見つけたような怪しげな笑みが張り付いている。
カザヤの許に寄り、介抱するリョーコ。近くで見ると拳の痕が残っている。よく生きていられるものだ。
しばらくしてカズヤは半分あの世に逝っていた意識を取り戻し、薄く目を開ける。
それを見てリョーコ、開口一番にカズヤに告げる。
「アンタ、私に付き合いなさい」


男女の出会いは多種多様。
当たり前の日常の中で、それは何の前触れもなくやってくる。
そしてそれが当事者に何をもたらすか、というのも誰にも分からない。
それは今ホテルの一室にいる2人の男女にも言えることで。
「ホ、ホントにいいんすか!?」
「私から誘ったのに、今更そんな質問するなんて野暮じゃない?」
息を荒くして尋ねる少年に、リョーコは身体を擦り付けて妖艶に答える。
「これから貴方に、気持ちいいコトしてあげるから」
そして耳元にキス。カズヤは恍惚の表情を浮かべる。
「ベッドの上でに上がって・・・・・そう、じゃあここに寝てて」
言葉のままに従うカズヤ。彼のモノは服越しでも分かる程、すでに膨張していた。
「リョーコさぁ〜ん♪早く〜〜♪」
「もうちょっと待って。出来れば目を瞑ってもらえれば助かるんだけど」
「はぁ〜い!」
すでに欲情しきっているカズヤは素直に目を瞑る。
(誘っておきながら恥ずかしがる・・・くぅ〜〜!いいんじゃない!?)
黙って待っていられるカズヤではない。音だけを聞いて状況を妄想する。
(あれ?どっか行ったぞ。なんか取りに行ったのかな?
・・・・・・・・・・・お!何かが落ちた音・・・こりゃスカート脱いだな!ふっふっふっふ〜!!)
服を脱ぎ終わったリョーコがベッドに近づいている気配をカズヤは敏感に感じ取る。
「ちょっと手上げて」
「こうですか?」
言われるままに頭の上に手を掲げるカズヤ。すると・・・・
“カチャン”
あまりにも予想外な無機質な音に思わず目を開くカズヤ。
そこには黒のレースの下着姿のリョーコと手錠らしきものをかけられている自分自身の腕が。
「あ、あの〜〜リョーコさん。これは?」
「普通にやってもつまらないでしょ。だから趣向を凝らしてみようと思ってね」
さも当然のように答えるリョーコ。
(普通の男なら面食らうわよね。でも彼なら・・・・)
リョーコはカズヤの顔を見やる。
(やっぱりね。こうじゃなかったらこのまま帰ってたわ)
カズヤはリョーコの思惑通り、困惑するどころかこれから起こるであろう事を想像して、顔を綻ばせている。
(それでこそ私の『100人目』に選ばれた男だわ!)
そう。リョーコはカズヤの生粋の変態振りを見込み、記念すべき100人目に彼を選んだのだ。
(私が思うにコイツは童貞。どこまでやれるか見せてもらおうじゃないの)
「じゃあ始めるわよ」
「お願いします、リョーコお姉様!!」
それを合図に2人のベッドの上の格闘技が始まった。


「あっ!!そ、そこ!!もっと強く・・・・!」
「ん〜?何、その口の利き方?どうして欲しいかちゃんといいなさい」
「は、はいっ・・・・もっと強く、踏んで下さい・・・・お姉様!」
カズヤの言葉を聞き、満足そうに彼を見下ろしながら、リョーコはペニスを足の裏で弄ぶ。
足で陰茎の形をなぞるようにしたり、親指と人差し指の間に挟んで愛撫したり。
「気持ちい?足でココ攻められて」
リョーコは妖艶な笑みを浮かべながら、言葉でもカズヤを攻め立てる。
「い、いいですっ・・・・こんな気持ち良いなんて・・く・・・・知りませんでした・・・・」
初めて味わう快感を前にして、カズヤは思わず声を漏らす。
すでにその先端からは透明な汁が出てきていて、リョーコの素足をべっとりと汚していた。
膨張しきったペニスも信じられないほどの固さを帯びていて、今にも暴発してしまいそうだ。
「お姉様・・・・もうっ・・・・」
「もうイきそうなの?仕方ないわね」
カズヤの限界が近いことを知り、更に足での愛撫を速めていく。
足全体でカズヤのモノを擦り上げ、熱のこもった愛撫をする。
女豹の技術の前に、カズヤは一気に快感のダムを決壊させた。
「うっ!」
うめき声を上げと同時に、カズヤのモノの先端から白濁の液体が勢い良く飛び出す。
その液体は愛撫していたリョーコの白い足を別の白で染めてしまう。
「すごい量ね・・・・そんなによかったの?」
「はぁ・・・はぁ・・・・はい・・・・やば過ぎです・・・・・」
「そう。でもまだ満足するなよ。本番はこれからなんだから」
そう怪しげに答え、リョーコは黒いブラとショーツをおもむろに脱ぎ捨てた。
そして艶かしい肢体をカズヤの前に晒した。
「あら、もう元気になってるじゃない。感心感心♪若いっていいわね〜」
カズヤはさっき果てたばかりというのに、リョーコの肢体を前にして
カズヤのモノは再び硬さを取り戻し、そこに屹立していた。
「今度は私が気持ちよくならせてもらうから。・・・・・はぁ!」
リョーコはカズヤの上に立って、ゆっくりと腰を下ろす。
そうして自分の裂け目に男根を沈めていく。
さっきの行為で興奮してすでに蜜をたたえていたリョーコの中は、あっさりとペニスを呑み込んでいった。

「んふぅ・・・どう?・・・私の、中・・・」
「すご・・・・いっす・・・膣内全体が・・・・絡みついてくるみたい・・・」
リョーコの中が強くカズヤのモノを締め付けてくる。快感に耐え、カズヤはなんとか声を絞り出す。
「そう。じゃあこれからもっと気持ちよくしてあげるわ♪」
そう言うとリョーコは沈めた腰を上下に動かす。濡れきった膣内がカズヤの男根を動くたびに刺激する。
カズヤの上で艶かしい女の肢体が踊る。
(うわぁ・・・すげぇ・・・)
カズヤは自分の上で快楽を求める女の姿を、荒い息を漏らしながら眺めていた。
一方的にリョーコだけが動いていたが、カズヤも更なる快感を求めようと自ずと自らの腰を突き出した。
「あぁん!」
突然のカズヤの動きに思わずひときわ高い声を上げる。
「んふふふ・・・いいわ、アンタももっと動いて」
そう言われ、カズヤはただ黙々とリョーコの中を突き始める。
二人の接続部から男根とヒダが絡み合ういやらしい音がより一層大きくなる。
「ああぁぁ!いいわ!んふぅ・・・もっと・・・突いて!」
カズヤの動きが加わってリョーコの快感もどんどん高まっていく。
動きが激しくなるのに比例して、2人の限界も近づいたきた。
「お、お姉様っ・・・そろそろイきそうです・・・っ」
「んはぁ・・・・私・・もよ・・・・ふぅ・・・遠慮なく私の中で・・・イきなさい」
そう言うとリョーコは腰を淫らに動かし、カズヤのモノを絞りつくすように強く絡ませる。
お互いの激しくなっていく動きが、限界に達するということを言葉なくして伝えている。
「あぁっ!!イクっ!!んあぁああ!!」
甲高い声をあげ絶頂を迎えるリョーコ。それに伴う締め付けでカズヤもついに限界を迎えた。
「くっ!!」
熱い精子が子宮いっぱいに注ぎ込まれる。白濁液が2人の繋がっているところから溢れ出した。
リョーコは乱れた息をしながら、カズヤにぐったりと倒れこんだ。

「しかしすごい量出してくれたわね。若いねぇ〜ホント」
息を吹き返したリョーコはカズヤの上でしきりに感心していた。
「そんなことないっすよ〜」
照れながら嬉しそうに顔を崩すカズヤに、リョーコはなお賞賛の言葉を贈る。
「いや、初めてなのによくやってたわ。私も満足したし」
リョーコは記念すべき100人目の生きの良さにただただ満足していた。
(ふぅ・・・もう用済んだし・・・家帰って一杯やるか)
リョーコは情事を終えたのでカズヤの手錠を解いて帰ろうと腰を上げた。
が、その時。カズヤは嬉嬉とした表情でリョーコを見つめてきた。
「ん?何?」
おかしい態度をとる少年に怪訝顔で尋ねるリョーコ。それに当然のようにカズヤは答える。
「お姉様!次はどんなプレイを!?」
・・・・・・・・・・・・・
(あぁ〜〜〜こういう奴だったわね)
一瞬思考が沈黙した後、リョーコは彼との出会いを思い出した。
そう。彼は並の男とは違う。その証拠にすでに彼の分身は戦闘態勢だ。
「仕方ないわね。じゃあ今日はアンタのが尽きるまで搾らせてもらうわ!」
「はい!お願いします!!」
こうして変態2人の第2ラウンドが始まったのであった。



翌日の朝、シンジは学校の廊下でアキに昨日の出来事を語っていた。
「・・・・・をやったり。本当昨日は時間を無駄にしちゃったよ」
「ハハハハ・・・・でも友達付き合いも大事ですから」
不機嫌そうに話すシンジとそれを宥めるアキ。
2人がそんなことをしてると、背後から話の当事者の声が。
「おう、お前ら・・・おはよう・・・」
その声を聞いて振り返る2人。
シンジは昨日のことで文句を言おうと振り返る。
「お前な!!昨日・・・は・・・・」
カズヤの容貌を目にし言葉を失ってしまった。アキも同様に唖然としている。
「朝から仲いいなぁ・・・・いいことだよ・・・」
「お、お前・・・・なんでそんなにやつれてるんだ?」
そう、カズヤはまるで生気を吸われたかのようにゲッソリとしていたのだ。
しかしカズヤの顔はとても穏やかだった。まるで何かを悟った修行僧のように。
「ちょっと桃源郷に逝ってたんだよ・・・はっはっはっは・・・・・」
そういって2人の間を抜けていくカズヤ。ふらふらと教室の方へ向かっていく。
「な、何があったんでしょうね・・・・」
「・・・・・・あいつにとっては良い事があったんじゃないかな」
シンジはさっきの怒りを忘れ、哀れむような視線を友に向ける。
小さくなっていくカズヤの背中を、シンジ達は見えなくなるまで見つめ続けていた。


「昨日あの後どうしたんですか?」
「ん?あぁ、ベッドの上でさんざん苛めてあげたわよ」
「そ、そんなことを・・・・その子もある意味災難でしたね」
「いや、そうでもないわよ。とっても満足しました、って言って帰ってたし」
「え・・・?」
「いやぁ初めてでアレだけ私に付き合えるなんて大したものよ」
「・・・・・先輩、それってお仕置きになんないんじゃ・・・」
「あ?何の?」
「・・・・・・・」

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