作品名 作者名 カップリング
「気付いた想い」 白帯侍氏 -

初夏の太陽が照り付け鮮やかな若葉の緑を彩っている。
その葉を揺らす心地よい風が吹き、人々は穏やかな時を過ごしていた。
とある学校のとある教室、とある女子高生達にもそれは訪れていて。
しかしある1人の発言からその平穏は後ずさりしながら遠ざかっていった。

「あのさ・・・」
「何?アキちゃん」
「その・・・・・・・されちゃった・・・」
「何をですか。まさか私たちが持ち得ないその胸を弄ばれたというつもりですか?」
「その・・・・・告白・・・ってやつを・・・」
「なんだ〜、セクハラされたんじゃないの」
「たかが告白ですか。もったいぶらないで下さいよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・?
・・・・・・・・!?
!!??
「「告白された!!?」」
「う、うん・・・」


彼氏いない歴=年齢の3人組の1人、アキからの告白にカナミ、マナカの2人は驚きの声を上げた。
下ネタや普通の女子高生を遥かに凌ぐ性知識を持っっているにもかかわらず
2人にとってはこの話題のほうが衝撃的だったらしい。
まぁこういう話題があまりにも欠落してるからなのだが。
驚きから少し落ち着きを取り戻したカナミはアキに尋ねた。
「いつそんなことがあったの?」
「昨日の放課後に、ね・・・相手の人は・・・隣のクラスの人」
「アキさん、その人の名前わからないんですか」
マナカもいつもの冷静さを取り戻して訊いた。
「同じ委員会だったから顔くらいは知ってたんだけどね。でも名前はちょっと覚えてなくて。」
「それでなんて答えたの?」
「う〜ん、どうしたらいいのか分からなくって・・・そうしてたら返事はあとでもいいって・・・
好きな人がいないんだったら良い答えを聞きたい、って言われた・・・」
答えに詰まりながらもアキは2人に告白のことについて説明した。
男っぽいと言われるアキだが女らしくないというわけではない。
顔も明らかに標準以上で、しかもそのスタイルの良さも申し分ない。
今までにそんなことがないことの方が疑問に思えるほどなのだ。
「それで、アキさんはどうするんですか?」
「え?」
一通りの説明の後のマナカの質問に予想もしてなかったと言わんばかりにアキの反応。
「好きな人がいなっかたら是非、と言われてるんでしょう?」
「そうだけど・・・好きな人ていっても・・・」
正直いつもの仲間で大半の時間を過ごすアキに出会いの機会というのは皆無といってもいいほどだった。
すぐに思いつくといったらカナミの兄、シンジくらいだ。
「でももし付き合うことになったらの為に相手の人の性癖について調べなきゃね!」
「お前はいつも話が飛びすぎ」
いつも通り下ネタを繰り出すカナミにこんなときにまで律儀にツッコむアキだった。


昼休みも終わり授業が始まっても、アキは教師の声も頭に入らない状態で物思いにふけっていた。
(好きな人がいなかったら、かぁ)
好きな人、といわれても思いつく異性が少なすぎるしそういう見方で彼らを見たことが無かった。
(同じツッコみだからいろいろ苦労も分かってくれるし、それでいて優しいところもあるよね・・・)
日頃の行動やカナミ達と旅行にいったことなどからアキはシンジと接することが多々あった。
少なくとも普通の友人の兄ということ以上に好意を持ってることは確かだ。
(これって好きってことになるのかな?お兄さん、かぁ・・・・・・・あ、ひぁ・・・っ!って!!)
「人の胸後ろから揉むなぁ!!」
「心ここにあらず〜、という感じだったのでつい刺激を」
「お前ら今授業中だから・・・」
アキの珍しい考え事(?)もいつものカナミのボケによって幕を閉ざれた。

結局考えもまとまらず帰路につこうとするアキ。
帰宅しようとしている生徒達の中を通っていく。
そこで偶然にもシンジと出会ってしまった。
「ああ、矢野ちゃん」
「お、お兄さん・・・こんにちわ」
しょっちゅう話す機会もあるというのにアキはなぜか照れてしまった。
(授業中あんなこと考えたりしたしたせいかな)
「そーいえばさ・・・」
「何ですか?」
「カナミから聞いたんだけど、告白されたってホント?」
「!?」
(お兄さんに知られてる!?ど、どうしよう!?)
別にどうすることもないのだが慌ててオロオロするアキ。
「カナミが『アキちゃんの為にしなきゃいけないことがあるから遅くなるかも』って。いつも迷惑かけてるね・・・ごめん」
「そ、そんなこと無いですよ!まぁ、多少困ったことは・・・ありますけど」


苦笑し合う2人。アキも少しいつも通りのペースを取り戻していた。それと同時に
(やっぱりお兄さん優しいな・・・)
意識してみるといつものシンジの気遣いもアキには特別なものに感じられた。
「もし付き合うことになったらさ、俺からカナミにしっかり釘打っておくから安心して。じゃぁね」
(!)
「あ、はい・・・さようなら・・・」
そういいながら手を軽く振りながら帰っていくシンジ。
別れ際の彼の言葉が心にひっかかり、アキは帰っていくシンジの姿を切なげに見つめた。

昼の居心地の良さが幻であったかのようにその夜はひどく蒸し暑かった。
アキは食事を済ませて風呂に入ってからなにもする気になれずにベッドに仰向けで横たわっていた。
(なんでこんな気持ちになるんだろ・・・)
『もし付き合うことになったら』
カナミにも言われた言葉のはずなのに、シンジの口から聞いた言葉を思うとなんとも言えない気持ちにさせる。
彼が帰って行く姿を思い出すと自分のいる所から手の届かないような所にいってしまう様に感じられてしまう。
(お兄さん・・・・)
暑さのせいで頭がぼーっとなてくる。
アキの手は自然に自分の秘部へと向かっていく。
(あっ・・・)
ゆっくりとアキは自らのそれを愛撫する。
ショーツ越しだがそこはすでにしっとりと湿っていてアキの動きも次第に激しくなっていく。
「く、うぅぅ・・・」
アキはブラジャーをたくし上げ下半身の衣服とショーツを膝までずり下げる。
右手でその豊満な胸を、左手で秘部の割目を刺激する。
「あっ・・・ふぅぅぅ・・・お・・にい・・さん・・・!」
自然とシンジの名を呼ぶアキ。シンジのことを思うと厭らしい蜜が更に溢れてくる。
体が痺れてきて頭もぼぉっと白くなってくる。アキは絶頂の階段を上りきるためにラストスパートをかける。
「はぁぁ・・・はっ、シン・ジ・・さぁんっ・・・・・・あぁぁぁ!」
体を快感のあまり痙攣させ、アキは絶頂を迎えた。



ボーっとする頭でアキは先ほどまでしてたことを考える。
(お兄さんであんなに激しくするなんて・・・)
シンジのことを想い行為に耽ったのは初めてではなかったが、今回のそれはそれらより、いや、今までで以上の快感をアキに感じさせた。
(やっぱり・・・私・・・おにいさん・・・・・シン・ジ・・さんの・・・こ・・・と・・・・・・)
そうしてアキは意識を手放した。

「やっぱさ、アレ断るわ」
次の日の昼休み、アキはカナミ、マナカ〜おそらく昨日調査をしていただろう〜にそのことを告げた。
「そうですか。調査が無駄になりましたか・・・」
「そんなものはどうでもいい」
いつも通りマナカに冷静にツッコむアキ。
「でもどうして?」
カナミが当然の疑問を口にする。
「だって好きな人がいなければって言ってたから、さ」
少し照れながらもはっきりと答えるアキ。
「え!それ誰?」
「ひ・み・つ」
「アキちゃんのケチ〜」
そんなほのぼのとした会話をしている2人を黙ってみているマナカではない。
「そんなこと言わずに。アキさん、なんならその人の性癖を・・・」
そう答えるマナカとその隣でコクコク笑いながら頷くカナミ。
(こいつら・・・)
いつもの如くツッコみをいれようとする。が、あることを思いつきそれをやめた。
アキは得意げな顔になり言い放った。
「いいよ、それは。もう知ってるから」
予想外の言葉に声を失う2人。
それをおかしそうに見つめながらアキは
(彼が好きなのは・・・お尻の・・・・穴・・・なんだよね)
と心の中で2人にそれを教えるのだった。

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