作品名 作者名 カップリング
「水も滴るいい女」 アカボシ氏 -

 夏休みも終わりが近づいたある日の夕方。
「じゃ、またね。」
「うん、気をつけてね。」
 パタン、と城島家の玄関を閉めて、帰路につくアキ。
「もうこんな時間か。」
 カナミの家は親がいないから、ついつい遊びすぎて、こんな時間になった。空も大分
暗くなり、陽ももう半分以上沈んでいる。急いで帰ろうと、足を速めた矢先に雨が降り始めた。
「うわ、ついてないな。傘持って来ればよか…のわああぁぁ!?」
 空を見上げた途端、土砂降りの雨が轟音とともにアキを襲った。激しく叩きつける雨で、
周囲の音が遮断された。おまけに風も出て、ゴロゴロと雲が光始めた。
「ま、前見えない、息が詰まる、雷怖い…!!」
 あっという間に下着までびしょぬれになり、アキは帰るのを諦めて城島家に雨宿りさせて
もらうことにした。

 ピンポーン
「はーい。」
 チャイムの音に呼ばれ、玄関のドアを開けたシンジ。
「あ、アキちゃん、大丈夫!?」
 そこに立っていたアキの姿はとても扇情的だった。全身ずぶぬれで、ピンクのシャツは
その豊満な胸にぴったりと張り付き、下着の形を浮き上がらせている。下はというと、
白いミニスカートは完全に透けて、赤いパンツがはっきりと見えている。
「すみません、ちょっと傘借りていいですか?」
 アキの姿に釘付けになっていた自分に気付き、はっとするシンジ。
「あ、いや、風邪ひくから雨宿りしてきなよ。カナミー、タオル持ってきてくれ。」
 パタパタとカナミが走ってくる。
「はい、アキちゃん。丁度お風呂沸いてたから入って。」
「ありがと、ホント助かるわ。ごめんね、こんな時間に。」
「友達じゃないの、気にしない気にしない。」


 体に張り付いた下着を脱ぎ、浴室に入る。お湯の満たしてある浴槽に手を入れると、
少し熱いくらいの温度だった。
「体が冷えてるからかな。このぐらいが丁度いいのかも。」
 ゆっくりと、浴槽に体を沈めていく。
「はーっ、暖まる〜。」
 一息ついたアキの耳に、カナミの声が届いた。
「アキちゃーん、一緒に入ろー。」
 曇りガラスの向こうで、カナミが服を脱いでいるのが見えた。
「え、マジで!?」
「湯加減はどう?」
 ガラガラと、浴室に入るカナミ。
「丁度いいよ。って、修学旅行じゃないんだから…」
 はぁ、とため息をつくアキ。だが、風呂まで入れさせてもらってる恩もあるし、無下に
断るのも失礼だと思い直した。 まぁ、すぐ後悔することになるのだが。

 カナミがアキちゃんのいる風呂に突入して20分が経った。俺はもう風呂に入ったあと
だったので、ゆっくり浸かっているらしい。カナミがはしゃぐ声が聞こえてきた。

「お兄ちゃんの先っちょのティッシュとか色々浮いてるよー!」
「報告すんなよ!」

「お兄ちゃーん!アキちゃんの胸、お湯に浮いてるーっ!!」
「こら、カナミ!!」

「左のおっぱい陥没乳首ー!」
「吸い出すそうとするなーっ!」

 最初は、カナミは俺に喧嘩売ってんのかと思っていたが、「許してやれよ。」
と言わんばかりに、俺の息子が立ち上がったので勘弁してやった。




 風呂から上がると、アキは、「今日は友達の家に泊まる。」と、家に電話をした。
「でさ、カナミ。他に服ないの…?お兄さんのでいいからさ。」
「ない。ないったらない。」
 アキがさっきまで着ていた服は、今は洗濯機の中でぐるぐる回っている。
つまり、アキが着ているのはカナミの服だ。アキの胸が窮屈そうにシャツを押し広げている。
 もちろん、サイズの合うブラもないのでノーブラだ。恥ずかしそうに乳首を手で覆う
アキの仕草に、たまらずシンジは前かがみになった。結局、シンジのシャツを貸した。
「ところでお兄ちゃん。友達が泊まりに来てるときくらい、ピストン運動自粛してね?」
「フッ、自信ねぇよ…今日は我慢しろって言うほうが無理だろ?」
 その夜、アキはどこからか聞こえてくるギシギシという奇怪な音に怯えながら眠りについた。

 翌日。乾いた服を着て、アキは帰った。シンジの手元には、まだアキのぬくもりの残って
いる、シンジのシャツ。脱衣所で、洗濯籠に入れるのをためらう。
「………。」
 誘惑に負けて、くんくん、と鼻を近づけて匂いを嗅いでみた。汗の匂いに混じって、甘い
香りがする、と思うのは気のせいなのだろうか。急に、自分のやってる事が変態じみた
行為に思えて、洗濯籠にシャツを突っ込んだ。居間に戻ろうと振り返ると、そこには
生暖かい笑みを浮かべたカナミがいた。親指を立てて、カナミが言った。
「お兄ちゃんも思春期!」
「うっせー!!」

 そのあとすぐ、風呂の掃除をしているカナミの姿があった。排水溝の蓋を外した。
「冬にはお兄ちゃんも受験生だからね。お守りつくっておかないと。マナカちゃんからはもう
もらってあるし…金城さんは適当な嘘つけばくれそうだし、ショーコちゃんは処女じゃないし
…あった!濃い目の金髪の縮れ毛!」
 シンジへ渡すお守りにいれるため、処女の陰毛を集めるカナミの姿があった。
「クリスマスに渡して、お兄ちゃんをびっくりさせようっと?」
 まぁ、そんなもん渡されたら誰でもびっくりするだろうが。

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