作品名 作者名 カップリング
「二回目」 アカボシ氏 シンジ×カオル

カリカリカリ・・・ ノートを走るペンの音だけが部屋に響く。大学の受験と卒業を間近に控え、
シンジは家に帰ってきても勉強ばかりしている。会いにきた恋人が、ほったらかしにされて
コタツでふてくされている。
「あー、終わった・・・。」
んー、と伸びをして、シンジが振り返る。彼女の表情が、ぱぁっと明るくなる。
「私、ココア淹れてくるね。」
コタツから出て、部屋を後にする。階段を小走りに降りていく足音。
「俺、コーヒーが・・・」
まぁどっちでもいいか、とコタツに入り、彼女の事に思いを巡らせる。
3ヶ月前から付き合い始めた女の子、金城カオル。アキちゃん以上にサバサバして、
ボーイッシュで格好良くて、なにより桁外れにピュア。始めはお互い名前を呼ぶのも
照れくさかったが、打ち解けていく内に彼女も敬語をやめて、「シンジ」と呼んでくれるように
なった。カナミ達も温かい目で見守ってくれた。若干嫉妬の視線を感じる事もあったが。
 一度だけ、身体を重ねた。純粋な彼女を汚してしまった事に、少なからず罪悪感を感じた。
が、処女じゃなくなって、色々性知識を覚えてもカオルはピュアなままだった。
「・・・ヤベ、勃ってきた。」
罪悪感だなんだと思ってても、身体は正直だ。肉欲の快楽をしっかり記憶している。自己嫌悪
に苛まれ、コタツに突っ伏した。


「あれ?シンジ、寝ちゃった?」
ココアを持ってきたカオルが、シンジの顔を覗き込む。カオルの顔が間近にせまり、飛び上がる
様に起き上がる。今更ながら、カオルが淡いピンクのリップをしていた事に気付く。
「はい。熱いから気をつけてね。」
「ありがと。」
・・・肉体関係を持ってから、カオルがやけに色っぽく見える。何気ない仕草の一つ一つが女らしく
感じて、交際当初よりもドキドキさせられる事が多くなった。そのくせ向こうは、頻繁に甘えてくる
様になった。いや、以前から二人きりになると甘えてきてた。普段とのギャップがまた可愛くて・・・
「あぢゃーっ!!」
考え事に没頭するあまり、冷まさないままココアを啜ってしまった。カップは落とさなかったが、指と
ズボンに零してしまった。
「大丈夫?」
カオルがティッシュでココアを拭き取る。ズボンのは自分で拭き取ったが。
「ああ、悪い。」
ばつ悪そうに謝るシンジ。ティッシュをゴミ箱に捨てて、カオルが嬉しそうに笑って言った。
「今、二人きりだね。」
心臓が跳ね上がる。ココアにのばした手を止める。
「か、カナミがいるだろ?」
やべ、声上ずった。動揺を隠し切れない。カオルが黙って一枚の紙を差し出す。その紙には、
『彼氏いない歴=年齢の三人で慰めあってきます。帰るのは遅くなるので、二人で存分に
愉しんで下さい。 byカナミ』
と書かれていた。・・・うわぁ、僻みがいっぱいだよコレ。三人って、アキちゃんとマナカちゃんか。
慰めあう、の意味がそのままだったらアキちゃんの貞操が心配だ。楽しんで、じゃなくて愉しんで、
なのが悪意を感じる。その上、『絡み合ってください。』と書かれて、消された跡が残っている。


「指、火傷してない?」
突然カオルがシンジの右手を掴み、書置きを落としてしまった。カオルは構わずにシンジの指を
口にいれた。
「なっ!」
指先に、ちろちろとカオルの舌の感触。くすぐったくて、思わず指を抜き取った。カオルは悪戯っ子
みたいな表情を浮かべ、
「口の中は?」
と言いながら、キスをしてきた。抵抗する暇もなく、口の中に舌を差し込まれた。そのままカオルに
押し倒された。
「やっぱり、キスって甘いね。」
「ココアだろ!」
口を離したカオルが、ココアの染みのついたシンジの股間に手を伸ばす。
「ま、まて、そこは!」
カオルの手が、優しくそこを撫ぜる。
「大丈夫?腫れてるよ?」
「分かっててやってるだろ!」
「当たり前でしょ?」
「!?」
ファスナーを下ろし、トランクスからペニスを引っ張り出す。手で二、三度しごくと、
「舐めたげる。」
と言い、ぱくっと頬張った。


「だ、誰にそんな事教えてもらったのさ!」
前かがみになりながら、カオルに聞く。
「ふぉーふぉ」
「ショーコちゃんか・・・。」
納得しつつ、聞いたところでこの状況がどうなるわけでもない。カオルが頭を上下に動かし、
ペニスを口内に包み込む。カリの裏側に舌を這わせ、根元を手でしごく。上目遣いに一生懸命
フェラをするカオルをみているだけで、ペニスがいきり立つ。
「出そうだから、ストップ!もういいってば!!」
シンジが止めるのも聞かず、ますます動きを早めていくカオル。ペニスが一際大きく膨らんだ。
「くっ・・・!」
びゅくびゅくと、シンジの精液がカオルの口に解き放たれる。青臭い匂いが口の中に広がる。
「ん、んーっ!?」
驚いたカオルが口を離すと、顔に精液が飛び散った。
「ゴメン、大丈夫!?」
シンジがティッシュでカオルの顔を拭く。カオルはティッシュに口の中の精液を吐き出した。
「けほっ・・・。こんなにマズイとは思わなかった・・・。目に入ってしみるし。」
半泣きのカオルを慰めながら、シンジが聞く。
「今日のカオル、変だぞ。何かあったのか?」
カオルはしょぼん、として答えた。
「だって・・・初めてHしてから結構経つでしょ?痛いのは初めての時だけだって言うから、次からは
気持ちよくなれるんだと思ってずっと待ってたのに、それっきりで誘って来ないから、さ・・・。」
上目遣いにシンジをにらむ。
「あー・・・、ゴメン。病み付きになりそうで怖くてさ・・・。それで成績落ちるのもなんだし。」
目を逸らし、頭をぽりぽり掻く。
「それに、最近あんまり構ってくれないし・・・。」
カオルはいつ泣いてもおかしくない表情をしている。
「わかった。じゃあ、責任とるとしよう。」
シンジがカオルをお姫様抱っこでベッドに運ぶ。が、カオルが抵抗する。
「ま、まってよ、顔と口洗ってくるから。パリパリしてきた・・・。」
シンジの腕から降りて、カオルは部屋を出た。


カオルが部屋に戻ってきた。
「お待たせ。」
 えへへ、と笑って、ハイネックのセーターとシャツを一度に脱ぐ。上半身はブラだけ、下半身は
ジーンズの姿でシンジの隣に座る。シンジは、カオルをベッドに押し倒した。
「ねぇ、前のHの時、そんなに気持ちよかったの?」
「ああ、成績どころか大学も落ちるかもな・・・。」
「へぇ・・・いいなぁ。」
「そうか?」
 軽くキスをして、首筋から胸元へ舌を這わせる。スポーツブラを外し、手の平で胸を撫でる。
「あん・・・くすぐったい。もっと強くして・・・。」
 恥らうカオルの要望に答え、まだ芯の残る胸を強く揉みほぐす。乳首に吸い付くと、カオルの
体がびくん、と波打った。舌で舐めても、転がしても面白いように反応する。
「乳首、弱いんだ?」
 小さくコクンと頷くカオル。シンジは右手をカオルの下腹部へと伸ばした。ボタンとファスナーを
外し、パンツの中に手を差し込む。乳首を指と舌で責めながら、膣口周辺を優しく撫でる。
「あっ、ダメ・・・染みがついちゃう。」
「じゃ、全部脱がすよ。」
 シンジはカオルをうつ伏せにし、腰を高く上げさせてジーンズを膝まで下ろした。
「やだ、恥ずかしいよ、このカッコ・・・!」
 構わずにパンツも脱がすと、桜色の花弁があらわになった。ぴったりと閉じた花弁からは
うっすらと愛液が滴り、てらてらと光っている。
(ここに、俺のが入ったんだ・・・)
処女の頃のままの小さな花弁に、そっと口付けた。

「イヤ、汚いよ、そんなトコ・・・。」
 身をよじるカオル。シンジはカオルの腰を押さえつけ、舌で膣口をなぞる。
「きゃんっ・・・!」
 花弁がひくひく動く。ゆっくりと舌を侵入させ、硬さの残る蕾を解きほぐしていく。カオルの
体から力が抜けていき、喘ぎ声があがる。愛液がシンジの舌に伝い落ちてくる。
「大分ほぐれてきたかな?」
 つぷぷ、と人指し指を挿しいれる。それに答えるように蠢く、熱く潤った膣内。
くちゅくちゅと音をたて、指を何度も往復させる。
「やっ、あっ、何これ・・・?」
 息が荒くなり、目の焦点が合わなくなるカオル。
「気持ちいい?」
 クリトリスの皮をむいて、くにくにと指で押しつぶす。
「わ、わかんない、何これ・・・あーーーっ!!」
 ぎゅっとシーツを握り、身体を強張らせて絶頂に達するカオル。膣内がきついくらいに
指を締め付けてくる。すぐに、カオルの体から力が抜けた。
「どう?初めてイった感想は。」
「頭がボーっとして、ジンジンする・・・。」
 シンジが、コンドームをペニスに装着する。
「入れていいだろ?もう我慢できないよ。」
 うつ伏せのカオルに覆いかぶさり、ペニスをまだひくひく蠢いている花弁に押し当てる。
「うん、いいよ。気持ちよくしてね・・・。」
「わかってるよ。」
カオルにキスをして、カオルの中にゆっくりと入っていった。


「んっ・・・」
 後背位でカオルを貫く。肉壁がシンジに絡み付いてくる。突く度に愛液が内股を
伝っていく。
「あっ・・・前と全然違う・・・!」
 痛いだけだった前回とは違い、ペニスを突き込まれる度に快楽が走る。背筋がゾクゾク
して、体の力が抜けていく。
「やだ、体が、勝手に・・・!」
 シンジの動きに合わせて、カオルが腰を振る。粘膜のこすれあう音が部屋にこだま
して、二人をますます興奮させる。シンジが胸をわしづかみにして持ち上げ、カオルを壁に
押し付けて突き上げる。カオルが再び絶頂に達する。
「あ、イク、イっちゃう!!」
 肩をガクガク震わせ、カオルの膣内がきつくシンジを締め付ける。が、シンジは腰を動かすのを
やめない。カオルの反応を見ながら、的確に弱い所を突く。
「ちょっ・・・うあぁっ!まって、んむぅっ・・・・!!」
 ディープキスで唇をふさぎ、ピストン運動を続ける。胸を揉みほぐし、乳首をつまみあげる。
腰を打ち付けるたびに飛び散る愛液で、シーツが染みだらけになる。
(気持ちよすぎて、おかしくなっちゃう・・・。)
息が浅くて、苦しい。二人の唾液が混ざり合い、顎を伝って落ちる。
「イクぞ、カオル!」
 シンジが強くカオルを抱きしめる。
「来て、シン・・・ジ・・・。」
 腰に回されたシンジの手を強く握る。二人は同時に絶頂に達した。


 すっかり冷めてしまったココアを飲みほす。
「また淹れてくる。」
 シンジがカップを二つもって部屋をでる。コタツに入り、カオルはシンジの事に思いを
巡らせた。
 城島シンジ。最近できた友達のお兄さん。数少ない、普通に話すことのできる男の人。
そして、初めての恋人。男によく間違われる自分を、可愛いと言ってくれた。
初体験の相手。向こうも初めてで勝手が分からない筈なのに、気遣って優しく抱いて
くれた。今日は、私も気持ちよくなれるよう頑張ってくれた。確かに、あれは気持ち良かった。
でもショーコが『ナマが一番気持ちいい』とか、『中出しされた時の感覚がクセになる』って
いってたなぁ・・・。あと、シンジはアナルフェチだって皆言ってたっけ。あ、濡れてきちゃった。
私、さっきから何やらしい事ばっかり考えてんだろ。さっきまでしてたっていうのにさ・・・。
「寝たのか?」
 いつの間にか戻ってきたシンジが、自己嫌悪で突っ伏したカオルの顔を覗き込む。
慌てて起き上がるカオル。
「ほら、熱いから気をつけろよ。」
「ありがと。」
 ああ、やっぱりシンジってやさしいなぁ、結構マメなところあるし、優柔不断そうに見えて、
案外頼りになるし・・・
「あづっ!?」
 考え込んで、舌を火傷した。


おまけ

「今頃お兄ちゃんたち何してるのかな・・・。」
 遊びに行くお金もなくて集まったマナカの部屋で、ため息混じりにカナミが呟く。
「何って、ナニしかないでしょう。私達もやってみましょうか、カナミちゃん、アキさん。」
 雑誌をめくりながら、ボケを振ってくるマナカ。
「このテレビつまんないねー。」
 紅茶を啜りながら、とぼけた目でマナカを無視する。カナミが頷く。
「そうだね。アキちゃん、まわしてもいい?」
「ん、いいよ。」
 テレビのチャンネルのことだと思って、カナミにリモコンを渡す。が、カナミはアキを押し倒し、
マナカはアキの足を押さえつけた。二人の息はぴったりだった。
「アキちゃんもやっぱり寂しかったんだねー。」
カナミがバッグからバイブを取り出し、それにほお擦りする。
「アキさんだって女の子ですし、人恋しい季節ですからね。」
マナカがベッドの下からピンクローターを取り出し、ぺろりと舐める。カナミがアキの上着に
手をかける。マナカがアキのベルトを外す。第六感が告げている。彼女達は本気だと。
「ちょっ、まわすってそう言う意味じゃ・・・ギャアーーー!!」

終わり

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