作品名 作者名 カップリング
No Title 雷電氏 -

「小宮山先生いらっしゃいますか?」
「この子だ!」
入って来た女性にカズヤは驚き叫ぶ





「うっ…、何ですか!」
イキナリ叫ばれ耳を押さえながら少女が聞く
シンジと今岡も少女を見つめていると小宮山が喋りだす
「叶さん、こいつらは私のクラスの今岡さんと新井君よ」
「先生俺は?」
「あんたはいいのよ」
シンジは紹介されない事にダメージを受けながらも自分でミホに自己紹介をした
「城島シンジです」
そう言って手を差し出す
「あっ叶ミホです!」
顔を真っ赤にして自分の手をハンカチで拭きシンジと握手をした


「なんか変な感じ…」
ミホとシンジ、初めて会う筈なのに醸し出す空気に今岡は疑問であった





「それで何故私を探してたんですか?」
小宮山から事情を聞きミホが三人に聞く
「えっと…」
今岡は本当の事が言えず言葉に詰まった、しかし
「朝ミホちゃんを見て一目ぼれしたんだよ」
いつもの笑い顔、軽い口調でカズヤが喋りだす
「ハハッ、ありがとうございます」
冗談だと思いミホは笑う

「…カズヤ」
「…カズヤ」
二人のやり取りを見て今岡とシンジは緊張する
(気付いてないとは言えさらりと告白しやがったよ…)


「……私は仕事があるから外で話しなさい」
茅の外で小宮山は少し怒ったのか四人を無理矢理追い出した





追い出され廊下で立ち尽くす四人、真っ先に今岡が口を開く
「叶さんは今日は暇かしら?」
「ええ、今日は」
「じゃ四人で喫茶店に行かない?」
「構いませんよ」
二つ返事で答を出す
カズヤとシンジは
「今岡…俺の為に!」
「いや、面白がってるだけだと…」
「シンジ!今岡は託したぞ!」
「話しを…」
「幸せになるから!」
「さっきから話しが飛躍してるぞ!」
暴走したカズヤにシンジは頭を痛めるだけだった


「いらっしゃいませ」
扉を開けると店員の声が店に響く





「メイド喫茶じゃないのかよ」
「自分が変態だと晒す気か?」
「男共文句を言わない!」
「メイド…」
言いたい事を言いながら席につく
「じゃホットコーヒー4つ」
今岡が率先して注文を告げ、話しが始まる
「叶さんは一年生なんだ」
「はい」
「へ〜、俺の妹も一年なんだ」
「カナミさんとはクラスが違うんですけど同級生ですね」
「…カナミ知ってるの?」
シンジの問いにミホは言葉に詰まり答える
「…有名ですから!」
「そうか…」
なせがシンジは黙ってしまう


「へ〜叶さんバイトしてるんだ、偉い偉い」
互いの事を話し場は明るく盛り上がる





「料理も出来て女の子の鏡ね」
「お前も見習…ゴブァ」
今岡のパンチがカズヤを襲う
「…いつもこんな感じで?」
ミホはシンジに問う
「ああ、いつもね」
「いいですね、仲が良くて、二人は付き合ってるんですか?」
ミホの純粋な問いに場は静まる
「ミホちゃんそれは違う!」
「そうよ叶さん!」
「こんな男女と俺が…グハァ」
しどろもどろになりながら二人は答える
「いいですね〜」
ミホは笑いながら二人を羨ましそうに眺めていた


「お会計1200円になります」
カズヤは財布を取り出し会計をすます





「ありがとよカズヤ」
「さすが男の子!」
「ご馳走様です」
三人はカズヤに礼を言う
「いいよ。ミホちゃん誤解はとけた?」
「はい、ただの仲の良い友達ですね」
あれから二人は一時間ミホに誤解を正そうと頑張ったのだ
「明日土曜か、四人でどっか行こうよ」
「いいですね」
「じゃ明日12時に学校の前で」
「はい!じゃ失礼します」
「バイバ〜イ」
今岡はミホに大きく手を振った
男達は女達の行動の早さに驚くしかなく後ろ姿のミホを見送った

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