作品名 |
作者名 |
カップリング |
「奪・わき役」 |
ペピトーン氏 |
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ある中学校のテニス部の練習風景。
福浦マホが飛んできたボールを見事に打ち返した。
「おー、よく拾い返したな」
そのプレーを見て部長は感心した。
マホはエーコとともにここの所目に見えて腕を上げている。
テニスが上手くなるには世界クラスの選手のプレーを参考にするといいよ、とエーコに
言われたので、マホはエーコから世界大会などのビデオを借りて、自分なりに研究していたのだ。
部活終了後、今日もエーコがテープを持ってきた。
「マホ、はい、これ貸してあげるね」
「ああ、ありがとう。いつも悪いね」
「いいのよ。ところでマホ、今日のは特に勉強になるわよ」
「そう?じゃあ早速帰ったら見るわね」
マホはエーコの言った本当の意味をこの時は知る由もなかった。
その日の夜―
シャワーを浴びた後、パジャマに着替え、エーコから借りたビデオを参考に今日もプレーを
研究するマホ。これが就寝前の日課である。ちなみに見ているのは全米プロと書かれたラベルのテープである。
「うーん、球際に強くなるにはもっと走りこまないとダメね。強いサーブの打ち方は、重心をもっと…」
こうして、自分なりに考え、練習に取り入れたりしているのである。なかなか研究熱心である。
「よーし、次のテープも見てみるか」
そして、一本目のビデオを見終わった後、デッキから取り出し、二本目のビデオの研究に取り掛かる。
そのテープには何もラベルが張っていなかったが、そんな事は全く気にせず再生させると、
そこには…女性が裸になって、男性とからんでいる。そう、AVである。エーコが特に、と言ったのは
この事だったのである。テープの入手先は…言うまでもないであろう。ちなみにモザイクは入っている。
「なな、な、何これ!?んもう、エーコの奴…」
マホはビデオを止めようとはしたものの、マホは画面から目が離せずにいた。マホはAVを見るのは
初めてである。保健の授業で人の体については習ってはいたが、今その生々しい様子が映し出されている。
「ああ、大人ってこんないやらしい事するのね…」
結局ビデオを止めたのは一通りのプレーが終わった時だった。ようやくビデオを止めると、
「ああもう!さっさと寝よう!」
今見てしまったビデオの内容を頭から振り払うようにマホはベッドの布団を頭からかぶって
眠りに就くことにした。しかし、眠ろうと目をつぶっても、先程のAVの内容が頭によぎる。
「うーん…」
何度も寝返りを打つものの、神経は高ぶるばかりである。そのうちに、自分の
身体に明らかな違和感を覚えた。
(何だか胸が苦しい…)
…胸の先…乳首が痛いほど充血し、硬く突起しているのがパジャマに押し付けられて
よく分かる。マホは落ち着かせようと胸を両手で少し下から持ち上げてみる。
「……あっ…う…」
いつもと全く違う、鈍く痺れるような感覚が、胸を中心に体全体へ伝わっていく。
なにか…さっきよりも更に乳首の痛みが強くなってきたような気がする。
その痛みを打ち消すには、もはや揉んでみるという行為以外、マホには思いつかなかった。
乳房をやさしく揉み、おそるおそるその突起を…指で摘んだ。
「…ふぁん!」
マホは思わず大声を上げてしまった。
「な、なに…今の感覚は…」
マホはまるで体中に電流が走ったような衝撃を受けた。今まで感じたことのない妙な
気持ちよさにもうちょっとだけ、と思いながら乳首を揉み続ける。
「はあ…ああ…ああん…くぅ…」
マホの身体は熱くなり、パジャマを脱ぎ、上半身裸になった。まだ少女らしくわずかに
膨らんでいる胸が露わになる。少し解放された気分になる。
「ふうっ…涼しい…」
上半身を解放すると、再び胸を揉み続ける。
「ああん…あぁ…あっ…ああっ…」
そのうちに股間に違和感を感じたので片方の手を伸ばしてパンツの上から触れてみる。
「ああ…何これ…濡れてるよぉ…」
パンツにはっきりと水気を感じた。それにも構わず手を動かす。
「あああっ!」
胸とはまた違う、更に強烈な快感がマホを襲う。思い切ってパンツの中に手を入れると、
愛液のべっとりとした感触がしたが、今のマホには股間に直に触れて更なる快感を
得ることしか頭にはない。
「あ、ああ、あああ…いいっ…」
恥部はすでに愛液が溢れ出していて、クチュ、クチュ、といやらしい音を立てている。
パンツは既にびしょ濡れであるが、さらに快感を引き出そうと手の運動を激しくする。
そのうちに股間に小さい突起物に指が触れた。
「…ひっ…ひゃぁん!!」
今までよりも強い衝撃が、マホの身体を駆け抜けた。
「…あああっ…な、なにこれ…気持ちいいよう…」
その突起物に触れるたびに快感がマホを襲う。その感覚を持続させたいと続けている
うちに段々絶頂の時が近づいてきた。
「あっ、あっ、ああっ…わたし…おかしくなりそう.…」
マホの脳裏に再びAVの内容がよぎった。クライマックスの時の女優の気持ちよさそうな顔を
思い浮かべたとき、マホの行為もクライマックスを迎えた。
「ああ、あああっ…あああああっっっ!!」
ガクガク、と身体を震わせてマホはこの日一番の歓喜の声を上げて快楽の世界へ飛び込んでいった。
「…はあ、はあ…」
…どのくらいの時が経ったのだろう。
マホは胸を上下させて荒い呼吸をしながら我に返った。
「ああ…わたしったら、なにやってるのよぅ…」
そう、マホは初めていわゆる自慰行為をしてしまったのである。その行為自体は
知っていたが、そんないやらしい事は自分には関係の無い事だと思っていた。
「気持ちよかった…私…どうしちゃったんだろう…」
何しろ初めてのことである、マホは言いようの無い不安感に襲われるのであった。
ようやく乱れた呼吸を整えて正気に戻ると、
「あーあ、汗かいちゃった…またシャワー浴びなきゃ。あ、パンツも取替えなきゃ…」
着替えを持って再び風呂場に行きシャワーを浴びながら、
「ったく、エーコのヤツ…変なもの渡すから」
エーコに怒りをぶつけつつ先程の興奮をようやく鎮めたのであった。