作品名 |
作者名 |
カップリング |
『初の異性交遊〜外伝小ネタ〜』 |
ナット氏 |
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「「「お邪魔しまーす。」」」
「「いらっしゃーい」」
今日はクリスマス・イブ。マナカの誕生日会も兼ねて今年も城島家でパーティーを開くことになった。
リビングにはしっかり飾りつけがしてあり、机には豪華な料理が並ぶ。
カナミが人数分準備したコップにジュースを注ぐ。
「それじゃあ、マナカちゃんの誕生日とクリスマスを祝って、かんぱ〜〜い!」
「「「「かんぱーい!!」」」」
コップとコップがぶつかりカツッと少々安っぽい音を奏でパーティーが始まった。
カナミの手料理に舌鼓打ちつつ、たわいもない雑談に花が咲く。
マナカへのプレゼント、クリスマスプレゼント交換などのイベントをこなすうちに酒が入り、みんなのテンションも上がっていく。
「マナカちゃん、顔赤いよ。 だいぶ酔ってるようだけど大丈夫?」
「らいじょうぶれすよ、おにいひゃん。今日は私の誕生日でクリト・・・」
「いや、それ去年も聞いたから・・・」
「でもいいなぁ、キョウコちゃん今年も彼氏とかぁ」
「なんで私に彼氏いないんだぁ!男どもは巨乳好きじゃなかったのかぁ!」
「別にいいれすよ!。今日は彼氏のいない者同・・士?」
マナカ、アキ、カナミがカオルの方を見た。
カオルはお酒をほどほどに、ジュースを飲んでいてそれほど酔いは回ってなさそうだ。
「そういえばあんた、お兄さんと付き合ってたよねぇ・・・」
「裏切りれすよ〜」
「え?え?えぇ〜〜〜!」
じりじりとカオルに近づくマナカとアキ。
「言え!どこまで言ったか言え!」
「きゃーっ!!」
その光景を見ていたシンジは「逃げよう」と判断し、部屋を出て行こうとした。
「お兄ちゃん、どこ行くの?」
ギクッと反応する。振り向くとカナミが立っていた。
顔は真っ赤でかなり酔っているようだ。
「い、いや。風に当たりにいこうと思って・・・」
「逃げようったってそうはいかないよ!」
「あぁ〜〜〜」
服の背中の部分をつかまれ、中へと戻される。戸がパタンと小さな音を立てて閉じた。
「そらそら!飲め飲め!」
「んん!ん〜〜〜〜〜!!」
「アキさん、もっとれす!」
もうひとつの集団ではアキがカオルに無理やりお酒を飲ませていた。
じたばた抵抗していたカオルの手足が止まった。
アキがグラスを口から放すとカオルの上体がゆっくりと持ち上がった。
「うぃ〜〜〜 ヒック!」
お酒にあまり慣れてないせいか、カオルの顔があっという間に赤くなっていた。
「あ〜〜〜 う〜〜〜」
頭の中がぐるぐる回っているのかわけのわからないことを口にする。
「それで、あんたとお兄さんどこまでいったの?」
「あ〜〜〜? ひっく! 聞いてよ〜〜〜!シンジったらぜんぜん抱いてくれないのよ〜〜!
もう何ヶ月付き合ってるんだ!って言ってやりたいんだから!」
近くに居る。だが酔いのせいで認識能力が極端に落ちているのだろう。
「お兄ちゃん、そういうとこ度胸ないんだよねぇ。
スカトロとかかなりマニアックなAVは平気で借りてくるのに」
「えぇ、お兄さんってそういう趣味〜〜?」
「う〜〜・・・ スカトロって何?」
「スカトロっていうのはねぇ・・・」
「わーー!やめろ!やめろ!」
シンジが話に割ってはいる。
「あ、しんじ〜〜〜」
シンジの顔を両手でつかみ、唇を重ねる。
「「「おお〜〜〜〜」」」
「んん!ん〜〜〜〜!」
不意に唇をふさがれ、シンジはもがき苦しむ。
だが口付けはなおも続く。シンジは次第に心地よさを感じていった。
長いキスを終え、唇が離れる。
「えへへ〜 しんじ、だいすきだよ〜〜〜。」
今度はぎゅっと抱きつく。
酔いによる行動なのだろう。だがなんとも無邪気な顔でそういうことを言われると、改めてかわいく見えてくる。
「お兄さん、どうすんの?」
「女の子にここまで言わせといてさぁ」
「おにいひゃん、童貞喪失のチャンスれすよ!」
この3人は! と思いつつも、実は自分もしたいとは思っていた。
少ししか飲んでいないが、その少しのアルコールが行動を後押しする。
「カ・・オル・・・」
カオルの顔をみる。すると
「すぅ〜・・ すぅ〜・・」
「あれ?」
目を閉じ、かすかな息使いが漏れていた
「あ〜あ、カオルちゃん寝ちゃった。」
「お兄さんが遅いからですよ!」
「おにいひゃん、またしばらく童貞れすか?」
「ふぁぁ・・ そういえば私も眠くなっちゃった。」
「私も」
「わたしも」
「それじゃ、お兄ちゃん、あとお願い・・・」
「おい!ちょっと・・・」
言いかけたがもうみんな眠りについたようだ。
シンジは仕方なく毛布をみんなに掛け、皿などを片付けだした。
さっきまで騒がしかっただけに、余計寂しくかんじる。
皿を洗い終わり、自分も寝ようと部屋に行こうとした。
「ん、んん〜 しんじ〜〜」
呼ばれて振り返る。しかし誰かが起きているわけじゃない。ただの寝言だ。
「・・・・すき」
寝言の主はカオルだ。シンジは静かに歩み寄った。
「俺も好きだよ」
そう言い頬にキスをし、シンジは部屋を出た。