作品名 作者名 カップリング
No Title マリリスト氏 マリア×アキ


「……ったく、なんで私がこんなことに」
アキは機嫌が悪かった。朝も早くから水を張ったバケツを持ってよたよたと階段を上っている。
昨夜は遊び疲れてぐっすり眠ったせいか、今日は珍しく早起きだった。
まだ登りかけの朝日を眺め、せっかく早く目が醒めたのだから、早めに登校してみようと思った。
早起きは三文の得という、きっとなにかラッキーな出来事があるに違いない、そんな不純な考えもあった。
「こんなことになるんだったら……早起きなんかするんじゃなかった」
まだ誰もいない教室に着き、ひとりボウッとしていたら、後ろから声をかけられた。
体育の担任が、掃除用具を持って立っていた。
「よう、感心だな! どうだ? 早起きはいいものだろう? 健康的だぞ!」
「はあ……」
「そうだ! お前掃除を手伝わんか? 早朝の掃除は先生の習慣なんだがな、朝から清潔な学校は気持ちがいいぞ!」
「いや、その、私は……」
「そうだそうだ! 子供は健康が第一だもんな!」
そしてこれである。気がつけば流されるがまま、水を張った重いバケツをひとりで担いでいる。
「なんで私がこんな目に……早起きなんて損しかないじゃない……」
朝早くからイライラを募らせた方が健康に悪いのではないか、バケツを置いて教室に帰ろうかとも思ったが、
さすがにそれは一度ひきうけていながら、無責任にも程がある。泣く泣く運ぶ。
「この階段何段あるのよ……これじゃトレーニングじゃない。こんなところ人には見られたくないな……」
「オウ、アキさん、どうしました?」
「わひゃっ!?」
急に後ろから声をかけられ、アキの身体が跳ねる。拍子で、バケツを持つ手が離れた。
(マズっ――――!)
落下していくバケツ。パシャーンと派手に水の飛び散る音がした。
「えと……あー……やっちゃった……」
恐る恐るバケツの落下した方を見る。
「……あっ! ご、ごめんなさい!」
これは大変とばかりに、アキは走ってそこと向かった。
階段の下には、頭からバケツ一杯の水を被って濡れ鼠になってしまった、英語教師のマリアが立っていた。
「マ、マリア先生……ごめんなさい! 大変……どうしよう……」
混乱したまま、おろおろとするアキ。マリアは濡れた髪をかきあげた。しずくがぽろぽろと零れ落ちる。
「アキさーん……ワタシをここまでビショビショに濡らせるだなんて、意外とテクニシャンデスね」
「何言ってんですか! あ〜大変……急いで拭かないと……」
「HAHAHA。このくらいだいじょうぶデ〜ス。すぐ乾きマス」
「でもほら……あ〜本当にごめんなさい……」
「大丈夫デスよ」
アキはハンカチを取り出して、マリアの顔を拭おうとする。
「アキさんってば積極的デスね」
「な、何いってるんですか! 早くしないと風邪ひいちゃ……」
そのとき、アキがマリアの身体にささやか衝撃を加えたせいで、マリアは水溜りに足をとられた。
「あ」
「あっ!」
転がっていくマリアの身体。アキはただ呆然とそれを眺めていた。
すぐに我に帰り、水溜りの上に倒れたマリアに駆け寄る。
「だっ、だいじょうぶですか!?」
「イタタタ……ハ、ハイ。たいした怪我はないみたいデス……痛ッ!」
身体を起こそうとしたマリアは、とっさに右手首を庇った。その部分が、徐々に腫れあがっていく。
「やだ、どうしよう! ひねっちゃったかな……ごめんなさい!」
「気にしないデ……すぐ保健室に行けば……ウッ!」
起き上がろうとして、また尻餅をつくマリア。今度は右足首を庇った。
「あ、足もくじいちゃったのかな……ごめんなさい……」
アキはどうしようといった感じで、瞳に涙を浮かべている。
「心配無いデスよ。それよりアキさん、保健室につれていってくれませんカ?」
「は、はい」
マリアはアキの肩を借りて保健室へと向かった。
マリアは右手首と右足首をひねっていた。万が一に捻挫の可能性もあるということで、保健室で休むことになった。
アキは授業に出るよう、保健室医とマリアに促されたが、授業中もマリアの様態のことが気にかかっていた。
(悪いことしちゃったな……授業終わったら保健室に寄って、ちゃんと謝ろう)




ところが、授業が結構ドタバタしていたせいか、落ち着いて保健室に向かえるようになったのは放課後のことだった。
「マリア先生……まだ保健室にいるかな?」
友達の帰宅の誘いを断って、アキは保健室へと向かった。
「失礼しまーす……あ、空いてる」
カラカラと音を立てる保健室の戸。すっかり日が暮れていて、薄明かりがついただけの保健室には、窓から夕焼けが差している。
「空いてるってことは誰かまだいるのかな……ん?」
机の上に手紙とカギが置いてあった。アキはそれを読む。
『矢野さんへ マリア先生が寝ています きっと様子を見に来ているでしょうから 
 起きたら保健室の戸締りと マリア先生をよろしくお願いします ごめんなさい』
「なんつー……まあ、いいけどさ」
しんと静まり返った保健室。窓の向こうの校庭から、野球部員達の声が聞こえる。
「マリア先生……大丈夫ですか?」
ベッドのほうを見ると、マリアが静かな寝息を立てている。捻った手足には痛々しく包帯が巻かれていた。
「ごめんなさい、先生……」
せめてマリアが目を覚ますまではここにいてやろうと思った。思えば水をかけたときも転ばせたときも、
マリアは何一つ取り乱すことなく、また一切アキを責めることもなかった。
それを考えたら、自分は案外救われたのかもしれない。責められていたらさらに落ち込んでいたろう。
少しでも邪険な態度をみせればいいのに、アキのことを考慮してくれたのか、緩和な姿勢を見せてくれたマリア。
感謝すべきだと思った。自分に出来るのは今日、最後まで付き添ってやることだろう。
マリアの瞳がぱちりと開いた。
「あ、起きましたか先生」
「Ah……おはようございマス、アキさん」
アキはくすっと笑った。
「今何時デスか?」
「えと……もう6時になりますね」
「そんなに寝てましたカ。アキさんは帰らないで大丈夫なんデスか?」
「あ、私は大丈夫です。今日はマリア先生のそばにいたいんです」
「アキさん、そんなにワタシと密着……痛ッ」
「あ、先生……無理をしないでください」
アキはマリアの手首に優しく触れる。ごつごつした包帯だった。
「今日はごめんなさい……私の不注意で」
「オ〜……全然気にする事ないデスよ?」
「先生は、どうして怒らないんですか?」
「ん?」
「いや……本当は、もっと怒ってもいいし、そうでなくてももっとつっけんどんにしてもらっても、
 私は構わないのに……全然そんな素振りも見せないし、ずっと優しいままですし……」
マリアは考えた。そんなに難しい問題だろうか……そんな顔をしている。
やがて優しく微笑むと、アキの顔に手を伸ばした。
「それはきっと……アキさんの悲しむ顔が見たくないからデスね。他の人じゃきっと、こうはならないかもしれまセン」
マリアの指が、アキのショートヘアをさらりと撫でる。
「だから今も、そんな哀しそうな顔をしないでくだサイ」
マリアの瞳が、まっすぐにアキを見詰める。アキの心臓が、ドキンと鳴った。
よく見ると整った顔立ちである。外人であるということを考慮しても、美人の部類だと思われる。
鼓動が高鳴った。アキは顔を耳まで真っ赤にした。
しばらく見惚れていたアキだったが、やがてマリアの性癖と、自分を抱きたいと言っていたいつかのことを思い出し、警戒した。
しかし、そんな不純な動機だけで、ここまで優しくなれるだろうか。あんな瞳でまっすぐ見つめ、優しい言葉をかけるだろうか……。
マリアの本心がわからず、アキは目をそらした。また失礼なことをしたと思いながら。
「アキさん、お願いがあるのデスが……」
「は、はい」
「冷蔵庫に頭痛用のアロエが入ってると思うので、もってきてもらえまセンか?」
「あ、はい」




頭痛がするのだろうか。まだ肌寒さの残る朝早くから水をかぶって風邪をひいたのかもしれない。
保健室に据え置きの冷蔵庫を探ってみたが、アロエがなかなか見つからない。
チルドケースのところでようやく見つけ、マリアの元に戻る。
「先生、持ってきました……せ、先生?」
アキはすぐにマリアの様子の変化に気付いた。頬を紅く染め、息を荒くしている。
「先生、やっぱりあのときのせいで……わ、すごい熱っ……!」
「あ〜……気にしないでくだサイ。単に興奮しているだけですカラ……」
「こんなときになにふざけてんすか!? ど、どうしよう、私のせいで……救急車呼ばないと……」
「ア、アキさん……」
マリアの左手が、慌てるアキの手をぎゅっと掴んだ。
「お願いします……ここにいてくだサイ……」
「せ、先生……」
どうしようかと迷ったアキだったが、とりあえず氷水とタオルだけを用意してマリアの横に座った。
すでに外は暗くなっている。野球部も帰ったようだ。
「スミマセン、引き止めちゃって……」
「いいんですよ、先生がこうしたいっていうんだったら」
いつものマリアとは思えない弱々しさだった。身体が弱れば、誰だってこうなるのかもしれない。
さっき自分が取り乱そうとしたときも、ジョークを飛ばしてなんとかしてくれようとしてくれた。
やっぱり、本当に自分の事を想ってくれているのかもしれないと思ったアキだった。
「マリア先生、何かしてほしいことはないですか?」
「そうデスね〜……その身体で温めてくれタラ……」
アキの顔が耳まで真っ赤になる。だがいつものように的確なツッコミをいれず、俯いたままだった。
「あ〜……ごめんなサイ。嘘デス、ジョークデス……」
アキのまさかの反応に、笑って取り繕うマリアだった。
「コンナ風邪……いつもならすぐに吹き飛ばしてヤルのに」
「マリア先生はなにか、とっておきの治療法でももってるんですか?」
「オナニーデス」
アキは盛大にずっこけた。
「オ、オ……!」
「知らないんデスか? 一回イッとくと驚くほど熱がひいていくんデスよ」
「知らないですよ……それ別の熱引いてん
じゃないですか」
「でも残念ながら、しばらくはできそうもないデスね」
「あ、すみません、私のせいで……」
「気にしないでくだサイ。いざとなれば道具頼りで……」
何の話をしているのか。
そう言いながらも、マリアの息は徐々に荒くなっていく。身体も震えてきた。熱が徐々に高くなってきて、寒気も出ているようだ。
「大丈夫ですか? やっぱり救急車を……」
「そんなことしたらアキさんに迷惑がかかりマス。ワタシは風邪薬も持ってイルので、それを飲んで安静にシテいれば……」
「……せ、先生」
アキはそっと、マリアの左手を握る。そして決心したようにそれを口にした。
「先生……ち、ちょっとくらいなら……お手伝いしてもいいですよ……」
「ん?」
「その……そ、『そういうこと』です……元はと言えば、わ、私のせいでこうなったんですし……」
アキの身体が震えている。マリアは黙ってそれを聞いていたが、やがて小さく首を振った。
「駄目デスよ。そんなつもりでいったんじゃありまセン。ワタシは好きな人には本当に大事なときに、望まないことをしない主義なんデス。
 女の子が好きだから言いますケド、女の子は自分を大事にしないといけまセンよ。そんなに気負うことはありまセン」
「ち、違うんです……その……」
マリアの左手を握る力が、ぎゅっと強くなっていく。
「今は……私が、先生にしてあげたいんです……先生としたいんです……」
熱が移ったのだろうか、自分でも意外な台詞を口にしていると気付いている。
しかし、悪い気はしない。決して狂気の沙汰ではないと、アキはわかっていた。
マリアは目を丸くしてアキの姿を見ている。
アキの決心を理解すると、ここまで言った少女に恥をかかせてはならないと思った。
「わかりまシタ。でもイヤならイヤと言ってくだサイ。優しくしてあげますカラ」




外はすっかり暗くなり、保健室の薄明かりの中、ベッドに腰掛けたマリアを、アキがまたいで膝で立つ形になった。
マリアの指がブレザーのボタンをひとつずつ外していく。ピンク色に赤い水玉のブラが姿を見せてきた。
(どうしよう……すごく恥ずかしい……)
アキはきゅっと目を瞑った。
「綺麗ですよ、アキさん。思っていた通りデス」
マリアが首筋に唇を這わせると、こそばゆさがにアキは身をよじった。
そのまま剥き出しになったアキの肩に、鎖骨に、マリアは何度も口付けてゆく。
「んっ……くすぐったい……」
「アキさんの肌、柔らかいデスね」
マリアの左手で、アキの太ももを擦っていた。ささやかな愛撫を与えることで、
経験がなく怯えるアキの緊張をほぐし、また互いの官能を高めていく。
ブラに口付けると、アキの目を見つめ、確認をとる。
「いいデスか? アキさん」
「え……あっ……は、はい……」
マリアの指が非常に手馴れた様子で、パパッとアキのブラを外した。
アキのやや大きめの乳房が、ぷるんと震えて姿を見せた。アキは目を閉じて羞恥に耐えている。
「アキさん、大きいとは思ってましたが、形も素晴らしいデス。100点満点のおっぱいデスよ」
マリアの手がふにふにと、アキの胸の感触を確かめる。指からこぼれそうなほど、大きく、柔らかい乳房だった。
「先生……」
「大丈夫デス。気持ちよくしてあげマスよ」
マリアの舌がアキの乳首に触れると、アキの背中にぞくっとした感覚が走った。
熟練した舌使いで、乳首をちろちろと舐め上げる。時折乳輪に沿って舌を這わせる。
マリアの左手はまた、アキの太ももを擦り出した。ただ擦るだけではなく、指でつうっと撫でるように。
「んっ……はあっ……あっ……」
しばらく続けていると、アキはこそばゆい感覚の中から、それとは確かに別のものを感じていた。
吐息の中に、甘い声が漏れ出す。
マリアは思った。初めてのアキだからこそ、自分の技術を駆使して、後悔することの無いよう接してあげたいと。
アキが快感を得るためなら、自分はいくらでも奉仕できる。
「ん……アキさんのおっぱい……おいしいデス」
「はあん……くぅ……せんせぇ……」
まだ胸による快感を知らないアキに、マリアの熟練された舌使いはレベルが高かった。
身体中に走る微電流のような痺れに、アキはすぐに身を寄せていた。
「あっ……んんっ……!」
アキは両手をマリアの首筋に回す。マリアは以前、乳首と太ももへの愛撫を続けている。
やがてアキの下腹部に、内側から熱がこもってきた。その部分からも、甘い痺れを感じていた。
「あっ……ああん……」
アキの吐息が徐々に荒くなってきた。身体中から汗の粒が浮かび上がる。
「せんせぇ……なんか……変な……」
「気持ちいいんデスね? 大丈夫デスよ、そのままで……」
下腹部の痺れが強くなるにつれて、アキは自分がどのようになっているのかがわからなくなってきた。
「あっ、あっ、せんせぇ……くぅ、んっ、あんっ、ふあぁぁっ!!」
アキの頭に電流が走ると同時に、身体を二、三度震わせた。
軽く絶頂に達したようだったが、アキに絶頂は初めての経験だった。
くたっとマリアにもたれるアキ。肩を弾ませ、荒い息を吐いている。
「イッたんですね、アキさん。大丈夫デスか?」
「ん……はい……はあっ……」
「どうしマス? 続けマスか? もうやめたほうが……」
「……だいじょうぶです、まだ、先生が気持ちよくなってないから……」
「……ありがとうございマス」





アキは荒い息を整えた。しばらくして互いに落ち着くと、目をくばせ、次の段階に進むことにした。
「……それじゃ、いきマスよ?」
アキは頷く。
マリアの手がアキのスカートを捲る。リボンのワンポイントがついた純白のショーツが姿を見せる。
股の部分が湿っていた。そこはもう愛液によって十分な湿り気があるに違いない。
ショーツを太ももの部分まで引き下げると、愛液が糸をひいて滴り落ちた。
「アキさん、濡れていマスよ。これなら何とか……」
マリアは自分の指を舐め、唾液をつけてしっかりと濡らした。
秘部に触れると、アキは身体をぴくんと跳ねた。
「アキさん、力を抜いてくだサイ」
「は、はい……」
アキの膣内に、マリアの指がするっと、第一関節まで挿入される。
「痛っ……!」
「あ……スミマセン! 大丈夫デスか!?」
「くぅ……はい……続けてください……」
これ以上深く入れるのは止めた。第一間接の部分だけを、ゆっくりと出し入れする。
アキの中はすでに熱く濡れぼそっていた。マリアの指を痛いほど締め付けてくる。
しばらく続けていると、慣れてきたのか、アキは痛みを訴えなくなった。
異物感こそ感じえなかったが、出たり入ったりを繰り返す指が、アキの膣内を刺激すると、
アキは再び訪れたぞくっとする快感に、息を荒げていた。
「アキさん……お願いがありマス」
「ん……はい……」
「ワタシのほうも……触ってくだサイ……」
アキの手がすっと伸ばされ、マリアのジーンズのボタンを外し、ジッパーを下ろす。
ショーツに手を差しこむと、むわっとした湿り気を感じた。アキを奉仕しながら、すでに濡れていたらしい。
アキの人差し指が、マリアの膣内に侵入する。テクニックも何もないアキは、ただがむしゃらに指を動かした。
「アウ……気持ちいいデス、アキさん。ずっとあなたとこうしたかった……」
「先生の膣内……熱い……」
それから二人は何も言わずに黙々と指を動かした。
互いに少しづつ快感を蓄え、夜の静かな保健室に、喘ぎ声混じりの二人の荒い息だけが響いている。
「あっ……気持ちいい……せんせぇ……」
「ワタシも……デスっ……んっ……!」
アキはまたも涙を溜めていた。二人の指を動かすペースが速まり、その度愛液の淫靡な音が激しくなる。
「あっ、ふあっ、くぅん……!」
「アキさん、んっ、かわいいデス……」
相手に刺激を与えると共に、双方共指の動きでは飽き足らず、自ずと腰を動かしていた。
愛液が止まることなく溢れつづけ、シーツをぐしょぐしょに濡らしてゆく。
そんなことには目も向けず、ただ快感を受け止めることにのみ必死になっていた。
互いの秘部からは、どくどくと絶え間無く愛液が溢れている。
気付けば二人は抱き合う形で、共に絶頂を迎えようとしていた。
「あっ、せんせぇっ、ふあっ、ひあぁ……」
「アキさん、一緒にっ、一緒に……」
「あっ、ひあっ、ふあっ、ふあぁぁん!」
アキの脳内で何かが爆発したような感覚が起きた瞬間、全身に強烈な快感が走った。
全身を大きく仰け反らせ、マリアの指を強く締めつけながら、絶頂を迎えた。
「アウッ、あっ、んんっ……!」
マリアもまた、ガクガクと身体を震わせ、頭を激しく揺さぶり、達した。愛液がとろりと溢れてくる。
愛液と少量の尿液とで、シーツの大きな染みが広がっていった。
アキはまだ身体をふるふると揺らし、快感の余韻を味わっていた。
「あっ、あっ、あっ……」
「はあっ……。アキさん……」
「せ、せんせぇ……」
身体中に痺れを感じながらも、二人はしっかりと抱き合っていた。




「あ〜……ゴホゴホッ!」
「なに、アキ。風邪引いちゃったの?」
「ん……まあね」
どうやらマリアにしっかりと移されてしまったらしい。翌日アキはマスクをつけて鼻水をすすりながら登校していた。
昨日のことを考えると、風邪とは違う意味で顔が熱くなる。
「オウ、アキさん! 風邪デスか?」
「うわ〜本当に元気になってるよこの人」
マリアは上機嫌で登校してきた。
「アキさん、昨日は大変デシタね!」
「あ〜あんまり言わないでください、恥ずかしい……」
「よかったらワタシが昨日のアキさんのように、つきっきりで看病してあげても……」
「少し、黙ってください……」
このままじゃ風邪は悪化する。そうなる前に釘を差しておく必要がある。
「先生……昨日はすみませんでした」
「……いえ、コチラこそ、ありがとうございマス。アキさんの気持ち、とても嬉しかったデス」
「それでですね……もし何かあったら、その……」
アキは言いたいような、そうでないようなという感じでくちごもっている。
マリアから目をそらすと、ぽつりと呟いた。
「昨日のようなこと……してもいいですから」
「……アキさん、嬉しいデスけれど、正気デスか? 病気だからといっても言っていいコトと悪いコトが」
言わなきゃよかったと思うアキだった。

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