作品名 作者名 カップリング
「Let it be」 クロム氏 -

「シンジさん」「私と」「付き合って下さい!」
一つの文章に三つの声。その声の持ち主である、三人の少女。
左から順に黒田マナカ、矢野アキ、金城カオル。オレもよく知る女の子達だ。
しかし、彼女達の口から発せられた突然の言葉はオレをひどく混乱させた。
誰が、誰と、何だって?
「えっと、どういうことかな?意味がよくわかんなかったんだけど……」
「そのまんまの意味です。ちなみにこれは冗談でも、何かの罰ゲームでもないです」
三人を代表してアキちゃんが答える。それでもオレは混乱したままだった。
「あのさ…まだちょっと混乱してるんだけど、状況を整理する時間を貰ってもいいかな?」
「「「どうぞ」」」
「ありがとう……」
三つの声に礼を述べながら、オレは今自分が置かれている状況を分析してみた。
まず、ここはオレの部屋である。設置された家具や内装を見ても、それは間違いない。
次に、オレは今から五分ほど前まで昼寝をしていた。昨晩はつい夜更かしをしてしまったからだ。
そして、オレはノックの音で目を覚ました。カナミかと思い返事をしたが、入ってきたのは彼女達だった。
で、この少女達は部屋に入るなりオレに何と言った?
(『シンジさん』『私と』『付き合って下さい』……?)
オレの耳が狂っていなければ、彼女達は確かにそう言ったのだが……
「あー、変なこと聞くんだけどさ…オレ、ひょっとして、告白されてたりする?」
「「「そうです」」」
「えーっと、もっと変なこと聞くけど……誰に?」
「だから」「私達」「三人に」
やけに足並みピッタリな少女達。しかし、問題なのはそんなことではない。
「……なんで三人?」
当然の疑問。オレの持つ常識では、こういうのは男一人女一人がスタンダードだと思うのだが。
「その質問には私がお答えします」
今度はマナカちゃん。
「実は最近わかったことなのですが…私達は三人とも、シンジさんのことが好きだったようなんです」
「はあ、それはどうも……」
いまいち実感が湧かないが、それが本当ならなんとも男冥利に尽きる言葉だ。
「そして一人の男を慕う三人の女、という図式がここに完成しました」
「はあ、なるほど……」
ドラマなんかでよくありそうなシチュエーションだ。実際にあるとは思っていなかったが。
「しかしここで問題が生じます。私達は自他共に認める親友同士だったのです」
「うん、まあ知ってるよ……」
オレの気の抜けた返事とは対照的に、マナカちゃんの言葉は次第に熱を帯び、芝居掛かっていく。
「ああ、友情と恋の板挟みになって苦悩する可憐な少女達!彼女達は一体どうすればよいのでしょう?」
「いや、どうすればって言われても……」



「そこで私達は考えたのです!!」
どうやらオレの声は届いてないようだ。突如現実モードに戻ったマナカちゃんが、ビシッとオレを指差した。
「いつまでも悩んでいるくらいなら、いっそ一思いにこの気持ちを打ち明けてしまおう、と。
そしてもしシンジさんが自分以外の誰かを選んだとしても、恨みっこなしで祝福しよう、と」
「へえ…短絡的だけど、潔いね……」
「というわけでシンジさん、お返事を聞かせて下さい」
「返事って?」
「ですから」「私達三人のうちの」「誰と付き合うか、です」
「いや、そう言われても……」
どないせいっちゅうねん?目の前の三人から誰か一人を選ぶのか?
オレは三人の顔を順番に見回した。
マナカちゃん。キレイな黒髪、整った顔立ち、女性らしい立ち振る舞い。
頭に『黙っていれば』という条件書きがつくものの、才色兼備という言葉がよく似合いそうな美人。
アキちゃん。目を引く明るい金髪、思わず目がいってしまう胸、快活な性格。
オレ同様ツッコミというポジションのため気苦労が絶えないようだが、グラビアモデル顔負けの美人。
カオルちゃん。男性並の長身、引き締まったスタイル、ピュアワールドの住人。
悶絶する様なピュア発言をかますこともあるが、それも含めて先の二人とはタイプの異なる美人。
三人が三人、それぞれ美人。この中の誰か一人だけに告白されていたら、オレは狂喜しただろう。
(でも、三人なんだよなぁ……)
彼女達がオレに好意を寄せてくれているのは嬉しいが、正直どうすればいいのかわからない。
どの娘も魅力的で、とても選ぶことなんてできない、というのもあるが、
それ以上に彼女達の友情に傷を付けるのではないかという懸念があった。
彼女達が仲が良いのは知っているし、それを壊したくはない。さて、どうしたものか……
「シンジさん、どうやらお悩みみたいですね」
再度マナカちゃん。
「ああ…正直、なんて言ったらいいかわかんないよ……」
「安心して下さい。シンジさんがそういう反応をするのは予想していましたから」
「え?」
「シンジさんは私達の友情が壊れるのを心配してるんじゃないですか?」
「う、うん……」
お見通しのようだ。というか、この状況なら誰だってそう思うか。
「でも大丈夫です。全員がハッピーになれる、最高の選択肢を用意してきましたから」
「最高のって……どんな?」
マナカちゃんは他の二人に目配せをすると力強く頷き合い、再びこちらに向き直った。
「簡単なことです。シンジさんが私達三人全員と付き合えばいいんですよ」
「………は?」
一瞬思考が停止する。何を言ってるんだこの娘は?三人全員とって、つまりそういうことか?
「おやすみ……」
「こらこら、現実逃避しないで下さいよ」
頭から被った布団をマナカちゃんが剥ぎ取る。現実逃避失敗。
「……いやいや、明らかにおかしいでしょ。なんでそうなるのさ?」
仕方なしに身体を起こしながら尋ねる。しかし、マナカちゃんは……
「え、そうですか?これなら全てが丸く収まると思うんですが」
あたかも当然といった風で返す。



「いや、だってこういうのは普通一対一なんじゃ……」
「じゃあシンジさんは誰か一人を選べるんですか?」
「いや、それは……」
選べない。選ぶことなどできない。だから困っているのだ。
しかし、選べないから全員と、というのは些か、いやかなり安直ではないか。
オレは救いを求めるようにアキちゃんを見た。
「ア、アキちゃん、君ならこれがおかしいってわかるだろう?君からも何か言って……」
藁にも縋る思いだった。だが、救いの手は差し延べられなかった。
「すみません、シンジさん…今回だけは私もこっち側です。それに、これは私も金城も納得済みなんです」
「………」
思春期女子高生ズ最後の良心であるはずのアキちゃんが向こう側に行ってしまった。
カオルちゃんは先程から赤い糸がどうとか呟きながらピュアワールドに入っているので当てにならない。
孤立無縁。退路はなし。そんなオレにトドメを刺すように、マナカちゃんが口を開いた。
「シンジさん、覚悟を決めて下さい。私達はみんな真剣なんです」
有無を言わせない力の籠った目でオレを見る。いや、彼女だけでなく、他の二人も同様にオレを見ている。
(こりゃ…もう逃げられそうにないな……)
逃げたりしたらとんでもないことになりそうだ。
こうして、オレはわけのわからないうちに三人もの女の子と付き合うことになったのであった。


そして現在。オレは本当にあの三人全員と付き合っていた。
オレの生活は今やあの三人によって完全にコントロールされてしまっている。
なんでも、月の終わりに話し合いの場を持ち、次の一か月をどう過ごすかを決めるのらしい。
その決め方は実に単純で、一か月を3で割る、つまり一人が十日、オレを自由にする権利を持つのだそうだ。
ちなみに、オレはこのミーティングに参加する権利を持っていない。
後で決定事項を知らされ、その通りに行動するだけだ。不満がないと言えばまあ嘘になるだろう。
だが、彼女達が楽しそうに笑うのを見ると、『まあいいか』なんて気になるのだから……
まったく、男とは悲しい生き物である。いや、オレが特別そうとかいうわけじゃなく……。
まあ、なんだかんだ言ってオレも楽しんでいた。それぞれと恋人らしい会話をしたり、デートをしたり。
それに、まあその…何と言うか、一応やることもやっていた。
なにしろあんな魅力的な娘達が相手である。手を出すなと言われても、それは無理な相談だ。
そんなわけでそれぞれと肌を重ねたのだが、意外なことに、一番最初はあのカオルちゃんだった。
カナミ辺りが余計な知識を植え付けたらしいのだが、今までがああだった分、その反動もすごいと言うか何と言うか……。
おそらく、三人の中ではカオルちゃんとの回数が一番多いだろう。
しかし根の部分は相変わらずのピュアであり、そのギャップが逆にもえ……いやいや、何でもない。
逆に、そういった回数が一番少ないのはアキちゃんだろうか。
彼女はまあ普通の娘だと思うのだが、それを差し引いても性的に晩生な、いわゆるネンネだった。
普段は活発な彼女がベッドの中では途端におとなしくなり、それがまたなんとも……。
ちなみに、マナカちゃんは予想通りと言うか何と言うか、あのキャラのままだった。
まあ、そんなこんなで彼女達との付き合いを楽しんでいるのだが、ここで一つ疑問が生じる。
一か月を3で割るということは、三十一日ある月では一日余る計算になるではないか。
ではその一日はどうなるのかというと、完全なオフ…になるのではなく……



「こうなるんだよなぁ……」
オレは誰に言うでもなく呟いた。今日はその『余り』に当たる日である。
そして、今オレがいるのは市内某所のラブホテル。もちろん一人でこんな所にいるわけではない。
バスルームからは水の流れる音が洩れてきている。だが、その中にいるのは一人ではないのだ。
マナカちゃん、アキちゃん、カオルちゃん……オレの『彼女達』が勢揃い。
時間は有限、とか言って三人で一度にシャワーを浴びている。
つまり今日は誰がどうとかいうのではなく、四人でいろいろ、というコンセプトらしい。
マナカちゃん曰く『私達四人の親睦をより深めるにはこの方法がベストなんです!』だそうだが……
「どうだかなぁ……」
いくらオレでも、このシチュエーションがおかしいことくらいわかる。
三人と付き合うこと事態普通じゃないだろと言われてしまえばそれまでだが……
「なんだかなぁ……」
自分でもよくわからないこの状況に、思わず溜め息が洩れてしまう。
だが、オレ自身シャワーを浴び、タオルだけを身に着けた臨戦態勢でいるのだから何も言えない。
「やれやれ……」
もう一度溜め息を吐きベッドにひっくり返ったが、それと同時に誰かがバスルームから出てきた。
「シンジさん……」
出てきたのはアキちゃんだった。身体にタオルを巻き付けている。
オレは身体を起こし、二度三度と頭を振った。ここまできてゴチャゴチャ悩むのもみっともない。
「こっちに座りなよ」
ベッドの縁に座り、自分の横を手で示す。アキちゃんはオレの言葉の通りそこに腰掛けた。
湯上がりの上気した肌が妙に色っぽい。だが今はその顔を恥ずかしそうに俯けている。
オレはアキちゃんの肩に腕を回した。
「あ……」
オレの手が触れた瞬間アキちゃんの身体ビクッと強張ったが、構わず彼女を抱き寄せキスをした。
「ん…ぁ……」
重ねた唇から微かな吐息が洩れ、アキちゃんの全身から力が抜けていくのがわかる。
唇を離すと、アキちゃんは赤い顔をさらに紅潮させ、潤んだ目でオレを見上げていた。
(かわいいなぁ……)
気を抜くと一気に襲いかかってしまいそうだ。というか、もうヤバイかも。
襲う襲わないで心の葛藤を繰り広げるオレを、背後からの声が押しとどめた。
「シンジさん、アキさんだけ特別扱いはダメですよ」
振り返るとマナカちゃんとカオルちゃんが立っていた。当然、彼女達もタオル一枚という姿だ。
二人はベッドに上がり、オレに寄り添うような形で腰を下ろした。
「シンジさん、私にも……」
そこで言葉を切ると、マナカちゃんは自分の唇をオレに押し付けてきた。
「あっ、マナカずるい!私もする!」
カオルちゃんもそこに割り込むように顔を近付ける。
唇だけでなく、顔のパーツの至る所に少女特有の柔らかな感触が降り付ける。
競うようなキスの雨を受けているうちに、オレの中で次第に何かが膨れていき、そして破裂した。



一番近くにあったカオルちゃんの顔を両手で挟み、彼女の口に舌を捩じ込む。
「んむっ!?」
突然の侵入物に驚いたようだが、構わず彼女の口腔内を舐めまわしていく。
「んっ…ぁ…んんッ…あ、ん……」
先程のお返しとばかりにカオルの口の中を味わい尽くし、そのままマナカに移る。
マナカちゃんの口内にも舌を挿し入れ、思う存分その唇を吸った。
舌同士が柔らかく絡まり合い、唾液を啜る音がやけに大きく響く。
顔を離すとオレと彼女の間に一本の銀糸が引かれ、そしてプッツリと途切れた。
「もうっ…シンジさん、ちょっと強引ですよ」
マナカちゃんの非難とも冗談ともつかない声を聞きながら、オレの手はアキちゃんの方へ。
多少拒む素振りを見せたものの、オレは強引に彼女を引き寄せ、同様にその唇を奪った。
舌の先でアキちゃんの歯茎をなぞると僅かに隙間ができ、そこから舌を潜り込ませる。
「ん……む、んぁ…あ…んんっ…はぁ…」
アキちゃんの口の中を好き勝手に蹂躙し、その感触を楽しむ。
アキちゃんはディープキスが苦手らしく、微かに眉をひそめている。
その表情が可愛くてつい夢中になってしまったが、彼女の顔が真っ赤になるのを見て慌てて顔を離した。
苦しそうに息を荒げるアキちゃんを見て、やり過ぎたかなとちょっと反省。
アキちゃんの呼吸が整うのを待って、オレは彼女に謝った。
「ごめん、大丈夫?」
「はい…平気です。ただちょっとこれには慣れなくて……」
まだ少し苦しそうだが、ひとまずは大丈夫のようだ。
しかし、ほっとしたのも束の間。誰かがオレの首に腕を回し、オレはそのままベッドに引き倒されてしまった。
「おわっ!?」
天と地がひっくり返り、オレと天井との間にカオルちゃんの顔が現れる。
「シンジさん、さっきからアキばっかり…私だって……」
カオルちゃんはオレの上に馬乗りになると、自分の身体を覆うタオルを取り去った。
オレの目の前に、バスケで鍛えられたのであろう引き締まった肢体が晒される。
カオルちゃんは無言でオレの手を取り、自分の胸へと導いた。
あまり豊かではないその部分は、しかし女性の柔らかさを持っており、掌を通してそれが伝わってくる。
「フフ…カオルさん、今日は積極的ですね。じゃあ私も……」
そう言うとマナカちゃんもタオルを脱ぎ捨て、オレの空いた方の手を取り、同じことをする。
さて、女性の胸に触れた男が次にとる行動は何か?答えは決まり切っている。
オレもご多分に漏れず、ほとんど無意識に二人の胸を揉みしだいた。
左手でカオルちゃん、右手でマナカちゃん。
オレの手は頭で考えるよりも先に動き、彼女達の快楽を引き出そうとする。
「はぁ…あッ!……あ、んッ……」
「う、ん…はっ……ああぁ……」
二人の口から洩れるなまめかしい吐息はオレの手の動きをさらに加速させた。
愛撫に微妙な強弱のアクセントを持たせると、それに合わせて二人の声が変わる。
その嬌声はAVなどより遥かにコケティッシュで、聞いていてまったく飽きない。
そしてそれを聞いていたオレの方も、なんだかんだでスイッチが入ってしまった。
オレは指で二人の乳首を軽く摘みあげた。
「ひゃッ!?」
「あぁあッ!!」
二人の身体がビクッっと跳ねる。特にカオルちゃんはそこが性感帯であるらしく、
硬くなった乳首を指の腹で擦るように刺激すると、大きく身体をのけ反らせた。



「ふァッ!あっ、はっ…ぁ…んあッ!」
「んっ…あ、はぁ……あん……」
二つの甘い嬌声が部屋の空気を震わせ、同時に耳を刺激する。
オレは時間が経つのも忘れて二人の胸に愛撫を加えていたのだが……
(そうだ、アキちゃん……)
さっきとは逆に、今度はアキちゃんのことを失念していたのに気付く。
顔を上げてアキちゃんの方に目を向ける。アキちゃんと目が合った。
アキちゃんはこっちに加わるか否か、タオルを取るか否か、色々悩んでいるようだ。
オレの手が止まったことに気付いたマナカちゃんがオレの視線を追いかける。
どうやらアキちゃんに気が付いたようだ。
「あら…ダメですよアキさん、今さら恥ずかしがっちゃ。みんなで楽しみましょうよ」
「そうだよ、アキもこっちきなよ」
カオルちゃんも同意する。カオルちゃんはオレから降りて脇に退いた。
そして、空席になったオレの正面にアキちゃんが移動してくる。
「ほらほら、恥ずかしがらないで」
マナカちゃんがアキちゃんのタオルを剥ぎ取った。
「あっ!」
アキちゃんが慌てて身体を隠す。だが、彼女の手はその豊かな胸を隠すにはちょっと小さいようだ。
……やっぱりデカい。他の二人には悪いが、アキちゃんの胸の破壊力は別格だ。
圧倒されるその光景に思わず息を呑む。
マナカ・カオルの貧乳コンビも、同じくアキちゃんの胸に釘付けになっている。
ただ、この二人の場合何やらよからぬ思惑があるようで……
「ちくしょう…アキ、やっぱりデカい……」
「巨乳でネンネ…ギャップ萌え狙ってんのかぁッ!?」
明らかに僻みである。そして、二人の歪んだ感情はそのままアキちゃん自身にぶつけられた。
「ちくしょう、こんな胸があれば私だって……」
「全部この胸が…全部この巨乳が悪いんだ……」
何やら呪詛の言葉を吐きながら、二人はアキちゃんの腕を両側から拘束した。
「ちょっ、やだ……やめてよ!」
アキちゃんが逃れようと身を捩ると、それに合わせて胸が盛大に揺れる。
しかしそれは貧乳コンビの嫉妬を増長させることにしかならなかった。
「くぅ〜、イヤミか!?胸のない私達への当て付けか!?」
「一人だけいい思いしやがって!私達の苦しみを思い知れ!!」
貧乳コンビは悲痛な(?)叫びをあげると、空いた方の手でアキちゃんの胸を鷲掴みにした。
「ああッ!?」
先程のオレの愛撫に比べ激しさ20%増、愛情10%減、攻撃性120%増でアキちゃんを責め立てていく。
「やっ、あ…んッ……マナ…カ、やめっ……!」
二人の手に合わせてアキちゃんのバストが面白いようにその形を変える。
どれだけアキちゃんがもがいても、二人は一向にその手を止めようとしない。
女性のコンプレックスとはかくも恐ろしいものだったのか。
「も…やめ、て…ああぁ…んっ…はぁ…あッ…いやぁ……」
なす術もなく蹂躙されていくアキちゃん。しかし、オレにはどうすることもできない。
(アキちゃん、ごめんよ……)
心の中で彼女に謝る。だからどうなるというわけでもないが。
それにしても……少女が少女に嬲られるというのは、なかなかにそそられるシチュエーションだ。
ただ見ているしかなかったオレも、次第に身体の奥から湧いてくる衝動を抑え切れなくなってきた。
「んンっ…はっ、あん…ぁ……あああぁッ!!」
最後の一際甲高い悲鳴で、オレの理性は完全に吹っ飛んだ。
(アキちゃん、ごめん……)
オレはもう一度心の中で詫びると、両脚を開かせ、アキちゃんの秘所に直接口を付けた。
「ひあっ!?」
逃げられないよう両脚をしっかりと押さえ付け、そのまま舌で秘裂を刺激する。
その部分はすでに十分過ぎるほどの湿り気を帯びていた。
「あぁッ!シ、シンジさんっ…だめ…ダメぇッ!や……あああッ!!」
掬っても掬っても、アキちゃんの秘所から溢れる蜜が涸れることはなかった。
キレイなピンク色の秘所を舐め上げ、肉芽を舌の先端で刺激する。
「ふあぁ…あンッ!あ、あ…あぅ……んんっ!!」



マナカちゃんもカオルちゃんも、相変わらず胸に執拗な攻撃を加え続けている。
もとよりこういったことに対する免疫があまりないアキちゃんだ。
三人に同時に責められて、そういつまでも耐えられるはずがなかった。
「ぅ…ああっ!……も…ダメ…あぅ、くッ…はあぁぁッ!」
「フフ…アキさん、イキそうなんですね。ガマンしなくていいんですよ……」
マナカちゃんはそう言うとアキちゃんの乳首をギュッと摘みあげた。
オレもアキちゃんの限界が近いことを悟り、舌をより激しく動かす。
「うっ、ああ…イクッ…イッちゃ……あっ、あああぁぁッ!!!」
絶叫と共にアキちゃんの秘所から夥しい量の蜜が吹き出し、オレの顔を濡らす。
アキちゃんの身体が大きく反り返る。続いて首がガックリと落ち、そのまま動かなくなった。
どうやら失神してしまったようだ。
「うわぁ…これって……」
「ええ、ちょっとやり過ぎたみたいですね……」
アキちゃんの様子を見てようやく冷静さを取り戻したらしいマナカちゃんとカオルちゃん。
今さら遅い気もするが。
だがしかし。オレの方は理性が吹っ飛んでいるためそうもいかない。
失神したアキちゃんはそのままにして、オレは二人を強引に自分の方に引き寄せた。
「きゃっ!?」
カオルちゃんの口からかわいい悲鳴が漏れる。マナカちゃんも突然のことに驚いたようだ。
「シンジさん、あまり乱暴なことは……」
マナカちゃんが非難の声を上げかけたが、オレはそれを無視して彼女達の股間に手を潜り込ませた。
「あッ!?」
そのまま彼女達の秘所を同時にまさぐる。秘裂を撫で、指を挿し入れた。
「あ、んんッ!はぁ…あッ…ぅ…あン……」
「あぁ……ふあぁ…あっ、あ…んっ!」
オレの指が二人の内側を掻き回すと、そこからドロリとした液体が溢れ出す。
クチュクチュと卑猥な音がたち、それが一層オレを興奮させた。
「あンッ!ん…ッ!うっ…ああぁっ!」
「ひあっ!んあぁ…あ、あっ!シン…ジ、さんッ!」
二人の少女は恍惚の表情を浮かべ、その身のすべてをオレに委ねていた。
軽く汗ばんだ肌を擦り合わせ、キスで互いの唾液を交換する。身体を目茶苦茶に絡ませ、お互いを貪り合う。
それらの行為はどれもリアリティーを伴わず、どこか現実離れした感覚を覚えさせた。
唇に。頬に。或いは身体のあちこちに。少女の柔らかい唇が押し付けられる。
その一つ一つが心地良い刺激となってオレの視界に霞をかけていった。
「う、んッ…あ、はあぁぁ…あンっ!!」
カオルちゃんの肌が上気し、口から零れる吐息は荒く不規則に乱れている。
少女の可愛らしさと女性の妖しさの両方が混在し、いつもは見ることのできない色気が漂う。



「はっ、ああぁ!…ん、あ…ッ……」
止めどなくやってくる快楽が、マナカちゃんの目から理性の光を失わせる。
普段あまり感情を表に出さない彼女が、今は快楽に溺れ、乱れに乱れていた。
「あっ、はぁ…シ、シンジさんッ!!」
突如、カオルちゃんがオレにしがみついてきた。支え切れず後ろにひっくり返る。
「シンジさん…わたし、もうガマンできない……」
再びオレの上に馬乗りになる。
「シンジさん…下さい……」
カオルちゃんはオレのモノを手に取り、そのまま入れようとした。
「あ、ダメですよカオルさん。避妊はちゃんとしないと」
マナカちゃんはどこからかゴムを取り出すと、それをオレのモノに装着した。
「さ、もういいですよカオルさん」
カオルちゃんは待ち切れないといった様子でオレのモノを入口にあてがい、一気に腰を沈めた。
「はっ、あああぁぁッ!!」
オレのモノがカオルちゃんの中に呑み込まれた。
薄いゴム一枚を隔てて、熱く絡み付く肉の感触が伝わってくる。
「ああンッ!あっ、あっ…はあぁッ!」
カオルちゃんが身体全体を大きく上下させると、その度に彼女の口から掠れた喘ぎ声が飛び出す。
弛んだ口の端から唾液が一雫垂れ、オレの腹の上に落ちた。
「ふあぁッ!あッ!…はあぁん…あぁあッ!」
カオルちゃんが腰を下ろすのに合わせてオレが下から突き上げると、彼女の声が一層大きくなる。
「カオルさん、気持ちいいですか?」
それまで静観していたマナカちゃんがカオルちゃんに声をかけた。
「うん…いい…あッ、あんッ!…気持ちいいよぉ……」
「フフ、本当に気持ちよさそうですね……」
マナカちゃんはオレの側に近寄ってきた。
「お二人を見てたら私もガマンできなくなりました……」
マナカちゃんは両手でオレの手を取ると、それを自分の秘所に押し付けた。
「私にもして下さい……」
言われるまでもなく、オレは彼女の秘所を掻き回した。
秘裂を撫で、肉芽を摘み、内側を指で抉る。
「あっ、んンッ!ああっ!…ぁ…ッ!」
人差し指と中指を彼女の中に挿し入れ、激しく動かす。大量の蜜が溢れ、オレの手を濡らした。
「はぁっ…あッ、あぁあっ!シンジさんっ、もっと……!!」
マナカちゃんの中で指を動かすと、それに合わせて彼女の身体がビクンと跳ねる。
「んあぁ…あっあぁ…あぅッ!」
カオルちゃんを突き上げると、そのたびに彼女の口から淫らな嬌声が零れる。
先に限界に達したのはマナカちゃんだった。
「ひゃッ!!あああッ!あ、ふあぁ…はああぁぁ!!」
オレの指がたまたま彼女のスポットに触れたらしく、マナカちゃんの乱れ方が変わった。
それならば、とその部分を集中的に責め上げる。
「ひあッ!あンっ…あっ、ああ…い、くッ…あ…あああぁぁッ!!!」
身体がのけ反り、そのまま崩れ落ちる。
ビクビクと絶頂の余韻に震える秘裂から指を引き抜くと、オレは身体を起こしカオルちゃんを抱き締めた。
身体を密着させ、彼女を下から激しく突き上げる。
「んああっ!ふあっ、あッ!…あぁあっ!!」
彼女も限界が近そうだ。オレは動きにスパートをかけた。
「あぁッ!あ、あ、んんッ!…もう、だめ…いっ…あ、あああァあッ!!!」
カオルちゃんが絶頂に達した瞬間オレのモノがギュッと締め付けられ、それが引き金になった。
「クッ…!」
オレはゴム越しにカオルちゃんの中に全てを吐き出した。
「シンジ、さん……」
カオルちゃんが焦点の定まらない目でオレを見る。
オレは彼女の身体を解放すると、その唇にそっとキスをした。



正直なところ、今でもオレ達の関係は普通じゃないと思っている。
と言うか、絶対おかしい。
しかし、オレは彼女達全員が好きだ。これは誓って嘘ではない。
だから、当分はこのままでいようと思う。
これから先、どうなるかなんてわからない。
だからこそ、流れに身を任せてみようと思う。
なるようになれ、だ。


(fin)

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