作品名 作者名 カップリング
「悪気がないのは分かるけど」 72氏 -

―夏真っ盛り。カナミといつものメンバーは、シンジを連れプールに来ていた。
ひとしきり楽しんだ後、プールサイドでくつろぐカナミにマナカがふと呟いた。

「カナミさん…最近水難事故って多いですよね」
「うん…なに、突然?」
「いえ…先日もうちの兄が海で事故にあったもので。
海中で彼女とハメてたら、足がつって危うく溺れ死にそうに…

…まあそんな話はどうでもいいんですが」
「へえ…それは大変だったね…で?」
「ええ、それからずっと考えていたんです。
―災難というのは、いつ自分に降りかかるか分からない。
いざという時に役立ち、手軽に使えるものは何かないものかと」
「へー…面白そうだね。で、例えばどんなの?」
興味を持ったカナミの催促を受け、マナカは軽く咳払いをして続きを話し始めた。
「では…えーと…救命胴衣ってありますよね」
「うんうん」
「コレをいつでも使えるようにはできないかと思いまして…
しかも普段は目立たないように何気なく使えるように」
「ほうほう」
「で…私が考えたのが、胸パッドに仕込むという方法です。
普段はカナミさんもいつも使ってる、普通の貧乳用パッドとして…
そしていざという時に膨らんで、胸ごと水にプカリ…と浮かぶってわけです」
「なるほど…胸が浮かぶなんて斬新な発想だね!」
「そう、これは大発明ですよ。貧乳の私たちにとってはまさに一石二鳥!」

「胸が膨らんでプカリと!」
「そう、胸が膨らんでプカリと!」
「胸がプカリと!!」
「そう、胸がプカリと!!」


「…へ?胸って普通に浮かぶもんでしょ?」
盛り上がる二人の間によく分からず割り込んできたアキ。
「「…はぁ?」」
思わず彼女に視線を向けるマナカとカナミ。


「え…いやあのさ、普通にお風呂で湯船にプカリと…浮かぶでしょ?」

 ・
 ・
 ・

「―アキちゃん!?…どうしたの、そのコブ?」
「あ、シンジさん…
あの…なんか…途中で話に割り込んだら…二人に思いっきり殴られました。
『また性懲りもなく胸の自慢かーっ!!』って…」

(おしまい)

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