作品名 | 作者名 | カップリング |
「兄は発情期~序章~」 | 72氏 | - |
―きっかけは…ほんのささいなものだ。 ―とある日曜日、昼下がりの城島家。 その日シンジはどうしようもなく暇だった。 どこかに出かけるにしてもまず先立つ金がない。じゃあ勉強でもすればいいのだがやる気は起きない。 やる気が起きなければゴロゴロしてるしかない…とまあ、悪循環というわけで。 退屈しのぎの漫画雑誌も読み飽きて、やることがなくなったシンジはソファーにごろりと寝転んだ。 さあて…何かいい暇つぶしはないものか… そんなシンジに、ふと疑問が浮かぶ。 「そう言えば…女物のパンツってあんなんだったっけ?」 それは今読んでいた雑誌に載っていた、とある漫画の最終回。 そのラストシーンにパンモロのシーンが出て来たのだが、 その下着にシンジはどこか違和感を感じたのだ。 …まあ、しょうもない事ではあるが…どうしても気になる。 こういう事は一旦気になりだすと止まらないもので。 考えあぐねた彼は、やがて「これはぜひとも実物を見て確かめなければ!」という発想に至った。 …しかし、どうやって調べようか? AVやエロ本なら自分の部屋にあるが、わざわざその為に二階へ行くのも…正直めんどい。 ていうかアホらしい。 …とは言うものの、身の回りにあるものでそれを確かめる術はない。 女性の下着関係のチラシでもあればと思ったが、そう都合よくあるわけがない。 そんな事を考えつつ、ふと外に目をやるシンジ。 庭には城島家の洗濯物が風にゆらゆらと揺れていた。 カナミが買い物に出掛ける前に干していったものだ。 シンジの目に映るのは白いワイシャツや靴下、そして― それらに混じって吊るされている―妹の下着。 (あ…カナミの…パンツ…) ここでシンジに短絡的な考えが浮かんだ。 (そっか…あれで確かめればいいか) 運のいいのか悪いのか、カナミはまだ買い物から帰っていない。 (チャンスは今しかないな…っておいおい…) 何のチャンスだよ、と自分に突っ込みを入れつつ、早速シンジは庭へと出た。 「あー、いい天気だな…」 ポカポカとした陽気と心地よい春の風がシンジを迎え入れる。 おかげで干してある洗濯物はすっかり乾いているようだ。 「さて…と」 庭に出た目的を果たすべく、シンジは洗濯物の干してある場所へと向かう。 「これだな…」 そして彼は竿にかかる"それ"へと手を伸ばした。 「別に…ただ…調べるだけだからな…」 続いてシンジが付いている洗濯ばさみを外すと、 汚れのないそれは彼の手の中にふわりと落ちた。 決して派手でないシンプルな下着。実にカナミらしいとも言える一品。 いまだ処女のカナミは、こういう所は結構ピュア?なのだ。 「…やっぱパンツは純白に限るよな、うん」 そう独り言を呟いたあと、シンジは両手でその生地を広げた。 「さて…と…おかしいところは…?」 そう言って早速カナミのショーツを調べ始めるシンジ。 …が、百聞は一見に如かず。疑問の答えはすぐに見つかった。 「…ああ…なるほどね」 結局のところ大した事ではない。やはり形が微妙に違ったのだ。 こうしてあっという間に疑問が解けたシンジは、それを元の場所に戻すことにした… …だが。シンジの手は意思に反してそれを離そうとはしない。 それどころか、いつの間にか彼の目はその純白の下着に釘付けになっていた。 ―何のことはない。ただの下着だ。しかもこれは妹の… …下着に欲情…?…俺が?まさか? カナミの下着を握り締め、じっと見つめてるこの姿は…どこからどう見ても変態じゃないか!! …さあ、いいから早く元の場所に戻すんだ、俺… シンジは頭の中でそう何度も自分に言い聞かせるが…。 …残念ながら、身体は欲望に忠実だった。 (…ごくり…) 黙りこくったまま、しばしその白く妖しい生地をじっくりと眺めた後… そっとそれに顔を近づけ…シンジは匂いを嗅いだ。 "くん…" …別に変な匂いはしない。洗濯したばかりなので当然と言えば当然だが。 石鹸のほのかな香りが、シンジの鼻腔をくすぐる。 春の日差しをたっぷりと浴びたショーツはふんわりとしていて…そして暖かい。 (ふう…いい匂いだ…って何やってんだ…オレ…) 若干の後ろめたさを感じながらも、シンジはその背徳的な己の行為に激しく興奮を覚え始めていた。 ―ああ、局部を覆うただの布きれに過ぎないのに… ―なぜ男は女のパンツにこうも心を揺り動かされるのか… それは人類(というか男にとっての)永遠の謎。 "すうう…" シンジはショーツを鼻に押し付け思い切り息を吸い込み、 そして手でその肌触りを十分に楽しむ。 (洗ってなかったら…もっと良かったかも…) 既に頭のネジが一本取れてしまったのか…もう自分でも何を言っているのか分からない。 今のシンジにはもはや周囲など全く気にならない。 たかが下着、されど下着の完全な虜となった彼。 やがてシンジの右手が己の股間へと伸び― ―チャックを下ろし、天を仰ぐ己のイチモツを取り出そうとした― "ガサ…" ―とその時―シンジは背後に誰かの気配を感じた。 はっと我に返ったシンジが後ろを振り向くと… ジャーン!!ジャーン!!ジャーン!! 「げえっ、カナミ!!」 「…お…にい…ちゃ…ん…? …何…やって…んの?」 買い物から帰り、洗濯物を取り込もうと庭に来てみれば― ―いきなり目に入ったのが、妹の下着の匂いを夢中で嗅ぐ兄の姿。 流石のカナミも、ただあ然とした顔で立ち尽くしていた。 「いや…その…これは…」 「これは…なに?」 シンジに弁解の余地は…まあ、まずあり得ない。 「私の下着で…何しようとしてたの?…まさかオナ…」 「いや!…ちがっ…いや…その…」 言葉に詰まるシンジ。そしてそんな兄をじっと見つめるカナミ。 そんな気まずい空気にやがて耐え切れなくなったシンジは、 「は…はい…これ…じゃ…」 そう言ってカナミに持っていた下着を手渡し― 「え…お兄ちゃん…待って…!」 ―妹の呼び止める声も聞かず、自分の部屋へと駆け込んだ。 ―うわぁああああ…最低だ…オレ。 なんて事を…どう考えても変態だ… 違う、ただパンツの形が気になっただけで…オレはぁあああ…!! ―後悔、そして自己嫌悪。 自分が何をしたのか、そしてその行為を誰に見られてしまったのか… 布団の中に篭って悶え苦しむシンジ。 ―結局シンジはその日ずっと部屋から出て来れなかった。 一方で庭に取り残されたカナミは、自らの下着を持ったまま立ち尽くしていた。 その顔は…困惑半分、嬉しさ(?)半分と言ったところ。 自分(の下着)をオカズにしてくれたのが嬉しいってことなんだろうか。 「お兄ちゃん…溜まってるのかな…」 兄のいる二階の部屋を見上げながら、カナミはそっとそう呟いた。 そして次の日の朝…シンジが目覚めると、机の上にはメモと一緒に妹の下着が置かれていた。 メモにはカナミの字でひと言…「プレゼント」と書かれている。 …確か部屋には鍵をかけておいたはずなのだが… そんなささいな事は彼にとって、正直もうどうでも良かった。 「これを…使えってコトだよな…」 ここは妹の好意を素直に受け取るべきだ―と開き直ったシンジは、 その魅惑の布切れを握り締め、そそくさとベッドに潜りこんだのだった。 (つづく?)
無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!