作品名 作者名 カップリング
NoTitle 518氏 -

おかしいな?
何処からこんな事になったんだろう?




その日もいつも通りの休日だと。
俺は思ったわけだよ、うん。
妹のカナミに「いい加減起きろ!」って起こされた。
……足コキはやめろと何度も言ってるのに……まあそれもいつものこと。
朝食を食べ終わって、洗物をしてたらカナミが言ったわけだ。
「でかけてくるねっ!」と。
いつものメンバーで買い物にでも行くんだろうと思って俺は見送ったわけだベイベ。
で。
10分ほどしたら来客。
いつものメンバーの一人で、一番(唯一?)の常識人の矢野アキちゃんだった。
カナミなら出かけたけど……と俺が言ったら彼女はこう言ったわけさ。
「いえ、今日はお兄さんに用があってきました」
身震いしたね。
カナミがナニをやらかしたのかって。
思わず土下座して謝っちゃったもの。
けど、どーやらそーいうことではなかったみたいで。
なんか……話しにくそうだったから上がってもらったわけさ。
クーラーの効いたリビングに案内して。
アイスコーヒーを出して。
それで、どうしたの?と問いかけたわけさ。
破格の待遇とは言えないかもしれないけど、失礼はないだろ?
少なくとも。
いきなりマウントを取られるような事はしてないはずだ。

そう。
おれはいきなり矢野ちゃんにグラウンドに倒されたんだ。
「ど、どうしたの矢野ちゃん!」
「責任、とってください」
責任と聞いて思い浮かんだのはやはり、カナミのことだ。
ううう……あいつナニしたんだよ?
ナニか?
ナニなのか?
とにかくここは謝り倒す他ない。
「ごめん!悪かった!カナミにはよーく言っとくから。
親とも相談して出来る限りの責任は取らせてもらうよ。
だからとりあえず降りてくれないかな?」
「や」
あらら。
拒否されちゃったよ。
「カナミに言うとか、親と相談とか、そんなことじゃないんです」
じゃあなんなのさ?
「おにーさんは……責任、とってくれるんですか?」
「……」
そう言われて、少し考えた。
けど、すぐに答えは出た。
簡単な事じゃないか。
「ああ。とるよ、責任」
カナミがなにかやらかしたら俺が何とかする。
考えるまでもないことだ。
俺はあいつの兄なんだからな。
妹の不始末は兄の不始末ってね。

「本当ですか?」
「誓うよ」
……何に誓うかは知らないけどね。
俺無宗教だし。
「そうですかぁ……安心しました」
ほにゃんと矢野ちゃんは顔を綻ばせる。
その顔を見て俺は「ん?」と思ったわけだ。
いつも男っぽい……と言っちゃうと語弊があるな。
ん〜と……凛々しい…そう!凛々しい矢野ちゃんには珍しい表情だったから。
けど、そんな考えはすぐに吹っ飛んだ。
「んしょ……」
「ぬお!?な、なにしてんのさ矢野ちゃん!?」
「何って……見たままですよ?」
「見たままって……なんで上脱いでるの!!??」
そう。
何故か矢野ちゃんは上に来ていたTシャツを脱いでいた。
露になったブラが俺の目に……でかいな……って!そーじゃない。
「ストップ!矢野ちゃんストップ!」
さっきも言ったが、俺は彼女にマウントを取られていてろくに動けない。
だから彼女の行動を制する事は出来ないわけで。
いや、動けても制したかどうか。
心の何処かに役得役得♪と喜んでるやつがいる。
しょーがないじゃん。
俺だって思春期なのよ。

けど。
けどね。
思春期で、やりたい盛りでもね。
妹の親友に手ぇだせるかい(涙)
だした日にゃぁあんた……食事に一服盛られますわよ(お嬢)
耐えるのだ……ダークサイドに身を委ねてはいけないアナキン(ス○ーウォーズ)
まあそんなわけで。
「落ちつこう矢野ちゃん。あ、ほら!荷物が机から落ちたよ。
中身大丈夫なの?なんか壊れたりとかしてるかもよ」
「あ……」
おそらくケータイでも入っていたのだろう。
中身を確認……って!
「ワイルドだね、矢野ちゃん……」
中身を全部床にぶちまけた。
これはワイルドなんてレベルじゃない。
大雑把とか、無造作のレベルだ。
「よかった……大丈夫だ」
矢野ちゃんが何かを手にもって安心してる……ケータイではない様だ。
だってケータイは俺の目の前に転がってるし。
そして空き缶も。
けどこの空き缶は……
「……缶チューハイ?アルコール飲料?」
意外だ。
矢野ちゃんがその手の飲み物の愛飲者とは。
いや、そりゃ前に家でクリスマスパーティしたときは飲んでたけど。
アレは正月のお屠蘇、ひな祭りの白酒みたいな……縁起ものだし。
平日(この場合の平日は休日の対義語ではなく普通の日の意)に酒を飲むとは。
けど、これで矢野ちゃんが妙な様子だったのにも納得がいった。

「えっと……矢野ちゃん酔ってる?」
そう尋ねると素直にコクリと頷く。
やっぱりかい。
「でもなんで?普段からお酒飲んでるの?」
「飲みませんよ。どうしても踏み出せなかったから。
一歩を踏み出す勇気が欲しかったってゆーか、景気付けってゆーか」
はて?
踏み出せなかった?
勇気?
何を?
「えっと……ごめん、話がまだ見えてこないんだ」
「……カナミや、ショーコや、マナカって、その……あんなじゃないですか?」
「……ああ」
言葉にはしたくない。
それでもあえて言うならば……エロい。
「私いっつもからかわれたり、ツッコんだりばっかりで……」
「わかるよ。俺もそうだし」
「だから、どうしたらいいかなって考えて、それで思ったんです」
そこで矢野ちゃんは口を閉ざした。
「何を思ったの?」
だから先を促したわけなんだけど。
それが失敗だと気付いたのはもっと後になってからだ。
「ショーコはアレだけど、カナミもマナカも処女なんですよ」
「……」
なんか……妙は方向に話が進んでないか?

「その癖処女で巨乳の私をからかうようなこと言ってくるんです。
だから私考えたんです。私が処女じゃ無くなれば少しはからかわれないでも済むのかなって」
さて、目の前に処女を捨てたいと言っている少女がいます。
その場に居るのは少女とあなた(男性)だけです。
それではここでクエスチョン!(世界○思議発見)
少女は誰に身を委ねるのでしょう?
おや?坂東さん、黒柳さん、野々村君全員スーパーひ○し君で?
それでは三人の回答同時に見てみましょう。
「あなた」「あなた」「あんただよ」
三人共「あなた」という答え。
それでは正解を不思議、発見!
「お兄さん、私の処女、もらってください」
そう言ってブラを取る矢野ちゃん。
……これは、喜ぶべきなのだろうか?
つーか、マテ。
フライングして喜んでる俺の下半身よマチタマエ。
そして矢野ちゃんよ、オチツキタマエ。
「待った矢野ちゃん!こ、こーいうことはもっとお互いを知ってからのほうが」
「知ってますよ、お兄さんのこと。三年生で、風紀委員で、アナル好きで」
「最後の一個はできれば知らないでいて欲しいんだけど……」
なんで知ってるんだ……って、カナミ情報に決まってるし。
「あの…お、お尻の方がいいって言うなら。私頑張りますから」
「頑張らないでいいから。とりあえず落ちつこう」
「準備も万端です」
「準備?」
首を傾げる俺の前にさっき壊れてないか確認してた「何か」を見せてくる。
見せてもらったわけなんだけど……こ、これは!?
「局長ーー!!」
薄さ0.03ミリでありながらその実力はまさにイージス!

明るい家族計画。
こんどーさんだ。
そーいや彼の持ってた虎鉄偽物だとか。
ぷちトリビア。
「私、まだ学生だから。妊娠とかしたくないから」
うむ。
無計画にエッチして妊娠、中絶をする女子高生もいるこの時代に。
さすが矢野ちゃん、しっかり者。
……そうじゃない、そうじゃないんだボブ(←誰!?)
「あ〜…矢野ちゃん。俺は思うんだけどさ」
とにかく説得をしないと。
そう思ってたのに。
「でも、すっごく緊張してるんです。ほら、鼓動、速いでしょ?」
腕を取られ、矢野ちゃんの左胸へ誘われる。
柔らか!
でか!!
鼓動速いって言われても矢野ちゃん……心拍伝わってこないよ。
おっきすぎて。
「お兄さんも緊張してますか?」
そう言って。
俺の胸にそっと耳を押し当ててくる。
ついでに胸も押し当てられるわけで。
その時点で……飛びました。
理性の糸だか、頭のねじだかはふっ飛んじゃいましたよ。
「矢野ちゃん!」
「あっ……」
抱きしめたね。
そりゃあもう思いっきりに。

倫理も道徳もどっかにポイさ。
ポイ捨てはよくない?
じゃあ誰かテキトーにリサイクルしといて。
とりあえず今日は要らないから。
まあそんなわけで。
「矢野ちゃん……ほんとにいいの?俺も男だし。思春期真っ只中だからさ。
ヤらせてもらえるんなら好きじゃない子が相手でもやっちゃうような節操無しだよ?」
「はい」
即答されちゃったよ。
喜んでいいのか悪いのか。
「私がお兄さんにシテ欲しいんです。お兄さんが私の事なんとも思ってなくっても。
私はお兄さん事想ってますから。だからいいんです」
「……」
さらっとすごい事言われてない?俺?
なんつーか……すっげー嬉しい。
「俺も、矢野ちゃんのこと嫌いじゃないよ」
「え?」
「まあ……なんつーか、キスから始まる恋もあるって言うけどさ。
エッチから始まる恋があってもいいと思わない?」
ツッコむな。
我ながら恥ずいこと言ってるって自覚あるから。
「お兄さん……」
「俺の部屋行こうか?」
「……はい」
矢野ちゃんの手を引いて二階の俺の部屋へ。
階段を上がる。

遠い地にいる父さん母さん。
あなたの息子は男になります。
御近所の視線が冷たくなるかもしれませんが許してください。
俺はこの子を抱きます。
カナミ。
お前の友人に手を出す兄を許してくれ。
エロ本ならいくらでもやるから。
……なーんて。
バカな事を考えてる間に階段を上りきって俺の部屋に到着。
よし、次は大人の階段を登ろう。
気合を入れろ!根性をだせ!!
…まあ実際には。
肉棒を入れて!精液を出す!!
わけなんだが。
んなことはどーでもいいんだよ!!
ベットに矢野ちゃんを横たえ、その上に乗る。
「矢野ちゃん……いいんだね?」
「はい」
最終確認もとった。
それでは!
ア○ロ!いきまーす!!
「あ」
と、思ったらカタパルトの異常。
「どしたの矢野ちゃん?」
「服と荷物が…」
「あ、そうだね」
ふらりとカナミが帰ってきて服と荷物を発見したら血を見る事になる。
「俺取って来るよ」
階段を落ちるように……実際踏み外した……降りて、荷物と服を手に階段を駆け上る。
そう、この階段を上りきったとき俺も大人の階段を上る事になるのだ。

遠い地にいる父さん母さん。
よく考えたらカナミのせいで御近所からの視線は絶対零度です。
もうこれ以上冷たくなる事はないでしょう。
カナミ。
よく考えたら矢野ちゃんをここまで追い詰めたのはお前のせいでもある。
お前が矢野ちゃんに許してもらえる様努力しろ。
俺は知らん。
……なんか、心配事が吹っ飛んだ気がする。
「お待たせ矢野ちゃん」
声をかけて部屋に入り、再び矢野ちゃんの上に。
さあ……いざ尋常に勝負!
「矢野ちゃん……」
まずはキスから。
そう思って顔を近づけたら……
「すぅ……すぅ……」
「……」
ウソ……ウソやん!
ウソでしょ!?
ウソだと言ってぇぇ!!
「寝てる?」
「すぅ……んぅ……」
「……は……はは……」
認めねえ……認めねえ……

認めねえ……認めねえ!!

    こんなオチ認めねぇえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

なんだよ!!このべったべったな展開は!!
ありえねぇ!!
ちょっと待ってよお嬢さん!
こっちはもう下半身が臨戦体勢どころか戦闘開始しちゃってるんですよ!!?
そこで停戦なんて無理ですって!
覆水を盆にかえせって言うんですか!!??
こうなったらいっそ……眠ってるだけなんだから問題は……。
「……んにゃ……おにいさぁん……」
……できませんて(泣)
そこまで堕ちれませんて(号泣)
俺にできる事はといえば布団をかけてあげる事だけさ。

その後俺は。
小1時間泣きはらし。
小1時間トイレにこもった。

トイレで小1時間も何してたかだって?
わかるだろ?寸止めされた事がある男でも、そうでない男でも。
だから聞くな(泣)



END

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