作品名 作者名 カップリング
『シンジよ、手紙とは改行後の下がった1文字目を逆から読むものだ』 弱味☆氏 -

ドラキュラは日の光を浴びると灰になるという。吸血鬼ならぬ身の俺でも、
今だけはその恐怖がよくわかる。そりゃ熟睡してるときに(夜中の3時だぞ)、
いきなり部屋の明かりがともればそんな気にもなろうというものだ。
お天道様もかくやという量の光を浴びて、俺は眇目を開けた。
蛍光灯をさすひかりにして、誰かが立っている。
泥棒?強盗?
俺の頭に浮かんだのはまずそれだった。
「カナミっ」
 寝起きは良くないはずの体が反射的に動いた。
俺はともかく、カナミだけは何があっても守らなければならない。
「カナミちゃんならいませんよ」
 起き上がろうとする俺を、そいつが制した。
聞き覚えのあるその声と、光に慣れた眼に映るその姿。
「マナカちゃん?」
 艶のある漆黒の髪に、透き通るほど白い肌。
そのまま化粧品のCMに使えそうな、ツンと澄ました美貌。
 我が妹城島カナミとともに、小笠原高校女子の
思春期ツートップの一角にして現役官能小説家の、黒田マナカの姿が俺を見下ろしていた。
「おはようございます、シンジさん」
 夜中の3時にひとをたたき起こしておいて、おはようございますも何もないもんだと思うが、
さもそれが当然といわんばかりに、腕組みをしたまま俺を見下ろしてくる。
 それにしても今日のマナカちゃんはいつもと違う。人一倍体が細くて
寒がりな上に貧…アレなので、冬はいつ会っても、これでもかというくら
い厚着をしているのだが(それでもぜんぜん体のラインは崩れて見えないから不思議だ)、
今日の彼女は薄いベージュのスリップと、黒いミニのフレアースカートという露出度の高い出で立ちで、
もう少し背が高ければ、立派にファッションモデルとして通用しそうである。
いままで特に意識したことはなかったけれど、こうして見ると、マナカちゃんもなかなか……
はっ、そんなこと考えてる場合じゃなかった。カナミがいないって、どういうことだ?
なんでマナカちゃんがここにいるんだ?
 そんな俺の疑問を読んだかのように、マナカちゃんが口を開いた。
「今日は、債権の回収に来ました」
「???」
 意味がわからない……。
「カナミちゃんには色々貸してるんです。この間の貞操帯もそうだし、
新型バイブとか、耐火素材の革ムチとか」
 およそ女子高生が貸し借りするものではないようなものが、
マナカちゃんの口からぽんぽん飛び出してくる。……もっとも、そんなものを友達から
借りてくることでいちいち驚いているようでは、カナミの兄はやってられないというものだが。
「レンタル料はあとでまとめて払うっていう約束だったので、今夜こうして
シンジさんのところに請求に来たんです」
 あー、そういえば、カナミがそんなことを言っていた気もする……って!
「カラダで払ってくれるって約束でしたよね?」
 マナカちゃんの眼になぜか獰猛な光がともり、不敵な笑みが美貌に浮かぶ。ベッドの上の俺に向かって、じりっ、じりっと間合いを詰めてくる。
「いやいや、俺はそんな約束知らないし!カナミが勝手にしたもんだろ?」
 なぜかマナカちゃんの勢いにたじたじとなっている俺。目茶苦茶な論理なのに、なぜか無視することが出来ない。
「カナミちゃんには私がシンジさんに何をしてもいいっていう許可をもらってます。私も原稿が忙しくて、こんな時間しか来られないんです」
 「いや、それは……ていうかなんでカナミはいないの?」
 さては逃げやがったな、と直感したが、その隙を突いて、マナカちゃんが俺のベッドにするりともぐりこんできた。
有無を言わせない素早さだった。
「ちょっ……マナカちゃん、まさかカラダでって……」
「文字通りです。シンジさんの童貞で払ってもらいます」
 なんで俺が童貞だと知って……って問題はそこじゃなくて、違うだろ、
普通は仕事の手伝いとかをわざと「カラダで」って表現して、俺や矢野ちゃんが「それおかしいぞ」ってツッコむ、
それがいつものパターン、『妹は思春期』の真髄だろ!そうだろ?
「そういうのは今回はナシです」
 テレパシーでも使ったかのように、マナカちゃんは俺の考えを先回りした。



呆然とする俺の顔に、細くて白い指がぴたりと張り付く。
「ああ、この顔、この肌、この温もり……ずっと、夢見てました」
艶っぽく濡れた、呆けたような眼差しで、じっと俺の眼の奥を見つめてくる。
その眼差しに呼び起こされたかのように、急に湧き起こった強い衝動で、俺の理性が
内側から壊されそうになる。
いまにも唇を近づけて来そうな表情のマナカちゃんと、牛丼一杯分ぐらいのエネルギーを
使って眼をそらす。
「あ、あのさ、やっぱりこういうことはマナカちゃんの好きな人とした方がいいよ、ね?
お金が必要なら払うし、やっぱり女の子にとって純潔は一生モノだし、そりゃ最近は処女膜再生とかもあるけど、
あ、いやそれはまた別の話で……」
 頭の中がうまく整理できずにしどろもどろになる俺を見たマナカちゃんの眼から、
突然大粒の涙があふれ出した。もはや抑えきれなくなったというように、嗚咽がだんだん大きなものに変わっていく。
どういうことだ。さっきまでの、淫らで妖艶で、熟女のような笑顔はすっかり姿を消し、
幼女のように泣きじゃくるマナカちゃんがそこにいた。つくづく女というものはわからない。
困惑する俺に、美貌を覆った手の隙間から、嗚咽まじりの声が漏れてくる。
「ごめんなさい……はじめて会ったときから、ずっと、ずっとシンジさんが好きで……でも、言い出す勇気なくて……
こんな方法しか取れなくて……せめて初めてをあげたいって思ったけど、やっぱり………だから、カナミちゃんをダシに使えば、
言い訳になるだろうって、思ったから……」
 白い肩を真っ赤に震わせ、むせび泣きとともにとめどなくあふれ出す突然の告白。本能よりも情動が激しく揺さぶられる。
 最強の思春期女子高生。稀代の才能を持つ若手官能小説家。どこか常人離れしたイメージを持たれる彼女だって、
まだ16歳なのだ。
 きっと、その繊細でデリケートな、生まれたての赤ん坊のように傷つきやすい心を守るために、大きくて重い鎧を着けて
生きてきたのだ。こんなに細い肩で。こんなに華奢な脚で。
 そのどんなにか辛く、どんなにか孤独だったか知れないマナカちゃんを想ったとき、俺の唇は自然に彼女の唇に重なっていた。
「・・・・・・!!」
 突然のキスに、眼を見開く彼女。この瞬間だけは、涙が止まる。心の揺れというよりは、ただ単にびっくりしているだけなのか、
俺の唇をやすやすと受け入れる。頬に触れんばかりの俺の鼻に、マナカちゃんの肌の匂いが香ってくる。その温かくて優しい香りを、俺は深々と吸い込んだ。
「むふぅ……はふぅ……」
「んっ……ううんっ……」
 一瞬だけ堅くなった身体も、腰に回した俺の手の中で、だんだん柔らかくなっていく。早くなっていく心臓の鼓動と荒くなる吐息が、
マナカちゃんも反応しているのだと確信させる。そのまま唇粘膜を擦り合わせ、嘗め回していく。
 お互いの唇を存分に味わうと、互いの唾液の交換が始まる。二人の喉が嚥下に動き、呑みきれない甘露が、口元にだらだらとあふれ出してくる。
 やがて俺の舌がマナカちゃんの口腔内に侵入する。それを待ちかねたようにマナカちゃんが絡みつき、舌粘膜を擦り付ける。たまらなく甘いその感触に、
俺は思わずパジャマの下で強張り始めたペニスの位置を、指でこっそり直す。
口を離してマナカちゃんの舌を唇で摘み、ちゅうちゅうと唾液を吸い上げる。
「あん、シンジさん、痛いです……」
「あ、ごめん……」
 口をきくのもつかの間、二人の唇はまた重なり合い、舌と舌とを絡ませあう。
じっとり濡れたマナカちゃんの舌は、いつまで味わっても飽きそうになかった。


キスで乱れた着衣。マナカちゃんのスリップの肩紐は、とっくの昔にずり落ちていた。
何も言わずに手をかけると、うつむいたまま、俺のされるがままになる。ノーブラでいたためか、
乳肌の滑らかなたたずまいと、とがった乳首の柔らかくそして硬いさまが、なんとも扇情的だ。
 胸が小さいことを普段から気にしすぎなマナカちゃんだが、小さいから駄目とは必ずしもいえないと、マナカちゃんを見て思う。
まるで少年のごとくなだらかな胸は、ある種の気高ささえ感じさせる。色が白いせいか、乳首の桜色が際立って鮮やかだ。
滑らかな柔肌には産毛のきらめきさえまばらで、指でさわってもほとんど抵抗がない。乳首同士がそっぽを向いている愛らしい様を
見ているうちに、猛烈な欲求が湧き上がってきた。
「マナカちゃんのおっぱい、きれいだ」
「そんな事……」
乳房を二つとも両手でわしづかみ、俺は乳首を真ん中に寄せた。乳突起を両方ほおばって、猛烈な勢いで嘗め回してやる。
「あうぅっ、両方いっぺんに、な、めちゃ、ああっ!」
 ぴんぴんにとがった乳首は舌弾きに悶え、一層の勃起に身を引き締める。マナカちゃんが俺の後頭部を抱え込む力にぐっと
力がこもる。ぴんと四肢が伸び、ややあって力が抜けていった。



マナカちゃんの肩を強く抱く俺の手に、冷たくて硬いものが押し付けられる。その感触を確かめる前に、
やわらかく、少しひんやりとしたマナカちゃんの手のひらの感触。俺の手に細い棒状のものが握らされた。
「これは……」
「鍵……です。シンジさんじゃなきゃ……開けられません」
 俺とマナカちゃんの手のひらの中で、鈍い金色に光る、真鍮製の棒鍵。マナカちゃんの貞操帯の鍵だった。
「これを……俺に?」
「……はい。今日は、そのために来たんですから」
 本当に俺でいいの、という言葉をぐっと飲み込んだ。いまさら言わない。もう俺は迷わない。
 俺の目の前で、マナカちゃんのスカートが、ゆっくりとたくし上げられていく。
 昼白色の蛍光灯の明かりを反射して輝く黒いそれは、まさに貞操帯の名にふさわしく、
光を浴びることすら拒んでいるように思える。
 「ここが……鍵穴です」
 貞操帯にも様々のタイプがあり、鍵穴の位置もそれこそ千差万別らしいが、
マナカちゃんの指の先にある鍵穴は、まさにその下の穴の真上だった。
「穴に……挿してください」
 こんな状況で、いつもならボケの10や20はすぐ飛び出すのだろうが、今回ばかりはそれどころではない。
手が震えすぎ、小さい鍵穴に上手く入らない。何度も失敗し、焦る俺に、マナカちゃんの手がそえられた。
「一緒に……開けましょう」
 黙ってうなずく俺。今度は上手く刺さった鍵を、おそるおそる左へ回す。

バクン、という意外に派手な音がして、貞操帯の股部が縦に割れる。同時にその中に閉じ込められていた、
汗と淫靡な液体が複雑に交じり合った匂いが、あたりにたちこめた。
 それだけで、俺のペニスに限界まで血流が集中する。頭で考えるより早く、俺の中の牡が反応する。
「シンジさん!そんな、いきなり……」
貞操帯が床に転がり落ち、大きな音を立てた。あらわになった淫裂上にある女の急所に狙いを定め、
キスと胸への愛撫で大量の悦汁をこぼれ出させている。
 何人もの男がほぼ同じように形容する、ピンク色のアワビのような大陰唇を舐めあげ、
人差し指を濡らして、そうっと陰核鞘に触れてみる。撫でるようにして、包皮をむいていく。
 すごく気をつけたつもりだったが、
「ふっ!?ふうぅぅん!」
背筋を大きくそらしながら、マナカちゃんは叫んでしまう。処女なだけに、些細な刺激にも慣れていないのだ。
 剥き出された女核に、今度は唇を寄せていく。またびくんと、マナカちゃんの身体が反応した。
 不器用で、しかも童貞な俺が、かつてないほど精密な手と舌の動きを見せていることに、自分でも驚く。
今までのどんないやらしい妄想よりもペニスがたぎっているのに、頭の中は驚くほど冷静だった。
いつか見た無修正のAV男優のテクどおりに身体が動いている。
 挟み込んだ女核に、俺はそうっと舌を乗せてみる。唾液がたっぷりの舌先でねっとりと転がし、唇でつまんで甘吸いする。
「あうぅっ、なんて……溶けちゃうっ!シンジ……さんっ!あひっ!」
 女核刺激の強烈過ぎる快感に、マナカちゃんはただあえぎ声を発するだけだった。無意識なのか、腰が勝手に動き出し、
俺の顔めがけて激しく突きあがり、俺の顔を太ももが思い切り締め付ける。
「あ……あ、ふぅっ!はぁ!ぁぁぁぁっ」
 それでなくとも軽いマナカちゃんの身体が海老反りにそり返り、どさりとベッドに落下した。
大股開きの内ももがぴくぴくと痙攣し、荒れた呼吸はいっこうに収まる気配がなかった。


童貞を失うことの感慨は、まったく頭から消え失せていた。
ただ、全力で俺を求めてくるこのか細くやわらかい存在を、
いたわりながら思いを遂げさせてあげることだけだけしかなかった。
 予想外に上手くいった、執拗なまでの口唇刺激のおかげで、マナカちゃんの淫裂はすでに
充分すぎるほどやわらかくほぐされている。
 大量の恥かしい汁が膣口はおろか、尻の割れ目全体をぬるぬるにするほど沁み出ているので、
俺のペニスでも簡単に、マナカちゃんの初めての膜を裂き貫けるはずだ。
 さっきから刺激されるだけされて、いちども快感を味わっていないペニスは隆々とそそり勃ったまま、
下腹に張り付いてぴくりともしない。
肌を滴り落ちた我慢汁が、付け根の草むらをしとどに濡らしている。
 


絶頂の余韻に未だ痙攣するマナカちゃんの裸身。真っ白な肌は汗にふやけ、熱くなった股間からは、
さっきよりもっと淫靡な匂いが立ち上ってくる。投げ出されたままのマナカちゃんの脚の間に座ると、
反り返っている勃起を無理矢理下向ける。
 割れ目に先端をあてがった。二人がかすかに触れ合って、くちゅ……と粘音が響く。
あてがわれたペニスに、マナカちゃんがすっかり熱っぽくなった視線を股間に向ける。
 俺に気づき、火照った顔で微笑した。
「とうとう、とうとうなんですね……」
 甘く熱いため息をついたマナカちゃんは、両脚に手をやり、M字開脚の体勢を取った。
見下ろす俺の目に、マナカちゃんのいやらしいピンク色をした淫裂が、
真っ白な太ももの間に外陰唇の間には、パンパンに張り切った亀頭が
打ち込まれる寸前の銛のように狙いを定めている。
 「この方が、しやすいですよね?恥かしいですけど……」
 まさかマナカちゃんの口から『恥かしい』という言葉が出てくるとは思わなかった。
あんな恥を知らなそうな女子高生でも、ベッドの上では立派に恥らう女なんだと思うと、
そのギャップに危うく力まかせにぶち込みたい衝動が沸き起こってくるのを、やっとのことで押さえる。
 上体を屈め、マナカちゃんの顔を間近に見つめた。右手はペニスに添えたまま、挿入にスタンバッている。
 「い、いくよ、マナカちゃん」
 返事を待たずに、腰を前に突き出していく。膣粘膜の柔らかい感触が、亀頭に優しい。
「あぁっ、し、し!シンジさん……あ、あうぅ!」
マナカちゃんの身体がずりあがらないよう、肩を両手でしっかり掴んだ。こんなところでも、
いつか見たエロ漫画の1シーンがよみがえっていた。
「……ちょっとぐらい痛くても、我慢します。シンジさんのおちんちん、私のおまんこに、入れてください・・・・・・」
到来する痛みを思ってか、マナカちゃんの喉が生唾を呑みこんだ。掴んだマナカちゃんの身体を押し下げるようにしながら、
腰を突き上げていく。
 亀頭先端が何かにあたる感触もつかの間、思い切り押し下げたマナカちゃんの身体はついに、俺のペニスに淫裂を串刺された。
「あぁっ!し、シンジさんのおちんちんっ!」
「あぁ、マナカちゃん、全部、入ったよ。マナカちゃんのおまんこに、全部入ったよ!」
「うれしい……です……シンジさんと……交われて……」
 唇を噛み締め、痛みを懸命にこらえているマナカちゃんが。
「大丈夫?もうやめておこうか?」
「駄目ですっ、私は大丈夫ですから……シンジさんが、気持よくなってください……」
 俺の首にしがみつき、自分から腰を押し付けてくる。そんな反応に勇気付けられ、
俺は再び腰を使い始める。
「くぅっ……ふぅっ……うぐっ……」
 突き出される腰に、抜き出されるペニスに、マナカちゃんの口から漏れる嗚咽。
しかし、うめき声に混じる甘い潤みは少しずつ増している。無意識に激しさを増す
俺の突き込みに合わせ、マナカちゃんの腰もくいくいと動き始めた。
「あぁ、あふぅ……うぅっ……あん」
 二人のつなぎ目に粘音がくちゅくちゅと、どんどんいやらしさを増していく。
「あぁ、恥ずかしい……初めてなのに、感じちゃってる……あぁっ!」
 俺もマナカちゃんも、互いの腰に恥骨を打ちつけるような、激しい腰使いで交わっている。
M字開脚の両脚はいつの間にか、俺の腰にまわされていた。
打ち込まれるペニスを奥で感じようとしているのか、両脚が力いっぱい俺の体を引き寄せる。
 いくら膣肉が愛液に溢れていても、初めての女のなかは俺にはつらすぎた。おまけに女の悦びを感じ始めたマナカちゃんは、積極的に腰を突き上げてくる。
「マ、マナカちゃん!俺もう……」
 二人の腰の動きはもちろん、激しさを増すばかりだ。
「あぁっ!シンジさん、イッて!イッて下さいっ!重いきり気持ちよくなって、私のなかにたくさん射精してくださいっ!あぁ、好き!シンジさんが大好きですっ!」
 「あぁっ、マナ、カ……ちゃんっ!」
マナカちゃんに優しく見上げられながら、俺は射精衝動を解放した。
どくんっ どくんっ どぴどぷぴゅるるる
 俺の分身である1億以上の精子が、マナカちゃんの処女子宮にしこまれて行く。
保健の授業で見たビデオの、成熟した卵子が精子を受精するイメージが頭をかすめた。
緩み始めた結合部分から、赤みを帯びた粘液がじっとりと垂れ落ち、
マナカちゃんを女にする儀式の完了を告げていた。


1時間も寝ていないのに、俺は爽快に目覚めた。俺は気づいたのだ。自分を愛してくれる存在があるという事が、
こんなにも自信を与えてくれるものだということに。そしてその愛の倍、俺はその愛に応えなければならない。
その存在、そう、マ………ナカ…ちゃん……?……?
いない?
 俺の横で腕枕で寝ていなければならないはずの、マナカちゃんがいない……。

 机の引き出しからクローゼットの隠し扉まで探した挙句、見つかったのは、メモ用紙が一枚。俺にあてた手紙だった。
『 シンジさんへ

  すばらしい朝をお迎えのことと思います。昨晩はいい夢が見られましたか?愛情というものの重さを知っちゃったり
 しましたか? 
  まず謝っておきますが、昨晩の一部始終は、カナミちゃんの手で、DVDに録画済なのです。
  いったいどういう事かというと、実は今度の新作に処女を失う女子高生(モデル:女子高生A・Y)
が登場することになっているので、取材をしたというわけです。他にそんなこと頼める男性はいないし、
正面から言ってもシンジさんはOKしないだろうし……というわけでした。迫真の演技でしたでしょう?
  てなわけで、あれは取材上のお芝居です(膜が破れる時も、あそこまで痛くありませんでしたから)。映像は
作品を書き上げた後、私個人で観賞用のアダルトDVDとして使いますので、心配無用です。
処女は出演料ということで思い出にして下さい。シンジさんが気にするほどには、私は気にしてません。
 しかし、シンジさんが感じてる時の顔、かわいかったですよ。カナミちゃんは映像をキャプチャして保管しておくと言ってました。
何のためにかは知りませんよ?
 いま書いている新作が出来上がったら差し上げます。今度はカラダで払ってください、
なんてこと言わずに無料でお渡ししますので。
 ありがとうございました。』

俺のベッドの上に残った赤い染みが、にやりと笑ったように思えた。
(完)



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