作品名 作者名 カップリング
『俺と、女』 483氏 -

「それでさあ、そいつ涙ポロポロこぼしながら平謝りで、まるでこっちが悪いこと
したみたいな気分になっちゃったわよ」
 下校途中の電車の中で、50歳代のおやじに尻を撫で回された挙句、スカートの中
にまで手を入れられそうになったが、その手を逆にねじりあげ、そのまま次の駅で
駅員に引き渡すとき、「軽く」横っ面を張ってやったら泣き出した、という武勇伝
を聞きながら、俺は改めてわが彼女の強さに慄然とするのだった。


 俺とナツミが彼氏彼女の関係になってから、3ヶ月ほどが経つ。
思えば化学の授業中、小宮山先生にアナルフェチだとバラされてか
らというもの、全校中の女子生徒(1年生の一部を除く)から軽蔑の
まなざしを向けられ、高校在学中に彼女を作ることはもはや諦めて
いた俺だったから、風紀委員の業務の後、2人きりになった教室で、
あの今岡ナツミが、いつにないしおらしい表情で、
「私、シンジ君のことが好きみたい……」とささやいて来た時、
そしてそれが冗談でもミニドッキリでもないとわかった時は、
正直な話、面食らったというか吹き出しそうになったというか、
ともかく複雑な気分になったものだった。
 それでも、「私の…彼氏になって…くれますか?」という問いに、
深く考えることもなく、「あ、えっと……よろしくお願いします」
などと返事をしてしまったのは、あながち普段の今岡と、
泣き出しそうな顔で上目遣いに俺を見つめている目の前の
女の子のギャップに萌えたから、というだけでもない。
 1年生の頃から同じクラスで、気がつけばなんとなく一緒に
行動していて、男だとか女だとか関係ない、気の置けない
友達の一人だと思っていたけれど、その厳めしさの奥に秘
められた繊細さや女らしさに、知らないうちに魅かれてい
たからだと思う。もちろんまあ、巨乳でキツめのお姉さん系、
という俺の好みのタイプに合致していた、というのもあるけれど。
いずれにせよ、その瞬間から俺の中で、目の前の彼女は「今岡」から
「ナツミ」に変わった。



俺達はカップルというものになった。一緒に登下校し、
休日には映画に行ったり遊園地に行ったり、美術館に行ったり。
定番のデートコースで、なんのひねりもない、ガキくさいと
言われてしまえばそれまでだが、その中でお互いに相手の喜びそうな
プランを考えることや、一緒に居ることで、新しい一面を発見するこ
とができる、そのことの全てが何物にも替えがたい時間なのだ。

そんな中で、ナツミが「シンジ君の家に遊びに行きたい」
と言い出したのは、当然といえば当然の
流れだった。俺はそれはちょっと困ると即答した。断腸の思いだった。
いや、本来ならば諸手を挙げて大賛成、むしろこちらからお願いしたい
ぐらいなのだが、俺にはいかにそうしたくてもできない、唯一にして
最大の理由、そう、我が妹カナミの存在があった。
 まったくあのカナミのいるこの家に、俺の彼女を招いたらどういう
ことになるか知れたものではない。そんなことをした日には、まず俺の
秘蔵コレクションがばらされ、次に俺の「自己発電」履歴もばらされ、
夕食の食卓にはすっぽんやうなぎが並び、さらに「アエギ声は
なるべく抑えてね♪」と、大量のコンドーム差し入れでとどめを
さしてくるに違いない。
 だからこそ、俺はあくまでかたくなに拒否の態度を取り続けて
いたのだが、そういう風に断られると、是が非でも思いを遂げたく
なるらしく、ナツミ生来の押しの強さと、「私、枕が替わると眠れないの。
マイ枕持って行ってもいい?」という“お泊り”の殺し文句も囁かれ、
ついにOKしてしまった。ナツミの両親はそういうことにあまりうるさくないらしい。



そんなわけで、カナミには絶対に変なことをしないでくれ、言わないでくれと、注意というよりむしろ哀願、
それに土下座に近い形で頭を下げたのが効いたのか、カナミはよそ行き仮面をかぶり、俺には真似のできない、
語頭に“お”をつける話し方で、こっちがびっくりするぐらい徹底的に“よくできた妹“を演じてくれた。
夕食は俺の好きな肉じゃがとハンバーグと八宝菜で、「お兄ちゃんはこの味付けが好きなんですよー。
今度ナツミさんが食べさせてあげてくださいね」と、普段のカナミからは到底考えられない発言が飛び出したときには、
不覚にも涙が出そうになったし、そのあと実際に料理のあまり得意でないナツミに手ほどきをしている姿を見たときには、
思わずその後姿に向かって手を合わせてしまったくらいだ。
 もとが美形で立ち居振る舞いもしっかりしているカナミだから、ナツミもすっかり打ち解けたようだった。
「シンジ君はそういうところがダメなのよね」などと一緒になって俺を攻撃してきたりして、ああ、カナミが妹で本当に
よかったなと改めて思う(決して俺がMだから攻撃されてうれしい、というわけではないぞ)。
 しかしその反面、自分で言っておいて勝手なものだが、普段のエロボケなどまるでどこかに置き忘れたかのような別人
ぶり、大人を演じ続けるカナミを見ていると、少しさみしい気持ちもする。考えてみればカナミには、掃除、洗濯、炊事と、
家のことをすべて任せっきりにしているのに、「お兄ちゃん」らしいことは何一つしてやれてないよな……と、
少し自分が恥ずかしくもなるのだった。



とにかくそんなわけで、我が彼女のナツミは今、枕を抱えて俺の部屋にいる。
風呂上りの、うっすら上気してうっすら赤くなった肌と、その肌に張り付いた、
濡れた黒髪が艶っぽい。
「それでー、『本当にあなた、被害に遭ったんですか?』みたいなことまで
言われちゃってさ、もうふざけないでよって話じゃない?」ナツミの武勇伝は
なおも続いている。
シンジ君のアルバム見せてー、とか、宿題、ここがわからないんだが教えて
くれないか?というようなやり取りがあった後、ベッドの向こうとこっちに
座りながらナツミが振ってきた話題がそれだった。彼氏の家に初めて泊まり
に来た時にする話ではないと思うのだが、そんなところがナツミらしいと
いえばらしかった。



それにつけても、この状況でやはり風呂上りのパジャマ姿というのは反則だ。
うすいピンク色の生地を通してもはっきりわかる”83p”は、あからさまに
その存在を主張しているし、正面で向き合っていても、ブラひもまでがはっきり
透けて見える。体育座りのように、ひざを抱えていても、その魅惑的なラインは
隠しようがないようだった。
 スカートではないので安心しているのか、ときどきその長い美脚が割れ、股の
間から、男ではありえない箇所のふくらみが確認できてしまう。このパジャマと
いうのは、寝間着などではなく、ブラやパンティと同じ、煽情的な下着なのでは
ないかという気がする。
 その証拠に、さっきから俺のペニスは疼きっぱなしで、そこだけ異様に熱を
持っている。すでに限界まで膨張していて、そこに心臓ができたかのように
ドクンドクンと脈打つので、充血しすぎて痛いほどだ。早くどうにかしてくれ、
さもないと俺一人でも飛んでいくぞと叫んでいるように思える。
 世の中には、五人もの美女、美少女に囲まれながら、眉ひとつ動かすことも
ないという、なにか悟りを開いたとしか思えない中学生がいるときくが、
とても俺には無理な芸当だ。一人の美少女ですらこの有様なのだから。



ナツミが外にハネた、きれいな黒髪をかきあげて、かたちのいい耳たぶが
露出した瞬間、俺の本能の指針は静かに振り切れた。
 「……ナツミ」
あくまでさり気なく肩を抱き寄せたつもりだったが、本当にそうできたか
どうかは自信がない。ナツミは
「もー……そんなに、したいの?」
 と、ちょっと困ったように笑う。”初めて”の時から10回ほど身体を
重ねたが、ナツミはいまだ達したことがないようだ。なので、いつも俺は
”させてもらう”側で、ナツミは”愛情ゆえにしかたなく”させてあげる"
側という図式を一歩も超えることはできないでいる。かといって、あまり
急ぎすぎたのでは、カズヤや50代のおやじと同じ運命をたどらないとも
限らない。
 だが今日はナツミ念願の”お泊り”であり、当然、なにかに期待する
感情も大きいはずだ。こちらには有利な条件がそろっているし、夜は長い。
あせることはないのだ。
 
ナツミの肩を抱く手に力をこめる。まだ戸惑うような表情を見せる唇に、
俺の唇を重ねる。ハミガキ粉の芳香と、ナツミの甘い体臭が、適度に混じり
あって俺の鼻腔へ流れ込んでくる。ゆっくりと舌を差し入れると、おずおず
とだがナツミも舌を絡ませて来た。 
 「んむ……あふぅ」
声にならない声が漏れた。ナツミの手は俺のパジャマの腿の部分をぎゅっと
握りしめている。そのまま、ベッドに倒れこむ。
 強く触れすぎないように注意しながら、ピンクのパジャマのボタンに手をかける。
落ち着け、落ち着けと言い聞かせながら、それでも小刻みに震える手で、慎重に
一つ一つ時間をかけてはずしていく。
「お願い、明るくしないで……」
 肌を見られるのはやはり恥ずかしいのか、ナツミはいつも明かりを消したがる。
ここは素直に従い、豆電球だけを点けた。
 やがて、薄明かりの下でもはっきりとわかるほど、ナツミの白い肌がさらされた。



「きれいだよ」
お世辞ではない。ひたすらに肌理細かく、滑らかな肌。俺の劣情を
喚起するのには十分すぎるほどだった。手のひらに吸い付くような
白い肌の感触を愉しみながら、豊かな胸のふくらみを覆うブラジャーの
ホックをはずしていく(最初のころは、これがなかなかうまくできず、
往生したものだ)。
 ぷるるん、と俺の手をはじき返しそうな勢いで、ナツミの乳房が
あらわになった。優しく握りしめると、まるで熟した果物でできて
いるかのように熱く、いまにもとろけてしまいそうだった。
 可愛らしい乳首に舌を這わせると、
「いや……恥ずかしい」
 切なげに身をよじらせた。
はやる気持ちを抑えて、徐々にナツミの下腹部に手を伸ばす。
少し期待して探り当てた秘所は、淫らな熱を持っていなかった。
 俺への愛情がないわけではないと思う。
でも、それとこれとは別なのだ。“初めて”の時には相当
痛みを覚えたようだったから、それが尾を引いているようだ。
俺にとっては毎回がめくるめく快楽の世界だが、ナツミにはまだ
“痛み”に直結する行為でしかないのだ。
“させてもらう”“させてあげる”の図式を一歩も超えられないのも、
そうしたことが原因だろう。
 これではまた、コンドームの上にローションを塗って、できるかぎり
痛みを感じさせないように、おそるおそる“させてもらう”しかないのかと
思った時、ナツミにこれまでとは明らかに違う反応が現れた。



「ん……だめっ」
 何かを恐れるように身をよじり、腰を切なげにくねらせ出した。
それを合図にしたように、ナツミの秘所に触れた指先が、じんわりと
温かくなってきたのだ。もしや、と指先を薄い明かりの下にかざすと、
指と指の間に、まごう方なき半透明の液体が、糸を引いて妖しい輝きを
見せていた。
 感じている。濡らしている。あきらかに興奮している。
 半ば信じられない気持ちで、女陰の中でもっとも敏感な肉芽の部分を、
軽く刺激してみると、
「……きゃふっ!」
 細腰がびくんと跳ね上がり、まるで温泉でも掘り当てたかのように、
ナツミの割れ目からとめどなく恥ずかしい液体が流れ出てくる。
 「いや……いやぁっ……」
こみ上げて来る快感に戸惑っているのか、子供のように首を振り続けながら
牝声をあげるナツミを、呆然と見下ろす俺の耳に、さらに信じられない言葉が飛び込んで来た。
「いやっ……見ないで……カナミちゃん……あっ!」
カナミ?
 反射的にドアのほうを見ると、カギをかけておいたはずのドアが何故かわずかに開いて、
その隙間からやけにギラついた目でこちらを見ているのは……
カナミだった。



なぜ気づかなかったのだ。あのカナミがただの“よくできた妹”
なんかで終わるはずがないじゃないか。最初から目的はこれだったのだ。
 俺とナツミのセックスを覗くのに、真正面からエロボケをかましたって
うまくいくわけがない。まずはナツミの信頼を得て、警戒心を起こさせ
ないようにすることが一番安全で手っ取り早いという計画だったのだ。
それが結果的に俺にも恩を売れるし、自分も心おきなく愉しめると、
そこまで計算して。
 息を呑む思いでそちらを見ていると、
カナミとバッチリ目が合ってしまった。
ドアの隙間からカナミが親指を立てるのが見えた。
グッジョブじゃねえーーーーーーーーーーー!!



しかし、ナツミのこの反応はどういうことだ。
あいかわらず「いやっ、いや」を繰り返しながら、とめどなく
淫液を溢れ出させている。
俺はひとつの可能性を感じ、ナツミの耳元でささやいてみた。
「カナミが見てるよ」
「いやぁ…………言わないで」
もはやベッドの上にはおもらしをしたかのように、くっきりと恥ずかしい
染みが作られていた。
やっとわかった。俺はここでもまた見落としていた。
秘口と淫芽をまさぐりながら、さらにささやく。
「見られて興奮しているんだろ?カナミに見られて、それで感じているんだな?」
「あふんっ……違うの…………」
「ナツミがこんなに変態だったとは思わなかったよ。変態を嫌うくせに、
自分がいちばん変態なんだね」
「ああ……ちが…」
「嘘をつくなっ」
わざと厳しい口調で責めてみる。目論見が読めたからには、
せいぜい俺もカナミを利用させてもらおう。
「だったら、何故彼氏の妹に恥ずかしい姿を見られて興奮してるんだ?ナツミがスケベだからだ」
「違う、ちがうの…………自分でも、どうしてなのか分からない……あん、そこは駄目ぇっ」
 俺は本来M体質だが、ナツミほどの
美少女の痴態を前にしては、さすがに一時路線変更せざるを得ない。



「カナミは失望してるぞ。お姉さんみたいだと思ったナツミが、
視姦されて感じる、変態女だったとはなあ。俺も失望しちゃったよ。
そんな女だと知ってたら、付き合うんじゃなかったかも」
俺の手の動きはスピードを増していく。いつも見ているAVの男優もかくやという勢いだ。
ナツミの股間からはぬちゃにちゃぴちゃぴちゃといやらしすぎる淫音が、絶え間なく聞こえてくる。
 「あぅ、きゃふんっ、……駄目、だめ、お願い、あたしのこと、嫌いにならないで」
ナツミの必死の哀願が耳に快い。もちろん、そんなことで嫌いになるはずなどないが。
「それなら……これを咥えて欲しいな」
 ナツミの目の前に、いきり立ったペニスを突きつけた。普段なら到底考えられない
ような行為だが、もはや俺の中には確固たる自信、というか確信に近いものがあった。
今この状況でなら、俺のどんな要求も、ナツミは甘んじて受け入れるに違いないと。
 はたしてナツミは、わずかにためらいを見せたものの、欲情に火照った顔で、
グロテスクに膨れ上がった俺のペニスの亀頭に、ピンクの舌を這わせて来た。
「ううっ」
 腰部に、いまだかつて味わったことのない電流が走る。いままで何千回と
繰り返して来たオナニーが、すべてかすむぐらいの衝撃だった。
「も、もっと……してくれ」
俺が悦んでいるということに勇気付けられたのか、ナツミは舌使いを
だんだん大胆なものにしていく。亀頭の方から裏筋を何度も何度も、
熱い舌でなぞるように舐め上げる。亀頭に悩ましい吐息が吹きかかり、
ますます快感が増長する。
 「し、下の方も…」
 俺が言い終わらないうちに、ペニスと睾丸の継ぎ目から、
袋の筋にそって、丁寧に舌を這わせていく。技術的にはぎこちなく、
稚拙なものだったけれど、俺に嫌われたくないという一心なのか、
命令した本人の俺がびっくりするほどの痴態を演じ、信じられないことに、
それによってナツミも性的興奮を得ているようだった。



「ああっ……もう駄目だっ」
 いくら今の俺でも、さすがにナツミの口の中にそのまま発射するほどの
勇気はなかった。絶頂が見えそうになったところで、あわてて腰を引く。
「あんっ……どうしてっ」
 ナツミの瞳に、一瞬怯えの色が走る。俺に嫌われたくないという一心が、
ナツミを考えられないような臆病な女にしてしまっているらしかった。
絶頂の波をなんとかやり過ごした俺は、足早に机の引き出しからコンドームを
出そうとした。あわてていたので、なかなか見つからない。それでもなんとか
見つけ出し、急いで装着しようとしたその手を、ナツミの白い手がつかんだ。
「いいよ……つけないで、そのまま、来て……」
言葉は弱々しかったが、俺の手を止める力は強かった。手首を握られているだけ
なのに、指一本動かすことができない。
「で、でもさ、もしも、出来ちゃったりしたら……」
「いいの。シンジ君とだったら、どうなっても後悔しないから」
覚悟が決まれば女のほうが強いのは昔からの道理で、
きっぱりとそう言い切ったナツミの瞳に、俺は抗えなかった。



(熱い……)
ナツミの膣は火傷するんじゃないかと思うくらい熱かった。
いくら生とはいえ、いつもとは比べ物にならない。何千、何万という
熱いヒダが、吸い付いては離れ、離れては吸い付いて、俺のペニスをやわやわと
包み込んでくる。脳が溶けそうだ。
これが……ナツミの……膣内……
おそるおそる腰を動かすと、性器粘膜からじかに快感が襲ってくる。
ナツミの果汁ですでにとろとろになった秘口から、早くも何かを求めるように
収縮する子宮まで、ナツミの“女”は一体となって俺の射精を促してくる。
「ああっ!んっ……あぅ、はふぅぅん…もっと、もっと強く来てっ」
 俺の首に回した手に力がこめられる。俺の知っているナツミとはまるで別人だ。
俺はひょっとしたら、俺は今までナツミにだまされていたのではないか。そんな気さえする。

 でも、たぶん違う。きっと女は男など想像もつかない場所で、男よりももっといやらしいことで
頭をいっぱいにさせているのだ。カナミやマナカちゃんやショーコちゃんや小宮山先生だけじゃない。
ナツミだって、ケイだって、矢野ちゃんだって加藤先生だって、女はみんな、男なんかよりもっとドスケベな生き物なのだ。



「あんっ、……やめちゃ駄目ぇ」
 ナツミの唇が俺の唇に吸い付いてくる。さっきのキスとは比べ物にならない。
引っこ抜かれるんじゃないかと思うほど舌を吸ってくる。
 唾液をたらしてやると、嫌がるそぶりも見せずに、コクコクと嚥下していく。
 もう俺の腰は止まらない。第3コーナーを回って直線に入った、という勢いで、
ただオスの本能のままに、ナツミの一番熱く、恥ずかしい場所に向かって腰を振り立てる。
 「あ、嫌、らめ、きもひいいいっ!こんらの、はひめて……あっ、すき、すきぃぃぃぃ!」
ついに快感が羞恥の壁を突き破ったらしく、ナツミはお隣さんに聞こえているのは確実の、
甲高いメスの声で鳴き始めた。
 俺の我慢もそろそろ限界だ。
「ナツミ、俺、もう……出ちゃう……かも」
「いいよ、膣に来ちゃっていいよ、愛してる、愛してるからぁぁぁっ!」
 ナツミのその言葉を聴いた瞬間、目の前が真っ白になった。

どくん びゅびゅびゅびゅどぴどぷっぅぅぅ
今岡ナツミという一匹の美しいメスの胎内に、俺の大量の精液が注ぎ込まれていく。
その瞬間、ナツミの女陰は決して俺のペニスを離すことなく、俺の分身を嬉々として迎え入れた。
セックスというより、一匹のオスとメスの交尾だった、というほうが近いだろう。

ナツミは気の抜けたようにぐったりとしている。人生ではじめての絶頂を迎えたようだ。
俺の顔を見てにっこり微笑むと、俺を優しく抱き寄せた。俺もナツミの身体を抱きしめた。
華奢だ。あの乱舞系の見事な連続技を繰り出す肢体は、こんなにも柔らかで、こんなにも小さいのか。
俺たちはもう一度、荒い息をつきながら、ゆっくりと唇を重ねあった。
「お兄ちゃん……イク……」
 ドアの向こうで、そんな声が聞こえた気がした。

(姦、じゃなかった、完)

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