作品名 |
作者名 |
カップリング |
「逃げた天使」 |
トマソン氏 |
エーコ×マサヒコ |
(プロローグ)
「む〜・・・」
少女が1人、自室で机に向い、腕組みをして思い悩んでいる。
机の上には数学の教材を広げてはいるが、書いてあることはまったく目には入って
いない様子だ。
彼女、関川エーコは中学一年生。
A以下の小さな胸に悩む、少々エロいことを除けば、ごく普通の中学生の女の子。
至って親しみやすい明るい性格と、趣味のテニスのお陰で、友人には困らない。
しかし、彼女は今、一つの悩みを抱えていた。
それは・・・処女を捨てたいという願い。
「好きなヒトが出来たら、 まずは冷静に相手の心の闇を探るの。性癖を見破って、
この人はどんなプレイで私を犯したいのか・・・と考えるの。こうやってあらぬ方向で
人物像を組み立てておけば、幻滅することはないわよ〜?
でも、知識がないと相手が何をしたいか、それも想像がつかないでしょ?
やっぱり何事も経験よね〜。処女を捨ててから見えることもあるのよね〜!?」
(カナミちゃんになんだか見下された態度であんなこといわれちゃったからな〜・・・
でも、カナミちゃんも処女だと思うんだけど、違うのかな?それに、知識ならシンジ
兄さんからもらったエロ本があるけど・・・でも確かに実技も必要だし、やっぱり、
なんでも経験よね。
・・・でも相手が誰でもいいってわけじゃない。
そうね、素敵な人で、優しくて、一回きり、後腐れがない人。
そんな人、どこかに居ないかな〜?)
カナミに騙されたとはいえ、年頃の女の子として、ごく普通の王子様願望であった。
希望する内容がアレなことを除けば、だが。
マサヒコはその日、電車で自宅から一時間ほどの場所にある地区センターにいた。
そこのテニスコートで行われる大会にテニス部の友人に誘われ、応援に行ったのだ。
友人の試合は、つつがなくあっという間に終了、次の試合の心配もなし。要するに
マサヒコの応援も空しく、圧敗だったのだ。
「いや、今日はそんな気にならねーわ・・・悪い、あとは好きにしてくれ。」
「そっか・・じゃあな」
友人に声を掛けたが、今日の結果では残念会も行う気にならないということで、
マサヒコは中途半端な時間に開放された。
物見遊山で、女子の試合が行われていた隣のコートに行ってみたが、こちらも
もう試合は終わったようで、ちょうど部長とおぼしき女子を中心に選手達が丸くなって
いるところだった。
「よーし、片づけ開始!」部長(とおぼしき女子)の号令で、きびきびと女子中学生
たちが動きだす。
(スコート姿も可愛いもんだな・・・)
しばし佇んだマサヒコはゆっくり足を翻す。
(それにしても広い地区センターだな。ちょっとその辺を歩いてみるか)
緑豊かな地区センター内を散歩して帰ろうとした。ぽつぽつ雨が降り始めたが、まだ
傘を差すほどではなかった。
(・・・ん?なんだ?)
「うえへへへぇ、お姉ちゃん可愛いねえ。おじさんとお話ししないかい?」
マサヒコがコートの回りの遊歩道を歩いていくと、倉庫とおぼしき入り口の近くで、
ネットを抱えたスコート姿の女子中学生が、ワンカップを手にした酔っ払いに
絡まれていた。
酔っ払いがネットを抱えて自由に動けない女の子の腕をつかむ。
「離して!ラケットでタマかちわるわよ!!」
「まあそう言わないでさ、仲良くしようよ・・・」
酔っ払いが女の子を抱きしめようとする。
歩み寄りつつ「止めないか・・・」と言いかけたところに、髪をアップにした別の
スコート姿の女の子が、ラケットを手にものすごい勢いで走ってきた。
躊躇なくラケットが振り下ろされ、鈍い音と共に、ラケットが頭に命中!
酔っ払いは七転八倒しながら逃げていった。
「ありがとう、マホ、助かったわ。あたし、これを片づけてから戻るね」
「災難だったわね、エーコ・・・ああいうのがいるから困るのよねえ」
マホと呼ばれた女の子はまだ片付けの途中だったのだろう、再び元の場所に戻って
いった。
エーコと呼ばれた、酔っ払いに襲われたほうの女の子は、重そうにネットを抱えた
まま、マサヒコのほうを向いた。ショートとセミロングの間くらいの長さの漆黒の髪が
実に良く似合っていて可愛らしい子だ。
「あの、ありがとうございました。お陰で助かりました。」
「いや、何もしてないけど・・・まあ無事で良かった。」
それにしてもネットが重そうだ。
「・・・あの、すみませんがちょっと手を貸してもらえませんか?」
「・・・うん」
ここで断れるほど、マサヒコは毅然たる態度の持ち主でもない。流されるままに手を
貸し、女の子と2人でネットを倉庫に納めると、エーコが再び口を開いた。
「ありがとうございました。あの、もっとお話したいから、少しここで待っていて
くださいね。あ、私、エーコといいます。」
流されるまま、片付けのあとまた会う約束をしてしまったマサヒコであった。
それから20分後。
マサヒコと制服に着替えたエーコは、地区センター内のちょっとした林の中の
遊歩道を散歩していた。
エーコの天性の明るさと親しみやすさがものを言い、あっという間に、2人は
タメ口で遠慮なく話す間になっていた。途中雨が少し強くなったため、マサヒコは
慌てて傘を取り出し、傘を持っていなかったエーコと相合傘である。
「へえ、マサヒコさんには家庭教師が・・・教育熱心なお母さんなんだね。」
「いや、なんというか、めんどくさいといえばめんどくさいけど。エーコちゃんの
ご両親は成績にはうるさくないの?」
「うちのは、まあ普通かな・・・。家庭教師なんかまだ早いよね、って。
でも、あたしのおじさんおばさんなんか、全然家にいないよ?そこの2人の子供、
あたしにとってはいとこの兄妹と、あたし、仲いいんだけど、よくあれでグレないと
思うくらい。シンジ兄さんと妹のカナミ姉さんとは仲がよくて、一人っ子のあたしには
うらやましいくらいだけど・・・。
・・・そういえばマサヒコさん、好きなヒトはいないの?」
「・・・いや、特にはいないよ。」
妙に女性に囲まれているマサヒコだが、年下の女の子は考えてみると初めてだ。
タイプ的にも、可愛い上に愛想が良く、はきはきしていて、しかもさばけた感じが
する、エロネタにも強い女の子となると初めてだった。
「(・・・可愛いな・・・)」
制服姿のエーコを気遣って傘をそちらにずらす。相合傘のなか、思わず意識して
しまうマサヒコに、エーコが悪戯っぽい笑顔を向けた。
「ごめん、そんなに見つめられても、今日は下にセーター着てるからブラ透けは
無理だよ?」
「・・・!?あ、いやエーコちゃん、俺そんなもの期待しているわけじゃ・・・」
「いいからいいから」
マサヒコは完璧にペースをエーコに握られた。先が思いやられる。
その頃、エーコの(元)連れの2人は駅に向かって走っていた。
「はあ、はあ、うえーん、ごめんね、私ってやっぱり雨女・・・」
「チカ、偶然だって!それに、試合が終わってから降り出したんだから
困りゃしないわよ、はあ、はあ・・・それにしても、エーコの奴、寄るところが
あるから構わないで帰ってって、どういうつもりかしらね、はあ、はあ・・・」
「でも、なんだか倉庫の入り口のほうで男の人が待ってたみたいだけど・・・
あれ、エーコちゃんを待っていたのかな?はあ、はあ・・・」
ようやく2人は駅の建物に到着し、屋根の下に避難した。
「はあ、はあ、あ、マホ、ブラの模様がすっかり分かるくらい透けてるよ・・・」
「きゃっ、はあ、ふう・・・でもチカはとんでもないものまで透けちゃってるよ?」
「きゃあっ?!」
もともとないも同然の膨らみと、ノーブラだったのが失敗だった。チカは胸を両腕で
押さえ、とりあえず女子トイレに避難した。
「どうしよう・・?」
「あ、そうだ、これなんかどう?」とマホが出したのは、・・・付け乳首。
「・・・これ、一体・・・」
「エーコが試合でこれ付けて出ようとしてたから、没収したの。エーコは部長に
殴られてたけどね。エーコはこれで「シャラポワ!」っていう一発ギャグをかます
つもりだったらしいけど」
「で、これを受け取ってどうしろというの・・・」
「いや、だから、ニップレス代わりに。」
「マホ、最近エーコに毒されてない?」
「・・・ドキ」
場面はお散歩デートの2人に戻って・・・。
「ねえマサヒコさん・・・きゃっ・・・」
エーコがその手を、マサヒコの傘を持つ手に添えてきて、マサヒコがドキっとした
その瞬間。エーコは段差に足を引っかけ、見事にずっこけた。
隣を歩くエーコにばかり意識がいっていたマサヒコも同じ段差に躓き、エーコに手を
引っ張られたこともあって、こちらもついでにずっこけた。
エーコは流石テニス部、体をひねって尻から落下するが、体を回転させたはずみに
エーコのスカートがめくれ上がり、そこへマサヒコが倒れ込む。手をついて体を支えた
マサヒコの視界一杯に、エーコのブルマが広がった。
「あ・・・!? いや、その・・・」
一瞬固まったが慌てて立ち上がったマサヒコと、スカートを直すエーコ。
エーコは口を尖がらせ、悪戯っぽい、からかうような視線をマサヒコに向けた。
「マサヒコさんエロいな〜?」
「いや、あの、えーとその、これはわざとじゃないからね?・・・でも、ブルマ穿いて
いて良かったね。」
「・・・ドキっとした?
ブルマって、はみパンが心配だから、女の子には結構面倒なのよ。だからあたしは
ブルマ穿くときはノーパンなの。友達にはありえないって言われるけどね」
「え、えーと・・・(この子、ブルマの下はノーパンなのか?)」
マサヒコはエーコに振り回されっぱなしだった。
雨の勢いはさらに強くなった。
「エーコちゃん、さっき転んだときにスカートも濡れちゃったみたいだし、こりゃ、
どこかで雨宿りしたほうが良いね。喫茶店にでも入ろう。」
「それより、このグラウンドの倉庫がそこの下にあるの。テニスのネットとか2人で
片づけたんだから知ってるでしょ?まだ鍵返してないから入れるし、人は滅多に
来ないし、マットのありかも知っているし。ね、そこに行きましょ?」
(・・・というか、なぜマットが出てくる?)
ちょっとドキマギのマサヒコ。エーコと2人、倉庫へ向かった。
地下にあるその倉庫は、薄暗い上にすえた石灰の匂いと汗の匂いが漂っていて、
これは用がなければ誰も来るはずがない。
2人はエーコが持っていたタオルで体を拭ける限り拭くと、マットを床に敷いて
並んで腰を下ろした。
「ちょっと寒いね・・・・」
エーコは近づいてきて、隣に寄り添うように座り、上目使いでマサヒコを見つめる。
マサヒコの心臓が高鳴る。
(確か以前、こんなシチュエーションが誰かと・・・そうだ、家の押し入れに天野と
閉じ込められたときに・・・・。)
しかし、そこでマサヒコの心の中の天野ミサキの存在を、エーコが力技で押しのけた。
決まり手は〜 押出し、押出し〜。
「マサヒコさん、さっきは・・・ありがとう・・・」
「エーコちゃん?!」
エーコの顔がマサヒコの顔に接近し、マサヒコはドキっとした。頭を後ろに
避けようとしたが、既にエーコの手が首に回っており思うに任せない。
2人の唇が重なる。マサヒコは甘美なひとときを味わった、が、さすがに慌てた。
「エーコちゃん・・・一体、どうしたんだい?」
エーコは得意の上目使いをマサヒコに向けている。
「ねえ・・・あたしを、抱いて欲しいの」
「おいおい、いくらなんでも今日初めて会ったのにそれは・・」
「あたしね、バージンを捨てたいの。だけど誰でも良いわけじゃなくて,やっぱり
素敵な人に上げたいの。イトコのシンジ兄さんがいいとこ行っているけど、カナミ
ちゃんが邪魔だし、友達のチカがシンジ兄さんのこと好きだし・・・。
あなたって・・・シンジ兄さんにもちょっと似てるけど、なんというか、シンジ
兄さんにある影というか、汚れた感じがなくて、素敵よ・・・。
もちろん、何の後腐れもなしよ?ねえ、抱いて・・・」
はじめから完全にエーコにペースを握られていたところへ、潤んだ瞳で見つめられ、
マサヒコは催眠術にでもかかったように欲望を高ぶらせていった。
もともと濡れて半ば透けてはいたが、エーコはゆっくり恥ずかしそうに制服を
脱いでいく。下に着込んだセーターも脱ぎ、おずおずとスポーツブラを外すと、
胸の膨らみはごくわずかだが、すべすべした白い肌、そこに息づくピンクの乳首に
マサヒコの目は釘付けになった。
エーコはスカートのポケットからゴムを取り出し傍にスタンバイ。
(なんでそんなもの、持ち歩いているんだ?)
マサヒコの当惑をよそに、スカートをゆっくりと脱ぎ、エーコはブルマ一枚で
マットに横たわった。両手を恥ずかしげに胸を押さえ、両脚もぴっちりと閉じている。
「あたし・・・パンツはいてないから・・・もう・・・脱げないよ?・・・」
その言葉に、マサヒコの理性はクラッシュした。
マサヒコもまた服を脱ぎ、トランクス一枚になる。
「エーコ・・・って呼んでいいかい?」
エーコは顔を赤らめてうなずく。マサヒコはエーコの体に覆い被さっていった。
まずは唇を再び重ねる。
何度か軽いキスを交わしてから、そっと舌を出し、エーコの唇を襲っていく。
今度は、突き出されたエーコの唇を軽く噛み、食べちゃうぞ、とばかりに可愛がる。
最後に舌をエーコの口腔に侵入させると、エーコもねっとりと舌を絡ませてきた。
「ん・・・はぁ・・・」
息が苦しくなって一旦離した唇から漏れるエーコのため息が、さらにマサヒコを
刺激した。今度は耳を攻める。軽く吐息をかけてやり、くすぐったそうに身を
よじったところを、耳たぶを軽く噛んでやる。
「あん・・・」
エーコはさらに身をよじった。
「ごめんね・・・試合のあと、シャワー浴びてないから・・・汗臭いかも・・・」
「エーコの汗なら、汚いもんか・・」
マサヒコの手はエーコの胸を覆った手を優しく退かせ、あらわになった白い肌を
両方の掌で撫で回す。揉むほどの盛り上がりはないが、真っ白な肌、すべすべした
手触りは十分に魅力的だ。
わずかな盛り上がりの先端にちょこんと息づく乳首を、まずは指でつつき、ついで
ゆっくりとねぶる。掌全体で乳首を中心にしたエリアを撫で回すと、
「あう・・・」
エーコは息を荒くして、マサヒコの愛撫を受け止めた。
やがてマサヒコは頭を下にずらし、首筋にキスの雨を降らせ、さらに頭は下へ、
ほのかな胸の盛り上がりを攻める。舌を乳首の回りを回るように這わせ、散々焦らし
つつ、ゆっくりと乳首に近づいていく。
「あ・・・ああっ・・・」
エーコははっきり感じていたが、それが性感であるとはまだはっきり認識していない。
「(・・・上手い・・・のかな・・・・?なんだか、体が変・・・)」
上手いかどうかなど、比較対象を知らないエーコに分かるはずもない。
一方、マサヒコの掌は、膝小僧からすらりとした太腿をゆっくりとなで上げ、
ブルマの下端に到達するところだった。
「う、あ・・・そこは・・・駄目・・・」
「エーコ・・・俺、このブルマを思いっきり汚したくなっちゃったんだ。
替えのパンツ、持ってるかい?」
「うん、持ってる・・・いいよ・・・」
エーコはすっかり上気した顔をマサヒコに向け、すべてを許した。
エーコの脚はぴっちり閉じたままだが、マサヒコの指は遠慮なく太腿の間の秘所に
もぐり込み、ブルマ越しに刺激を与えていく。
「ん・・・あう・・・ああっ・・・」
いくら耳年増でも、実際に愛撫を受けるのはエーコは初めてである。
指を逃れようともがく初々しい反応に、マサヒコは夢中になり、紺色のブルマにさえ
シミが見えるようになるまで、じっくりと楽しんだ。
「これも、脱がすよ・・?」
マサヒコはブルマの縁に指を掛ける。
「うん・・・」
エーコはそっと腰を浮かした。
マサヒコは最後の一枚をゆっくり剥きおろし、足から抜き、投げ捨ててしまった。
とうとう全裸になったエーコをゆっくりと眺める。
「エーコ・・・可愛いよ・・・」
「恥ずかしいよう・・・」
エーコは両手で顔を覆って羞恥に耐えている。
マサヒコは遠慮なくその手をどかし、自分の首の後ろに回してやった。続いて
エーコの体にゆっくり覆い被さると、再び唇を合わせた。つつく様に軽く、
むしゃぶりつくように激しく。
そして脚と脚を絡ませ、ゆっくり優しく、しかし断固としてエーコの両脚を割り、
その間に腰を入り込ませた。
エーコは一糸纏わぬ全裸で、両脚を割られ、全身をマサヒコの視線に晒していた。
「あん・・・恥ずかしいよ・・・」
もう一度、エーコは訴えかけるが、それがマサヒコの獣欲をさらに刺激した。
エーコの腕はマサヒコの首に回しているため、もう体を隠せるものはなにもない。
秘めたる部分にはほんの僅かに毛が生えているが、覆い隠すには程遠い。ピンク色の
秘貝がすっかり露になり、恥ずかしく濡れて光っている。。
マサヒコは下の唇にも軽くキスをしてやり、続いて舌を出して、可愛らしい花弁を
ひとなめした。
「あうっ!はああ・・・」
エーコは激しくからだを震わせ、大きく息をはいた。
この、まだ熟れるにはほど遠い、それどころか幼ささえ残る女の子の体を穢して
しまって、本当にいいのだろうか。
マサヒコの中の自制心が最後の抵抗を試みる。だがあっというまに欲望がそれを
押し流した、いやむしろ、その背徳感がまたマサヒコの興奮を高めた。
「あ・・そろそろ、着けて・・・」
様子を見て取ったエーコはゴムを手渡す。
これはつまり、OKのサインか。マサヒコはいざとなってみるといささか焦りを
覚えたが、苦心して装着に成功した。
改めてマサヒコはエーコの体に覆い被さり、がっちり抱きしめ、体全体が密着する
ように体勢を持っていく。
「いくよ・・・エーコ」
「・・・うん。優しく、して・・・」
位置を合わせて、体を上にスライドさせていくと、マサヒコのいきり立った肉棒は
ゆっくりとエーコの体に入り込んでいった。
「あーっ!」
その瞬間、エーコは体を硬直させた。途中、抵抗を突破したところで、エーコの体は
がくりと力を失い、男の欲しいままになった。
エーコの中は熱くて小さく、ようやく奥まで到達したマサヒコのそれをきつく
締め付けてくる。
「エーコ・・・やっと一つになれた・・・」
「あ、あう・・・い、痛あい・・・」
エーコには気の利いた返事をする余裕はなかった。
マサヒコは熱い締め付けを楽しみつつ、ゆっくり腰を使う。奥まで入れ込んだ分身を
ゆっくりと引き、カサの部分で刺激を与える。今度は腰を前に出し、入るところまで
強引に突き込むと、先端になにかが当たる感触。その間じゅう、絶えず感じられる
吸い付いてくるような熱い肉壁。
「あ、あう、くふぅ・・・」
エーコはまだ、鈍い痛みのほうが先に立っているようだ。悲鳴とも吐息ともつかぬ
声を上げ続けた。
マサヒコは陶然となり、あっという間に絶頂へ上り詰めていった。
「う・・・エ、エーコ・・・おおっ・・・」
マサヒコは体を硬直させ、思いのたけをぶちまけた。
しばし無言で余韻にひたった後、エーコはマサヒコを見つめ口を尖がらせた。
自分は痛い思いをしたのに、マサヒコだけ気持ち良かった、という思いで拗ねて
いるかのようだ。
「痛かった・・・」
口を尖がらせたエーコをたまらなく愛しく思い、思わずマサヒコは謝ってしまう。
「ごめんよ・・・あんまりエーコちゃんが素敵だったから・・・
次は頑張ってエーコちゃんにも気持ち良くなってもらわないとな・・・」
「じゃ、第2ラウンドいく?でも、もうゴムがないの」
「そうか・・・それじゃ、また今度だね。連絡先、教えてくれるよね?」
「ううん、駄目・・・、あたし達、これっきりよ・・・」
「・・・え?」
マサヒコは耳を疑った。
「そんな、どうして?俺、何度でもエーコと会いたいし、ずっと一緒に時を過ごして
いきたいし、それに、次こそちゃんと・・」
「だーめ。マサヒコさん、気持ちは嬉しいけど・・・はじめから、一度だけ、って
心に決めてたの。」
「エーコ!そんなの駄目だ・・・俺は君が・・・」
話しながらティッシュとタオルで後始末を終えると、替えのパンツを穿き、服装を
直して、エーコはマサヒコに向き直った。
「・・・ごめんね。あなたは素敵な人だけれど・・・。
あたし、けじめを付けなきゃいけないの。ごめんなさい・・・。」
「エーコちゃん!俺はずっと君と一緒に・・・」
「嬉しい・・・もう会えないけど、あなたのこと、忘れない・・・」
さっと身を翻し、雨の上がった外へ、エーコは走り去っていった。
「お、おい!エーコちゃん!」
マサヒコはちょうどズボンを穿こうとしていたところで走ろうにも走れない。無駄な
努力の末にスッ転んだ挙げ句、急いで服装を正し、全力疾走で走り回って辺りを探した
が、エーコの影を見つけることはできなかった。
マサヒコはのろのろと倉庫に戻った。そこにはエーコが忘れたブルマが一枚、
マサヒコが投げ捨てたままに残っていた。
帰途のマサヒコは、夢遊病患者のようにふらふらと足を運んでいた。
クラクションを何度も浴びせかけられ、それでもそのまま歩いて車に轢かれそうに
なり、電車に乗るときは足を踏み外してホームと電車の間に足を突っ込み、ようやく
乗った電車も乗り過ごして戻る羽目になり、改札に着けば切符を無くしており、もう
一度料金を払わされた挙げ句、ようやく家に帰り付いた。
夕飯を食べても、風呂に入っても、ベッドに横になっても、マサヒコの頭の中は
エーコのことで一杯だった。
普段から女性に囲まれているのは事実だが、エーコはそのいずれとも一味違う
タイプである。可愛らしいだけでなく、たまらない愛嬌があり、年下だが、妙にエロい
話が分かる。
それもただの耳年増なだけでなく、結構実践にも興味がありそうだ。実際ゴムを
持ち歩いていたし・・・。
そして、こんな自分に捧げてくれた処女。もう会えないと告げたときの、上目使いで
切なげに俺を見つめた瞳。
本当に、もう二度と会えないのだろうか。
「エーコ・・・」
マサヒコはまるで天使に逃げられたような気分だった。
(エピローグ)
翌日からまた日常の生活が始まった。家庭教師の濱中アイを始め、ミサキ、リンコ、
アヤナ、そして中村リョーコ。
これだけの女性に囲まれていながら、マサヒコは常に頭の中にエーコを描いていた。
「マサヒコ君・・・なんだか、集中力が欠けてるよ?なにかあったの?」
濱中アイに話し掛けられてすら、マサヒコは脳裏のエーコを消せなかった。
「エーコ・・・」思わず、口を衝いてつぶやきが出てしまったのが運の尽き。
「・・・・・・エーコ?それ、誰?」
アイがそのつぶやきを聞きとがめた。マサヒコも流石に夢から覚める。
「・・・ん?俺、何か言いました?」
「とぼけないで!エーコって誰よ!」
これはミサキ。その小さな体の回りを闘気が漂いはじめる。
「アンタたち、エーコって知ってる?」
「・・・いえ、覚えがない名前ですね」
中村に問われたアヤナが答える。ミサキもリンコも同じだった。
立ち上がったミサキが瞳に涙を溜め、マサヒコを正面から見つめる。
「小久保君・・・私の目を見て、正直に答えて。エーコって・・・誰?」
マサヒコはようやく自分が容易ならざる立場に置かれたことを悟り、必死で
ごまかすすべを探し求めた。頭の中の電球がピカっと光る。
「えーこ?違う違う、エーコじゃなくて、栄光。
こんなに勉強して受験戦争での栄光を求めたところでどうなるのか、栄光って
なんだろう、と物思いにふけっていたわけで・・・」
ナイス言い訳だ>俺。
が、マサヒコの奮闘を、中村リョーコがぶち壊した。
「へえ、エーコちゃんね。これだけの美女と美少女に囲まれながら、誰も知らない
ところで他の女の子とよろしくやってたってことかしら?
・・・これは、じっくりと話を聞かなきゃならないわねえ」
「い、いやだな中村先生、「栄光」の聞き違いだって言ったじゃないですか」
「それじゃ、これはなにかしら〜?ふんふんふーん♪」
と、リョーコが出してふるふると振ってみせたのは、絶対に見付かるまいと思って
いた、マットレスの中に袋に入れて隠したブルマ。
「1−A 関川エーコ」と名前が書いてある。
「な、なななな、なぜ?」
「アタシ、男女関係に限定だけど、犬並に鼻がいいのよ〜。これは、よろしくやった
女の子からのプレゼント?
さあ、覚悟を決めて白状してもらおうかしら〜♪」
マサヒコは死神がおいでおいでをしているのをはっきり見た。
「マサヒコ君・・・いったい、どこで・・・」アイは少々動揺している。
「小久保君・・・風紀を乱すのは・・・」アヤナは少々怒っている。
「ふえ?もしかして、小久保君てば、ブルセラ好き?」リンコは相変わらず事情を
理解していないが、その発言は割と正鵠を射ている。
「こ、小久保・・・君・・・」ミサキは言うまでもない。怒髪天を衝き、ケンシロウを
前にしたラオウもかくや、という勢いで闘気が沸き上がった。
かくてこの日は、マサヒコの人生史上、最長の一日となった。