作品名 作者名 カップリング
「遅れてきたクリスマスプレゼント」 トマソン氏 マサヒコ×リンコ

 季節も暑くなってきたある日、いつものように授業が小久保邸で行われた。
 マサヒコ・アイ・リンコ・中村リョーコの四人がいつものように集まり、いつもの
ように脱線する授業。が、ひとしきりの怪談だけで済んだから、まあマシなほうかも
知れない。
 濱中・中村両先生が帰った後、
「あのね、小久保君」
 的山リンコがなにやらおびえた風な顔をしてマサヒコに話しかけた。
「今夜、私の家に泊まってほしいの」
「・・・?なんで?」
「ほら、さっき、中村先生が怪談をしてくれたでしょ?今夜はパパもママもいないし、
怖くて一人じゃ眠れないの・・・」
「いや、だからって俺がお前と同じ布団で寝るわけには行かないだろ?」
「ふえ、どうして?私は構わないよ?」
 これが本気の天然なのだから、中学生の女の子とは思えない。
「それに・・・私、大人の女になりたいの。以前、中村先生にどうしたらいいのか
聞いたら、「男の人と一緒に寝ればなれる」って。だから、ね、小久保君、
私と一緒に寝て?!」
 あまりにも無邪気な誘惑?に、たまらずマサヒコは声を荒げる。
「だから、なんでそうなるんだあああ!」
「ほら、アヤナちゃんちでクリスマス会したときに話したよね?
私、大人の女になりたくて。中村先生に男の人と寝ればなれるって聞いたから、
サンタさんにそうお願いしたの。
・・・そしたら小久保君、ベッドに来てくれたよね。
 あの時はミサキちゃんに止められちゃったけど、今はミサキちゃんはいないし。
だから、あの時の続き。私と一緒に寝て?」

 この天然娘をいかにして説得するべきか、マサヒコは必死の思いで頭をフル回転
させた。
「なあ的山・・・お前、エッチって知ってるか?」
「ん?アルファベットのエッチ?ジーの次、アイの前」
「・・・いや、男と女がする性行為のこと。セックスともいうな。」
「中村先生に保健体育で習ったよ?」
 いまさらだが、いったい何を教えてるんだ、あのメガネは。
「大人の女になるために、男と一緒に寝る、ってのが、セックスすることだってのは
分かってるか?」
「ふえ、そうなの?」
 それにしても、なんで俺が性教育をしなきゃならんのだ?
マサヒコの脳裏に疑問と苛立ちが沸き起こったが、ここで投げ出すわけにもいくまい。
「誰とでもしていい、ってもんじゃないんだぞ?」
「そうだね、大切なものだもの・・・でも、小久保君なら、いいよ?」
「いや、だから、好きな人が出来た時のためにとっとけと・・・」
「私、小久保君のこと好きだもん・・・ねえ、うちに来て」
 いささか幼い告白&誘惑だが、マサヒコも流石に自制心が揺らぐ。
「・・・ちょっと待て、だからな、お前も嫁入り前の娘なんだから、大切にしろと
言ってるんだ。」
「大切なものだから、大切な人にあげるの。」
「いや、その、だから・・・・」

「・・・ふう。すまん、ちょっとトイレ。」
 天然娘の説得は疲れる。マサヒコは一旦撤退し、体勢を立てなおそうとした。
 部屋を出るとそこには、マサヒコママがお茶のお盆をそばにおいて、体育座りで
膝を抱え、壁に寄りかかっていた。マサヒコは四つんばいになってヘコみたくなる。
「ゆっくり話しているから、お茶のお代わりを出そうと思ったんだけど、なんか入り
づらくて・・・どうしたの、説得は中断?それとも覚悟を決めたの?」
「・・・母さん・・・聞こえてたなら止めてくれよ・・・」
「わが息子ながらモテるわねえ。誰に似たのやら」
「うるせーうるせー」


 てなわけで、しばしマサヒコママによる貞操教育および性教育が行われ、リンコは
大体のところを理解した。・・・と思う。

 しかし一人では寝られない、と言い張るのは変わらない。
 それなら誰か女性に頼めばよいのだが、あいにくと間が悪く、電話してもミサキも
アヤナもアイもつかまらなかった。
つかまったのはただ一人、中村リョーコ。

「ふーん?的山邸に泊まれっての?まあいいけど・・・マサヒコ、アンタも来るのよ?
そうでなきゃイヤだからね。」
「な、なんでそこでそんな条件が・・・大体、怪談で的山をおびえさせたのは・・・」
「だって女二人じゃ無用心で怖いもん。いいから来なさい。」
「イヤ、だから・・・」
「来なさい。」
 こうなってはマサヒコに逆らう力はなかった。仕方なく出かける準備をする。
 リンコがトイレを借りている間、
「ついOKしちまったが・・・的山と二人というのもマズイが、中村先生を交えて
3人というのは、さらにマズイよな・・・」
と頭を抱えるマサヒコに、マサヒコママが何かを差し出した。
 しゃれた装丁の小さなパックに入ったものは・・・これはもしかして、コンドーム?
マサヒコの目と口が線三本になる。
「・・・母さん、これ・・・」
 マサヒコママの目は真剣だった。
「いい?あんた、まだ中坊のくせに、リンコちゃんを妊娠させたら責任とれるの?
取れないでしょ?まして、堕胎なんてことになったら、あんたは気持ちいいだけで
済むかも知れないけど、女の心と体は深く傷つくのよ?
だから、ちゃんと避妊はすること!リンコちゃんを傷つけたら、許さないわよ?」
「・・・母さん・・・注意するとこが違うと思う・・・」



 そんなこんなで的山邸に泊まることになってしまったマサヒコ。リンコと共に
的山邸に向かう。リンコはマサヒコと中村が泊まってくれるというので上機嫌だ。
 的山とマサヒコは道中おしゃべりをしながら歩を進める。
「あのね、前に一回話したよね。中村先生が今まで99人の男を食ってきたって、
話だけど・・・あれ、殺して肉を食べたんじゃないんだって!」
「・・・まあ、そりゃそうだろ・・・」
 この娘は、いままで本当にそうだと思っていたのだろうか?
「そうじゃなくって、男と女の関係になった、って意味なんだって!」
「うん。そりゃそうだろうけど、それで?」
「でね、私もそうやってたくさんの男の人を食えば大人の女になれるって。
で、手始めに誰がいいか聞いたら、マサなんてどう?って。」
「あのメガネ〜!ま、的山、お前は中村先生の言うことならなんでも従うのかあ?」
 しばしマサヒコは言葉を荒げたが、相手が天然であることを思い出し、怒鳴っても
仕方ない、と頭を落ち着けた。
「中村先生も、どんな人を100人目にするか、楽しみにしてるみたい。小久保君、
100人目になってみたら?」
「冗談じゃない」
(多分、豊田先生も99人の一人なんだろうなあ・・・ああはなりたくないしな。)
「ふーん、中村先生は魅力ないんだ?それ、中村先生に言ってもいい?」
「・・・それだけは勘弁してくれ」
「じゃ、私は?私って魅力ない?」
「いや、そんなことはないけどな」
 この辺がマサヒコの優しくも優柔不断なところだ。
「・・・それじゃ、一緒に寝てくれる?」
 リンコがマサヒコの目を上目使いで覗き込み、思いきり無邪気な誘惑をしてくる。
マサヒコも再びぐらつく。が、この程度で落ちていては、あのメンバーの中を
生き抜けるはずもない。
「いや、だから、さっき母さんから聞いたろ?大事にしろって・・・」


 そんな会話がなされているうちに二人は的山邸に到着した。
 鍵を開け家に入ったところに、中村リョーコが酒とツマミをぶらさげて到着する。
 今夜の役者はそろったわけだ。マサヒコは激しく不安だったが、こうなったら早く
寝てもらうしかない。

 マサヒコの緊張をよそに、はじめは普通だった。中村の酒が進み、マサヒコと
リンコはお茶を楽しみ、中村が酔っ払ったところでリンコ&中村は2階のリンコの
部屋へ引っ込み、マサヒコは1階の居間に布団を敷いて横になった。

「(やれやれ、無事に床に就けた・・・ん、なんだろう、妙に体が熱いな・・・)」
 マサヒコは寝付かれずにいた。
 首を回し時計を眺めると、もう真夜中だ。
 そのとき、居間の入り口に、小さな影が現れ、足音を忍ばせ、そっと近づく。
パジャマ姿だが、なぜか上しか着ていない。かろうじて下着は見えないが、足の指から
ほっそりした太腿までがあらわになっている。
 小さな影はおずおずと、マサヒコの布団に入ってこようとした。はっと顔を向けた
マサヒコに、メガネを外したリンコがささやく。
「小久保君・・・起きてたんだ・・・」
「ま、まま、的山?いったいどうしたんだ?」
 目を白黒させ、マサヒコはわけを聞く。
「あのね、酔っ払った中村先生に追い出されちゃった・・・暑苦しいから、ちょっと
怖いからってくっつくなって・・・」
「あのメガネ、何のために来たのか忘れてやがる・・・」
 とりあえず落ち着け、俺。マサヒコは起き上がり、布団の上にあぐらをかいた。
「メガネ、なくても大丈夫なのか?」
「自分の家だもん・・・それより、小久保君・・・一緒に寝て・・・」


 リンコも布団の上に体育座りになった。パジャマの下を着ていないので、
パジャマの上の裾は腰のあたりで終わり、ほっそりした太腿の間から純白のパンティが
のぞいている。たまらず、マサヒコの視線はその白い布地に吸い寄せられた。
お前はズボンはどうしたのかと。
「一緒に寝て・・・そして、私を大人の女にして・・・」
お前はさっきの性教育は忘れたのかと。
「ねえ・・・小久保君・・・」
だから、そういうことは好きな人のためにとっとけと。
 リンコは潤んだ瞳をマサヒコに向けまったくそらそうともせず、体育座りのまま、
ゆっくりと両脚を開いていった。
 マサヒコの体は異様にほてっている。
「(な、なんだか変だぞ・・・)」と思う間もなく、理性が次第次第に領地を奪われ、
性欲がマサヒコを支配していく。

「的山・・・(ごくり)」
「リンコって呼んで・・・あなたの好きにして」
「・・・リンコ」
 ゆっくりとマサヒコの体はリンコに近づく。
 メガネなしのリンコがいかに可愛い顔立ちか、マサヒコは改めて思った。
こんな接近は・・・以前、的山がコンタクトをなくし、おんぶに抱っこで的山邸まで
送った日以来の接近遭遇だ。
 そして、ゆっくりと見つめあったのち、二人とも目を閉じ、軽くそっと唇を合わせる
だけのキス。一旦離れ、目を開けると、相手も同じようにこちらの目を見つめている。
 たまらなくなって、マサヒコはリンコの体に手を回し、抱き寄せる。
「あ・・・」
 リンコが軽く吐息を漏らす。
 片手で背中を引き付け、もう一方の手で髪の毛を優しく撫でてやる。リンコも
マサヒコの体に腕を回し、体を互いに押し付け、もう一度、こんどはゆっくりと唇を
合わせた。軽く舌をいれてやると、リンコのほうからねっとりと舌を絡ませてくる。
 二人の合作による、信じられないほど甘美なひと時はまだ序の口だった。

 荒い息をつきながら唇を離すと、マサヒコはリンコのパジャマの上を脱がした。
 リンコも両手を挙げ、脱がしやすいように協力する。
 真っ白い肌が一気に面積を増し、ブラをつけていない胸があらわになる。リンコは
恥ずかしそうに両手で胸を隠した。
「ごめんね・・・私、貧乳だから・・・」
「大きければいいってもんじゃないさ・・・それに、大きくしたいなら・・・それっ」
「きゃっ・・・」
 マサヒコはリンコを組み敷くと、リンコの両手を頭の左右にどかし、あらわになった
胸に手を伸ばす。ごくわずかなふくらみを両の掌に収め、はじめはやさしく、そして
次第に強く揉んだ。
「あ・・・あう・・・」
「こうやって揉むといいんじゃないか」
「うん・・・小久保君、いっぱい揉んで・・・」
 リンコの瞳はかすかに潤んでマサヒコを見つめ続ける。
 マサヒコはじっくりと時間をかけ、まだ硬い果実を揉みほぐし続けた。

 ようやく乳房を揉むのに飽いたマサヒコは、自分もトランクス一枚になると、
横たわったリンコの全身をなめるように視線を這わせた。
 どこを見ても真っ白な肌だが、今はかすかにピンク色に上気している。特にたっぷり
揉まれた乳房は上気が激しい、そしてその先端には、ごく薄い色の可愛らしい乳首。
 身に着けているのは子供っぽい白いパンティ一枚だが、それがまたリンコには
いかにもぴったりに似合って、愛らしい。
 むしろこれが、派手なものだったり黒だったりしたらさぞ萎えるだろう。
 そして、パンティの微妙なところがかすかに色が変わっているのは、湿り気だろうか?
 マサヒコはじっくりと目を楽しませた。


 マサヒコは新たな姿勢を試してみたくなる。
「的山・・・ここに、向こうを向いて座ってくれ・・」
「リンコって呼んで・・・こう?」
 リンコはあぐらをかいたマサヒコの上に、マサヒコに背中を向けて座った。
 リンコは首を回しマサヒコに上気した顔を向け、マサヒコは頬、唇、首筋と、
思うがままにキスの雨を降らせた。
 何をするのか怪訝な表情だったリンコは、次第に陶然とした表情になる。
「む、う、くふっ、ああ・・・んあっ・・・」
 そしてマサヒコの掌が、まずは再び胸に伸びる。すっかり上気した白い肌を丸く
孤を描いて指だけで撫で回し、しだいにピンク色の乳首に近づく。
 そしてとうとう乳首に到着すると、両の乳首をついばむように弄び、コリコリと
軽くつまみ、リンコの反応を引き出していく。
「く、ふああ・・あん・・・」
 続いて腕が下半身に伸びる。足を伸ばして座ったリンコの両脚を開かせ、自分の足を
絡めて閉じられぬように固定する。掌全体で太腿の内側を撫で回し、吸い付くような
手触りを楽しみつつ、少しずつ愛撫を上へ上へと移動し、リンコの体を侵食していく。
「ああっ・・・そこは・・・」
 リンコは両手で秘奥を隠そうとするが、マサヒコが両手でそのガードを優しく
退かすと、さほどの抵抗もなく明け渡した。
「いよいよだ・・・触るよ?」
「うん・・・優しく、して・・」
 とうとう指が、パンティに到達し、微妙なところをゆっくりなぞり始める。
「あう・・ふあっ・・・ああ・・・」
「リンコ・・・可愛いよ・・・」
「本当?・・・嬉しい・・・んっ、ああ・・・」
 パンティの色が変わった部分が、少しずつその面積を広げていく。
 リンコは甘い吐息を漏らし続け、体を時折、ぴくぴくと震わせた。

 たまらなくなったマサヒコは、リンコを前のめりに布団の上に下ろした。
「あっ、何を・・・」
 両手をついて体を支えたリンコは、ちょうど尻をマサヒコにむけ四つんばいの
格好になる。パンティの後ろの縁に指をかけると、かすかな尻の盛り上がりを一気に
越えさせ、あとはゆっくりと剥き下ろした。
「あっ、だめぇ、見ないで・・・」
 リンコの秘奥はかすかに産毛程度に生えた恥毛によって守られていたが、それは
隠しているというにはおよそ程遠かった。成熟した体というにはまだまだの、しかし
恥ずかしげに濡れて開きかけたリンコの下の唇、そしてつつましく、おちょぼ口を
見せる菊座。
「あう・・・恥ずかしい・・・」
 リンコはバックからすべてを見られ、羞恥にあえいだ。

「リンコ・・・可愛いよ・・・」
 マサヒコはもう一度、感極まったように声をかけた。そして、ゆっくりと顔を
リンコの秘奥に近づけると、そこの匂いを嗅いでみる。
「や、やめて、小久保君・・・恥ずかしいよう・・」
「リンコのここは、石鹸の匂いがするよ・・・」
「寝るまえに、シャワー浴びたもん・・・ちゃんとよく洗ったもん・・・」
「そうか・・・それなら汚くないな・・・」
 マサヒコは躊躇わず唇と舌で攻め込んだ。
「あう!ああああーっ・・・」
 リンコは必死に腰をもがく。それがいつしかマサヒコの愛撫にあわせて快感を求める
動きになっていったことに、リンコ自身が気づき、また羞恥が強くなる。
 が、下半身からの圧倒的な刺激が、それを押し流した。
「う、あ、あああっ・・・」リンコの声が高くなっていく。

 やがてマサヒコはリンコをこちらに向かせた。まだ足の先にひっかかっていた
パンティをむしりとり、リンコをもう一度体育座りさせ、足を左右に思い切り開かせ、
その間にマサヒコは腰をすえた。


「いくよ・・・的山、いや、リンコ・・・」
「うん・・・私を、女にして・・・」
「あ、ちょっと待って」
 母さんが持たせてくれたコンドーム。GJ!>ママン。
 まさか使うとは思わなかった。苦心惨憺、ようやく装着する。
「早くぅ・・・」
 リンコにはまだ羞恥心があるようだ。多分、早く終わってほしい、という意識も
あるのだろう。
 リンコの両脇に手を入れ、体全体を軽く持ち上げるようにして、リンコの体の芯を
マサヒコの分身にあてがう。
 そしてゆっくりリンコの体を下ろしていくと、マサヒコの肉棒が次第にリンコの中に
侵入していった。
「う、ああーっ・・・」リンコの声が響く。
「痛いか?」
「す、少し・・・でも、続けて・・・」
「リンコ・・・あ、熱くて、きついよ・・・」
「小久保君のも、熱い、う、うわ、あああっ・・・」
 やがてすっかり分身がリンコの中に納まると、リンコの体からがっくりと力が抜け、
マサヒコにもたれかかった。リンコの腕がごく自然にマサヒコの体に回される。
「大丈夫か?」
「うん・・・いいの、続けて・・・」
 リンコがマサヒコを見つめる。そのつぶらな瞳は涙をたたえていた。その涙がやがて
溢れだし、頬を伝う。そんなリンコがマサヒコはたまらなく愛しくなり、ゆっくりと
腰を動かし始めた。
「あ、あう、あああっ・・」
 リンコのなかで、マサヒコの肉棒が暴威を振るうのを、リンコはその体内で受け
止めるしかなかった。その膣はマサヒコのそれに吸い付くように熱く締め付ける。
やがてマサヒコの体は一瞬動きを止めた。
「り、リンコ・・・おおっ・・・」
「あ、あああっ!」
 そしてやがて二人とも体を脱力させ、布団に横たわった。


 しばし余韻に浸ったのち、リンコはまだ上気した顔をマサヒコに向けた。
「小久保君・・・私、女になったの?」
「ああ・・・リンコ、素敵だったよ・・・」
「ありがとう・・・私、やっと大人の女になれたんだ・・・」
 まだ頬に涙の跡を残しながら、微笑みを見せるリンコ。
 マサヒコは、その微笑みに心を鷲掴みにされたことをはっきり意識していた。
 好きになったからするとは限らない。したから好きになるとパターンもある。
 たった今、自分に処女を捧げてくれたこの娘に、もうマサヒコは夢中だった。
「(俺、このコが好きだ・・・俺一人のものにしたい・・・)」
「リンコ・・・また、しような・・・」
「ふえ?でも、たくさんの男の人と寝ないと、もっと大人の女には・・・」
「駄目だ!お前は俺だけが抱くんだ!」
いきなり声を荒げたマサヒコに、リンコがビクッとなる。
「なんだか、小久保君怖い・・・いつもと違って、すっごい我がままだよ?」
「すまん、いきなり大声をあげちまって・・そうだな、我がままだな・・・
でも俺は、お前を俺だけのものにしたいんだ・・・」
「うふふ、そういってくれると、なんだか嬉しいな・・・」
「でも、学校や皆の前では、今まで通り、的山、と呼ぶからな?」
「うん・・・すこし悲しいけど、仕方ないよね・・・」
リンコは再びマサヒコの胸にもたれかかった。


 マサヒコとリンコが夢のような一夜を過ごしているそのとき。
 いつからいたのか、 居間の扉の外に、足音も息を忍ばせて、中村リョーコが様子を
伺っていた。
(あっちゃあ〜・・・やっちゃった・・・そりゃ、酔った勢いでマサヒコのお茶に
興奮剤と媚薬入れたのも、リンコにズボン脱いでいって体育座りでゆっくり脚を広げて
やれって作戦授けたのもアタシだけどさ、ここまでずっぽし決まりすぎちゃ、アタシの
目論見、外れちゃうじゃない・・)
(予定では、リンコで自制心を使い果たしたマサヒコが、寝るとこなくなってアタシの
ところにきて、たっぷり楽しんだ挙句にオアズケをして、マサヒコを言いなりにさせる
つもりだったのよねえ・・・
そして若い奴隷ゲット、っていう目論見だったのに・・・)
(ミサキとアイ、それにアヤナになんて言おうか?いや、こういうのは、遅かれ早かれ
バレるもんだし。どうせなら時期をみてバラしちゃうとして、アタシが関与してないと
納得させるためには、と・・・・)
 リョーコは戦略を練り始めた。
(・・・でも考えてみれば、リンコにとっては、これ、遅くなったけどクリスマス
プレゼントなのね・・・うん、私はいいことしたんだな。)
 自己正当化にかけても百戦錬磨の中村であった。
「(クリスマス・・・そういえば、クリスマスって発音、女のアレに似てるわねえ)」
 お気に入りのネタを脳内でかます中村リョーコ。
(それにしても、アタシもなんだか体がほてってきちゃったな・・・
明日はセージでも呼ぼうかしら・・・)

翌日の夜は、豊田セージにとって悪夢の夜だったという。

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