作品名 作者名 カップリング
「私の後ろに・・・ アフターエピソード後編  虹 〜A rainbow〜」 そら氏 -

マサヒコとケイは部屋に入った。中には大きなベッドが一台。他にはテレビだのエアコンだのがあった。
(はぁ〜・・・結構普通の部屋なんだな。)
マサヒコがキョロキョロしながら部屋の中を見渡す。ケイも同様にキョロキョロしていた。
「えっと・・・とりあえず座ろうか。」
ケイがベッドに腰掛ける。マサヒコも同様にケイの隣に腰掛ける。
「何か緊張しますね、これ。」
「あはは、そうかも。えっと・・・あ、テレビのリモコンがあった。見よっか〜。」
ケイがテレビのリモコンで電源を入れる。ブゥンとテレビ独特の起動音がして映像が映し出される。
マサヒコは今の時間ならワイドショーやら再放送のドラマやらがやってるだろうと思ってた。しかし、普通
テレビのチャンネルというのは前の人が見たままだ。即ち、前の人が見ていたのは・・・
「ああ〜ん!すご〜い!ヒロ君のおちんピーんがぁ!シホの中に入ってるぅ!はぁはぁ・・・」
「あぁ、いいよぉ。すっごくいいよぉ・・・シホちゃんのおまんピーすっごくいいよぉ。はぁはぁ・・・」
マサヒコは一瞬で固まった。そう、チャンネルはAVに合わせられていたのだ。ちなみに、AVの登場人物は
実際の氏家作品の人物とは一切関係ない架空の人物ですので悪しからず。
テレビの中で若い男女が体を重ねあって快楽を求め合っている。男は自らの性器を女の性器に
入れこみ腰を振っている。女もその動きにあわせて少々小ぶりな胸を揺らして喘いでいた。
マサヒコが唾を飲む。そうだ・・・ここは、ラブホテルなんだ・・・マサヒコが握り拳を作る。
「え・・えっとえっと・・・チャ、チャンネルを・・・」
ケイはしばらく固まった後ようやく現状を理解し、チャンネルを変えようとする。しかし、次の瞬間マサヒコに
体を抱きしめられてた。ケイの体温が一気に上昇する。
「マ、マサヒコ・・・くん・・・んん・・・・」
マサヒコがケイにキスをする。少しケイはビックリしていたようだが、すぐに目を閉じる。二人の口の中で舌が
絡み合いピチャピチャと音を立てる。たっぷりお互いの唾液を交換し合う。キスは初めてなんかじゃない。
「ひゃん・・・・ん・・・ふ・・・」
マサヒコはキスを続けながらケイの胸を手で包む。マサヒコにはそれが大きいか小さいかは分からないが、
ソレは柔らかく、温かかった。そのまま思うままに揉みしだく。ケイは顔を赤くしながらも抵抗はしなかった。
「んっ・・・は・・・ケイさん・・・」
二人が唇を離す。ツツッと唾液の糸が二人の間に落ちる。マサヒコは胸を触りながらケイの首筋に顔を這わす。
「あぁ・・・んん・・・ひゃ・・・だ、ダメ・・・・ダメだよマサヒコ君・・・ん・・・」
少し首筋に舌を這わされビクンと体を跳ねさせたケイがマサヒコの頭を押し返す。
「そ、その・・・シャワー浴びてから・・・今だとほら、雨と汗で匂いが・・だから・・・ダメかな?」
もっとも、それは拒絶の意思ではなかった。ただ、好きな人の前で綺麗な体でいたい。それだけだった。




「へ・・あ、そっか。うん、どうぞ。」
マサヒコも慌ててケイの体から離れる。触りだけでも交わったせいか、ケイの衣服は少し乱れている。
白の上着の下のピンクのノースリーブ。その下からさらに白いものが肩から見えている。膝丈くらいの
スカートも少しまくりあがって真っ白な太股が露になっている。マサヒコはさらにドキドキする。
「えと、じゃあシャワー浴びてくるね。」
ケイが浴室へ入っていく。そこで、ようやくマサヒコは落ち着いた。
「って・・・マジかよ、俺は・・・」
AVで興奮して衝動的とはいえ、ケイの体を求めた。そして、ケイはそれを拒否しなかった。それは即ち・・・
「ああ、もう。ここに来たときから少しは覚悟あったろうに。」
マサヒコは頭を抱える。その点ではケイのが遥かに覚悟があったようだ。そうこうしてマサヒコが悩んでいるうちに
後ろから物音がした。
「えへへ、お待たせ。マサヒコ君もシャワーどうかな?」
そこには、浴衣を着たケイがいた。
「ケ、ケイさん?その格好は一体。」
「うん、雨でお洋服濡れちゃったからね。それにね、乾燥機があったからさ。だから、浴衣。」
ケイは袖を持って少し恥ずかしそうにクルンと回ってみせる。その仕草がとても可愛らしい。よく見れば、雰囲気
を出したのか、髪もアップになっている。その姿にマサヒコは見惚れてしまう。
「どうかな・・・変じゃない?」
「あ、その・・・無茶苦茶可愛いです・・・」
素直にそう思う。あまりにストレートだったせいか、ケイも思わず顔を赤くして照れてしまう。
「じゃあ、俺もシャワー浴びてきます。」
「うん、行ってらっしゃい。」
マサヒコは浴室で服を脱ぐ。決してマッチョではないが、華奢でもないマサヒコの体。服を全て脱ぐと、頭から
シャワーを浴びて汗と雨を流す。それと一緒にマサヒコは迷いも流す。
「何ビクってんだよ、俺は。女のケイさんが覚悟決めてんだぞ。俺がビクってたら格好悪すぎだろ。」
適当に体を洗い、タオルで体を拭く。自分も乾燥機に服入れとくか、とジーンズを持ったところでポケットに
異物感を感じる。小さな紙袋に入ったそれを見て、マサヒコはそれを握り締めた。



「あ、マサヒコ君。おかえり・・・」
マサヒコが浴室から出るとケイがベッドに腰掛けて携帯をいじっていた。誰かとメールでもしてたんだろうか。
「マサヒコ君も浴衣なんだね。なかなか似合ってるよ〜。」
隣に座ったマサヒコの浴衣を触りながら笑うケイ。
「俺も乾燥機に入れときましたからね。ケイさんこそ、やっぱ似合いますよ。髪もアップで凄く・・・可愛い。」
マサヒコがケイの髪を触る。少しだけまだ湿気を含んでいるが、髪はサラサラとマサヒコの手の中で流れていく。
「へへ・・・有難う、マサヒコ君・・・・んっ・・・」
ケイはマサヒコに髪を撫でられ気持ちよさそうに目を細めると腕をマサヒコの首に回し、マサヒコにキスをする。
「んっ・・・ふっ・・・ケイさん・・・」
少しだけ大胆なケイに驚きながら、マサヒコも腕をケイの首に回し、口の中では舌を絡める。そして、そのまま
ケイの浴衣を肩からはだけさせる。ケイは少しだけビクッと反応したが、そのまま浴衣はずり落ちていく。
「いくらマサヒコ君でも、ちょっと恥ずかしい・・・かも。その・・・電気・・・」
ケイが羞恥からか照明を落とすように要求する。マサヒコは少し残念がるが、大人しく電気を暗くする。
ケイの大きくはないが、小さくもない。ある意味、一番丁度いいくらいのサイズと言うのだろうか。ピンクの乳首
がツンとした胸が露になる。マサヒコはケイの胸を直に揉む。さっきの衣服のときより数倍柔らかく、温かく、
そして気持ちよかった。張りがあると言うのだろうか。ケイの胸を押せば跳ね返ってくる弾力があった。
「ん・・・ひゃ・・・あん・・・・」
ケイがマサヒコの愛撫に小さく声を漏らし、体をくねらせる。マサヒコは手でケイの胸を満喫すると、そのまま顔を
ケイの胸に埋める。乳首を口の中に含み、舌で触ってみる。反対の胸は変わらず手で揉む。
「ケイさんの胸・・・すげぇ柔らかい。」
「ん・・・はぁ・・・ばかぁ・・・そう言う事は・・あん・・・言わないのぉ・・・」
マサヒコは今度は反対の胸に顔を埋める。指は乳輪をなぞり、乳首を摘む。すると、ケイの体が少しだけだが
ビクッと跳ねる。
「ひゃん・・・はん・・っはぁ・・・マサヒコ君、キス・・・したい・・んっ・・」
ケイが頬を朱に染めながら言う。マサヒコは胸を愛撫していた顔をあげて、ケイと唇をあわせる。
口の中で絡み合う舌が、音を立てる。キスをしながらマサヒコは手を胸よりさらに下に這わせてお腹を撫でる。
「ん・・・ちゅぷ・・・ひょんなほほ・・・はふはひい・・・・」
キスをしながらのせいか、言葉になってないケイ。ただ、お腹の辺りをさすられると恥ずかしいのか、或いは
こそばゆいのか体をくねらせる。そして、その手は、さらに浴衣の帯を解き、ケイの体を完全に露出させた。
残っているのは真っ白のショーツだけだった。




「ケイさん、いいかな。」
ケイが小さくコクンと頷く。マサヒコからは暗いせいかその表情は読み取れないが、確かに頷いた。
マサヒコはそーっとショーツの上からケイの秘部を触る。布が少しだけ奥まで入り込み、その部分にシミを作る。
「ちょっとだけ・・・恥ずかしい・・・かも・・・んっ・・・」
ケイが小さく声を上げる。それでも、マサヒコは当然ながら止まらない。ショーツを脱がし、直接にケイのヴァギナに
指をいれる。暗さで形は分からないがクチュッと音がし、指先が湿っぽくなるのが分かった。
「ひゃあん!!んっ・・・・」
マサヒコがゆっくり中指を出し入れする。そのたびにケイのヴァギナはクチュクチュと音を立て、蜜が零れて来る。
(はぁ、凄いな・・・こうなってんのか・・・あの眼鏡の言ってる事って本当だったんだなぁ・・・)
何故か某家庭教師の勝ち誇った顔がマサヒコの脳裏に浮かんだ。それを振り払い、マサヒコはさらに
人差し指を入れてみる。少し狭い気がしたが、何とか中指と人差し指を挿入する。
「ンア・・・ちょっとだけ・・・ん・・・痛いかも・・・あ、大丈夫・・だよ?あん・・・・んん・・・」
ケイが少しだけ痛そうな声を上げるが、徐々にまた艶かしい喘ぎ声を上げる。マサヒコの入れた指は二本に
なったせいか、さきほどより大きく音を立てる。ケイの中の肉ヒダがマサヒコの指を包む。
「よっと・・・ケイさん、ビックリしないで下さいね?」
マサヒコが体をうつ伏せにし、ケイの秘部に顔を近づけ、舌を入れた。
「え?マサヒコ君なにを・・・はぁ・・んんん!!ひゃ・・・汚い・・よぉ・・・はん・・・ああ・・・」
ケイの体が寄り一層跳ね回る。ケイのヴァギナはマサヒコの舌を締め付ける。
(あの眼鏡が言ってたほど匂いはない気がする・・・て、案外してる時ってどうでもいいだけかも・・・)
マサヒコはそんな事を思いながらケイのヴァギナの中で舌を暴れさせていた。ケイの愛液がマサヒコの舌を
経由し、喉に入っていく。味はしないが、ただ、熱い。そんな感じだった。
「んっ・・・はぁ・・・マサヒコ君・・・?」
「?何ですか?」
ケイに呼ばれてマサヒコはケイのヴァギナに埋めていた顔を上げる。すると、ケイは体を起こしてマサヒコに抱きつき
キスをする。そして、その手ではマサヒコの浴衣を脱がし、トランクス越しにペニスを触っていた。
「そ、そのぉ・・・マサヒコ君だけじゃズルいから・・・わ、私もしてあげる・・・」
「え、えっと・・・俺も興味はありますけど、その・・・無理はしないでいいですよ?」
「だ、大丈夫だよ!立浪さんに教えてもらったから・・・無理矢理・・・それに・・・私もマサヒコ君を気持ちよく
させてあげたいから・・・ダメ?」
何で立浪さんが教えれるのかは置いといて、そんな事を上目遣いで言われて断れる訳がない。
「それじゃあ・・・お願いします。」
「うん・・・お願いされます・・・・」



ケイはマサヒコのトランクスを脱がす。すでにいきり立ったマサヒコのペニスは天を貫く勢いだ。
「こ、こうかな?よく見えないけど、小さな頃お父さんの見たのとは違うかも。大きくて堅くて・・・ピクピクしてる。」
ケイがマサヒコのペニスを握る。初めて人にペニスを握られただけでこんなに違うものなんだろうか。マサヒコが
腰を上げてしまう。ケイがマサヒコのペニスをゆっくりしごく。
「えっと・・・それで・・・確か・・・うん、行きます・・・・ん・・・ちゅぷ・・・・ちゅぷっ・・・」
そして、何か決意をしてからマサヒコのペニスを口に含んだ。温かなケイの口の中、舌がマサヒコのペニスを
包み込む。そして、マサヒコのペニスの根元を手で握りながら先端を舌で舐める。
「うあっ!っっく・・・やべ・・・気持ちいい・・・・」
マサヒコが背中を震わせながら腰を浮かす。文句なしに気持ちよかった。そりゃあぎこちないんだろうけど、
今のマサヒコには生涯でもトップクラスの快感だった。
(?何か出てきた・・・?ちょっとだけ苦い・・・でも、マサヒコ君気持ちいいって言ってるし・・・えへへ、何か
マサヒコ君可愛いな・・・頑張んなきゃ。)
ケイが少しだけ口の奥までペニスを咥え、頭を上下させる。ケイの唾液と唇が擦れ合ってジュプジュプと
音がする。マサヒコは小刻みに声を上げながら体を震わせる。そして、自覚する。このままでは・・・
「うっく・・・ケ、ケイさんストップ。も、もういいですから!」
マサヒコの言葉でケイはマサヒコを見ながら口からペニスを離す。
「?もう、いいの?気にしないでいいんだよ?私はマサヒコ君よりお姉さんだからね。」
そう言ってニッコリ笑い、胸を張る。その際に少しだけ胸がプルンと揺れる。
「いや、そうじゃなくて・・・これ以上やられるとイキそうで・・・その・・・俺、ケイさんの中に挿れたいから・・・」
「そっか・・・うん、いいよ・・・マサヒコ君なら・・・あ、アレあるかな?」
ケイが周りを見回す。マサヒコもそれにアレが何なのか気づき探す。生憎、未だに手持ちはない。
「あ、これかな?」
ケイがベッドの枕元にある小さな袋に入ったものを見つける。言わずもがな、コンドームだ。
「付けてあげるね。保健で一応習ったし。えっと・・・確かこの先端部分を摘んで・・・空気が入らないように・・・
後はかぶせて・・・しっかり根元まで・・・ちょっと難しい・・・こ、こうかな・・?」
ケイはコンドームの袋を破き、中身を出すと授業で習った手順どおりのマサヒコのペニスにコンドームを付ける。
さすがに手馴れないのか苦戦したが、しっかりとコンドームはマサヒコのペニスを覆った。
「それじゃあ・・・いきますよ・・・」
「あっ・・・ちょっとだけ待って・・・んっ・・・」
ケイはマサヒコにキスをする。それで満足したのか、そのまま仰向けに倒れる。緊張をほぐしたのだろうか。
マサヒコはペニスの先端をケイのヴァギナにあてがった。




「ふぅ・・・それじゃ、いきます・・・痛かったら言ってくださいね。」
マサヒコが腰を入れ、少しずつペニスをケイの中に埋め込んでいく。
「うっく・・・つあ・・・ん・・・は・・・だ、大丈夫・・だよ・・・うくっ・・・大ジョブ・・・だから・・・んあああ・・・」
明らかにケイは痛そうな声を上げる。しかし、ケイはマサヒコに大丈夫と言う。彼女なりに年上らしさを
見せているんだろうか。マサヒコは言われるままにペニスを挿れていく。
「うああああ!!っぐう・・・た・・・ったぁ・・・・も・・・ちょっと・・・だけ・・・あう・・・んああああ!!」
プツン・・・と。そんな音がした気がした。マサヒコの進入を阻み、締め付けていた肉が根負けしペニスを
解放する。マサヒコもケイも、息を荒げている。でも、これで二人は一つになったのだ。
「ケイさん・・・全部、入りましたよ・・・・」
「うん・・・うん・・・分かるよ・・・私の中にマサヒコ君がいる・・・えへへ・・・私達、今一つだね。」
ケイは笑顔を見せている。目尻に涙が溜まってるが、それは最高の笑顔だった。
「ふふっ・・・私は・・・貴方の側を離れません・・・ずっと、一緒に添い遂げます。例え・・・この身が
無くなろうとも。えへ、どうかな。今ならあの映画の台詞・・・ピッタリだと思わないかな?」
ケイがぺロリと舌を出す。マサヒコも同じように、あの映画のように、言葉を返す。
「ならば・・・我らが身は一心同体・・・常に共に生きよう・・・台詞は同じでも・・・気持ちは俺自身ですよ。」
マサヒコがそう言ってケイの体を抱きしめながらキスをする。もう、何回目のキスか分からない。
「うん、私も・・・私自身の気持ちだよ・・・いいよ、マサヒコ君・・・きて・・・」
ケイの言葉でマサヒコが腰をゆっくり動かす。一度腰を動かすだけでマサヒコはあっと言う間に絶頂にたどり着き
そうになってしまう。
「んっ、はっ、あっ・・・マサヒコ君・・・んっ・・・マサヒコ・・・君・・・ん・・・はぁ・・」
ケイが声を上げる。その声に酔いしれながらマサヒコの腰は徐々に速度が上がっていく。
「ケイさん・・・俺・・もう・・・く・・・イキ・・・そ・・・」
「ん・・はぁ・・いいよ・・・マサヒコ君・・・ん・・・キテ・・・はぁ・・あんん・・・あああああ!!」
「ケイ・・・ケイ・・・イク・・・うあ、イク!!うあああああ!!!」
マサヒコはケイの中に精を吐き出す。ビクンビクンとマサヒコの腰とペニスが跳ね上がり、コンドームの中に白い
ゼリー状の液体が溜まっていく。
「んっ・・・マサヒコ君・・・」
ケイがマサヒコの首に腕を回し、余韻に浸りながらキスをする。そして、言った・
「えへへ・・・・大好き・・・」



情事を終えた二人は、同じシーツに包まって体をむき合わせていた。手にはマサヒコのジーンズのポケットに
あった小さな紙袋。その中には、露店で買った外人さんが彫ってくれた自分の名前のある指輪。
「へへへ・・・じゃあ、小久保マサヒコは川上ケイを何があっても愛し続け、生涯を共にし、添い遂げると
誓いますか・・・・?」
「誓います。その証を貴方に・・・」
マサヒコはそう言うと、ケイの右手を持ち薬指に指輪を通した。暗闇の中でさえ、その指輪は輝きを放っている。
「それじゃあ・・・川上ケイは小久保マサヒコとその身が無くなろうと、側におり、添い遂げると誓いますか?」
「はい・・・誓います。その証を貴方に・・・」
今度はケイがマサヒコの右手を持ち薬指に指輪を通す。そして、二人はキスをした。ただ、触れるだけのキス。
その時間は、永遠のようで一瞬。一瞬のようで永遠だ。
ふと、プルルルルと部屋の電話がなる。マサヒコが電話をとる。どうやら、時間のようだった。
「あ、雨もやんでる。へへっ、行こうかマサヒコ君。」
ケイはそう言って乾燥機の中の服に袖を通す。もうすっかり乾いていた。マサヒコも電話先に出る事を伝えると
服を着る。忘れ物がないかチェックし、エレベータで1階までおり料金を払う。
自動ドアを抜け、再び市外に出た二人を待っていたのはさっきまでの雨が嘘のような夏の太陽の光だった。
「あっ・・・見て見てマサヒコ君!」
ケイが大はしゃぎで指差す先。 そこにはさっきまでの雨のお陰か、太陽の光が空気中の水滴によって、
屈折、反射され七色の虹が出来ていた。
「虹ですね。珍しいなぁ・・・でも・・・綺麗だ・・・」
マサヒコとケイが虹を見上げる。虹は出会う機会は非常に珍しい。また、出会えても10分も見ていられない
だろう。その貴重な虹が二人の前に姿を現したのは果たして偶然だろうか。
「さて・・・そろそろ行きましょうか。まだ、それなりに時間ありますしね。」
マサヒコが歩き出す。ケイはそれに寄り添うように付いていく。
「うん、行こう。えへへ・・・手繋いでいこっ!」
ケイが笑顔でマサヒコの手を握る。繋いだ手は二度とはなれないように。二人は虹の橋を潜る様に歩いていく。
二人の指の誓いの指輪が、虹を映し七色に光り輝いていた。
END

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