作品名 | 作者名 | カップリング |
「ハッピー(セックス)ライフ」 | ピンキリ氏 | 「マサヒコ×ミサキ・アヤナ・リンコ」 |
「はむっ……ちゅぷ、れろ……ぉ」 「あふ……ん、あふぅ……っ、じゅぅ……う」 「んんっ、あん……は……っ」 ベッドの上で、三人の少女が一人の少年に絡み付いていた。 黒い髪の少女と、紅茶色の髪の少女は、少年の股間にそそり立ったペニスを。 栗色の髪の少女は、少年の唇を。 それぞれ、一心不乱に貪っている。 皆、身体に一糸も纏っていない。 汗と淫液に塗れ、それを不快とも不潔とも思わず、 ただ少年の快楽を引き出すためにのみ舌を、唇を動かしている。 「む、うぅ……」 少年は眉根を寄せ、身体を少しだけよじった。 三人の少女は、それを少年の快感の証と見て、舌と唇の動きを止め、嬉しそうに微笑んだ。 「マサちゃん……若田部さんとリンちゃんに舐められて……気持ちイイんだ……」 「嬉しい、小久保君が私の舌で、気持ち良くなってくれて……」 「うふふ、もっと感じさせてあげるね、小久保君」 少年、小久保マサヒコは返事をせず、ただ目を細めてコクリと頷いた。 「うふ……はむぅ、ぷふ……」 「ふぅ、かふぅ……ん……」 「ちゅっ、ちゅ、みゅぅ……」 栗色の髪の少女の名は、天野ミサキ。マサヒコの幼馴染。 黒い髪の少女は、的山リンコ。マサヒコの高校の同級生。 茶色の髪の少女は、若田部アヤナ。マサヒコの中学時代からの友人。 「ふふ……若田部さんたちの次は、私がシテあげるね……」 「ちゅ……っ、ずるいわ天野さん、まだ……れろっ、小久保君はイってないのに……」 「あー、じゃあ私は小久保君の胸を舐めてあげるーっ」 三人の表情に、4Pにという行為に対する、後ろめたさの影は全く無い。 「ふふ……好きだよ、マサちゃん……」 「愛してるわ……」 「小久保君、だーい好き」 小久保マサヒコへの想い、そしてその愛する男を感じさせてあげたいという思い。 それが、彼女たちを淫らな行為へと走らせる。 互いに、嫉妬や競争心が完全に無いとは言えない。 人間である以上、それらは絶対に存在する。 だが、三人は仲の良い親友同士であり、何よりマサヒコへの愛の前ではそれらは些細なこと。 超越してしまった、と言っても良いだろう。 でなければ、こうして三人身体を並べて奉仕など出来はしない。 裏を返せば、彼女らをそこまでの境地に導いてしまったマサヒコ恐るべし、ということになる。 血の力は伊達ではないと言うべきか。 あのぶっちぎりエロスな母と、その母を満足させている父の子なのだから。 「ちょっと待って……そんなに頑張られたら、俺今夜持たないって……」 マサヒコの声は弱々しい。 体力の消耗が激しいせいではなく、気持ちが良すぎて舌が上手くまわらないのだ。 「ダメだよぉ……私たちが三人揃うのってそうないんだからぁ」 「そうよ……ちゅ、ぷっ……満足させてくれなきゃ」 「ハッスルハッスルだよ、小久保君」 「……やれやれ」 しょうがないな、という風にマサヒコは頭を二度三度、左右に振った。 彼女たちの言う通り、この四人が全員顔を合わせるの機会はなかなか無い。 ミサキはバリバリの進学校生徒である上に、午後から夜にかけて一週間の大半が予備校通い。 一年でアメリカから舞い戻ってきたアヤナが転入したのも、これまたガチガチの高偏差値お嬢様学校。 通学に加え、宿題やクラブ活動、委員会活動が重なると、どうしても会うタイミングが計れないのだ。 結果として、マサヒコと同じ英稜高校に通っているリンコだけが、マサヒコと身体を重ねる回数が一番多い。 ミサキとアヤナにしてみれば、それが残念でもあり不満でもあった。 もちろん、時間が合えばそれぞれ個人でマサヒコとセックスを楽しんではいるのだが、 愛する人とは毎日でもヤリたいというのが、彼女らの嘘偽らざる気持ちだ。 「ねぇリンちゃん……代わってほしいよぉ……」 「はぷ……っ、いいよミサキちゃん、あと……れろ、十回舐めたら代わってあげ……りゅ、ぷ」 「ああん、ズルいよリンちゃん」 「うふふ……小久保君のモノが三つあったらいいんだけどね」 「……いや、それ妖怪か怪物だから」 ずっとずっと溺れていたい。 マサヒコを気持ち良くさせたいし、また、マサヒコに気持ちよくしてほしい。 それが、三人の心からの願いだ。 だが、耽りっぱなしにならないように、気持ちをセーブしなければならない。 自分とマサヒコだけで世界が構築されているわけではないからだ。 マサヒコが欲しいが、そのために全てを壊してしまっては元も子もない。 一度壊してしまえば、このように幸福な性生活は二度と送ることが出来なくなってしまう。 メリハリではないが、通常の生活と性生活は分けてこそ、周囲へのしわ寄せを軽減出来るというものだ。 「あぅ……う」 突然、アヤナがマサヒコのモノから口を離し、首をカクリと落とした。 その息が、今まで以上に熱くて激しい。 「……れろぅ……っ、どうしたの、アヤナちゃん?」 舌を止め、心配そうにリンコが尋ねる。 「若田部さん……」 ミサキもマサヒコとのキスを中断し、アヤナの方を見る。 だが、ミサキはリンコと違って、アヤナの異変の原因を知っていた。 「相変わらず、若田部はいやらしいなー……」 マサヒコも気付いていた。 数分前から、アヤナが我慢しきれずに、空いた方の手で自分の秘部を慰めていたのを。 「……だって、だって……一週間ぶりなんだもの……」 「私も同じなんだけど……」 ちょっとあきれたような口調のミサキだったが、そこに軽蔑の色は無い。 ミサキとて、早くマサヒコにシテもらいたいのは同じだからだ。 「えへへー、私は昨日もシタよ」 そこにリンコの天然発言炸裂。 それを受け、ミサキとアヤナはちょっとジト目でマサヒコを睨む。 リンコに対する羨望、若干の嫉妬、そしてマサヒコの甲斐性の無さに少しだけ腹が立ったのだ。 「もう……マサちゃん、シタくなったら、いつでも言ってきてくれたらいいのに……」 「そう、よ……クラブや委員会なんて、一度くらいなら……休んでも問題ないんだからね……」 「いや、ははは……」 マサヒコとしては笑って誤魔化すしかないところだ。 彼女らが自分を愛してくれているように、自分も彼女らを愛している。 出来ることなら、平等に愛を注いであげたいとも思う。 とはいえ、彼とて時間と空間に縛りつけられる人の身、体を三つに分けられない。 瞬間移動も使えないし、時を止めることも出来ない。 「ゴメンな、俺もここんところ忙しくってさ」 まったく、見る人が見れば「許せねえ、そこに直れ叩っ斬る!」と言われても仕方ないだろう。 倫理観の強い人間からすれば、三人と関係を持つマサヒコは許されざる存在だ。 だが、マサヒコと三人の間には純粋な愛情のみがある。 皆が皆、納得した上での関係なのだ。 「もう……じゃ、リンちゃんは今日は一回だけだよっ」 「そうよ、独占禁止。私と天野さんに集中してもらうんだから」 「えー、そんなのないよー」 「おいおい、喧嘩するなよ」 マサヒコはかわるがわる、三人の頭を優しく撫でた。 もとより、本気で言い争いをしているわけではない。 「マサちゃん……」 「あっ……」 「……えへへ」 ただ頭をナデナデされただけなのに、一様にトロンとした表情になる三人。 直接敏感な部位に触れずに感じさせるとは、ゴッドフィンガー加藤某も真っ青だ。 それとも、これもまた愛の成せる技か。 「あ……っ!」 「ひゃあ……!」 ミサキとリンコが、身体を一瞬硬直させ、そしてビクリと跳ねた。 マサヒコが左右の手をそれぞれに回し、引き寄せたのだ。 さわさわとまるでそれ自体が生き物のように動くマサヒコの手。 肩口から背中の中央に行き、背骨の上を柔らかく擦り、腰を通過し、 そして小ぶりな尻へと到達する。 「あっ、あっ……!」 「あひゅ……、くすぐったいよぉ……」 人差し指と中指、薬指の先で、円を描くように二人の尻を撫でるマサヒコ。 「あ、ああっ!」 「みゃ……っ!」 ミサキとリンコは大きく身体を震わせた。 突如、マサヒコの指が移動して、菊座を触ったせいだ。 だが、「そこはダメ」「汚いよぉ」と文句を言う暇すら二人には与えられなかった。 マサヒコの指はそこを通り過ぎ、二人が一番感じる場所にすでに行き着いていた。 「かわいいな、二人とも……」 マサヒコはそれぞれの太股の外側から腕を回し、秘所を、真珠をいじめてゆく。 「あ、あ、あ、マサ……ちゃあ、ん……!」 「はぁ、はぁ、いいよう……キモチイイよう、小久保くぅん……!」 ミサキとリンコは、肩を震わせただただ快楽に悶える。 そんな二人の乱れる様を目の前にして、ついにアヤナも我慢出来なくなった。 マサヒコのモノを口から離し、媚びるような口調で迫る。 「ああん……ずるい小久保君っ、私にも、私にも……っ」 半開きの口、ピンク色のモヤがかかった瞳。朱に染まった肌。 並みの男なら、問答無用で襲い掛かりたくなるほどの艶っぽさだが、 それで動揺するようなマサヒコではなかった。 「わかってるよ若田部……もう、準備は整ってるんだろ?」 「あ……」 その言葉だけで、アヤナはマサヒコの言いたいことを理解した。 「ああ……ッ、い、いいの……?」 顔を輝かせるアヤナに、マサヒコはコクリと頷いた。 「嬉しい……今日、私がはじめて……ぇ!」 アヤナは身体を起こすと、改めて足をMの字に開き、手を降ろしてマサヒコの怒張をそっとつまんだ。 そして腰の位置を定めると、狙いをつけ、足の力をゆっくりと抜いていった。 「あ、あ、ああ、あ!」 ズズ、ズズ、という感じに、ゆっくりとマサヒコのモノがアヤナの中に埋まっていく。 マサヒコは、アヤナの邪魔にならないようにと、ミサキとリンコの太股に回した腕に力を入れ、 より身体に密着するように引き寄せた。 「ふぁああん!」 「ああっ!」 その動きが、結果としてミサキとリンコにより強い刺激を与えることになった。 そうしているうちに、マサヒコの先がアヤナの最奥にたどり着いた。 「さ……若田部、動いてみて……そうすれば……」 その言葉の続きが何なのか、三人はほぼ同時にわかった。 アヤナが腰を揺すれば、マサヒコも揺れる。 そして、マサヒコの腕を通して、ミサキとリンコに伝わるのだ。 「うん、うん……ッ、小久、保君も、天野さんも的山さんも……一緒に、キモチヨク……っ!」 最後まで言い終わる前に、アヤナは身体を上下させた。 「あっ、あ……!いい、いいよ……ぉ、こく、ぼくん、の……!」 「ああ、ああ、あああ……ぁ!」 「きゃ、ん、んん……くふぅ……!」 「ミサキ……若田部……まとや、まぁ……!」 四人が四人、淫らな欲望に全身を支配されていた。 彼らの性戯の師匠、リョーコが見たら肩をすくめて呟いたであろう。 「何て余裕の無いセックスだ」と。 しかし、それも仕方のないことかもしれない。 目覚めたとは言え、まだまだ四人は経験不足。 欲望をコントロールする術を完全に身につけてはいない。 それに何より、マサヒコとミサキ、アヤナ、リンコは、身体の相性というものが抜群に良すぎた。 間に挟まるものが無い。ぴっちりはまったパズルのようなものだ。 一度没入してしまうと、理性や計算が割り入る隙間が無いのだ。 「ああ、っ、く、はぁ、はぁ……あ……こ、くぼく……んっ!」 「マサちゃん、はぁ……いい、マサちゃん……!」 「キモチ、いいよ、いいよ、いいよぉ……!」 オスとメスの臭い。嬌声。荒い息。 それらが混然となり、部屋に充満していく。 徐々にそれらは膨れ上がり、やがて破裂、解放へと近づいていく。 「やあ、やあ……っ!らめ……ぇ、もう、もうぅ……!」 頂点に向かって、アヤナは腰の速度を上げる。 「マサちゃあん、あふぅ、マ……サちゃ、んんっ!」 愛する人の名前を叫び、ミサキはしがみつく。 「ああ、ううぅ……ひゃ、あ……!」 凍える仔猫のように、リンコは身体を小刻みに震わせる。 「ミサキッ、若田部ぇ、的山ぁ……ッ!」 そして。 マサヒコが動く。 両腕を、腰を、思い切り突き上げる。 「ああーっ!」 「んんっ!」 「や……あーっ!」 一瞬にして、頂上へと連れて行かれる三人の少女。 桜色に染まる肩、首筋、胸元、お腹。 反り返る全身。斜め上に向かって延びる顎。 飛び散る汗、淫液、唾液、涙。 「あ、あああ……あ」 「……く、うぅ……」 「は……ぅ……」 マサヒコの上に、ミサキ、アヤナ、リンコは重なるように身体を折る。 それから一拍、呼吸を置いて。 「ふ……ぅ……」 マサヒコは精をアヤナの中へと放出した。 ◆ ◆ ガチャガチャ、とドアの鍵が開く音で、マサヒコは目を覚ました。 傍らに眠る三人を起こさないように、そっと身を起こすと、タオルを腰に巻きつけて玄関へと向かう。 この部屋の本当の主を出迎えるために。 「……お帰りなさい、濱中先生」 「だだいま、マサヒコ君」 「お仕事、お疲れ様でした」 「ううん、マサヒコ君こそお疲れ様」 マサヒコは照れたようにポリポリと頭をかいた。 そんなマサヒコを見て、アイはニコリと微笑むと、靴を脱ぎ中へと上がった。 「すいません、部屋を使わせてもらって」 「いいよ、一対一じゃともかく、三人を相手にするのは、さすがにマサヒコ君やミサキちゃんの家じゃ無理だしね」 申し訳なさそうな顔をするマサヒコに、アイはパタパタと手を振って慰めるように言葉を返した。 「しかしタイヘンですね、塾の講師っていうのも。もう0時近いですよ」 「そうだね、仕事いっぱいだし、家庭教師とは違った緊張感もあるし……肩がこっちゃう」 アイはそう言うと、寝室の方へと視線を移した。 「……皆寝てるの?」 「……ええ、はい」 また、マサヒコは頭をかいた。 「久しぶりに全員揃ってヤッたんだね」 「ええ、そうで……いや、違います」 「え?」 「……先生がいませんでした」 「あ……」 アイは顔を真っ赤にすると、内股をモゾモゾと動かした。 「もう……マサヒコ君のいじわる。仕事のこと知ってるくせにい……」 「はは……」 「うふふ……じゃあ、マサヒコ君……」 アイはペロリ、と舌先で唇を舐めた。 「じゃ……私も、お願いしていいのカナ……?」 「……」 マサヒコに否は無い。 言葉に出さずとも、腰にまとったタオルの下から、むっくりと起き上がったモノが如実に答を示している。 「……居間に行こっか。皆起こしちゃ悪いし……それとも、五人でする?」 マサヒコは首を振った。 そしてアイに近づき、肩を抱いて唇を重ね、舌を捻じ込んだ。 「はむ……むぅ」 「んくぅ……う……」 三十秒程、二人は舌を絡めあった。 「……それは、また今度にしましょう。何回か覚えてないくらい、皆とヤッたので……」 「……嬉しい、じゃあ、マサヒコ君を独占出来るんだね?」 マサヒコは腕に力を込め、アイを抱き締めた。 押し付けられたマサヒコの怒張を感じ、アイはほうっと熱い息をひとつ吐いた。 「お疲れのところすいませんが……もう少しだけ、残業をお願いします先生」 「もう、そんな言い方しないでよぉ」 「はは……スイマセン、先生」 マサヒコは笑うと、アイをひょいと抱えあげた。 「やん、マサヒコ君……」 「じゃあ、居間へ行きますよ……」 マサヒコは足音をたてないように、摺り足で居間へと移動した。 同じく、音をたてずにドアを開け、中に滑り込むと、静かにドアを閉めた。 F I N
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