作品名 作者名 カップリング
「まさか…な…」 新参者氏 カナミ×マサヒコ

小久保マサヒコ 15歳の春
家庭教師を交えての勉強(?)の甲斐あって、見事英稜高校に合格した。

一方で、その幼馴染である天野ミサキは、明晰な頭脳を駆使し、進学校である(女子校)へと入学する。
マサヒコへの淡い想いを断ち切れないでいたミサキは、
受験の際、滑り止めとして英稜高校をの入試を受け、聖光女学園は落ちたことにして、
マサヒコと同じ高校へ入学することを企てたが、結局実行しなかった。
優等生としての気質が邪魔をしたのか、勇気がなかっただけなのか、
ともかくも、ミサキはわざと受験を失敗することなどできなかった。

天野家から聖光女学園までの通学時間は約1時間。
小久保家から英稜高校までの通学時間は約15分。

二人が顔を合わせる機会は中学生の頃に比べて、激減していた。
「いつでも来いよ」とマサヒコは言っていたが、何かキッカケがなければ訪問できないミサキだった。
ミサキはどこまでいっても臆病だった。
もっとも、だからこそ、15年間も近くに居たのに、想いを告げられずにいたのだが。

しかし、そんな折、マサヒコの方から天野家に電話が掛かってきたのだった。
母親から受話器を受け取るミサキの手は、少し震えていたかもしれない。
「も…もしもし…」
声も少し震えていたかもしれない。
「あぁ…ゴメンな突然…実はさ、ちょっと相談したいことがあってさ…」
一方で、受話器の向こうのマサヒコの声も少し震えているようだった。
よほど、大事な相談なのだろうか。
とにかく、その場では待ち合わせの場所と時間だけを決めて受話器を下ろした。

翌日の昼過ぎ
待ち合わせの喫茶店にミサキが入ると、既にマサヒコは席に座っていた。
軽く片手を上げて入ってきたミサキを呼び寄せる。
「ゴメン…待った?」
そう言ってからミサキは思った(あ、何だかデートみたい)と。
実際、『相談したい』と言われてからここに辿り着くまで、
ミサキは何だかよくわからない期待感のようなものを抱いていた。
『相談したいこと』とは一体何なのか。
(まさか…離れてみてようやく私の想いに気付いてくれたとか…)
というようなある意味自分勝手な妄想もしたりした。
ともかくも、久し振りに二人きりで会える事で、何か変わるかもしれない。
昨日の夜からここまで、ミサキの気持ちは盛り上がる一方であった。

「実はオレ…好きな人ができたんだ…」

しかし、マサヒコから切り出された話の内容は、ミサキの期待を打ち砕くものだった。
運ばれてきたレモンティーから引き上げた匙が、ミサキの手から零れ落ちる。
「へ…へぇ…そう…」
何とか平常心を保とうとするミサキ。
顔を俯き加減にし、表情を悟られないように努力した。
「うん…一目惚れって感じでさ…こんなの初めてで、どうしたら良いかわからなくて…」
ミサキの表情には気付かない様子で話を続けるマサヒコ。
彼の方にも余裕は無かった。
今まで色恋沙汰には興味無しで過ごしてきた彼が、初めて心を揺さぶられ、戸惑っているようだった。
マサヒコの話によると、
相手の女性の名は、城島カナミ
県立小笠原高校の2年生
マサヒコやミサキからすると、1年先輩に当たる
小笠原高校と英稜高校は距離も近く、部活動や文化祭などで交流が多いらしい
新入生歓迎祭においても、両校の行き来があり、そこで彼女を見かけたそうだ
その後、通学路が似ていることも判り、顔を合わせることも多くなっている
最近では、声を掛けられることもあるようだ

いつも冷静なマサヒコにしては珍しく、顔を赤らめて落ち着かない様子で離す。
その様子を見ていて、逆にミサキが冷静になっていった。
「何で…私に相談するの?…」
話の筋とは関係ないが、ミサキはどうしてもそれだけは確認したかった。
「うん…だって、濱中先生とは最近会ってないし…こういうこと相談できそうなのは、天野しかいなかったんだ」
「リンちゃんは?一緒の学校でしょ?」
「…あいつにこういう話が通じると思うか?」
「……そだね…」

(なるほど…とりあえず身近に私しかいなかっただけか…)
ここまで言われて、ミサキの頭はすっかり冷めていた。
こういう相談をしてくるということは、マサヒコはミサキに対して『友達』としか思っていない。
それ以上でも、以下でもない。
つまり、ミサキのアプローチに対して何ら特別な感情を抱くことは無かったということだ。
「…でさ…その人には、小久保君の気持ちは伝えたの?」
ここからは、優等生のミサキが顔を覗かせた。
「そ、そんなまだまだ!全然…」
驚きの表情を見せるマサヒコ。
今日のマサヒコは表情がコロコロ変わる。
私のことで、それだけ必死になってくれたらな、と、まだミサキの中に少しだけ未練が残る。
「…じゃぁさ、とりあえず言ってみようよ。まずはそれからだよ」
言ったところで、ミサキの心に自虐の念が渦を巻く。
自分ではできもしないことを、何他人に勧めているのか、と。
「待ってたって、その人が自分の気持ちに気付いてくれることなんて、そんなにないよ…」
ミサキは、まるで自分自身に言っているように思った。
もう遅いことかもしれないが。
「…でも…」
「断られたって、とりあえず友達になれるかもしれないじゃない。それからゆっくり…」

「……そうだな…うん!とにかくやってみるか!」
そう言ったマサヒコは、とても男らしかった。





「あっさりOKされた…」
「へっ?」
次の金曜の夜、マサヒコからミサキに掛かってきた電話の第1声がそれだった。
ミサキは思わず聞き返してしまった。
「うん…だから、城島さん…付き合ってくれるってさ…」
あまりにうまく事が運びすぎている。
彼氏彼女ってそんなあっさり結実するものなのだろうか。
「え?最初は友達から…とかじゃなくて?」
ミサキにはある意味信じられなかった。
じゃぁ、自分もさっさと告白していれば良かったのだろうか。
「うん…明日休みだから、デートするって…」
「そ…そう、良かったじゃない」
また、心にもないことを言ってしまうミサキ。
優等生の悲しい性だった。
「うん、天野のおかげだよ…ありがとう」
「そんな…私なんて…」
そう素直に感謝されると、また自虐的な気持ちになってくる。
『ありがとう』と言ったマサヒコの口調は、心底嬉しそうだった。



そんなこんなで土曜の昼過ぎ
「おーい!マサくん、こっちこっち!」
待ち合わせ場所の駅前にマサヒコがやって来たところ、既に城島カナミが待っていた。
セミショートの黒髪に、大きな瞳。
その笑顔を見た瞬間、マサヒコの緊張もいくらか和らいだ。
「あー、すみません、待ちましたか?」
「んーん、全然!」
何処かで聞いたようなセリフを交わす二人。
来る前は、からかわれてやしないか、と少し不安もあったマサヒコだったが、
明るく笑顔を向けてくるカナミを見て、そういった思いは吹っ飛んでしまった。
(良かった…思ったとおり良い人みたいだ…)
遅すぎず、早すぎず、マサヒコは時間ピッタリにやって来た。
それでもカナミが待っていたということは、彼女は待ち合わせよりも前の時間に来ていてくれたことになる。
からかうつもりなら、そんなことはしないはずだ。
あまりにうまく行き過ぎて、余計な不安を持ってしまっただけのようだった。
(それにしても…)
カナミが真面目そうだったことに安心しつつも、マサヒコは気になることがあった。
(…いきなり『マサくん』か…)
いつもと違う呼ばれ方は少々照れくさい気もしたが、不思議と嫌な気はしなかった。
「それじゃあ…城島さん、行きます…」
「え?もうイクの?」
その時、カナミは突然、マサヒコの方に顔を向けた。
急激な表情の変化に、マサヒコは戸惑ってしまう。
「え?あ…その…どこか行きたい所あります?」
「あ…あぁそうそう!行きたい所ね…」
カナミは何か誤魔化すような笑みを浮かべながら、頭を掻いた。
(あれ?…オレ、何か変な事言ったかな?…)
何だかよくわからない。しかし、カナミの方はもう元の状態に戻っているようだ。
「…あのね、行きたい所はね、昨日ネットで調べておいたんだ」
「そうですか。いいですよ」
「うん、じゃぁ、行こうか」
そう言うと、カナミは歩き始めた。横に並んで、マサヒコも歩き始める。


「せっかくだから、手つなごっか?」
「えぇっ!いきなりそこまで…」
もっと段階を踏むものだと思っていたマサヒコ。
とりあえず今日のデートはお互いの紹介のようなつもりだった。
それが、そこまで行ってしまうとは
「いいじゃない、別に、街中で身体つなごってわけじゃないんだし」
「へ?」
言葉の意味はよくわからなかったが、カナミの方から強引に手を握ってきた。
そして、そのまま繋いだ手を揺らしながら歩いていく。
(あー、知り合いに会いませんように…)
マサヒコはかつて無い恥ずかしさを体験していた。
典型的な現代っ子で、今までどこかしらクールに過ごしてきたマサヒコは、
このように、人前でベタベタするのは苦手だった。
しかし、相手は年上であるし、何より誘ったのは自分の方だ。
無下に断ることは出来なかった。
「…城島さん…パソコン持ってるんですね…」
恥ずかしさに耐え切れず、とりあえずの話題を探したマサヒコ。
先程の『ネットで調べておいた』とのカナミの言葉から、話題を振ってみた。
ネットなら、自分も利用しているし(父のパソコンであるが)、大丈夫だ。
「んー…私のじゃなくて、お兄ちゃんの…」
「へー…お兄さんが…」
兄が居るとは知らなかった。
マサヒコはまた一つ、城島カナミについて知ることが出来た。
カナミはハハハと笑いながら続ける。
「でさー、調べようとしたら、いきなりエロサイトが立ち上がってきて、ビックリしちゃった」
「え…エロサイト!」
まさか、女性の口からいきなりそんな言葉が出て来ようとは。
いや、しかし、平気でそういうことを言う女性が、かつてマサヒコの周りにいた。
(いやいや…『エロサイト』くらい、今や普通のネット用語だろう…)
そう考えて、マサヒコは頭の中でカナミとあの人物を照らし合わせることは止めた。
というより、考えたくなかった。

「『お気に入り』の中もエロサイトばかりでね」
「へ…へぇ〜ハハハ」
マサヒコは何だか嫌な予感がした。
「まぁ、お兄ちゃんの趣味だから、思った通り、アナル系ばっかだったけど…」
そこまで言われて、マサヒコの頭の中には、
かつて自分の家に押しかけてきていたもう一人の家庭教師の顔が浮かんでいた。
「じ…城島さんって、案外気さくな人なんですね…ハハハ…」
とりあえずそういった言葉で済ませておいたマサヒコだった。



「えーとね…確か…こっち」
カナミに引っ張られるようにして歩いていくマサヒコ。
彼自身も、今日のデートについて、いろいろ計画してきてはいたが、それで楽しんでもらえるかという自信は無く、
このようにカナミの方から行きたい所に連れてってくれるのはむしろ安心だった。
(あれ?…何だか段々変な方に…)
ただ、カナミの行く先がどうにもおかしい。
大通りを抜け、どんどんと路地裏の、人気の無い方へと進んでいく。
そして、遂に
「うわぁっ!…こ、ここって…」
路地を抜けると、そこはホテル街であった。
色とりどりの(主にピンク系)のラブホテルの看板が、あちこちに突き出している。
「マサくん、早く!」
面食らっているマサヒコをよそに、尚もカナミは突き進んでいく。

あちこちにカップルが歩いている。
何組か、ラブホテルから出てくるところも見えてしまった。
彼らが何の目的でここに来ているのか。
(まさか…な…)
そう考えると、マサヒコの心臓は鼓動が速くなるばかりであった。
(いやいや…考えすぎだろ…うん。きっと、この通りが近道なんだよ)
マサヒコは内心冷や汗をかきながらも、自分自身にそう言い聞かせてカナミについていった。


「あったあった! ここだよ」
「え…ここって…」
しかし、マサヒコの予想に反して、カナミが立ち止まったのはその通りのど真ん中にある一つのラブホテルであった。
ここが、カナミの言っていた『行きたい所』なのだろうか。
「さ、入ろ入ろ!」
やはりそうだったようだ。
カナミは唖然と立ち尽くしているマサヒコの手を引っ張って、中へ入っていく。
「え…そんな…ちょっと待ってくださいよ!えぇええ!!」
マサヒコは強く抵抗する暇も無く、カナミと共にホテルの中へと連れて行かれてしまった。



ホテルのロビー
といっても誰もいない。
二人の前には、部屋の内部の様子と思われる写真のついたタッチパネルが並んでいる。
ライトが消えているところは現在使用中ということだろうか。
(いやいや、そういうこと考えてる場合じゃないだろ!いいのか?こんな所来ちゃって)
マサヒコの動悸は早まる一方であった。
その一方で、カナミの方はいつもと変わらぬ様子。
いや、むしろ何だか楽しそうに見える。
漫画で言うなら、『わくわく』という擬音が回りに浮かんでそうな、好奇心に満ちた表情をしていた。
「えーと、一番安い部屋でいいよね…」
そう言って、指で追いながら料金表を参照していく。
「あとね、私、お夕飯の支度があるから、『ご休憩』しかできないんだ…ゴメンね…」
「え?えぇ!…いえ!…はい…」
マサヒコはもうワケがわからなかった。
『ご休憩』の何が良くないのか、その意味すらわからない。
「あ!しまった!今日土曜日だから、特別料金の方になっちゃうんだ!…」
カナミはどうやらお金にシビアな性格のようだ。
『お夕飯の支度』もするそうだから、よく言えば家庭的な面があるのかも知れない。
だが、今のマサヒコにはそういうことを考える余裕も無かった。
「…しかも、平日より時間が短い! これは…うん!早く行こ!」
カナミはタッチパネルを押し、出てきたキーを受け取ると、そのまままたマサヒコの手を握ってダッシュした。
「えぇっ!!ちょ…ちょっと待ってくださいよ!」
「え?…なに?」
カナミは立ち止まる様子は無い。
目的の部屋に向かって走っていく。
「な…何でここが『行きたい所』なんですか?」
「…ネットで調べたら、ここがこの辺で一番安かったの」
マサヒコの質問の意図と、カナミの答えとは、微妙に食い違っていた。

「うわー…思ったよりも広ーい!ベッド大きーい!」
カナミは部屋に入ると、部屋まで来た勢いそのままに、ベッドの上へと飛び込んだ。
「うわー、柔らかーい!ふかふかだー」
そして、そのままベッドの弾力にまかせて身体をバウンドさせる。
その部分だけ見ていると、とても無邪気な少女がはしゃいでいるだけに見えた。
ただ、この場所がラブホテルの中で無ければ問題は無かったが。
「よし!これなら多少暴れても大丈夫!!」
カナミはベッドの弾力を確かめるようにバンバンと掌で叩いた。
そんなに暴れるつもりなのだろうか。
「あの…城島さん…」
マサヒコは完全に置いていかれていた。
部屋の入口で立ち尽くし、オロオロするばかりである。
しかし、カナミの方はまったくお構いなしだった。
「えーと、まずは、シャワーだね!私、先に使ってもいい?」
「えぇ…はい…どうぞ…」
カナミはベッドから勢いをつけて下りると、スタスタとバスルームへと歩いていく。
しかし、ドアノブに触りかけたところで、何か思いついたように立ち止まった。
「あっ!…そうか…マサくん…一緒に入りたい?」
そう言って、少し頬を染めながらマサヒコの方を振り返るカナミ。
「いいいいいい!いいえぇ!そんな、滅相も無い!」
マサヒコは全力で首を左右に振った。
さすがにそれは恥ずかしすぎる。
「良かった…やっぱり、それなりに段階踏まないとね…」
そう言い残して、カナミはバスルームのドアをパタンと閉めた。
「……段階って…」
カナミの段階の切り所が、マサヒコにはいまいち理解できなかった。

バスルームの中から、ザーーっという水の弾ける音が聞こえてくる。
壁を隔てているのに、今のマサヒコには何故か、殊更はっきりと聞こえた。
(ど…どうしよう…このまま流されていいものか…)
カナミがシャワーを浴びている間、マサヒコは何をするでもなく、ただベッドに座って悶々としていた。
握り締めた手にはじっとりと汗が滲んでいた。

「ふぃーー…お風呂…じゃなかった。シャワー空いたよ…」
「うおぁっ!!」
バスルームから出てきたカナミを見て、マサヒコは思わず顔を手で押さえた。
出てきたカナミはバスタオル一枚を羽織っているのみだった。
「マサくんもさ、早く入ってきてよ。あんまり時間ないし…」
「はっ、はいっ!!」
言うが早いか、マサヒコはバスルームへと駆け込んだ。
これ以上、カナミの姿を直視することができなかった。
「はぁ…はぁ…」
そして、曇りガラスのドアを閉めたところでようやく一息つく。
ドアを閉めたところで、自分の傍らにカナミの着て来た服がたたんである事に気付く。
そして、そこには小さな靴下、パンティ(白)やブラジャー(白)まで置いてあることに気付いた。
(…ということは…やっぱりタオルの下は裸なのか…)
心臓が激しく高鳴っている。
こんなことは初めてだ。
いや、今日は何もかもが初めてだ。
初めて過ぎて、対処しきれない。
(ど…どうしよう…このまま流されていいものか…)
さっきと同じ事を考えていた。
いくら悩んでも、決心がつかない。
だが、それでも言われた通りに手早くシャワーを済ませてしまうマサヒコだった。
昔から、言われたことはきっちりやる男。

(ど…どうしよう…このまま流されていいものか…)
考えの堂々巡りをしながら、バスルームを出るマサヒコ。
カナミに倣って、自分もタオル一枚だけ羽織っていく。
そんなマサヒコの目に、信じられない光景が飛び込んでくる。

「なにやってんだ あんたー!」



「ふぇぇっ!!」
突然のマサヒコの声に驚いて、ビクッと振り向くカナミ。
『あふ…うん…いいん…そこ〜』
彼女がさっきまで見つめていた先、TV画面には善がり狂うAV女優が写っていた。
「あの…ゴメン…いや、タダだし、せっかくだから見ておこうかと…」
マサヒコのツッコミに驚いてちょっと歯切れが悪いカナミ。
「ハッ!」
ここにきて、マサヒコも初めて自分がツッコんでしまったことに気付いた。
(しまった!…ついクセで…)
ヤバい、きつく言い過ぎたかな、とマサヒコは激しく後悔した。
「すいません…あの…ビックリしちゃって…」
「あぁ…いいよいいよ…ツッコまれるのは慣れてるし…」
「はい?」
とりあえず、カナミは気に留めていない様子だった。
マサヒコは少し安心する。
「さぁさぁ…こっち座って…」
そして、カナミはベッドの端に腰掛けて、じぶんの傍らを手でポンポンと叩き、マサヒコに座るように促す。
ここまで来たら間違いない。
もう、ヤルしかない。
そう考えると、マサヒコはガチガチに緊張してきた。
ぎこちない動きで、カナミの隣に腰掛ける。
「あ…あの…うわっ!」
緊張した面持ちでカナミの方を向くと、マサヒコの顔のすぐ近くに、カナミの顔があった。
「まずはね…こっち…」
そう言って、カナミは自分の唇を指差す。
そして、軽く顎を上に向けたまま、目を閉じた。
(うわ…これって、ひょっとして…)
キスを求められているのか。
マサヒコはどうしたらよいか解らず、手を宙に彷徨わせる。
「ねぇ…はやくぅ…」
目を閉じたまま、カナミが誘ってくる。

これ以上待たせたら、カナミを傷つけることになるかも知れない。
そう判断したマサヒコは、意を決してカナミの両肩を掴んだ。
そして、ゆっくりとカナミの顔に自分の顔を近付け、
そっと、唇を重ねた。
(…やわらかい…)
初めて感じる女性の唇。
その柔らかさと暖かさに、マサヒコは感動すら覚えた。
が、

「――――!!」

マサヒコに衝撃が走る。
自分の唇を割って、何かが口の中に侵入してきた。
(これは…城島さんの…舌…)
グニュッとした感触のものが、スルッとマサヒコの口の中に入り込み、動き回る。
「うぁっ!…」
慣れない感触に耐え切れず、思わず顔を離してしまうマサヒコ。
「あぁっ…もう、逃げちゃダメ…」
微かに頬を染めながら、カナミはマサヒコの首に手を回し、また顔を近付けて来る。
「あの…城島さん…」
「…ちゃんと名前で呼んで…」
そう言いながら、カナミはまたマサヒコの唇を奪う。
そして、また無遠慮に舌を侵入させてきた。
「…んっ!…んっ!…んん…」
マサヒコの口の中で、マサヒコの舌が、カナミの舌に絡め取られていく。
(オレ…普通のキスさえしたことないのに…)
それは不思議な感覚だった。
他の人の体温が、自分の口の中で動き回る。
だが、少しも嫌な気はしない。
何だか、頭の中が溶けて、浮ついていくようで、
ぼぅっとしてむしろ心地良かった。

「…んん…はぁっ…ん…んん…」
軽く息継ぎをしてキスを続けるカナミ。
上気して赤くなった顔がマサヒコからも一瞬垣間見えた。
マサヒコも、自分の顔が赤くなってきているのが、自分でも判るほど興奮していた。
「……ぷはっ…ふぅ…はぁぁ…」
カナミがようやく口を離す。
二人の口の間には、二人の唾液が絡まり合って、糸となって伸びていく。
「ふふふ…マサくん…顔が…赤いよ。気持ち良かった?」
「は、はい…あの…えっと…」
「…良かった…さくらんぼで練習した甲斐があったよ…」
「はい?」
呆けたように動けないでいるマサヒコをよそに、
カナミはその目の前で、自らの身体を包むバスタオルを外し始めた。
「うぁっ!カ…カナミさん…そんな…」
薄暗い部屋の灯りの中、カナミの肢体がマサヒコの前に露わになる。
一糸纏わぬ姿。
母親以外の女性の裸を、初めて目の当たりにしたマサヒコは、思わず目を背けてしまった。
「カ…カナミさん…何で、そこまで…」
マサヒコは自分で何を言いたいのか良くわからなかった。
ただ、1回目のデートでここまで来てしまうとは、完全に予想外で、
先程意を決したつもりでいたが、改めて裸体を目の前にすると、それ以上踏み込む勇気は無かった。
「え?…だって、付き合うっていったら…エッチするんじゃないの?…」
カナミはそんなマサヒコの態度も意に介さず、身体をマサヒコの方に近付けて来る。
そして、マサヒコの腰に優しく手を回し、彼をガードしているタオルを剥ぎ取った。
「あっ!そんな…待って…」
「えっ!マサくんってひょっとしてエッチできない人?」
「いや…違います…多分…(EDとか言われてたけど)」
マサヒコがそう答えた途端、カナミの表情が少し沈んだ。
「じゃぁ…ひょっとして…私とはしたくないとか………貧乳だし…」
「いや!そんなことは決して!…」
裸でいるカナミの方を見るのは躊躇われたが、彼女を傷付けまいという心から、マサヒコはじっとカナミを見つめる。
マサヒコに見つめられながら、カナミの表情が、また弛んでいった。

「えへへ〜…じゃぁいいよね…」
そう言って、カナミはマサヒコの内股を掴み、強引に足を拡げさせる。
「え?…いやあの…でも…」
突然のことに、マサヒコは慌てて自分の股間を手でガードする。
「え?まだ何かあるの?」
カナミの頬が、不満そうに膨らんだ。
「いや…そうじゃなくて…もう少し段階を…」
「段階?…あぁ…大丈夫だよ!ちゃんと勉強してきたから。エッチの順番」
グッと親指を立て、前に突き出すカナミ。
自信満々といった様子だ。
「いえ…そっちの段階でなくて…もっと前の…」
「だから!次はマサくんのを勃たせることになってるから!……ほらぁ!!」
「あぁっ!!」
カナミは、股間を覆っていたマサヒコの手を力任せに引き剥がすと、
その先に現れたマサヒコのイチモツをマジマジと見つめた。

「………あれ?……」

怪訝そうな顔をするカナミ。
「な…何か…不都合でも?…」
マサヒコには、カナミの表情の理由がわからなかった。
と言うか、今日の彼女の行動は全てわからなかった。
「……全然反応してない…」
カナミの目の前で、マサヒコのペニスはだらしなく垂れ下がっていた。
「おかしいなー…『ここまでくれば彼のモノは半勃ち』のはずだったのに…」
「何ですかそれは?…」
まるで、何かを参照してきたかのような物言いだ。
「いやその…緊張してるんですよ…」
だが、それよりも、股間を曝け出したままじっくりと観察されている今の状態が物凄く恥ずかしかった。
「…やっぱり…私の身体のヴォリュームが足りなかったとか?…視覚的に…」
カナミが、下からマサヒコの顔を見上げてくる。
ちょうど上目遣いになるので、マサヒコはドキッとした。

もともと顔から憧れただけに、その攻撃が一番効く様だった。
「あっ!…今ピクッて動いた!」
カナミがマサヒコのペニスに顔を近づけてくる。
「そ…そんなに見つめないでくださいよ…」
今にも触れてしまいそうだ。
悲しいことに、マサヒコのペニスは益々反応してしまう。
「よーし!じゃぁ次!」
そう言うと、カナミはペロッと舌を出した。
そして、

「うわぁっ!そ…そんなぁ!!」
硬く尖らせたカナミの舌先が、ペチョッとマサヒコのペニスに触れた。
マサヒコは敏感に反応し、カナミの目の前でペニスが揺れる。
「あ…ひょっとしてマサくん…初めて…」
カナミが、また上目遣いでマサヒコを見つめてくる。
その表情を見るにつけ、またマサヒコは堪らない気持ちになるのだった。
「うぅ…その…」
「へへへ…初めてなんだ…やったね!」
そう言うと、カナミはまたマサヒコの股間に顔を埋めていく。
カナミの柔らかい吐息が、剥き出しのマサヒコのペニスに降り掛かる。
「あぁぁぁ…」
マサヒコはまた1オクターブ高い声を上げた。
カナミが、まだ柔らかいマサヒコのペニスを舌で持ち上げ、優しく口に含んだのである。
「あっ…そんな…あぁぁ…」
フニャフニャで柔らかいペニスを、唇でモゴモゴと弄ぶ。
口の中では、ゆっくりと舌を動かし、亀頭の先の裂け目を弄る。
柔らかく暖かい女性の唇に包まれて、マサヒコはかつて無い感覚に悶えていた。
これが、快感というものなのだろうか。
(あぁ…あったかい…なんだこれ?…気持ち良いのか?これ?…)
よくわからない。よくわからないが、
もっと、もっとして欲しい。
カナミの口の中で、マサヒコのペニスが徐々に硬く、芯を持ち始めていた。

「ふふふ…硬くなってきたね…」
カナミは一旦口を離すと、また舌先を尖らせて、ペニスと陰嚢の境目を突付いた。
「うっ…あう…」
まだ経験の無かったマサヒコは、カナミの舌の動き全てに一々反応してしまう。
カナミは満足気に微笑むと、ペニスの先を摘んで持ち上げた。
そして、直立させたペニスの裏スジを、下から上に持ち上げるように舌先でなぞる。
「うぁぁあっ!」
その瞬間、マサヒコの背筋にゾクゾクッと悪寒が走り、
それに伴って、マサヒコのペニスもビクビクと震え、僅かに膨らんだ。
「あっ…あっ…あぁっ…」
更にカナミの舌が、上から下へ、下から上へと往復を始めたから堪らない。
マサヒコのペニスは、カナミが見守る中、どんどん太く硬く膨張していった。
「へー…マサくんは、仮性包茎さんだね…」
カナミはそう言いながら、マサヒコの余り気味の皮の間に舌を喰い込ませる様に突付き、
指を使ってゆっくりと剥いていった。
「あっ!…ちょ、ちょっと痛いです…うぅっ…」
マサヒコのピンクの亀頭が剥き出しになる。
カナミは構わずに、そのピンクの亀頭に舌を這わせた。
「んっ…ここも硬くなってきてるね…」
そして、亀頭の先の裂け目に口付すると、亀頭の傘の裏に差し込むように舌先を入れ込んでいく。
その瞬間、マサヒコは身体に電流が走ったように感じた。
「あぅっ…ダメです…そこ…すごい…うぅぅ…」
マサヒコのペニスがビクンビクンと震える。
痛いほどに伸び上がっていくマサヒコのペニス。
もう、カナミの支えが無くても直立するほどに勃起していた。
「ふふ…マサくん…この辺が弱いんだ…いいよ…イッちゃいなよ…」
そう言って、カナミはマサヒコの亀頭に吸い付いた。
チュッ!チュッ!と亀頭が吸い上げられ、唾液の爆ぜる音が聞こえてくる。
何だか、とてもいやらしい音だに聞こえる。
一番敏感なところを集中して責められ、マサヒコは内側から段々込み上げてくるものを感じた。
「そ…そんな…ダメですよ…あぁっ…」
言葉とは裏腹に、マサヒコのペニスは爆発しそうなほどに膨れ上がっていた。

「えー、でも、タマタマがピクピク震えてるよ…もうすぐ出そうなんじゃないの?」
口を離したカナミが、指を使ってマサヒコの陰嚢をそっと持ち上げる。
カナミの指の上で収縮し、震える陰嚢は、宛らカナミに弄ばれているようだった。
「ダメです!今触っちゃ…あぁ…」
マサヒコが苦しげに眉を顰め、身体を強張らせて込み上げてくる波に抗っていた。
しかし、カナミはむしろそれを打ち崩そうとしてくる。
限界が近くなったマサヒコのペニスを前に、大きく口を開けると、
まるで頬張るように自らの口の中へ飲み込んでいった。
「ダメです!ホントに出そうなんですってば!…あぁ…なんで…」
そして、カナミはそのままペニスの根元近くまで一息に飲み込んだ。
柔らかい舌全体が、ペニスの竿に絡み付く。
硬く張り詰めた亀頭が、カナミの喉元に貼り付く。
「んんっ…」
そこまで来たところで、カナミも眉を顰める。
膨張したマサヒコのペニスが、少々サイズ過多だったようだ。
口の中一杯にマサヒコの肉棒を頬張りながら、カナミはゆっくりと鼻で息をつき、落ち着こうとする。
「あっ…うぅっ…そんな…」
しかし、カナミが息をつくと喉が収縮し、
そこに貼り付いているマサヒコの亀頭を締め上げ、攻め立てる結果となってしまった。
少し落ち着いたところで、カナミは頬を窄めながらゆっくりとペニスを抜き出していく。
そして、カリ首が唇に引っ掛かるところまで抜き出すと、また喉元まで挿入していく。
そうやって、ゆっくりと口内へのペニスの抽送を開始していく。
「んっ…んっ…んっ…んんっ…」
カナミの頭が、マサヒコの股間でリズミカルに上下する。
「あっ…あっ…うぅっ…」
カナミの口の動きに合わせて、マサヒコからも声が漏れる。
舌が、頬肉が、喉が、マサヒコのペニスを擦り上げ、
内側から込み上げてくる波が大きく、顕著になっていく。
「あぅっ…も…もうダメです…早く…早く頭を退けて下さい…ホントに…ホントに出ちゃいますよぉ…」
自分でも信じられないほどにマサヒコのペニスは張り詰め、カナミの口の中でピンと伸び上がっていく。
マサヒコは申し訳なく思い、せめて口内射精は避けようと、カナミの頭に手を掛けた。

「うぅ…もう…早く…」
しかし、ペニスを抑えられているため力が入らない。
カナミを退かすことができない。

「も…もう…あ…あ…あぁあぁぁぁ〜…」

マサヒコが端から聞いたら情けないほどに力が抜けた声を出した。
と、同時に、カナミの口の中でペニスがビクンと大きく脈打つ。
そして、先端から勢い欲熱い粘液が溢れてきた。
その動きを察知したカナミは、すぐさま動きを止め、流れ込んでくるマサヒコの精液を口内の広い所で受け留める。
「うっ!…うぅっ!…うっ!…」
小刻みに呻きながら、身体を震わせて、精液を吐き続けるマサヒコ。
若く、勢いのある射精。カナミは、まるで喉に叩きつけられるように感じ、眉間に皺を寄せた。
「ごめんなさい…カナミさん…うぅうっ!…」
カナミはペニスの竿を指で支えながら、コスコスと小刻みに動かし、マサヒコの射精を促してやった。
マサヒコの射精は量も多く、なかなか収まらなかった。
カナミの口の中いっぱいに、マサヒコの熱い精液が広がっていく。
「んんっ!…」
口の中に収まりきらなくなって、カナミはマサヒコのペニスから顔を離してしまった。
シーツの上にペトリと落ちるマサヒコのペニス。
直立するほどの力は無くなり、トロトロと余りの精液が流れ出していた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
ようやく射精を終え、荒く息をつくマサヒコ。
目の前では、自分の精液を口内に収めたカナミが、口元を押さえたまま震えている。
「んぐっ…んん…」
呆けたように脱力しているマサヒコが見つめる中、
カナミは懸命に舌と喉を動かして、口内の精液を飲み込んでいった。
「……にが…」
カナミが呟く。
「…そんな…無理して飲まなくても…」
心地良いような脱力感の中、マサヒコは気だるそうに言った。
「え?…でも、飲んでくれた方が嬉しいんでしょ?男の子って…」

そう言って、カナミはマサヒコに顔を近付け、ペロッと舌を出した。
全部飲み込んだことの証明だろうか、確かに口内にはもうなにも残っていないようだった。
「やめてくださいよ…何だか…恥ずかしい…」
マサヒコはまた顔を赤くして目を背けた。
(あ…可愛い…)
だが、それはむしろカナミを萌え上がらせたようだった。
「マサくんのってさ…すっごく濃いの…喉に引っ掛かって大変…」
「やめてくださいってば…」
「…噛めそうだったよ…」
「もう…恥ずかしいな…」
そう言って、マサヒコは顔ごと背けてしまった。

「ふふふ…」
あまりイジメるのも可哀想に思ったカナミは、次のステップへ進むことにする。
「マ〜サくん!こっち向いて」
言われた方を振り向くマサヒコ。
その先にはマサヒコの知らないものがあった。
「うぁっ…」
「もー、マサくんったらそればっかり…」
マサヒコの目の先では、カナミが大胆に足を拡げていた。
「次はねー、私の番。マサくん、ちゃんと濡らしてね…」
目の前に露わになるカナミの女性器。
控えめの陰毛は、柔らかな縦スジを隠し切ることは出来ず、
性器の柔肉の形がはっきりと目で判る。
初めて見る女性の大事な部分。
マサヒコは頭に血が昇っていくのを感じ、自分の性器もまた反応し始めているのを感じていた。


「やだ…マサくんのエッチー…」
カナミに言われてマサヒコはハッとなった。
いつの間にかカナミの股間に見入っていた自分に気付く。
「あ…あぁ…あの…」
しかし、それでも目を逸らせないでいるいる自分がいる。
自分の中にも、こんなスケベな部分があったのかと思うと、マサヒコは何だか恥ずかしくなった。
「ふふっ…ひょっとして、初めてなの?…ココ見るの…」
カナミは決して嫌がってはいなかった。
女性器をマサヒコに見つめられながらも、足を閉じようとはしない。
ただ、少しだけ頬が赤くなっている。
さすがに恥じらいは持っているようだった。
マサヒコの方も、一度射精したことで、ある程度腹を括った感がある。
「はい…あの…初めてで…」
「どう?エッチなマサくん」
「エッチはやめて下さいよ…その…もっとアワビみたいとか思ってたけど…」
マサヒコとて、男子だ。そういう類のメディアに触れたことが無い訳ではない。
ただ、今実際に目の当たりにしているカナミの女性器は、今まで見聞きしたものとは違って見えた。
微かに柔らかく盛り上がった肉感。
真ん中に縦スジが一本あるのみで、その形はとても整って見える。
「ちゃんとあるよ…アワビみたいなのは…」
マサヒコの疑問を見透かしたかのように、カナミが言う。
「……この中に…」
そう言って、カナミは自らの指で陰唇を横にずらして見せる。
白い恥丘の間に、ピンクの小陰唇が少し顔を覗かせた。
ゴクッ…
マサヒコの喉が動いた。
端から聞いても聞こえるほどに、はっきりと生唾を飲み込んだ。
緊張感が解れ、興奮が優先され始めている。
「ねぇ…ここから先は…マサくんが開いてよ…ちゃんとマサくんが濡らさないといけないんだよ…」
言いながら目を閉じてしまうカナミ。
大胆なことを言う割には、時折見せる恥じらい。
実はカナミ自身、こんなことを他人に言うのは初めてで、好奇心と羞恥心の間で揺れていた。

それを知ってか知らずか、マサヒコは言われた通りに、カナミの股間に顔を近付けていく。
「い…いきますよ…」
「…うん…」
今や、マサヒコも好奇心に動かされつつあった。
カナミの女性器をしっかりと見据えながら、ゆっくりと指を近付けていく。
「…んっ……」
マサヒコの人差し指が、ワレメに触れる。カナミの口から、無意識のうちに声が漏れ出す。
(うぅ…や、柔らかい…)
少し力を入れただけで崩れてしまいそうなカナミの恥肉。乱暴に扱うことはできず、マサヒコは逡巡するように、カナミの縦スジを指でなぞった。
「やだ…くすぐったいよぉ…」
マサヒコの指が動くと、カナミの足が振るえ、太股が揺れた。
「大丈夫ですか…」
「うん…でも、変な感じ…自分で触るのとは全然違う…それにしても…」
カナミは自分の性器に触れているマサヒコの指先に目を落とした。
「…マサくん…ちゃんと爪切ってるんだね…良かったよ…」
「そうですね…」
女性のデリケートな部分に触るにはちょうど良かった。
「…ひょっとして、マサくんも最初っからヤル気だったんじゃないの?エッチー」
カラカラと笑うカナミ。
この娘はどんな状況にあっても明るかった。
「な、何で爪切ってただけでそうなるんですか!」
マサヒコが爪を切ってきていたのは初デートに合わせて身だしなみを整えた結果だった。
ただ、それがたまたま功を奏した結果となったのだった。
「…ねぇ…マサくん…あんまり焦らさないでよ…」
軽い冗談で誤魔化しつつも、カナミの身体は微かに震えていた。
やはり、恥ずかしいものは恥ずかしい。
「…はい……」
この頃になると、マサヒコの頭からは逃げるという選択肢は無くなっていた。
流されるばかりではない。彼女が求めているんだから、答えようという気持ちが起こっていた。
意を決して、もう片方の手を、カナミの股間に伸ばしていく。
「…あっ…んん…」
そして、両手の人差し指をワレメに引っ掛け、陰唇をゆっくりと左右に割り開いた。

「うぅ…」
マサヒコの目の前に、カナミのピンクの小陰唇が露わになる。
正に、人間の内側といった色。しかし、決してグロテスクな感じはしない。
むしろ、それは美しいと感じられた。
「…ぅはぁ…ねぇ…マサくん…わかる?ココ…」
カナミの口から、甘い息が漏れる。
カナミの太股がフルフルと震えている。
今まで、何度も自分で拡げたことはあるが、他人に、しかも男の子に拡げられると、凄まじいばかりの刺激だった。
そのまま崩れてしまいそうになるが、カナミは気丈に、自らの指で膣口を指し示した。
「…ココだよ…ココを濡らすの…」
マサヒコの前に晒されて、カナミの小さな膣口は恥らうようにヒクヒクと収縮を繰り返している。
それを見て、マサヒコは なるほど、と感じた。その形状は確かにアワビを連想させる。
だが、それよりも、もっと魅力的なもの、そして、もっともっと淫猥なものに見えた。
マサヒコは、自分がガラにも無く夢中になっていることを自覚した。
普段は、何事も深く入り込めない性格であったはずなのに、今はそこから目を逸らすことが出来ない。
「はぁ…うぅ…」
自分の息遣いが荒くなっていくのが判る。
心臓が高鳴っていく。
マサヒコは、指でカナミの陰唇を割り開いたまま、その場所に顔を近づけていった。
そして、カナミが自分にしてくれたことを思い出しながら、静かに舌を這わせた。
「やんっ!!」
だが、次の瞬間、マサヒコの両側から、カナミの太股が迫ってくる。
「がっ!」
突然、バチンと閉じられたカナミの内股に挟み込まれるマサヒコの頭。
反射的に閉じてきたのか、手加減は無く、マサヒコは少し痛かった。
「い…いきなり舐めるなんて、反則だよぉ…もぉ…ビックリしたー!」
そう言いながら、カナミは太股で挟み込んで止めたマサヒコの頭を股間から引き剥がす。
「え?…でも、濡らすって…」
マサヒコはワケが解らなかった。
経験が無い中、自分なりに考えて、カナミと同じ行動をしたつもりだったのだが、
何がマズかったのだろうか。

「違う違う!…もぉ…順番が違うよ…」
「え?そうなんですか?…」
「…最初は手から!まず片手でゆっくり解して、柔らかくなってきたら、指1本入れてみて、また解して、少し濡れてきたら、舌で解すの!」
両手をブンブンと上下に振りながら、細かい説明付きで抗議するカナミ。
「は…はぁ…」
しかし、マサヒコは元々そういう手順など全く知らないので、
カナミの抗議には少し腑に落ちないところがあった。
「難しいんですね…頑張ります…」
マサヒコにはそれしか言えなかった。
「よろしい!じゃぁ、頑張って続き…」
そう言って、またマサヒコに身を寄せるカナミ。
今のやりとりで、マサヒコも緊張が少し弛んだ。
そして、
(…女の人の太股って…あんなに柔らかいんだ…)
実は、先程挟まれたとき、痛みよりもまず柔らかさ感じたマサヒコだった。
(それに、スベスベだし…)
再びカナミの性器に触る前に、カナミの太股を撫でてしまうマサヒコ。
「…?」
カナミからの反応は特に無い。
(ヤバい…オレ、どんどんスケベになってる…)
そう思いながらも、今はそれが正しいことであるように感じられた。
かつては、あれほど敬遠していたのに、今はむしろそうなることを求められている。
「いきますよ…」
マサヒコは、片手でカナミの性器を覆い、中指でゆっくりとワレメをなぞる。
「…ん……」
マサヒコの指が触れた瞬間、カナミの身体が僅かに振るえた。
カナミに言われたとおり、大陰唇に指を当て、ゆっくりと時計回りに回し、マッサージするように解していく。
「やだ…変な感じ…自分で触るのと全然違う…」
何度と無く自慰をし、自分で自分の性器を弄ってきたカナミであったが、
今、他の個に触れられている、ただ触れられているだけでも、何倍にも感じる。

「…あぅ…」
マサヒコが手の動きに変化をつけてきた。
ただ回転させるばかりではなく、指を押し当てて、陰唇の弾力を発揮させる。
そして、今度は親指と人差し指・中指を性器の両端を横から挟み込むように配置し、
両端から柔肉を寄せてワレメを強調し、
今度は逆に開いていく。
「…いやん…マサくん、何でそんなの知ってるの…」
横方向から何度も刺激を加え、プニプニとした陰唇の弾力を存分に楽しんでいるようにも見えた。
「いや…オレだって解りませんよ…ただ…こうすればいいかな…って…」
「…ふふ…マサくんはやっぱりエッチだ…」
「もういいですよ…エッチでも…」
見つめ合うマサヒコとカナミ。
カナミの興奮が、だんだんと顕著になってきている。
マサヒコが手で開いていなくても、自然と女性器が開き、小陰唇が僅かに露出している。
「……指、入れてみて…」
「うん…」
マサヒコには躊躇は無かった。
左手の中指と人差し指を使って、カナミの大陰唇を優しく開く。
露わになった膣口に、右手の中指を近付け、そっと当てがった。
「ん…」
そして、ゆっくりと第1関節まで滑り込ませる。
「…はぁぁ…ん…」
異物感に悶えるカナミ。
マサヒコの指は、驚くほどスムーズに入っていった。
(…ヌルッとする…)
初めて体感する女性の内部の感触。
「うわ…これ、濡れてるんですか?」
マサヒコは、自分の指先がジットリと濡れていくのを感じた。
「う…ん…そう…マサくんのせいで濡れちゃった…」
少々の粘り気を持った恥液が、マサヒコの指先に絡みつく。
さらに、指を受け入れた膣口が収縮し、マサヒコは自分の指が吸い込まれていきそうに感じた。

(…でも……)
マサヒコの心に残る疑問。
(こんな小さな穴に、入るものなのか?…)
カナミの膣口は、マサヒコの中指1本を飲み込んだところで既に塞がっている。
それ以上の隙間は見当たらない。
さらに、指一本でさえも締め付けられるようなのに、
ここに男性のペニスが入ることは想像し難かった。
「ねぇ…ゆっくり…ゆっくり動かしてみて…」
「はい…」
それでも、カナミの言うとおりに解していけば、状況が変わるのだろうか。
マサヒコは、ともかくも指を動かし始める。
ゆっくりと抜き出し、またゆっくりと挿入していく。
指先に絡みついた潤滑液のお陰で、今度は第2関節までスルスルと入っていった。
「アッ!…入ってくる…ん…」
カナミの中で、マサヒコの指が膣壁に割り込んでくる。
閉じていた肉壁の中に割り込まれ、刺激が腹にまで響いてくる。
(あぁ…また動いた…)
マサヒコの指の動きにカナミの膣内が反応し、キュゥッと纏わりついてくる。
指先に神経を集中しているためか、カナミの反応は如実にマサヒコに伝わってきた。
「はぁ…あっ…んんん…」
ゆっくりと指の抽送を繰り返すマサヒコ。
徐々に、だが確実に、カナミの内部から滲み出る愛液の量が増してきている。
愛液の量が増すに連れて、マサヒコの指が滑り、抽送のペースが速くなっていく。
「カ…カナミさん…これでいいんですか?…」
マサヒコは不思議な感覚を覚えていた。
ただ、指を入れているだけなのに、すごく興奮してくる。
口を半開きにし、微かな声を漏らしながら、身体を反らすようにして太股を震わせているカナミ。
その姿を見ているだけで興奮が増してくる。
そして、自分がカナミをそうさせていると考えると、自分も堪らない気持ちになってくる。
マサヒコは、自分のペニスが、触れてもいないのに硬度を増してきていることを悟った。



「カナミさん…あの…そろそろ次に行っていいですか…」
マサヒコは自分で自分の言葉に驚いていた。
いつになく積極的になっている自分に。
言われる前に、自分から行動しようとしている自分に驚いていた。
「え?…あ…」
カナミの返事も充分に聞かずに、指を抜き取り、代わりに顔を近付けていくマサヒコ。
もう、興奮を抑えることが出来ない。
「ぅあんっ…」
カナミが今までよりも高い声を上げる。
マサヒコの舌が、カナミの陰唇に触れた。
そしてそのまま、僅かに開いているワレメに沿って、舌を上下に動かす。
「…特に、味は無いんですね…」
それが、マサヒコが抱いた正直な感想だった。
「…うん…無味無臭なんだよ…あっ…でも、私のアソコが…」
それ以上言うことは、さすがのカナミも恥ずかしかったらしい。
確かに、愛液自体は無味無臭。
ただし、カナミの身体はそうはいかない。
如何に洗ったところで、ヒトの匂いと言うものがある。
カナミの性器がもつ匂いは、さきほどからずっとマサヒコの鼻腔を擽っていた。
雌の匂い。
しかし、今のマサヒコはその匂いをむしろ心地良いと感じるようになっていた。
まるで興奮剤のように作用し、マサヒコを誘ってくる。
マサヒコはカナミの太股に当てていた両手を、もう一度カナミの股間へと配置し、
またゆっくりとカナミの大陰唇を左右に割った。
「あ…まさか…舌入れるの?…」
再び剥き出しにされたカナミの膣口が、ヒクヒクと震える。微かな恐れを抱きながらも、マサヒコの次の行動を待っている。
「はい…入れます…」
はっきりと宣言し、尖らせた舌を、カナミの膣口へと近づける。
「はぁぁ…」
唾液をタップリと含んだマサヒコの舌が、カナミの体内へ入り込む。
指とは違う、グニャリとした柔らかい感覚が中に入ってくる。

「うぁぁ…暖かい…変な感じ…」
舌は指よりもはっきりとマサヒコの体温を伝えてくる。
挿入的には浅いものの、独特の柔らかさと複雑な動きをもつ舌の感触は、カナミを震えさせた。
ゾクゾク悪寒が背スジを走り抜け、カナミの身を反らせる。
「あぁぁ…すごいよ…動いてるぅ…」
カナミの中で、マサヒコの舌が動き回る。
効果的な動かし方などわからなかったが、マサヒコは本能に従って考え付く動きをした。
「はぁ…んっ…やぁぁ…」
細かく複雑な舌の動き。
オナニーでは決して得られない感覚。
プルプルと身を震わせながら、カナミの中からは次々と恥液が湧き出してきていた。
(うぁぁ…頭の中が…ボーっとなる…)
カナミから溢れる愛液を舐め取っているうちに、マサヒコはまるで夢心地のような感覚に襲われる。
カナミの膣襞がキュゥキュゥと収縮し、舌を締め付ける感覚が、マサヒコの興奮を増徴する。
マサヒコの興奮は極致に達していた。
「うわぁ…すごい…すごいよマサくん…私、何だかせつなくなってくるよぅ…」
興奮が高まっているのはカナミも同じであった。
荒くなった息遣い。
上気した頬。
このときカナミは気付いていなかったが、カナミの控えめな乳房の頂点も、勃起したように高くなっていた。

貪るようにカナミを欲するマサヒコ。
このとき、マサヒコはふと触ってみたカナミのワレメの頂点が、硬くしこりを持っていることに気付いた。
(何だ?…これ…)
そっと指で触れ、そこに被っている陰唇を割る。
「ひゃぅっ!!」
その瞬間、カナミが今までに無い勢いで背を反らせた。
「やぁっ…ダメ…そこはダメなの…」
マサヒコの指が、微かに表面を通過しただけで、カナミは暴れるように足を浮き上げる。
(これ…ひょっとして…)
性の知識にはあまり積極的でないマサヒコでも、さすがにその存在は知っていた。
もっとも、あの不良家庭教師から得た知識なので、どこまで正確かはわからないが。

ただ、今のカナミの反応を見る限り、これが女性の陰核であり、もっとも重要な性感帯であることはよくわかった。
マサヒコの中で、今までなかった好奇心が首を擡げてくる。
マサヒコは、両手の人差し指を使ってワレメの頂点辺りの陰唇を割り開く。
次に、静かに膣口から舌を抜き取ると、硬く尖らせたまま、その頂点を突付く。
そして、その部分を穿るように舌を食い込ませた。
「やっ…ダメッ!…ダメって言ってるのにぃ…」
食い込んだ舌に誘われて、遂にカナミの陰核が露出する。
マサヒコは、誰に教えられたわけでもないのに、まるで、そうすることが当たり前であるかのように、
硬く充血したカナミの陰核を、唇でそっと甘噛みした。

「うぁあああっ!ダメェェ!!」

次の瞬間、カナミが一際大きな声を上げ、
それと共に、カナミの膣口のわずか上方から噴水のように尿が飛び出し、
マサヒコの顔面を直撃した。
「やぁ…やだ…オシッコ…オシッコ出ちゃった…」
カナミの興奮が最高潮に達した証拠だった。
自分では抑制できず、無意識のうちに放尿してしまったカナミ。
「オシッコ…少し飲んじゃいました…」
そう言いながらも、マサヒコは少しも気に留めていない。
この短時間で随分図太くなった。
「…もぉ…マサくん好きぃ…」
抑制が効かなくなったカナミが、勢い良くマサヒコに抱きついてくる。
そして、きつく抱き合いながら、二人は熱い接吻を交わした。



「えへへ…もう、準備OKだよ…」
接吻を交わした後、身を離したカナミは、またマサヒコの前に座り、足を拡げてみせる。
自然と開いた性器。ヒクヒクと収縮を続ける膣口は、愛液を湛えてテラテラと光っている。
良く見ると、白かった肌も、紅潮してわずかにピンクになっていた。
その卑猥な眺めに誘われるように、マサヒコも身を寄せていく。
「あっ…マサくんのも硬くなってる…」
近くまで来たところで、カナミはマサヒコの股間に手を伸ばし、確かめるように下から握った。
「はい…あの…すごく興奮しちゃって…」
マサヒコも、もはやそれを恥ずかしいとは思わない。
むしろ、もっと触って欲しいとさえ思える。
「いいよ…来て…」
充分な前戯を経て、カナミの身体は受け入れ態勢にある。
マサヒコから手を離すと、背を反らし、シーツの上に後ろ手に手を突いた。
「…はい……」
マサヒコは、コクリと頷くと、カナミの太股の下に、自分の太股を滑り込ませた。
そして、片手で自らのペニスを掴み、ゆっくりとカナミの膣口へと近付けていく。
そして、亀頭の先が、カナミの膣口に接吻をした。
「んんっ…んっ…」
腰に力を入れ、一気に前へ進める。
カナミの愛液の力を借りて、マサヒコのペニスが挿入されていく。
「はぁぁあ…あんっ…」
カナミの表情が歪む。
膣壁を押し拡げられる痛みに眉を顰め、鳴き声にも似た声を上げる。
「入った…入っちゃったよ…マサくぅん…」
「うぁぁ…すごい…きつい…」
マサヒコのペニスは一息に半分ほど挿入された。
それ以上は、締め付けが強すぎて入っていかない。
「はぁ…はぁ…すご…何だこれ…何か動いてる…」
太いゴムを巻きつけられているような感覚。
カナミが身を震わせると、膣襞が蠢き、密着したペニスを擽る。

「…ちょ…ちょっと待って下さい…」
「ふぇぇ…何?…なに?…」
凄まじい締め付けに耐え切れずに、一度身を引くマサヒコ

「うわあああああああああぁぁっ!!!」

その瞬間、マサヒコはこの世の終りかのような声を上げた。
今、引き抜いた自分のペニスを見て、身を凍らせるマサヒコ。
「カ…カナミさん…血…血が…」
「えぇ?…なに?…も…よく…わかんない…」
マサヒコが引き抜いたペニス。
そこには、うっすらとではあるが、血液が纏わりついていた。
「…大丈夫ですか!!?…こんな…こんな…」
顔面蒼白になるマサヒコ。
どう対処していいのかわからない。
「あー…そうか…やっぱり、血が出るんだ…」
「えぇ?…」
「だって、私、初めてだもん…」

「えぇえええっ!!」


カナミの表情は切迫していたが、それは挿入の苦しみのためで、
出血に関してはそれほど驚いていないようだった。
「えへへ…処女喪失の瞬間です…」
引き攣った笑みを見せながら、気丈に上体を起こすカナミ。
その股間から滲み出た破瓜の血が、シーツに点々と染みを作った。
「…そんな…痛くないんですか?…」
その破瓜の血を見るにつけ、僅かに身を震わせるマサヒコ。
言い知れぬ罪悪感に苛まれていた。
「そりゃぁ…痛いよ…でもいいの…」
そう言いながら、カナミはマサヒコの上に覆いかぶさるように身を寄せてくる。
そして、マサヒコの顔の真上から、真っ直ぐにマサヒコの目を見つめた。
「今は…嬉しい気持ちの方が大きいかな…ずっと興味あったことだし…」
カナミはマサヒコに顔を近付け、軽く接吻をする。
「でもそんな…あっ…」
まだ戸惑いがちのマサヒコ。
カナミはそんなマサヒコの股間に手を伸ばしていった。
「ダメだよ…マサくん…途中で止めないでよ…」
「でも…あの…」
「…このままだと、私が痛いだけじゃん…ずるいよ…」
カナミはマサヒコの股間に伸ばした手を、いきり勃ったままのマサヒコのペニスに到達させる。
マサヒコの上に覆い被さっているカナミの腰は、ちょうどマサヒコの腰を跨ぐ位置にあった。
カナミはマサヒコのペニスを握ると、
自らの破瓜の血を身に付けたままの肉棒を立て、その先を自分の膣口に当てる。
「んっ…んんん…」
そして、ゆっくりと腰を下ろして行き、再びマサヒコのペニスをその膣内に受け入れていった。
「ううっ…ま、また来る…」
マサヒコの背筋に、ゾクゾクと波が走る。
自分のペニスが、ゆっくりと肉壁に包まれていく。
初体験のマサヒコは、この挿入感だけで、もう既に込み上げてきてしまう。

「うぅぅ…は、入ったぁ…ぅぅ…」
カナミは自重を使うことで、マサヒコのペニスの根元までを体内に一気に飲み込んだ。
先程の初めての挿入の時よりも、ずっと深い位置まで入っている。
「ふぅぅ…ん…」
今までずっと閉じていた膣壁を、押し拡げられ、触れられ、突き刺され、
カナミは眉間に皺を寄せながら、身体を小刻みに震わせて悶えている。
「あっ…入ったら…また…硬く…ん…」
痛みが優先する中、カナミの感覚は過敏になっていく。
カナミの方も初体験であったことがわかると、このきつい締め付けも納得できる。
ギュッと握りこまれているような、マサヒコも苦しく感じるほどの膣圧。
挿れているだけで充分すぎるほどに感じてしまう。
「何で、何で…マサくんのが、私の中で大きくなってく…」
カナミの膣内は、空気が入り込む隙間も全く無いほどにマサヒコのペニスでいっぱいになっていた。
その上で、更にマサヒコのペニスが膨張したため、膣壁全体を無理矢理拡げられるようで、
カナミは身体が軋むような、かつてない苦しみを覚えた。
「いや…だって…こんな…こんな気持ち良いの初めてで…」
カナミの膣壁の暖かさに包まれながら、強く、ずっと締め付けられ続けているマサヒコ。
手淫などでは決して得られなかった快感に震え、かつてないほど気分が高揚していく。
そして、その興奮がペニスに如実に表れ、今まで経験したことが無いほどに、太く、硬くなっていった。
「マサくん…マサくんはもう気持ち良いの?…何だかずるい…なぁ…」
マサヒコが快感に震えているのとは裏腹に、カナミの中では相変わらず痛みが先行していた。
気丈にもマサヒコに話し掛けてはいるが、実際は、挿入しただけでもう膝が動かなくなっていた。
「そんな事言われても…実際、気持ち良いんです…」
そう言いながら、マサヒコはカナミの手に触れた。
マサヒコはどうしたら良いかわからなかった。
ただ、カナミが苦しそうなのが、見るに耐えなかったから、思わず手を伸ばしたのだった。
「…嬉しいよ…マサくん…私で気持ち良いんだ…」
苦しそうな中でも、一瞬カナミが笑顔を見せる。
そのカナミを見ながら、このまま快感に流されて自分だけ良くなってしまうのは、
男としていけないことだとマサヒコは感じた。


「…うぁっ…またキュッて…あんまり締め付けないで下さいよ…」
だが、所詮は初体験の悲しさ、続け様に襲い来る締め付けに、マサヒコは腰が砕けそうになる。
なんとか腰に力を込めて耐えているが、長くもちそうには無かった。
「だって…なんか、勝手に動いちゃうんだもん…」
カナミも初体験で自分をコントロールすることができない。
初体験のくせに、自慰だけはやたらと経験豊富なので、膣内は充分過ぎるほどに濡れている。
豊潤な愛液が膣壁から続々と染み出し、マサヒコのペニスを擽る。
「うぁぁ…カナミさんの中、何かウニウニと動いてますよぉ…」
さらにその愛液に埋められて、膣壁全体がペニスに貼り付き、
膣襞の蠢き一つ一つを逐一マサヒコに伝えてきた。
ただ挿入しているだけなのに、ずっと細かく擦り続けられているようだった。
お互いが初体験で、お互いが自身の感覚の操縦に苦心することになってしまった。

「ねぇ…動いたら、私も気持ち良くなるかな…」
フルフルと背中を震わせながら、カナミがポツリと漏らした。
「えぇっ!…ちょっ…動くって…」
とにかく我慢することでいっぱいいっぱいになっていたマサヒコにとって、
それはとんでもない提案に思えた。
「だって…お兄ちゃんのビデオ見たら、女のこうやって上に乗って『あんっ!…あんっ!』って…」
「いやでも…それはプロの…」
素人にはお勧めできない。
と言うより、今のマサヒコにとって、そんなAV女優みたいに激しく動かれたら確実にアウトだと思われた。
「でも…このままじゃ、私痛いだけだし…」
「うぅっ…」
それを言われると、マサヒコも辛いところがあった。
やはり、ここは自分が限界を超えて耐えるしかないようだった。
そう考えるマサヒコはフェミニストだった。


「確か…こうやって…マサくんの手を…」
そう言いながら、カナミはマサヒコの手を自分の腰に添えさせた。
「うぅっ…ゆっくり…ゆっくりですよ…」
腰に触れたとき、カナミの肌がスベスベだったのが、またマサヒコを惑わせたが、
一言呻いただけで何とか持ちこたえた。
頑張ろうとは思うけれど、やはりそんなに長く耐えられるとは思えない。
射精しそうになったら、素直に言おう、下手に我慢しようとしてし切れなかったら大変だ。
マサヒコはそう考えを纏めた。
「い…いくよ…マサくん…」
カナミがゆっくりと腰を動かし始めた。
ただ、いきなりAV女優のように激しく上下に動かすことなどできず、
ゆっくりと、優しく前後に動かす。
「うぅっ…うっ…」
しかし、それだけでもマサヒコにとっては初めての感覚。
また、波が込み上げてきた。
カナミの腰に添えられた、マサヒコの手に、思わず力が込められる。
「うわぁ…マサくんのすごい…カチカチだよぉ…」
カナミが腰を前後にスライドさせると、腹の中ででマサヒコのペニスが動き回る。
極限まで張り詰めた硬い肉棒が、カナミの膣内を掻き回す。
「あぁ…何かいいかも…」
ここに来て、ようやくカナミにも快感が現れ始めた。
腰を動かすことで、マサヒコの硬いペニスが膣壁のあちらこちらに触れ、
中で膣襞を捲るように擦り上げる。
痒いところに手が届いたような感覚。
マサヒコのペニスが、膣内の新たな部分に触れるたびに、カナミの背筋にもゾクゾクとした快感の波が襲い来る。
「ダ…ダメですよ…そんなに動いちゃ…あぁ…」
カナミの腰の動きが徐々に速度を増していき、スライドする幅も大きくなっていく。
たっぷりと含まれた愛液によって、膣壁に吸い付いたまま、
マサヒコのペニスが様々な方向へと強引に捻じ曲げられる。
ただでさえ、込み上げてくる波に耐えているところなのに、これでは堪らない。
「だって…だって…段々気持ち良くなって来るんだもん…」
クチュクチュと卑猥な音を立てながら、カナミの腰がマサヒコの上を動き回る。

「はっ…はっ…はぁぁ…」
そして、今までよりも高い声で荒く息をつきながら、腰を横に動かしたり、「の」の字に回したり、
自分の中のいろんなところにペニスが当たるように動きに変化をつけていく。
「うぁぁ…ダメです…もう…もう…」
カナミの気分が乗っていく一方で、その腰の動きはマサヒコにとって凶悪な刺激だった。
堪らなく射精感が込み上げてきて、マサヒコは身を離そうとして、カナミの身体に手を伸ばした。
「やんっ!…マサくん…」
だが、触れたところが悪かった。
無我夢中で伸ばしたマサヒコの手は、カナミの胸に当たっていた。
「うぁぁぁ!…ごめんなさい!…」
控えめながらも、プニッとした確かな女性の柔らかさが、マサヒコの掌を襲う。
それが余計にマサヒコを昂らせ、マサヒコは慌てて手を離した。
「ごめんね…マサくん…私、貧乳だから…おっぱい気持ち良くないよね…」
シュンとした表情で目線を落とすカナミ。
「えぇ!いや…そういう意味ではなくて…あぁっ!!」
必死で否定するマサヒコ。
胸から手を離したのは、自分の感覚が耐えられそうに無かったからであり、カナミのせいではない。
「ごめんね…でも、その分こっちで頑張るから…」
そう言って、カナミは懸命に腰を動かす。
頬をピンクに染めながら、「はぁ…はぁ…」と息をつきながら、健気に腰をスライドさせる。
マサヒコの身体に訪れているピンチには気付いた様子も無い。
「ヤ…ヤバいです…もう…うぁぁ…」
もう、マサヒコは限界を超えて我慢している気がした。
自分の陰嚢が、射精したくてピクピクと痙攣しているのがわかるほどだ。
早くカナミの腰をどかさないと、大変なことになってしまう。
マサヒコは懸命に手を伸ばし、動き続けるカナミの腰を直接掴んだ。
「やぁぁ…マサくんのエッチィ…」
腰を掴もうと伸ばした手は、カナミの尻にまで到達していた。
(今のマサヒコにとっては)凶悪なまでの柔らかさを持つ尻肉に、マサヒコの指が喰い込んで行く。
「うぁぁぁあ…」
柔肉の感触に惑いながら、最早離す事も出来ず、マサヒコは変な汗を流しながら必死で耐えた。
もう、まともにしゃべることも出来そうに無い。

「はぅ…はぁ…マサくん…私…私も頑張るから…」
実のところ、マサヒコの我慢の姿は、最早カナミの視界に入っていなかった。
自分の身体に次々と襲い来る快感と衝撃に、頭の中がぼぅっとして、何も考えられない。
ただ、自分が気持ち良くなりたい方へと、ひたすらに動き続けていた。
「…どうしよう…気持ち良い…このまま…上に動かしたらどうなる…かな…」
カナミは静かに腰のスライドを止めると、今度はゆっくりと腰を浮かせ始めた。
愛液にたっぷりと包まれたマサヒコのペニスが、カナミの膣内から徐々に現れる。
もう、血管が浮き出るほどに痛々しく張り詰めている。
(えぇ…そんな…まさか…)
そこまでいけば、それは確定事項であった。
亀頭の傘が、外に出るか出ないかギリギリのところまで抜き出されたところで、再びカナミが腰を下ろしてくる。
「そ…そんな…あぁぁあああ…」
また、挿入感がマサヒコを襲う。
背筋にゾクゾクと悪寒が走る。
また、カナミが腰を浮かしていく。
「うわぁ…これ良い…これ良いよぉ…」
限界を超えてカチカチになっているマサヒコの亀頭。
ペニスを抜き出すとき、その硬いカリ首がカナミの膣壁を引っ掻いていき、カナミにこの上ない刺激をもたらす。
「…も…もうダメ…もう…退いて…」
マサヒコの目が、焦点が定まらず、虚ろになっていく。
カナミが腰を上下する度に、ヌルヌルとした愛液の触感を伴いながら、膣襞がペニスを擦り上げる。
パチュンパチュンと、カナミの腰が打ち付けられる音の間隔が短くなっていく。
「あっ…あっ…マサくんのが…奥にぃ…」
勢い良く抽送されるペニスの先が、カナミの子宮口に到達した。
その瞬間、今までで最高の波がカナミを襲い、カナミの動きが止まる。
そして、そこが一番気持ち良い場所だとわかると、カナミはマサヒコのペニスにグリグリと擦り付けた。
「あ…あ……あ…」
マサヒコは最早声も無い。
一番敏感になっている亀頭の先にコツコツと何かが当たっている。
時々、キュゥッと先だけを締め付けられ、膣内で二段階に締め付けられる感覚に、
マサヒコのペニスが、カナミの膣内でブルブルと震えた。

「…マサくん…マサくぅん…何だか変なの…切ないのぉ…」
夢中で腰を押し付け続けるカナミ。
もう、完全に周りが見えていない。全身が火照って、どうしようもない気持ちになる。
カナミは上体を折って、マサヒコの顔に近付き、マサヒコの唇を奪った。
無遠慮に舌を侵入させ、欲望の捌け口を探す。
それが、トドメの刺激となった。

「くぅぅっ!!」

カナミの舌を咥えながら、マサヒコが大きく呻いた。
そして、ビクゥと大きく背を反らせながら、腰を浮かせる。
「ふぁっ!…あっ、熱ぅっ!」
突如、体内を熱い感触が襲い、思わずマサヒコから唇を放すカナミ。
熱い感触はその後も続け様に襲ってきた。
「やぁぁ…マサくん…中で…出したぁ…」
熱源は、カナミの膣内に収まっているマサヒコのペニスであった。
カナミの膣内でビクンビクンと跳ね回りながら、熱い精液を放っている。
「はぁぁ…ごめんなさい…と…止まらねぇ…うぅっ…」
我慢に我慢を重ねたが、結局耐え切れずに噴出してしまった。
膨れ上がったペニスから、今までに無い勢いで精液が飛び出して行き、苦しげな表情のマサヒコ。
子宮に貼り付いたまま、一番奥のところで射精が続いている。
ムクッと亀頭が膨れ、ビュルッと精液を膣内に吹きかけると、また元に戻る。
それが、カナミの膣の一番奥で小刻みに繰り返される。
熱い粘液が、子宮口を割り開いて、子宮内に直接溜まっていくようで、
カナミは眉間に皺を寄せながら、必死にその熱に耐えていた。
「熱い…熱いよぉ…マサくぅん…」
膣内で射精が始まった瞬間に、すでにカナミの腰は砕け、マサヒコに圧し掛かるように身を預けている。
子宮内にマサヒコの精を受け入れながら、カナミは堪らなくなってそのままマサヒコにしがみ付いていた。
「はぁ…はぁ…マサくん…」
「カ…カナミさん…うぅ…」
二人の感情は極限状態に有り、どちらとも無く、また二人は唇を重ねた。
やがて、マサヒコのペニスの脈が、静かになっていった。



「……射精…終わった?…マサくん…」
ゆっくりと唇を離したカナミが語りかける。
その目の先にあるマサヒコの表情は穏やかになっていた。
「はい……ごめんなさい…オレ…大変なことを…」
改めて、膣内射精してしまったことの罪悪感がマサヒコを襲う。
しかし、だからと言って、青褪めて慌てるような感情は起こらない。
逆に、ある意味腹が据わったような感覚だった。
「ホントだよ…もう、私のお腹の中…マサくんのでグチャグチャ…」
まだ実際に見てもいないのにそう言うカナミ。
感触でわかるのだろうか。
「うぅぅ…」
大量に射精してしまった事が、何だか気恥ずかしく感じるマサヒコ。
顔を赤らめたまま、俯いてしまう。
「…ふふふ…やだ…大丈夫だよ…今日は安全日だから…」
「え…?…」
「大丈夫、大丈夫…私だってちゃんと考えてるから……じゃなかったら、誘ったりしないよ…」
カナミの言葉が、マサヒコを安堵させる。
と、同時に、今自分が抱きしめているカナミの肌の感触がはっきりと伝わってきて、またマサヒコは顔を赤らめるのだった。

「…で?…どうしようか?…マサくん…」
「な…何が…ですか?…」
「またまたぁ…とぼけちゃって…マサくんの…まだ大きいままだよ…」
「うぅっ…」
実は、まだカナミの膣内に収まったままのマサヒコのペニス。
それが未だ硬質化した状態のまま、芯を持っていることは、カナミに充分伝わっていた。
「…見てみる?…ほら…」
カナミは震える膝に力を込めて、ゆっくりと腰を浮かせた。
自らの精液と、泡だったカナミの愛液とに包まれ、白く濁った色のペニスが露わになっていく。
カナミの膣口から完全に抜き出されたとき、カナミの性器とマサヒコの性器との間には、何本もの細い糸が引かれた。

「うわぁ…」
カナミが感嘆の声を漏らす。
白濁した卑猥な姿を晒しながら、マサヒコのペニスは真っ直ぐに伸び上がり、ピクピクと跳ねている。
まだ、何かを欲しているように。
「すみません…何だか、身体が火照っちゃって…」
マサヒコもこんなことは初めてだった。
普通、射精した後は、ペニスも力を失って縮んでしまうもの。
それが、まだこんな状態にあるということは、膣内射精が余程興奮したのか。
「へへへ…マサくんも思春期…」
「うぅぅ…」
カナミの言う通りだった。
今のマサヒコは、歳相応の男子らしく、欲望に忠実になっている。
「で?…それでどうやって帰るつもり?…」
「えぇ…そ…それは…」
「えへへ…冗談だよ…冗談…」
カナミはそう言うと、マサヒコに背中を向けて、うつ伏せに突っ伏した。
「いいよ…好きなだけ出して…今日はホントに大丈夫な日だから…」
そして、軽く尻を突き上げながら、自らの手で大胆に陰唇を拡げてマサヒコを誘う。
僅かに拡げられた陰唇の間から、赤く充血した膣口が覗いた。
「うぅ…そんな…」
遠慮するような素振りを見せながらも、その淫猥な眺めに、マサヒコは逆らえなくなっている。
マサヒコが近付き、カナミの尻に触れる。
「早くぅ…漏れちゃうよ…」
マサヒコの手の感触に反応したのか、カナミの膣口がヒクヒクと震え、中からトロリと白濁した液が顔を覗かせた。
「…わ…わかりました…いきます…」
自分が出した精液が逆流してきている姿に妙な気恥ずかしさを感じ、
それを埋めようと、マサヒコは自分のペニスを持って、その膣口に近付けていく。
「うく…マサくんのが…また…入って…」
マサヒコは一気に腰を進めて、一息に根元まで挿入した。
また、ゾクゾクとした感覚が背筋を襲う。
この挿入感には、いつまでたっても慣れることが出来ない。

「うぅ…さっきとは全然違う…」
初めての後背位での挿入。
騎乗位での挿入とは、全く逆の方向にペニスが折れ曲がり、膣内で当たる場所も逆になるので、
全く新しい感触であると言えた。
しかも、勃起の方向にも逆らった形なので、抵抗感が凄い。
「やだ…さっきよりも深い…」
違う感触を感じたのは、カナミも同じだった。
しかも、今度は先程よりも容易に、ペニスが子宮口まで到達している。
いきなり一番感じるところに当たったことで、身震いがカナミを襲った。
「カナミさん…ごめんなさい…」
「え?…なに?…」
「やっぱり…あまり持ちこたえられそうにないです…」
そう言いながら、マサヒコはカナミの腰を左右両側から挟むように掴んだ。
「だから…一気にいきますよ…」
カナミの腰を掴むマサヒコの手に力が込められる。
「うん…わかった…思いっきり…突き切っちゃって…その方が、気持ち良いかも…」
カナミは、身構えるようにシーツをキュッと握った。
カナミからしてみれば、マサヒコの動きが充分に見えないことが、余計に羞恥心を増し、
胸の高鳴りが大きくなるように思える。
意識するあまり、自分の性器のまわりだけ、やたらと敏感になっているように感じる。
そんなカナミの下腹部に引き波が襲い来る。
「はぁぁ…ぁぁ…」
マサヒコがゆっくりとペニスを引き抜いていくと、カナミの口から自然と甘い声が漏れ出した。
自分でも意識する前に、もう声が出ていた感覚だった。
「ふぅぅ…ぅん…」
そしてまた、マサヒコのペニスが奥深くまで挿入されてくる。
精液と愛液とが混ざり合い、グチャグチャになっているカナミの膣内は、
初めのときよりもずっと容易にマサヒコのペニスを受け入れた。

そしてまた抜き出される。
また挿入される。
動作を繰り返しながら、徐々にその速度が増してくる。
「はっ…はっ…はぁぁぁ…」
カナミの口から断続的に声が漏れ続ける。
『一気にいきます』と言った通り、マサヒコが腰をグラインドするスピードは、如実に速まっていった。
もっとも、先程初体験を終えたばかりで、まだまだ拙い、単調な動き。
ただ、それでもマサヒコは自分が出来得る限りの激しい動きで、カナミを捉えようとしていた。
「…す…すごい…気持ち良いよ…マサく…あっ!…んん…」
カナミがまた一つ身震いした。
同じく経験の少ないカナミにとって、単調な動きであっても、続け様に子宮口を突かれることは、この上ない刺激となっていた。
また、先に膣内に溜まっている精液が掻き回されて、
さながら熱い媚薬のようにカナミの神経を逆撫でていく。
勢い良くペニスを抜き出されると、カリに引っ掛かって中身まで抜き出されそうに感じる。
実際、カナミの膣襞は激しい動きで解されており、マサヒコがペニスを抜き出すとき、
膣口が捲れ上がってくるように見えた。
また、その光景がマサヒコを高揚させていく。
(うぅ…すごい…全部見えちゃってる…)
後背位においては、マサヒコからの眺めはこの上ない凶悪なものだった。
自分のペニスが膣内に出入する姿がはっきりと見えてしまう。
また、カナミが尻を突き上げた格好になっていると、尻の穴まで剥き出しになり、丸見えになっていた。
しかもその尻穴が、自分がペニスを抽送するのに合わせて、ヒクヒクと拡縮を繰り返すものだから堪らない。
マサヒコは、自分にはそっちの趣味は無いと思ってはいるが、
普段決して見れない部分を、こうまで曝け出されると、否応無しに興奮してしまう。
(うぁぁ…ダメだ…もう込み上げてきた…)
一度射精した直後であることも相まって、マサヒコのペニスは過敏な反応を見せる。
堪らずマサヒコは腰を動かすのを抑え、控え目にする。
「ふぁぁあっ!…」
その瞬間、カナミの身体が続け様に二回震えた。
そして、カナミの膣口が、キュゥッと締まっていく。
「うぁぁ…な…何ですか…これ…」
せっかく休もうと思ったところで、マサヒコをまた堪らない刺激が襲う。

「ダ…ダメ…もっと…もう少しなの…」
カナミがブルブルと小刻みに身体を震わせている。
今までとは全く異質の波が、カナミを襲っていた。腰の奥から込み上げてくるような不思議な感覚。
「うぁああああ!!」
一度膣内射精してしまっていたこともあり、マサヒコは大胆な行動に出た。
マサヒコは半ばヤケ気味にペニスを押し込み、カナミの子宮を突き上げる。
「はぁっ…あぁぁあ!!」
次の瞬間、カナミは手の中のシーツをギュッと握り締めた。背筋を強張らせ、爪先まで張り詰めながら、身体を痙攣させる。
そして、それと同時にマサヒコの膝元に生温い液体がビシュッと降り掛かる。
「やぁぁ…やだ…またオシッコが…やぁぁ…」
無意識の内の失禁。
カナミは放尿を止めようと、下腹部に力を入れる。
「うぁぁ…そんな…そんなに締めちゃ…あぁぁ…」
カナミが下腹部に力を込めると、膣内に収まっているマサヒコのペニスをグイグイと締め付けてしまう。
ただでさえ無茶な勢いで突き上げたマサヒコにとって、もはや耐えられない衝撃だった。
「ううぅっ…うっ…あぁっ…」
マサヒコのペニスがまたビクビクと震えだす。
「そ…そんな…今出されたら…あぅっ!熱ぅ…」
最早制止が効かず、マサヒコの射精が始まってしまった。放尿で力が抜けていく体内に、ドクドクと熱い粘液が侵入してくる。
「うぁぁ…まだオシッコ出してるのに…中に出すなんて…ひどいよぉ…」
無防備な子宮に溜まっていく熱い精液。その熱にやられたように、カナミの肌もピンク色を帯びていく。
「あっ…あぁあぁ…」
精液を受け入れながら、カナミの身体に変化が起こった。
先程背筋を強張らせたよりも、強い波が迫ってくる。
「ウ…ウソ…イ…クぅぅっ!!…」
カナミの腰がビクビクと痙攣する。背中を折り曲がるほど激しい波が来る。
「うぐ…し…締まるぅ…」
同時に、カナミの膣全体が急激に締まる。マサヒコのペニスが入っていることなどお構い無しに、うねりを上げ、絞られる。
「はぁぁあぁっ!!ふぁぁっ!」
甲高い声で叫ぶように絶頂に達するカナミ。
「うぅぅぅっ!…も…もう…」
マサヒコは、カナミの膣に捻り上げられ、自分の中身全てが搾り取られてしまうように感じた。



「はぁはぁ…はぁ…」
射精を終えたかどうか判らないうちに、マサヒコの身体は後ろへと倒れこんでいった。
力を失ったマサヒコのペニスが、カナミの膣内から抜け落ちる。
「はぁぁ…はぁ…ふぅぅ…」
だらしなく開いたままになってしまうカナミの膣口。
やがて、無意識のうちに内側から盛り上がり、精液の塊を一つ吐き出した。
精液の塊は、水飴のように太い糸を引きながら、シーツの上へと落ちていく。
開放されたカナミは、そのままベッドに突っ伏せるように崩れ落ち、動けなくなった。
小久保マサヒコと城島カナミ。
二人とも、精液やら愛液やら尿やらで、下半身全てをベチョベチョに濡らしたまま、
失神するように眠ってしまったのだった。










「……でね、結局延長料金どころか、お泊り料金までいっちゃったの…」
「へぇ…それじゃぁ、せっかくの計画が台無しでしたね…」
月曜の朝。
小笠原高校の一教室。
城島カナミと、黒田マナカが向かい合わせに座って話し込んでいる。
「起きたらもう暗くなっててね。お兄ちゃんの夕飯作れなかったよ」
「え?お兄さんには、全部話したんですか?」
驚きの表情を見せるマナカ。
「ううん…だって、『ヤりました』なんて言ったら、お兄ちゃんヤキモチやくからね」
「ふふ…カナミちゃんったら…」
まだ教室には二人の他誰もいない。
初め、カナミの初体験報告に心底驚かされたマナカだったが、
今は興味の方が先に立っていた。
「それで…詳しく内容を聞かせてもらえませんか?」
そう言って、メモ帳とペンを取り出すマナカ。
小説のネタにする気満々だった。
「…あのねぇ…オチンチンって、最初は凄くちっちゃいの、フニャッとなっててぇ…」
「ふむふむ…」
「でもね、ちょっと触っただけでビクビクッてすぐ大きくなっちゃうの!」
「ふふふ…素敵…」
「でね!『ダメです』とか言いながら、我慢してるときのマサくんの顔が凄くかわいいの!」
「きゃー!!素晴らしいですわ!こんな身近にショタ喰いの実例ができるなんて…」
やがて、二人に近付くもう一つの影。

「お前ら…朝っぱらからなんちゅーいかがわしい話を…」
矢野アキが二人の間に割って入ってきた。
「出ましたよ…処女のひがみが…」
マナカが口元を隠して芝居がかった嘲笑を見せる。
「お前だって処女だろうが!」
言い返すアキ。
「やーい!アキちゃんは処女ー!」
「なんだその積年の恨みを晴らしたかのような笑みは…」
この上ない笑顔を見せるカナミの頬をつねるアキ。
ただ、じゃれ合っているだけだが、少し寂しい気持ちもあった。
「マナカちゃん…今度マサくんがウチに来るんだけど…」
「では、私は押入れに隠れて全てを撮影(資料集め)ということで…」
「おいおい…勘弁してやれよ…」
まだ見ぬマサヒコのことを、心底哀れむアキだった。
「ふふふ…」
「ふふふふ…」
小久保マサヒコ 15歳。
中学時代とは別な形の女難が、彼を襲おうとしていた。
本人は、まだそのことを知らない。
(おしまい)

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