作品名 |
作者名 |
カップリング |
気付き始めた想い |
メリー氏 |
- |
最近気になる人がいます。
その人の名前は小久保マサヒコといい、私のクラスメイトです。
彼と仲良くなったきっかけは、私の家庭教師の中村先生と、
彼の家庭教師である濱中先生が友達だったので、
間接的に私も彼と仲良くなりました。
彼には幼なじみの天野ミサキという女の子がいます。
彼女も私のクラスメイトです。
私は全く気付かなかったけど、友達の話によると彼女は
彼のことが“好き”なんだそうです。
そこで彼女を私なりに注意深く観察していると、
確かに彼女は私と話している時の雰囲気と、
彼と話している時の雰囲気は違うように思います。
心なしか、彼と話している時の方が嬉しそうで楽しそうです。
その他に、私のクラスには若田部アヤナというクラス委員長がいます。
彼女もまた彼とは親しい間柄です。
夏に海に行った時、彼女は私と一緒に寝ていたはずなのに、
翌朝目を覚ましてみると、彼と一緒に寝ていました。
夏祭りでは、彼に金魚を取ってもらったりしていました。
その時の彼女はとても嬉しそうでした。
私と彼とは、彼の家で一緒に勉強することが多いです。
と言うのも中村先生が彼の家の方が私の家より近いからという理由で、
濱中先生も合わせて四人で彼の部屋で勉強するからです。
濱中先生は彼に付きっきりで勉強を教えています。
導かれるようにして答えが分かると
彼は嬉しそうに濱中先生に笑いかけます。
すると濱中先生は顔を赤くして顔を彼からそらします。
彼の周りには様々な女性がいます。
彼が私以外の女性と楽しそうに話しているのを見ると、
なぜだか私の心が痛みます。
針で突いたかのように私の心はチクリと痛むんです。
私はいつの間にか彼の姿を追っています。
でも、そうすると心が痛むことが多いです。
だから私は彼を追わないようにします。
顔を伏せて目を閉じ、何も考えないようにします。
けれど私の頭には彼の表情ばかりが浮かんでくるのです。
嬉しそうな顔。楽しそうな顔。呆れた顔。疲れた顔。
私の頭の中で彼の様々な表情がよみがえってきます。
彼が他の女性と話しているのを見るのは苦しいです。
でも私が彼と話している時は、私の心は満たされていきます。
この気持ちは何なんでしょう? 相談した方がいいんでしょうか。
でも私の頭のどこかで、
ミサキちゃん、アヤナちゃん、濱中先生の三人には相談しない方がいいと
思っています。
それには従った方がいいと私は思います。
だから相談するなら中村先生にしようと思います。
でも、相談するのはまだまだ先でもいいです。
相談したら、今の何かが変わる気がします。
私は今が好きです。だから、中村先生に相談するのはもっと先にします。
ふと私は気付きました。
私のパンツが少しだけ湿っていたのです。
不思議です。
そういえば以前、ミサキちゃんに私自身が
“好きな人のことを考えるとパンツが濡れる”と教えたことがあります。
今日は色んな人のことを考えました。
いったい誰のこと何なんでしょうか?
今日一番多く考えていた人、それは彼です。
そんな、まさか、よね?