作品名 作者名 カップリング
No Title マリリスト氏 マサヒコ母×アヤナ


「天野さん! 今再び、私と勝負よ!」
いつも通りの宣戦布告が叫ばれたのは、やはりいつも通りの普通の午後である。
場所はたったいま勝負を挑んだ少女、アヤナの部屋である。
そこには、アヤナ、ミサキ、リョーコの三人がいた。珍しい組み合わせだった。
(急に誘われたから、何かなと思ったら……まあ、ある程度予想はついていたけど。でもなんで中村先生が?)
見慣れた光景のはずだが、挑まれたほうの少女、ミサキはやはりどうも慣れることが出来ない。
「まあ、断っても無駄だから別に良いケド……今度は何で勝負するの? 若田部さん」
アヤナの自信に満ちた瞳が、ギラリと鋭い光に満ちた。射抜かれそうな視線に、途惑うミサキ。
(あれだけ練習したんだもの……私は絶対に勝てる!)
「いい、天野さん? 勝負の内容は――」
二人のやり取りを見ていたリョーコは思った。
私は悪くないよね、と。

発端はアヤナとリョーコの何気ない会話だった。
暇を持て余したリョーコは、一度アヤナの家に遊びに行こうと思い、断りの電話を入れた。
「あー。アヤナ? ちょっと暇でさ。アンタの家遊びに行ってもいい?」
金持ちのアヤナの家なら、何か面白いものがあるかもしれないという不純な動機である。
「は、はい! もちろんですよ、お姉様! 珍しいですね、お姉様からだなんて」
「ああ……たまにはこういう新鮮なのもいいじゃない」
「そうですね。誰か誘ってくるんですか?」
「いや、アイもリンコもマサヒコもミサキも忙しいみたいでさ。一人なんだ」
「そうなんですか……お姉様が私の家に一人で遊びに来るなんて……嬉しいです」
「そんな大層な客じゃないわよ。また家で一人だったの?」
「はい、一人です。はあ……二人きりだなんて滅多にないから、なんだかドキドキしてきました」
「何電話先で興奮してんのよ。テレホンHしてるんじゃないんだから……とりあえず、今すぐ行くから」
十数分後、リョーコを迎え入れるアヤナ。たくさんのお菓子を持ってきていた。
「タバコはベランダで吸うから。臭いが部屋に染みついちゃマズイでしょ」
「はい、ありがとうございます」
それから二人は世間話に花を咲かせた。女は年齢差はあれど、二人だけでも盛り上がることが出来る。
元々あまり話すほうではないアヤナも、リョーコ相手では積もる話もあるようだ。
色んな話をリョーコに投げかけては、時に大人の意見で、時にお得意の下ネタで返される。
分からない部分も多かったが(特に下ネタ)、外れの少ないリョーコの意見、実りのある話ばかりだった。
「そうなんですか……さすがはお姉様ですね」
「そういえばアヤナ……アンタ、よくミサキに勝負を挑むけど、どうしてなの?」
「それは……う〜ん……元来が負けず嫌いな性分っていうのもあるんですけど、近くにライバルがいると、なお燃えるんですよね」
ライバルだと思っているのはお前だけだ、だがリョーコはあえて言わないことにした。
「でも戦う戦うって、勉強も運動もさして差がないんだから決着もつかないじゃない。無効試合も多いし」
「それなんですよね……もっと重要な部分で、天野さんに勝ってみたいというか」
「勝ってんじゃないの。胸とか。女が胸で勝つのは素晴らしいことよ。胸」
「む、胸……まあ、スリーサイズの戦いはノーカウントになっちゃいましたけど……。
 でも女ってもっと、胸とかじゃなくてもっと大事な部分で勝負すべきだと思うんですよね」
「大事な部分?」
「そうです。女ならではの部分で……」
(胸以外は中学生のクセに)
ツッコミ甲斐のある娘だと思ったが、あえて何も言わない。
こういった部分がアヤナの面白いところでもあるし、ツッコミはマサヒコの役目だ。




「そうだ……お姉様。女ならではの大事な部分って、いったいなんですか?
 こういった部分は、女たるもの負けてはならない。そん部分があるのなら……教えてください」
「女ならでは……? う〜ん……やっぱり男へのテクニ……」
言いかけて、自分をまっすぐ見つめるアヤナの瞳に気付く。曇りのない、真剣な眼差しだった。こういう眼で見られると、ふざけ難い。
ふざけて答えているわけでは半分ないし、ふざけることは出来るのだが、生真面目な性格のこの少女に適当なことを教えられない気もする。
「う〜ん……そうね。強いてあげるなら、『忍耐力』かしらね」
「忍耐力ですか?」
「そう。女はいつも耐え忍ぶものなのよ。男と付き合うにしても、友達と付き合うにしても、女はいつも耐え忍ぶ立場にある。
 だからこそ、ちょっとやそっとのことじゃめげずに、笑っていられる忍耐力が必要なの。『女は愛嬌』って、よく言うでしょ」
「はあ……忍耐力……」
一瞬戸惑ったアヤナだったが、リョーコの言葉を聞いて、瞳をキラキラと輝かせた。
我ながら相変わらず、上手いことをいうと思ったリョーコだった。
「お姉様も、やはり忍耐力を必要としたことが?」
「もちろん。学生の頃なんかは忍耐の毎日だったわよ。特に高校生のときの48時間耐久セックスのときなんか……」

マサヒコ母は悩んでいた。
(このまま続けるってわけにもいかないわよね……)
今の彼女の悩みの種は、息子マサヒコの幼馴染であり、自分もよく知る少女、天野ミサキに関してである。
以前、自宅に泊まりに来たこの少女を、ひょんなことから「お勉強」と称して『つまみ食い』してしまい、
それ以来、定期的にミサキに「お勉強」を施しているのである。もちろん強引にではなく互いに同意の上でだった。
マサヒコのいない時間に一人で小久保家に訪れては、まだ少し怯えながらも、身体を差し出すミサキ。
ミサキ自身、目的が「お勉強」であることは忘れておらず、何かしら思うものあって小久保家に訪れるみたいだとマサヒコ母は知っていた。
もしかしたら、ミサキには誰か好きな人がいるのかもしれない。
委員長だったとマサヒコから聞いている。それほど真面目なミサキのことだから、こっちの「お勉強」にも熱心なのでは、とも思ったが
単に真面目なだけなら、きっとこんな「お勉強」には付き合うはずもない。誰か好きな人がいて、その人のために「お勉強」しているのだろう。
ただ、最近のミサキを見ていると、「お勉強」目的だけではなく、快楽を覚えてしまい、そこから抜け出せない状態でもあるとわかった。
(あの年頃は気持ちいいこと覚えちゃうとハマっちゃうし……)
「お勉強」の効果もあってか、ミサキは以前より敏感に快楽を感じるようになり、少しづつ「女」になってきている。
ミサキ自身は悪いことだとは思ってないかもしれないが、マサヒコ母にはさすがに良心が咎める部分が合あった。
それでも、ミサキが来てしまうと、性欲に身を任せてついつい『つまみ食い』しちゃうのだ。
(だってミサキちゃん可愛いんだもの……でも息子の幼馴染だしねぇ)
窓の外に眼をやると、強くて冷たい風が吹いている。そういえば今週は今年一番の寒波が到来するとテレビで言っていた。
「こんな日に外に出たくはないわよねぇ」
ピンポーンという音がした。玄関のベルの鳴る音だった。
「マサヒコ〜ちょっと出て……っていないんだったっけ」
マサヒコはこの日、友達と室内スキー場でスキーをやるのだと朝から勇んで出て行ったため、家にはマサヒコ母ひとりだけだった。
「ミサキちゃんだったらどうしよう……はいは〜い」
玄関を開けると、そこには珍しい顔があった。
「こんにちは」
「あら、あなたは……あ〜……マサヒコの友達の、若田部さんだっけ?」
「はい。いつもお世話になってます」
アヤナはぺこりと頭を下げる。
「いいのよ。マサヒコこそお世話になって」
珍しいこともあった。この娘はいつも他の顔に連れられてやってくる。
「マサヒコに何か用?」
「あの……小久保君、この間私の家に忘れ物していったみたいで……。これなんですけど」




コートのポケットからビデオショップの会員証を出す。それは確かにマサヒコのものだった。
「きっと財布から落としちゃったんだと思うんです」
「わざわざ届けにきてくれたの? こんな寒い中、ありがとうね。でもこんなときにあのバカ息子留守にしちゃって。
 よかったらあがって暖まっていったら? ココア作るから飲んでいきなさい。あとで車でおうちに送ってあげるから」
「あ……いえ、気にしないでください」
「でも……結構寒いでしょ?」
「本当に大丈……くしっ」
アヤナは小さくくしゃみをして、それからバツが悪そうな目でマサヒコ母を見つめる。
「ほら……うちの息子のためにあなたに風邪を引かせられないわ。あがっていったら?」
「そ、そうですね……すみません、失礼します」
テーブルに座ったアヤナの前に、湯気を立てた煎れたてのココアが置かれる。
「ありがとうございます。いただきます……」
(マサヒコったら、よくもこんな美人の女の子を友達に出来たわね。それにしても胸の大きい娘だわ……)
マサヒコ母にまで不純な目で見られているとは知らないアヤナは、ココアをそうっとすする。
「あ……美味しい」
「あら、ほんと?」
「はい……私の家でもココアを飲むんですけど、こっちのほうが全然美味しいです。
 うちのはイギリスから直接取り寄せるんですけど、それよりも美味しいココアがあるなんて……。
 なにか特別な場所で作られているんですか? それともなにか隠し味とか……」
「そんなことしてないわ。スーパーで売ってる普通のココアよ。ただ、粉とミルクの分量にコツがあってね……」

アヤナはどうも年上の女性と話を合わせることが上手いらしく、女二人やはり話が盛り上がった。
「へぇ〜……そんなことがあるんですか」
「そうなのよ……それにしてもマサヒコ遅いわね」
二人で話しこんでいるうちに、思っていたよりも時間が経っていた。
「でも、小久保君のお母さんのお話って、とってもためになりますね」
「だてに歳はとってないからね。それにここ数日、若い女の子となぜか縁があるみたいだし……」
特にミサキ、というよりミサキ限定なのだが。
「じゃあ、色々なアドバイスとかしてるんですね」
「ええ、まあ……特にミサキちゃんみたいなとか近所の子なんだけどね」
「ミサキちゃんって……天野さんですか?」
とたんにアヤナの顔色が変わる。マサヒコ母はその変化に気付いた。
「え、ええ。そうだけど……ちょっと色々『お勉強』をね」
(お勉強? 天野さんの成績がいいのはお母さんのおかげなのかしら)
「お勉強って、どんなお勉強なんですか?」
「そ、それは……まあ、女性として大事なことを、こう、色々と……」
「じょ、女性としてのお勉強……」
少ししゃべりすぎたかもしれない、マサヒコ母はささやかな後悔を抱く。
アヤナは思い出した。先日リョーコが自分の部屋に遊びに来た際、女として一番大事なのは何かを尋ねた。
女としての大事な部分でミサキに勝ちたいと、リョーコから教えを請うたばかりだった。
しかし、まさかミサキがこんなところでとっくに「女」としての勉強をしてただなんて……。
こんな部分まで、あの人は真面目だったのか。出しぬかれた、とアヤナは思った。
(ふ、不覚だわ……お母さんから直々に教えてもらったのなら、きっと天野さんは相当学を積んでいるはず……)
「あはは、でも私のことだからあまりためになるようなことは……」
「こ、小久保君のお母さん! そのお勉強、私にも施してください!」
「……へ?」
ミサキはいきり立ったように、テーブルに手をつきながら身を乗り出して、マサヒコ母の目をまっすぐに見つめている。
「私にも女性としての大事なことを、教えてください」
「ちょ、ちょっと待ってね……それ本気で言ってるの?」
「本気です」
(う……なんて真剣な瞳)




何の疑いもなく、マサヒコ母に懇願するアヤナ。マサヒコ母は迷った。
「それは嬉しいけど……いやいや、でも私の勉強はあなたにはちょっとハードかな……」
「大丈夫です。耐えます」
「本気……みたいね」
アヤナの瞳を見返すマサヒコ母。
(うわ……この娘、すっごくキレイ……ミサキちゃんとはまた違った可愛さが……
 しかも中学生とは思えないほどスタイルもいいし……実に食べがいはありそうだけど……)
「ダメですか……?」
今度は上目使いでマサヒコ母を見つめる。釣り目だとはいえ、もともとキレイなアヤナの瞳。
その美しさに、マサヒコ母の自制心が完全に崩壊した。
「……わかったわ。じゃあ、私の部屋にいきましょうか」
「……! 本当ですか!? ありがとうございます!」
「ええ、じっくり教えてあげるわね」

マサヒコ母の部屋に入った二人。厳密には小久保家両親二人の部屋である。
簡単な机と本棚、タンス、ダブルベッドがあるだけの簡素な部屋だった。
「ここがお母さんのお部屋ですか……。それで、お勉強というのは……」
「若田部さん、ひとつだけ言っておくけど……」
「あの……下の名前で大丈夫です」
「じゃあアヤナちゃん……ひとつだけ言っておくけど、お勉強はハードなものよ。突然何をされても驚かないでね」
「はい、大丈夫です……『何をされても』?」
突然、アヤナの背後からマサヒコ母の手が伸びた。そのまま、制服越しからでも分かるアヤナの豊満な胸に触れる。
「え……きゃあっ!」
マサヒコ母の急な行動に、一瞬何が起こったか分からなかったアヤナだったが、事態を把握すると大きく身をよじった。
「な、何をするんですかお母さん!」
「アヤナちゃん、これはお勉強よ」
「お勉強って、そんな……」
「これはちゃんとした女になるためには大事なことなのよ。ミサキちゃんもきちんとやっているの」
「あ、天野さんが……!?」
マサヒコ母の指が、アヤナの胸の弾力で揉むたびに押し戻される。
「ミサキちゃんはよくやっているわよ。あの娘は素質があるからね。アヤナちゃんはどうかしら……」
「で、でも……いえ、大丈夫です」
「そう、えらいわね」
マサヒコ母はもう片方の手を、アヤナのスカートへと伸ばした。その上から、小さなヒップを撫でる。
アヤナの身体がぴくりと震えた。仕方ないだろうがやはりどこか緊張と躊躇いがあるらしい。
「いい? どんな風に触られても、耐えるのよ?」
「た、耐える……?」
アヤナの脳裏に、あの日のリョーコの声が響いた。女は『忍耐力』――。
「あ、天野さんは耐えているんですか?」
「ええ。今では自分から求めてくるくらい……」
「が、頑張ります! 私も耐えます! 女は忍耐なんですよね?」
「そ、そうね」
何を言っているのかは分からなかったが、やる気になっているのならこれは逆に都合がいい。
(天野さんに出来て……私に出来ないわけがないわ!)
「アヤナちゃん。どんな風に触られても、声を出したらダメよ?」
「はい、わかりました。声は出しません……」
マサヒコ母の愛撫が始まった。アヤナの胸を制服越しに、円を描く様に揉む。
もう片方の手は、スカート越しにヒップを絶妙なリズムで撫でまわす。
(うう……やっぱり恥ずかしいわよ。お尻なんて、触られたことなんでもの……)
羞恥で顔を真っ赤に染めながら、マサヒコ母の愛撫に身を任せるアヤナ。
「アヤナちゃんの胸……大きいわね」
「あまり言わないでください……コンプレックスなんです」
「そんなことないわ。とても立派な胸」
とても立派か……あまり考えたこともないことだった。
「お尻も良い形してるし、アヤナちゃん可愛いしね」
「恥ずかしいです……言わないでください」




ふいに、マサヒコ母の息がアヤナの耳に吹きかけられた。
「ひあっ!」
アヤナの身体が、ビクンとはね、足から力が抜ける。
倒れそうになったのを、マサヒコ母がそれを支えて、何とか立ったままでいられた。
「あら? 声を出しちゃいけないって言ったでしょ?」
「で、でも……」
「ほら、まだ終わってないわよ」
マサヒコ母の手が、アヤナのセーターの中に挿し込まれる。
手馴れた動きでブラへと到着し、そのブラの中にまで手が侵入した。
「あっ、いやっ! お母さん、それは……」
マサヒコ母の手は、アヤナの胸の弾力を直に楽しんでいた。アヤナは初めて他人に、直接胸を触られている。
「うふふ……アヤナちゃんの胸、やっぱり大きいわね。うらやましいくらい」
「恥ずかしい……恥ずかしいです……」
「今度はここも、直接撫でてあげるわね」
アヤナのヒップを撫でていた方の手が、滑り込むようにスカートの中へと入った。
「お、お母さん……私、もう……」
「あら、いいの? ミサキちゃんに負けたくないんでしょ?」
「……え?」
マサヒコ母はすでに察していた。
先程からのやりとりで薄々感じてはいたが、この娘はミサキに何かしら対抗意識を抱いている、と。
このまま勉強を止めてしまえば、アヤナは敗北を引きずってしまうだろう。かといって強引に続けるのはあまりにも可哀想だ。
ならばアヤナが傷つかないためにも、その辺を上手く煽動すれば、アヤナは恐れを感じることなく身を任せられるのではないか。
マサヒコ母のささやかな思いやりだった。
「ミサキちゃんはすでに、かなりの忍耐力を覚えているわよ。アヤナちゃんは悔しくないの?」
「わ、私は……」
途惑いの表情を浮かべるアヤナ。少しばかりの迷いが駆け巡る。
やがて、決心したように目を閉じる。
「私は……負けたくありません。続けてください、お母さん」
「アヤナちゃん……優しくしてあげるからね」
そういうと、マサヒコ母はアヤナの耳にそっと口付けた。
「いい? 声を出さないでね……でもどうしてもダメだったら、出していいからね?」
腫れ物を扱うように優しく、しかし艶やかな動きで、胸と尻を撫で上げる。
アヤナはきゅっと目を閉じて、その愛撫に耐えていた。
時間が経つにつれて、アヤナの身体に変化が現れる。
熱い息を小さく漏らしながら、太ももを擦り合わせて身をよじっている。
「んっ……ふぅ……はあぁ……」
「アヤナちゃん、気持ち良いのかしら?」
アヤナは首を横に振るが、マサヒコ母は本音を敏感に感じ取っていた。
(結構声を出すのをガマンしているみたいね……じゃあ)
マサヒコ母はちろっと舌を出した。それをアヤナの耳の中へと挿しこむ。
アヤナの耳を、ぬるっとした感触が襲う。
「ふああっ!」
背筋にぞくっとした感触が走り、アヤナは堪えていた声を大きく上げる。




「アヤナちゃん、声は出しちゃだめでしょ?」
「はあっ……で、でもぉ……」
それでもマサヒコ母は胸と尻への愛撫を止めない。
どうもアヤナは耳が弱いらしい。それに気付いたマサヒコ母は、耳も集中的に責めることにした。
耳の中に再び舌を挿し入れ、ちろちろと優しく舐めまわす。
「あっ、ふあっ、お母さん、耳はダメですっ……!」
構わずに耳を舐めると、ぴちゃぴちゃという淫靡な音が鳴る。
時折耳たぶを甘噛みして、アヤナの中の官能を昂ぶらせていく。
「耳はダメぇ……! ああっ……ふやぁん……」
胸とヒップ、それに耳の三転責めで、ガマンするのも忘れ声を漏らすアヤナ。
「しかたないわね……」
そういうとマサヒコ母は愛撫の手を止めた。それからすたすたと窓のほうへ向かう。
「お、お母さん……?」
瞳をとろんとさせたまま、荒い息を吐くアヤナ。マサヒコ母は窓を大きく空けた。
「アヤナちゃん、声を出さないでねって言ってるのに、出しちゃっているもの……。
 だから窓を空けたまま続けましょう? そうすればイヤでも声をガマンできるでしょ?」
「そ、そんな……でも……」
「空気が乾いているから、声を出しちゃったら外まで響いちゃうわよ? 大丈夫、誰かに見られることはないわ」
アヤナに拒否権はないらしい。マサヒコ母はそういうと、再びアヤナの背後に回る。
「ミサキちゃんに近づかないとね」
(そうよ……私は天野さんに勝つんだから!)
それは魔法の呪文のように、アヤナの心にやる気を注いだ。
「アヤナちゃん……今度はここ、触るわね」
マサヒコ母の手が、アヤナのスカートに侵入し、ショーツ越しに秘部のスリットをなぞった。
「ひああっ!?」
アヤナの身体がびくっと震え、思わず大きな声を漏らしてしまった。
自分の口を急いで塞ぐアヤナ。さっきの声が外に漏れてはいないだろうか……。
アヤナは下半身に、ぬるぬるとしたものを感じた。その部分は長い愛撫によって、十分な湿り気を帯びていた。
「アヤナちゃん、濡れてる……。気持ちよかったのね」
「うう〜……」
アヤナは耳まで顔を真っ赤にした。
寒風が部屋に入っているはずだが、すっかり火照ってしまった二人の身体は寒さをまるで感じていなかった。
再び、愛撫を始めるマサヒコ母。スリットを擦るたびに、愛液がショーツに染みこんでいく。
「んっ、あううっ、んふぅ……」
「アヤナちゃんカワイイ……。もっと鳴いていいのよ?」
歯を食いしばり、漏れそうな声を必死に殺すアヤナ。
(この娘……かなりの負けず嫌いね)
スリットを擦るマサヒコ母の指が、徐々に速さを増していく。もちろん、胸や耳への愛撫も忘れていなかった。
「あうっ……! ふああっ……ひうっ……」
身体をぶるぶると震わせながら、快感を享受する。足からは力が抜けてゆき、立っているのもやっとの状態だった。




「アヤナちゃん、乳首立ってるわよ」
言葉でアヤナを責めるマサヒコ母。固く張り詰めた乳首を、指で軽くつねる。
「うああっ……!」
(どうしよう……気持ち良すぎて……声が漏れちゃう……でも、ガマンができないっ……!)
アヤナの全身に甘い痺れが走る。下腹部からこみ上げてくるものを感じた。
(アヤナちゃん、もうすぐイキそうね)
生まれて初めての絶頂が近づき、アヤナはガクガクと頭を振る。
「あっふうう……あんっ、ふあっ……」
(もうだめ、おかしくなっちゃう……! もう、もう……!)
『ただいま〜。母さんいるー?』
突然のその声に、二人の動きが止まる。
(うそっ……小久保君帰ってきた!?)
(ちっ……タイミングの悪い息子ね……)
アヤナは焦った。こんな姿を見られては、明日から学校にはいけなくなる。
『母さんいないの? ココア入れて欲しいんだけど』
(お、お母さん。見つかる前に放して……)
だがマサヒコ母はアヤナを解放するどころか、あろうことか再び愛撫を再開した。
「ひあっ!? ……あ、ううっ」
『……母さん? 部屋にいんのか?』
マサヒコ母は愛撫を止めない。アヤナは口を押さえ、必死に声を殺す。
「んっ……あふぅ……んん……!」
『母さん? いるんなら返事くらい……」
マサヒコの足音が、少しづつ部屋のドアへと近づいてくる。
(あれを開けられたら……! ダメ! 小久保君、こないで!)
声を殺したいが、一度絶頂に達しかけた身体は、必要以上に敏感になっていた。
マサヒコの足音がドアの前で止まった。
「んっ……だめっ……ふああっ……!」
『どうしたんだよ母さん。……開けるよ?」
「だっ、だめっ……!」
「こら、バカ息子。今着替えてんのよ! 開けんじゃないわよ!」
マサヒコ母が声を上げた。
『なんだ、やっぱりいるのか。子供の前で全裸でも平気なくせに……まあ、別に見たくないけど』
「それより冷えてきたでしょ? さっさとシャワーでも浴びなさい。ココア煎れとくから」
『ん、サンキュ』
足音が遠ざかる。やがて風呂場からシャワーの流れる音がした。
「はあっ……助かった……ひゃっ!?」
「アヤナちゃん、まだ終わってないわよ? 今度はちゃんとイカせてあげる」
先程よりも激しい愛撫だった。アヤナの身体に激しい快感の波が襲う。
「ああんっ! ひあっ、ふああっ!」
(アヤナちゃん、声抑えるの忘れてる……)
アヤナの頭に電流が走り、ラストスパートへと一気にかけあがる。
「ひあっ、ああっ、も、もうっ、はあっ、ふあああんっ!」
ガマンしていた分を一気に吐き出すように、アヤナは大きな嬌声をあげ、達した。
ショーツから大量の愛液が、足を伝うように滴り流れる。
足からは完全に力が抜け、崩れるように床へと倒れこんだ。
「あふぅ……はあ……はあ……」
何も考えることができず、ぼうっと天井を見つめるアヤナ。
「アヤナちゃん……とても可愛かったわよ。かなり忍耐力がついたかもね」
「……ありがとう……ございまふ……」
「このままじゃ風邪引いちゃうわ。ベッドで寝なさい。あとでおうちに送ってあげるからね」
「ひゃい……」
アヤナをベッドで寝かせるマサヒコ母。それからマサヒコにどう言い訳しようかと考えた。




時間は現在に戻る。
「いい、天野さん? 勝負の内容は、ガマン比べよ!」
決まったといわんばかりに誇らしげになるアヤナ。
一方のミサキはぽかんとしていた。
「ガ、ガマン比べ……? 急に原始的な競争になっちゃったけど……」
「あら、女は『忍耐力』なのよ? お姉様から教えてもらったもの」
「あ〜……すまんなミサキ。あまり悪気はない」
平謝りをするリョーコ。彼女が何かを吹きこんだのなら、どうせまともな勝負にはならなそうだった。
「いいけど……ガマンするってなにを……」
「そんなの決まっているじゃない。アナタだってさんざん勉強したはずよ」
「勉強?」
「そう、この勝負……声をたくさん出したほうの負け!」
部屋の空気が一気に冷えていった。それはけして外の寒波のせいではなかった。
これは面白い、と思ったリョーコだったが、ミサキが実に不便だとも思った。
それにしてもミサキがさんざん勉強したとはどういう意味だろうか。
そしてなぜアヤナは自信満々なのだろうか。

そのころ、マサヒコ母は隣の家の奥さんと何気ない会話をしていた。
「ところで小久保さん? その……ちょっと言いにくいことなんだけどね?」
「はい、何ですか?」
「そのね……小久保さんまだ若いし、旦那さんとも仲いいみたいだし? お盛んなのはわかるんだけど、
 昼間からするんだったら……せめて窓ぐらい閉めないと……声が外に漏れちゃうし、寒いしね?」
「あっ……は、はい。すみません……」
どうやらアヤナの喘ぎ声を、自分の声を勘違いしているらしい。
少し恥ずかしいが、アヤナの名誉は守れたので、別に良いかと思ったマサヒコ母だった。

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