作品名 |
作者名 |
カップリング |
No Title |
マリリスト氏 |
マサヒコ母×アイ先生 |
「え? 今日?」
母親から持ちかけられたその急な話は、ミサキが朝食を食べているときに語られた。
「そうなのよ。急な用事が入ってね。お父さんもお母さんもちょっと家を空けるのよ。
最近って、ほら、物騒でしょ? ミサキを一人にするわけにもいかないし……。
だからミサキ、今日は小久保さんのお宅に泊まってね? 小久保さんにも話はつけてあるから」
「そんないきなり……まあ、あっちに話がついてるなら、私はかまわないけど……」
「どうせならマサヒコ君と一緒に勉強でもしてきたら?」
「マ、マサ……」
ずいぶんといきなりな話だと思った。別に小久保家に泊まるのも一度や二度ではないので、
宿泊することそのものに抵抗は無い。しかし思春期のミサキとしては、せめてもうちょっと猶予が欲しかった。
知った家とはいえ、年頃の男の住む家、しかも自分が好きな男の子の家である。
親同士の勝手な執り行いに不満のあるミサキだったが、だからといってどうしようもない。
多少の不平を感じながらも、学校でマサヒコにあった際にはいつも通りの会話だった。
「今日、小久保君のところにお世話になっちゃうんだけど……ごめんね」
「ああ、母さんから聞いてるよ。うちの親も天野が来んの楽しみにしてるし、
慣れたものだし、まあ、たまには大勢で飯食いたいしな。あんま気にすんなよ」
「うん……ありがとう。じゃあ今日一緒に勉強しよっか?」
「べ、勉強かぁ〜……俺はゲームのほうが」
「ダメ。私達受験生でしょ? こういうときこそ互いの苦手を補っていくの」
「は〜い……」
ミサキは思った。どうせ今回も、以前のように二人の間に進展はないだろう。
あきらめたら何も出来ないとはわかっているが、早くも先手必敗な気分だった。
適当に食事をして、適当に勉強をして、適当に寝る。自分が情けないとは思うが、生殺しのようなものだ。
(だって……どうしたらいいかわからないんだもん)
マサヒコと寝食を共にすることは嬉しいが、それ以上の虚しさを感じることになる。
こういうとき少しでも、自分に知恵があればと思う。
マサヒコ母掃除を終えて、仮眠から目を覚ましたのは4時半だった。
「いけない……つい寝過ごしちゃった。夕食の買い物行かないと……」
失態だった。この日はたしか、天野家のよく知った娘、ミサキが泊まりに来るはずだ。
冷蔵庫の中が心許無かった。家族だけならあまりものでさっと作れるのだが、
客人となればくる、しかもマサヒコの親友のミサキとなれば少しは豪勢な晩餐を作りたい。
「でも、このままでたら降られそうな天気ねえ。そういえば今日、お父さん接待で遅くなるって……。
お父さんの分は心配無いから、遠くの酒屋に行く必要はないわね。近くのスーパーにでも行って……」
そのとき、電話のベルがなった。ソファーから身を起こして、電話の元へと駆け寄る。
「はい、小久保で……なんだ、マサヒコじゃない。はいはい、もう学校は終わったの?
今日ミサキちゃんくるんだからあんたも早く帰って……え? 遅くなる?」
『うん、友達がどうしても付き合えってうるさくて……遅くなるっていっても、7時くらいには戻れるけど、
天野来るし、一応連絡だけいれておこうと思って。そういうわけだから、よろしくお願いできるかな?」
「しょうがないわね……今日はご馳走なんだから、あんまり遅くならないでよね」
電話をきって鏡に向かい、身支度を整える。そういえばミサキは何時くらいにくるのだろうか。
留守中に来たら悪い、天気も気になり、早めに家を出ようと財布を手にした。
すると、インターフォンが鳴った。
「もしかして……はい、どうぞ〜」
「あ、おじゃましま〜す……」
予想通り、ミサキがドアからひょっこり顔を覗かせた。
「あら、いらっしゃい。結構早いわね?」
「あ……ごめんなさい。今日せっかくお世話になるんだし、なにかお手伝いしたいなって思って」
「そんなのいらないのに、気を使わせちゃって悪いわね〜。……あ、そうだ。
ミサキちゃん、買い物に付き合ってくれない? 実はまだ夕食の買い出ししてなくって」
「あ、はい。わかりました」
「ごめんね〜。今日はミサキちゃん来るって聞いて、ご馳走作っちゃおうって思って。
どうせならミサキちゃんいたら、好き嫌いや食べたいものがわかって便利でしょ?」
「そこまで気にしないでください……今から出るんですか?」
「うん、天気も心配だしね。ぱっと行ってぱっと戻れば、降られることはないでしょ」
女二人、並んで近所のスーパーを目指す。
ミサキがよく、このスーパーに通うということを知ってから、ここは何が安い、どの惣菜が美味しいか、
どんな野菜を選べばいいかなど、マサヒコ母の主婦の知恵も手伝って、楽しく会話をしながらの買い物となった。
気がつけばおしゃべりのほうが先行していて、予定よりも遅く、買い物を終えてスーパーを出ることになってしまった。
「いけない……急いでおうちに帰らないと」
「おうちに戻ったら、お料理手伝いますね」
二人はやや早歩きで小久保家へと帰路を辿る。しかしその途中で、雨粒がぽつりぽつりと二人の頬を濡らす。
まずい、と思ったころにはすでに、雨粒が急激に量を増して、ざあざあと急いている二人を打ち始めた。
「このままじゃびしょびしょよ……ミサキちゃん急いで! 足元に気をつけてね!」
「信じられない、こんな雨……」
二人は雨の中を全力で走り、やっと玄関へと辿りついたが、買い物袋含め、すでに全身がびしょ濡れになっちた。
玄関で立ったまま、身体からぽつぽつと水滴を垂らす二人。
「最悪……下着までびしょびしょだわ。ミサキちゃんここで待ってて、タオルとってくるから」
ぺちゃぺちゃと歩きながらタオルを持ってくるマサヒコ母。二人は髪や顔をタオルで拭った。
「お互い、お風呂はいったほうがいいわよね。ミサキちゃん先入って」
「あ、私はあとでいいです。ここで待っていますよ」
「そんなわけにもいかないわ。風邪をひかせちゃったらいけないし……」
マサヒコ母は少しだけ考えて、やがて名案といったふうに手を叩いた。
「あ、そうだ。二人で一緒に入らない? どうせ女同士なんだし」
「ふ、二人ですか?」
「そうよ。このままじゃ二人とも風邪ひいちゃうし、それにミサキちゃんとはもっと話したいこともあるしね」
どうしようか。恥ずかしいというのもあるが、このままでは二人とも風邪をひくというのも当たりだ。
自分が風邪をひいたら迷惑をかけるわけだし、相手に風邪をひかせるわけにもいかない。
女同士だから別に余計な心配をする必要も無いが……。
「……わ、わかりました」
「そう。じゃあ先にバスルームに行ってて。タオルと着替え、用意しておくから」
濡れた衣服を脱ぎながら、ミサキは思った。
おかしな事になった……まさかこんなことになろうなんて……。
蛇口をひねると温かいお湯が流れ、ミサキの冷えた身体をじわりじわりと温めてくれる。とても心地良かった。
「ミサキちゃん、入るわよ〜」
「あ、はい!」
とっさに身体を手で覆ったミサキだった。その必要はないとしても、やはり恥ずかしいことに変わりは無い。
「いや〜すっかり冷えちゃったわね……あら、ミサキちゃん、何をそんなに縮こまって」
「い、いえ……」
マサヒコ母はというと……やはり一糸纏わぬ姿で、恥じらう様子もなく。
シャワーを浴びて心地よさそうな顔をしている。
「気持ちいいわねぇ……ミサキちゃん、そんなところにいたら身体冷えちゃうわよ。お湯に浸かっちゃいなさい?」
「は、はい……あっ、そうだ。お母さん、背中流しましょうか?」
「あら、いいの?」
「はい。今日は色々とお手伝いしたいですし」
「そう? 悪いわね〜。じゃあ、お願いしちゃおうかしら」
手伝いをしたいという気持ちは本物だったが、そのほうが気が楽、というのもあった。
あまり裸体は見せたくないが、身を覆うタオルもなかった。コンプレックスの貧乳を含め、
人様に堂々と見せられるほど、自信のある身体ではない。また、マサヒコ母が意外とスタイルがよかったこともあった。
タオルにボディソープを塗り、マサヒコ母の背中をこする。
(この身体から、小久保君が生まれたんだ……)
それを考えると、なにか特別な身体のような気がしてきた。自分もいずれ、誰かの子供を生む身体なのだ。
念入りにこすり、シャワーで泡を洗い流すと、マサヒコ母は振り向いてにっこりと笑った。
「ありがとう、ミサキちゃん。お返しに私も背中流してあげる」
「えっ……! いや、その、大丈夫です」
「そんなわけにもいかないわよ〜。ささ、背中出しなさい」
「あ、あう……」
断る術もなく、ミサキはその小さな背中をマサヒコ母に差し出した。
(うわ〜、白くて綺麗な背中……しかもシャワーの水弾いちゃってるし、ちょっと羨ましいわね……)
割れ物を扱うように、ミサキの背中をタオルが優しくこする。
「ミサキちゃん、身体細いわね〜」
「そ、そうですか? これでもダイエット中なんですけど……」
「そんなこと気にしないでいいわよ。こういう年齢でのダイエットが、身体に悪かったりするのよ?
肝心なところに栄養がいきわたらなかったりして、逆に後悔とかしちゃうんだから」
「そうなんですか?」
「そうよ〜。若いときに取る栄養は無駄じゃないのよ。特に女の子はしっかりとっておかないと」
「へぇ〜……勉強になります」
「そのせいかな〜……ミサキちゃん、結構胸が小さいわよね」
急に核心を突かれたことに、気付けなかった。やがてさきほどの言葉を認識すると、ミサキの心にグサリと突き刺さった。
「あ、あはは……そうですよね……」
自分の一番気にしているところだった。ためらいもなく言われると、ショックより諦めが先に来る。
「だめよ。きちんと胸にまで栄養をわたらせないと」
「が、頑張ってます……。あの、やっぱり胸って大きいほうがいいんでしょうか?」
「あら、そうでもないわよ? 私だって最初はあまり大きいほうじゃなかったけど、パパのおかげでね……あら、いやだわ」
やっぱりこういう返事が返ってくるか。しかし、大きくなくてもいいという言葉には、多少は救われた。
ただ、やはりマサヒコは大きい方が好きなのだろうか。誰にも聞けない質問は胸の奥で殺した。
「私は……もうちょっと大きくしたいんですけどね。さすがに小さすぎるっていうか……でも仕方ないですよね」
「仕方なくなんかないわよ。大きいのも悪くはないと思うけど、小さい胸にだって魅力はあるし、
ミサキちゃんのは小さい割には形がいいし、乳輪の大きさも色も、他と比べてなかなか綺麗なものよ」
「ありがとうございます……って、何言ってるんですか!」
顔を耳まで真っ赤にしたミサキは、とっさに胸を覆い隠した。
「それよりもミサキちゃん。大事なのはその胸をどう活かすかなのよ。大きさは関係ないの。
自分の胸に自信をもたないと、好きな人ができたときに余計にガッカリさせることになるわよ」
「す、好きな人……」
マサヒコの顔が、脳裏をかすめる。マサヒコもまた、この人の言うように大きさにこだわらないのだろうか。
もし、自信を持って、この胸を活かすことが出来れば、こんなささやかな胸でも、マサヒコを悦ばせられるだろうか……。
「で、でも……この胸をいかすって、どうすれば……」
「あ、ごめん。背中そのままにしてたわね。流してあげる」
再びタオルを動かすマサヒコ母。
(う〜ん、かなり胸にコンプレックスを持ってる感じね……多少強引にでも、私が直々に教えてあげるしかないわね)
タオルの動きにリズムをつけ、力に抑揚を与える。探るようにしてミサキの背中をこする。
ミサキの背中に、ゾクッとした感触が走る。
「んっ……!」
「あ、痛かった?」
「い、いえ……」
(小久保君のお母さん、背中流すの上手いんだ。なんか、ちょっとこそばゆいけど、気持ちいい……)
マサヒコ母には狙いがあった。ミサキの感度を確かめているのである。
それに、背中からじっくりと快感を与えていけば、そのうちミサキの身体の感度が高くなる。
その時が『教育』の始まりである。
ミサキの小さな背中を襲う、くすぐったさにも似た感覚。マサヒコ母の思惑も知らないまま、ミサキは身をよじる。
「んっ……ふぁっ……あの……くすぐったいです……」
「このくらいがちょうどいいのよ。それに気持ちいいでしょ?」
「そ、そうなんですけど……あっ……ん……」
マサヒコ母の愛撫に身を任せるミサキ。心音が早くなり、呼吸が徐々に不順になる。
頬がピンクに染まっていたが、けして湯に当たってのぼせているわけではなかった。
「ああ、そうそう。ミサキちゃん、胸を活かすっていうのはね、『感度』を鍛えることなのよ」
「か、感度……?」
ミサキの頭の中はもやがかかったように霞んでいる。
「そう。とくにミサキちゃんは感度がいいほうだから、なかなかスジがあるわね。ささ、前の方も洗っちゃおうかしら」
「えっ……ひあっ!?」
マサヒコ母の手が、ミサキの腋の下からすっと差し込まれる。泡だらけになった手で、ミサキの小さな胸に触れる。
「だ、だめですっ、そんな……」
「いいから、おとなしくしなさい」
抗おうと思ったが、力が抜けていてうまくいかない。
ミサキの小さな胸が、撫でるように愛撫される。しばらくそれを続けていると、ミサキの呼吸に変化が起きてきた。
(変な感じ……頭がモヤモヤして、うまく考えることが出来ない……)
ミサキは熱い息を漏らしながら、身体をもぞもぞと動かす。未知の感覚が小さな身体を襲っている。
時折マサヒコ母の指が、ミサキの小さな乳首をこねる。二本の指で挟んで、軽く引っ張り上げる。
「あっ……ん……あふぅ……」
ミサキの乳首は弄ばれて行くうちに、小さいながらもしっかりと固くなってきていた。
それを指でつまんだり、はじいたり、はさんで転がしたりと、マサヒコ母の動きは自在に変化する。
その度にミサキのリアクションも変わっていく。顔が上気し、赤くなっていた。
「ミサキちゃん、感じているのね。感度っていうのは鍛えることができるのよ」
「か、感じている……? 私が……?」
「そうよ。男の人は女の人が感じてくれると喜ぶものよ」
(こ、小久保君も……?)
(う〜ん、ミサキちゃんを見てると、私もムラムラしてきちゃったわ……)
マサヒコ母は手の動きを止めた。ミサキは息を荒げて、身体をくたっともたれさせている。
ミサキの手を取り、自分の胸にあてる。
「ほら、私だって胸の感度を鍛えることで、お父さんをモノにしたのよ……」
ミサキの手に、柔らかな弾力が伝わる。ミサキは何も言わず、手を動かしてそれを揉みしだく。
「どう? やわらかいでしょ?」
「はい……」
「んっ……はあっ……そう、ミサキちゃん、上手よ……」
ミサキの身体を抱き寄せ、自分の胸に顔を押し付ける。ミサキは何も考えるうことができなくなり、抵抗を止めていた。
「マサヒコはこの胸を吸って大きくなったのよ」
(小久保君が……この胸を……)
ミサキの小さな口が、マサヒコ母のすでに赤く張り詰めた乳首を頬張る。
ミサキはマサヒコ母の左の乳房を揉みながら、右の乳首をちろちろと舐めていた。
乳輪のラインに沿って舐めまわす。時折赤子のように強く吸い付くと、
口を離したとき、マサヒコ母の大き目の乳首がぷるんと跳ねる。
「はあっ……ミサキちゃん、気持ちいい……」
「お母さんのここ……固くなってる……」
「ああん……はあっ……すごいわ……」
テクニックも何もない、ミサキの舌による無邪気な愛撫は、マサヒコ母の身体に十分な快感を与えていた。
時折、ミサキの歯が敏感な乳首を軽く噛むと、身体中に甘い痺れが走る。
「あん……痛いわよ……」
「ご、ごめんなさい……」
ミサキの頭を強く抱きしめる。圧迫されながらもミサキは胸にむしゃぶりつき、味わっていた。
マサヒコ母は身体をくねらせる。
(このまま胸でもイケそうだけど……だめだめ、ミサキちゃんを気持ち良くしないと)
ミサキを胸から引き離す。とろんとした目つきで、マサヒコ母の胸を見ている。
「今度はミサキちゃんの番ね」
シャワーを止め、ミサキをゆっくりとタイルの上にに寝かしつける。
マサヒコ母の舌が、ミサキのへそに触れる。舌はゆっくりと上へと昇っていき、小さな双丘へと辿りつく。
ぴんと張り詰めた乳首に、ちろちろと舌を這わせると、ミサキの身体がぴくんと震える。
「あっ……ひあっ……お、お母さん……!」
「ミサキちゃんってば敏感なのね。気持ちイイでしょ?」
「ふあっ……だめっ、ふあぁ……」
乳輪のラインにそって舌で舐め上げる。前歯で軽く噛むと、全身を大きく震わせる。
「いやあっ! あっ、ひあっ、くぅ……」
太ももを擦り合わせるミサキ。下腹部に熱い痺れを感じていた。
「ミサキちゃんの胸……とても魅力的よ」
「お母さんっ……もう……ひあぁ……」
ミサキの頭に電流が走る。瞳からは涙が零れ、はしたなく涎を流していた。
「イキそうなの? そう……じゃあイってしまいなさい」
ラストスパートだろう。マサヒコ母はミサキの乳首を、強く吸い上げる。
「んっ、ひあっ……あっ、だめっ、だめぇっ……!」
何かから逃げるように、身体をくねくねと動かすミサキ。
大きな快感の波が、身体に押し寄せてくる。
右乳首に歯を立てる。左の乳首を軽くつねった。
ミサキの身体が大きくはね、足をぴんと伸ばして大きく仰け反った。
「うああっ! あっ、だめっ、ふあっ、ひっ、ひあぁぁんっ……!」
身体を二、三度大きく震わせると、ミサキは生まれて初めての絶頂へと達した。
快感の余韻に浸るミサキ。何も考えられず、息を荒げている。
「はあっ……はあっ……ん……」
瞳をうるませて倒れているミサキを見ると、マサヒコ母は妙な気分を感じた。
(なかなかかわいいじゃない……)
ミサキの耳元で、そっと囁く。
「ねえ、ミサキちゃん? よかったらこれからもたまに、私と『お勉強』しない?」
何も考えられないミサキ。ただ快感だけがはっきりとしている。
拒否するでもなく、ミサキは小さな声で「はい」、と答えた。
(あ〜OKしちゃった。こういうところからドツボにはまるのに。
まあ、いいわ。ミサキちゃん可愛いし。また楽しみがひとつ増えちゃった……)
風呂から上がった二人は、手際良く夕食作りを済ませた。
風呂場での出来事などなかったかのように、普通におしゃべりなどをしながら作っていた。
マサヒコが帰宅して、三人で食卓を囲んでいると、マサヒコが気がついた。
「あれ、母さんと天野って、こんなに仲良かったけ?」
「えっ!? あ、ああ、ちょ、ちょっとね……」
「一緒にお買い物して、お風呂入って、お料理したんだもの。仲良くもなるわよ。ね、ミサキちゃん?」
「あっ、は、はい……そうですね……」
「なんだ、風呂まで一緒に入ったのかよ。まあいいけどさ」
「それよりマサヒコ。今日ミサキちゃんを襲っちゃだめよ」
「襲うか!」
翌日、玄関にてマサヒコに見送られるミサキ。
「あの、小久保君。もしかしたらこれからもたまにお世話になっちゃうかもしれないケド……」
「ん? ああ、いいよ全然。幼馴染だしな。いつでも気にせず遊びに来たらいいよ」
「それと、『お勉強』もね」
マサヒコ母の声を聞いたミサキの身体がぴくんと震えた。
「はいはい、勉強すればいいんだろ。うるさい母親だよなあ」
「あはは……」
マサヒコ母はミサキと目を合わせると、不敵な笑みを浮かべた。