作品名 |
作者名 |
カップリング |
No Title |
マリリスト氏 |
マサヒコ母×アイ先生 |
「濱中先生、明日は大事なお話があるんですけど」
と、『先生』に言われたのは昨日の帰り際。
アイはいつものように教え子のマサヒコとの授業を終え、夕食もご馳走になり、
さあ帰ろうと玄関に向かい、マサヒコとその母に見送られていたときだった。
自分が『先生』と呼んでいるマサヒコの母は、パタパタと走って追いかけてきた。
「大事な話――ですか?」
「そう。明日、お暇だったら家にきてくれない? マサヒコも友人との用事でいないし、
せっかくのお休みですまないんだけど……なにか用事は?」
明日はマサヒコの用事を知っていたので、家庭教師としての仕事は、スケジュールには入ってない。
大学も休みだったから暇なので、中村を誘ってどこかに出掛けようかと考えていたところだ。
「んー……御前はレポートを書かなきゃいけないので、午後からは大丈夫ですよ」
「あら本当? うれしいわあ。本当に大事な用事だったから」
「へぇ、どんな話なんですか? お家で言ってくれたらよかったのに」
「いや〜ちょっと……マサヒコの前ではしにくい話なのよね〜」
そう言うとマサヒコの母は頬を染めた。
「そうなんですか? じゃあ、明日までに期待しておきますね」
「うん、そうね。じゃあ、来れる時間になったら連絡して。ごめんね引き止めちゃって」
「いえ、大丈夫ですよ。それじゃ、『先生』。また明日!」
「はいはい、また明日ね」
夜道でアイは考えた。あの『先生』が真剣な話があるなどと……やはりマサヒコ絡みの話題だろうか。
(最近成績も上がり調子だし、プライベートのほうも乱れた様子も無いし……)
もしかしたら自分の知らないところで、マサヒコのほうに悪い影響がでているのだろうか。
何かマサヒコに悪いことをしただろうか。思い当たる節といえば――――山ほどある。
もしマサヒコに原因がなければ、自分の方になにかしら粗相があったと、そう考えるしかない。
(何が悪かったかな……あれとか、これとか、それとか……)
思い返せば、マサヒコに負担をかけたことも一度や二度じゃなくあったかもしれないが、
それまで普通に(?)やってこられた今になって、マサヒコ抜きでしたい大事な話があると、
大抵のことは笑っていたあの『先生』が、急にシリアスに話してくるので、アイとしては心配だった。
(とりあえず明日、気を引き締めて行こう――)
翌日の小久保家のダイニングでは、テーブルの上に煎れたての茶が二つ。二人の女が向かい合って座っていた。
「お休みのところごめんねぇ、先生」
「いえ、いいんですせんせ……お母さん」
さすがにこんな場面でふざけるわけにもいかない。アイは口を結んだ。
「こうして二人でお話するのも久しぶりね、マサヒコは手のかかる子じゃない?」
「いえいえ、そんなこと、かなり、本当に、相当ないですよ」
「あらそう? あの子父親に似てるから、変に縮こまったり、変な色目とか使ってこない?」
「心配無いと思いますよ〜……本当に」
それから女二人、ただの世間話に花を咲かせた。話が盛り上がっていくにつれ、アイは本題が存在することを忘れていった。
世間話もきりのいい所でとまり、二人が一服したところで、マサヒコ母は急に切り出してきた。
「それでね、今日濱中先生を呼んだ理由なんだけどね」
「あ、は、はい……!」
ついにきた……アイは姿勢を正し、気を引き締めた。
「や、やっぱりマサヒコ君のことですか?」
「察しがいいわね〜。まあその通りなんだけど……」
(や、やっぱり……)
アイはお茶の残りを飲み干し、マサヒコ母の目を見据えた。
「あのね、濱中先生……あなたはマサヒコのこと、どう思ってるの?」
「……はあ」
「正直に言うけど……あなた、マサヒコの事が好きでしょう」
しばらくぽかーんとしていたアイだったが、すぐに鈍器で殴られたような衝撃が脳を揺さぶった。
「な、な、何を……!」
「はっきり言って、愛しているわね!」
マサヒコ母は不適な笑みを浮かべている。赤面しているアイは返事に詰まり、せわしなく視線を泳がせている。
「そんな、そんなこと……どうして」
「これでもそこそこいろんな恋を重ねてきた女なのよ。恋をするメスの匂いには敏感にできているの」
「えーっと……そういうものなのかな……でも……」
自覚は怪しいものだが、そう言われるとそのような気もしてきた。それは、自分に経験が足りないからだろうか……。
「でも……自分じゃよくわからないんですよね」
「それは仕方ないわね。相手はかなり年下だし。でも私は濱中先生のマサヒコを見つめるその目が
濡れていることに気付いてしまったのよ。これはもう隠しようがないわね」
「ぬ、濡れてる……」
適当なことを言ったマサヒコ母だったが、アイの気持ちを見透かしているということは事実だった。
マサヒコ母のそれらしい発言に、素直に驚いているアイ。
もしかしたらそうかもしれない。ただの教え子のような気はしないと自分でも思うし、
自分自身が気付いていないだけで、本当はそうなのかもしれない。それにだんだんそう思えてきた。
「あー……もしかしたらそうかもしれません」
アイは顔を真っ赤に染めて、どうすればいいかわからずただ俯いていた。
「すみません、なんか、大事なマサヒコ君に……」
「ああん、別にいいのよ。今日それを応援していることを伝えるために呼んだんだから」
「そうなんですか……へ?」
マサヒコ母はやはりニヤニヤと笑って、アイの両手をとり、しっかりと握った。
「私、濱中先生ならマサヒコを任せてもいいと思ってるのよ」
「そ、そうなんですか……でもどうして?」
マサヒコ母は明後日の方向を向いて、深くため息をついた。
「あの子、あんなに女の子の友達が多いのに、浮いた話が聞けないのよね。きっと恋愛に対する免疫が他の人より少ないのよ。
ほら、お父さんに似てるから……って知らないわよね。このままじゃいつまでも彼女のひとつもできないじゃない?」
「ん〜……そういえばそうかも……」
確かに、一度自分達に対して「女として意識していない」と言ったこともあったが、
そうとはいえ色恋沙汰の話題があまり振られないというのは確かだ。
これだけの花に囲まれていながら、思春期の少年なのに少しおかしい。まあそれ以上の話題には事欠かないが……。
「そこであなたよ。ちょうどマサヒコのことが好きだし、私もよく知ってて信頼も置いてるし。
よく知っている濱中先生だったら、安心してマサヒコのことを任せていられるからね」
「はあ……ありがとうございます」
そこまで言われると悪い気はしない。なんにせよ評価されているということは嬉しい感じだ。
「それに年上だったら、マサヒコみたいに鈍感なやつでも、経験の差でリードしてくれるしね。
ああいうのは誰かが引っ張ってはくれない限り無理だからね、大助かりだわ」
「えっ……! は、け、経験ですか……」
とたんにバツが悪そうに、アイはマサヒコ母から目をそらした。
「なあに? 濱中先生だっていい大人なんだから恋愛のひとつやふたつ……」
「ごめんなさい……」
うっと声を漏らすと、涙目になったアイは震えていた。
「ごめんなさいって……はは、まさか」
「ないんです……経験」
瞬間、マサヒコ母の脳裏に「やべっ」という言葉がよぎった。
「ねえ……それ、本当なの?」
「はい、恥ずかしながら……」
「う〜ん……濱中先生、顔もスタイルも悪くはないんだし、まあ性格はやや天然だけど、
経験は少ないだろうとは思ってたけど、ゼロとはね〜マサヒコを引っ張ってもらうにはちょっと心許無いかな〜」
「す、すみません……」
なぜ自分が謝っているのかは深く考えないことにした。
「これはちょっとマズイわね〜……ああ、何も濱中先生を責めているわけじゃあないのよ。
でも相手がマサヒコみたいなニブチンとなると、ちょっと心配になってくるわね〜」
反省した。やはりなぜ反省したのかは考えないことにした。
「まあ、経験の無い者同士っていうのも悪くは無いと思うんだけどね。
マサヒコがもうちょっと積極的だとよかったんだけど……」
「あの……色々勉強しますから……」
「う〜ん……あ、そうだ」
何か思いついた、というような顔をすると、マサヒコ母は椅子から立ちあがった。
そのままパタパタとアイの後ろに進む。
「ねえ、濱中先生? イメージトレーニングしてみない?」
「イメージトレーニング?」
「そう、経験の差を埋めるのは、やっぱり知識と実践よ。私をマサヒコだと思って、イメトレしておくのよ。
そうすれば、濱中先生にも自信がつくし、マサヒコも安心するし、イザというときバッチリよ」
「で、でもイメトレって……」
「何、私は『先生』よ。何でも教えてあげるから!」
「でも、えっと」
「大丈夫大丈夫、私に任せておきなさいって!」
「え、いや、でも、あー……」
ソファの上に恋人のように並んで座る二人。
「いい、濱中先生、私をマサヒコだと思って練習するのよ」
「は、はい、頑張ります」
「どうしたの? マサヒコを悦ばせてあげたいんでしょ?」
「は、はい! よろしくお願いします!」
「それでは、はじめ!」
始まりのコールと同時に、アイの心臓が高鳴る。
「濱中先生……」
「は、はい!」
マサヒコ母は声のキーを落として、アイの目を見つめ囁いた。
アイの手にそっと、マサヒコ母の手が添えられる。アイの身体がびくっと震えた。
「あ……小久保君……」
「マサヒコ君って呼んでくれって言ったでしょう?」
(そんなこと言ったかな……)
なかなか堂に入った演技だった。
「先生は僕になんて呼ばれたいんですか?」
くすぐったくなるような甘い声だった。が、マサヒコ母の真剣な演技に対して、自分も真剣に答えなきゃと思った。
「私は……先生のままでいいな……」
「先生……」
マサヒコ母の指が、アイのあごをくいっとあげる。アイは唇を突き出される形になる。
「あっ……」
この形だと、マサヒコ母の顔がよく見える。その顔にはどこか、マサヒコ本人の面影があった。
(そっか……性格はお父さん似だけど……顔はお母さん似なんだ……)
まるで本当にマサヒコを相手にしているように錯覚してしまう。アイは自然と目を瞑ってしまった。
(あちゃー……濱中先生、目ぇ瞑っちゃった……まさかキスまでファーストじゃあないわよね……。
さすがにファーストキスぐらいは息子に譲ってやるか……じゃあ私は失礼して)
マサヒコ母は唇をそっと、アイの耳元に運んだ。唇が耳に触れた瞬間、アイの身体はぴくんと震えた。
「あっ……」
「かわいいですよ、先生……」
耳元でそう囁かれると、アイの顔はトマトのように真っ赤になった。
「マ……マサヒコ君……」
マサヒコ母はそのまま、アイの首筋に沿って唇を這わせる。その間、アイの髪に手櫛をかけてあげるのを忘れなかった。
慣れた手つきだった。マサヒコ母の指の滑らかな動きは、アイの頭皮を刺激して、官能を高めていった。
「マサヒコ君……くすぐったいよ……」
「先生……もういいですか?」
「えっ?」
気がつけばアイの身体はマサヒコ母に組みしだかれて、ソファの上に倒れていた。
アイの官能に火がつく前に、マサヒコ母のほうが燃えてきたようだった。明らかに艶やかな目をしている。
それがマサヒコに見詰められているようで、アイは自然と抵抗する気持ちを無くしていた。
「先生……」
「マサヒコ君……」
アイは身を固くして、きゅっと目を瞑った。
マサヒコ母の手が、アイのシャツの下からそうっと侵入する。へそをなぞり、シャツが徐々にめくれ、お腹が露わになる。
やがて、やや大きめな胸を包んだブラが露わになる。子供っぽさを残す、水玉模様のブラだった。
アイは恥ずかしさで泣きそうになっていた。
「それじゃあ、いきますよ?」
「う、うん」
「じゃあ、失礼して」
マサヒコ母の右手がブラの隙間から胸に伸びる。
手のひらに少しはみだす程度の十分なふくらみに、マサヒコ母の手は吸い付くようにぴたりと張りついた。
「苦しかったら言ってくださいね」
弾力を楽しむように、手のひらで円を描く様に胸を撫で回した。左手はアイのへその下に置かれている。
こね回すようにしてマサヒコ母は胸の感触を味わっている。もう片方の手もアイの下腹部を優しく擦っていた。
「ふ……」
アイが小さく息を漏らした。
「ん……なんかくすぐったいよ……」
両足を擦り合わせながら、アイは目を閉じて身体を強張らせたまま、マサヒコ母の手の動きを感じている。
しばらく続けていると、アイの顔が紅潮してきたことに気付いた。
息を漏らすペースも少しづつ早くなっている。
「先生、気持ちいいですか?」
「わかんないけど……ぞくっとする」
しかし、マサヒコ母にはアイが確かに感じてきていることがわかっていた。
マサヒコ母の手が、アイの水玉ブラを外すと、二つの丘がぷるんとこぼれて外気に晒された。
アイは顔を両手で隠す。
「先生……乳首が立ってきましたよ」
「うそ……恥ずかしい」
マサヒコ母は手の動きを止め、人差し指と中指でアイの小さな乳首を挟み、そのままくりくりとこね回した。
アイは身体をひくつかせ、くねくねと動かしながら、ぞくぞくとした感覚に耐えている。
時折マサヒコ母の指がアイの乳首をはじく。ピンク色した小さなしこりがぷるんと震えた。
「先生の心臓、ドクドクいってます」
「だって……恥ずかしいもん……」
「次、こっちいきますよ……」
マサヒコ母の手がスカートへと伸びた。ぴたりと合わせられたアイの太ももを擦り、ゆっくりとスカートを捲りあげていく。
すぐにブラとおそろいの、水玉模様のショーツが姿を見せた。太ももは以前閉じられたままだ。
「可愛い下着ですね」
「う、うん、ありがとう……」
こうなるなら中村からもらった勝負下着をはいていけばよかったとも思ったが、その言葉に少し救われた。
「足、広げてもらえますか?」
「えっ……? う、うん……」
恐る恐る、固く閉じたままの足をゆっくりと広げる。凄まじいまでの羞恥だった。
太ももにあてられていたマサヒコ母の手は、アイのショーツのラインに沿って、ゆっくりとスリットの部分に伸びてゆく。
そこはもうだいぶ湿り気を帯びていた。目をこらしてみると秘裂のラインがくっきりと浮かんでいる。
「……先生、濡れてる」
「えっ、うそっ!?」
「本当ですよ、ほら」
マサヒコ母の指が秘裂のラインを撫でると、湿りのある感覚がアイに伝わる。
「やだ……」
「先生、興奮してるんですか?」
「言わないでよ、マサヒコ君……」
マサヒコ母はその部分を優しく擦りつづける。時折爪でひっかくように擦りあげる。
「んっ……あふぅ……」
「先生、気持ちいいですか?」
アイの吐息にだんだん甘い声色が混じってきたのが分かった。愛撫を続けるほどに下着に水分が含まれる。
「先生……下着とりますね」
「えっ、ちょっと、まっ……」
アイの言葉を最後まで聞かず、マサヒコ母の手はすばやくショーツを取り払った。
秘部からショーツにかけて愛液が糸を引いていた。
「すごく濡れてますね……」
アイは何も言わず、ただ顔を赤らめている。太ももがまた、ぴたりと閉じられたままだ。
「先生、足……」
アイは最初戸惑った顔をみせたが、すぐに言われるまま震える両足を開いた。
マサヒコ母の眼前に、アイの濡れた秘部がなにひとつ隠すことなく晒される。
陰毛は標準よりやや少ない。ピンクに染まったその部分は、つやつやと怪しい光を帯びていた。
「とっても綺麗です、先生……すごくひくついてる」
マサヒコ母はそう言うと、アイの股間へと顔をうずめた。そのまま舌を伸ばし、アイの愛液をすくいとるように秘部を舐める。
「ひあっ!」
アイの身体が跳ねた。マサヒコ母はアイの腰を両手で掴み、逃げられないように固定する。
そのままアイの小さな肉芽をちろちろと舐め上げる。その度にアイの身体に電撃のように甘美な衝撃が走る。
「あっ、ひあっ、ふっ、あんっ!」
(私の熟年の絶頂テクで昇天させてあげるわ……)
アイにとっては初めての衝撃に、腰がびくんと何度も跳ねあがる。
マサヒコ母は肉芽を刺激しながらも、どんどん溢れてくる愛液を啜って飲みこんでいた。
「んぷ……おいしいです……先生……」
「うああっ、マサヒコ……くんっ……ふやぁ……!」
舌で舐めるだけではなく、唇ではさんで吸い上げたり、また小陰唇にも舌を這わせ、
その小さな秘部に絶えることなく刺激を与えつづける。その度に愛液はとろりと溢れつづける。
「ああっ……んっ……くぅ……いやぁ……」
アイは瞳に涙を溜めていた。がくがくと身体を震わせ、とまることない刺激に耐えている。
マサヒコ母は舌の動きを早めた。アイの肉芽は小さいながらも、ぷっくりと充血している。
ぴちゃぴちゃとした隠微な音が響く。
「あっ、くぁっ、んんっ……」
「先生の……びしょびしょに濡れていて……とってもいやらしいです」
マサヒコ母の口もまた、アイの愛液でぐしょぐしょになっていた。
アイの息がどんどん荒くなり、喘ぎ声の感覚も狭まってくる。
「マサヒコくぅん……なんか変だよぉ……なんか……きちゃう……」
アイの頭の中にもびりびりとした衝撃が走り、下腹部に尿意に似たものを感じてきた。
マサヒコ母は止まることなく、舌を動かし奉仕を続ける。
「あっ、もう、もう……あっ、あっ、あっ」
すでに言葉になっていなかった。襲いくる未知の衝撃に耐えかねなくなり、アイは両太ももでマサヒコ母の頭を挟む。
「あっ、あっ、あっ、ふぁ、ひっ、ひぁぁぁん……!」
アイの腰が浮き、身体は今までよりも大きく跳ねあがる。秘部から飛び散った愛液がマサヒコ母の顔にかかった。
初めての絶頂を感じたアイははしたなく涙と唾液を垂らしたまま、荒い息を吐いていた。
身体にはまだ電撃のような刺激が残り、下腹部には熱い痺れがじんじんと動いている。
「先生、イッちゃったんですか……?」
「わ、わかんない……けど……き、気持ちよかった……」
(たしかこの辺に……)
マサヒコ母はソファの下に手を差しこんだ。
たしか昔お遊びで買って、一度も使わないまま放置していたペニスバンドがあったはずだ。
(あったあった。これで……)
「先生、いいですか?」
「え……あっ……」
ここまできての「いいですか?」と言えばひとつしかない。それはアイにもわかっていた。
アイの中ではすでにマサヒコ母ではなく、本物のマサヒコを相手にしている状況になっていたので、
本来ありえるはずのない「いいですか?」にも自然に対応していた。
「う、うん……大丈夫だよ」
「ありがとう先生。優しくするから……」
(アイ先生の処女、イタダキマス)
すでにペ二バン装着済みのマサヒコ母だった。その先端をアイの秘部にあてがおうとする。
「うん……ありがとう、マサヒコ君。やっぱり優しいね」
「……え?」
顔の半分を両手で隠し、羞恥と緊張で目を合わせないアイだったが、その口調ははっきりとしていた。
「私達がどれだけ騒いだり迷惑をかけてても、マサヒコ君は優しい人だから、許してくれるんだよね。
自分が大変なのに他の人のことを気遣ってくれることも多いし、私、マサヒコ君の先生でよかったなって思うの。
マサヒコ君に抱かれてることが嬉しいな。マサヒコ君にだったら、安心して身を任せていられる……」
「せ、先生……」
マサヒコ母はアイの突然の告白を、途惑いながらもきちんと聞いていた。
「だから私マサヒコ君のこと好きだったんだと思うんだ……私は大丈夫だから、マサヒコ君の好きなように……」
「あー……はいはい! ストップストップ!」
「え?」
マサヒコ母が両手を叩き、ペニスバンドを脱ぎ捨てた。
「はいはい、イメージトレーニングはこれにて終了ね!」
「あっ……えーと……お、お母さん?」
「いやー大変よ。急に愛の告白なんて聞かされて、母親としてはもうたまったものじゃないわ」
「えっ! あ……す、すみません! 私つい本気になっちゃって……」
アイの顔がまた、耳まで真っ赤になった。
「いいわよ。こっちとしても、アイ先生の真剣な気持ちが聞けたわけだし、それに……」
「そ、それに?」
「うちの息子が結構、たいした奴だったって教えてもらったからね。
ちょっと息子が誇らしくなったわ。なんていうのは、親バカすぎるかしらね?」
二人は顔を合わせて、クスっと笑い合った。
ギリギリセーフだった、マサヒコ母は思った。もう少しで本当に、アイの処女を自分がもらうところだった。
大事な息子のために残しておくことができて、本当によかったと思っている。
マサヒコ母は少し涙が出てきた。自分の考えに間違いは無かった。
マサヒコへの株も上がったが、一番株をあげたのはアイだったからだ。
自信が確信へと繋がった。濱中先生なら……きっと自分が心配するでもなく、マサヒコとうまくいくだろう。
「でもまあ、アイ先生の意外な一面も見られたから、今日の収穫はありね」
「すみません……あらぬ痴態をお見せしてしまって」
「いいのよ。わりとこういうの嫌いじゃないんだとわかったし」
またも下卑た笑いを浮かべるマサヒコ母。
「それで、その……トレーニング通りいきますか?」
「ん……それは……まあ、想像と違うだなんて初めてではよくあることよ」
「嘘!? 無駄骨!?」
「……とりあえず、お互いに服着ましょうか。それともお風呂借りる?」
「……あ、はい。じゃあ、借りますね」
アイはとりあえず自分の下着を持って、浴室へと向かう。
「着替えは適当に用意していくから」
「ありがとうございます。それじゃお先に失礼して……」
「あ、それと先生」
「は、はい?」
アイが踵を返して振り向いた。
「……息子のこと、よろしくね」
「……はい!」
シャワーの音を聞きながら、ひとりぼんやりとソファーで、物思いに耽るマサヒコ母。
(……女同士っていうのも、たまには悪くないかもね。クセになっちゃいそうかも。またアイ先生誘っちゃおうかしら。
でもそうなるとマサヒコがセットでついてくるわけだから、うそ、3Pで近親相姦? ちょっと二人にはハードよね〜)
よからぬ事を考えては、ひとりでクックッと笑っている。
「ただいま〜……母さん、なんか食い物ある……ってキモッ!」
「おかえり。キモってなによ。今あんたのこと考えてたのよ?」
「うわ〜ん本当にキモいよ〜」
「マサヒコ……」
「な、なんだよ」
「……頑張りなよ」
今日は吉日かなにかだろうか、とマサヒコ母は思った。
今日は厄日かなにかだろうか、とマサヒコは思った。