作品名 作者名 カップリング
『的山リンコの性知識講座』 長時間座ってると腰にくるね氏 -

『的山リンコの性知識講座』
-1-


的山リンコは悩んでいた。
天然ボケである彼女には、意外と悩みが多い。
忘れ物の回数、睡魔の激しさ、そして自分の体の成長の遅さが主である。
中でも、身体的な成長の遅さは、一応女の子である彼女にとっては、重要なウェイトをしめていた。
家庭教師の中村リョーコは「貧乳の方が良いって男もいっぱいいるわよ?」と大笑いするものの
自分自身がそれで納得出来る事は無かった。
周囲が思う以上に、彼女は自分を女として意識していたのだ。

中学を卒業する直前ぐらいから、友人の天野ミサキが
以前にも増してイキイキした表情をするようになった事は、さすがのリンコでもわかっていた。
女性は恋をすると魅力的になるというが、まさにそれだろう。
小久保マサヒコと付き合うようになってからのミサキは、それまでリンコと一緒に
バストアップ体操をしていたとは思えない程、女性的な魅力に磨きがかかっていた。
だからと言って胸がいきなり大きくなっていたわけでもなかったが、
さりとて以前のサイズのまま、という程でもなかった。
着実に、ミサキの胸のサイズは大きくなっている。


「ねぇねぇ、ミサキちゃん」
ある日、リンコはミサキに問いただした。
「なぁに?リンちゃん」
「小久保君に、一日何回ぐらいおっぱい揉ませてるの?」
ブフッ!
ペットボトルの茶を飲んでいたマサヒコが噴き出した。
「な、ななななな……!!!111」
当のミサキも、顔を真っ赤にして言葉を詰まらせている。
「あのなぁ、的山……自主学習のためだけに俺の部屋に当然のように上がりこんでおいて
 そんな中村みたいな事口走るんなら、今すぐ追い出してやっても良いんだぞ?」
「えー、だってミサキちゃんの胸、絶対中学の頃より大っきくなってるんだもん。
 中村先生が、胸は揉むと大きくなるって昔言ってたしぃ……」
「あ、あのねぇリンちゃん?小久保君の言う通り、リンちゃんは今日ここに
 あたしに勉強を教わるために来てるんでしょ?ちゃんと勉強しようよ、ね?」
「で、何回くらい?」
駄目だ、全然人の話を聞いていない。
「……そんなの、言えるわけ……」と口ごもったミサキの後ろからマサヒコが
「ば、馬鹿っ!そんな事言ったら……!」と止めに入ろうとしたが、時既に遅し、だった。
「へぇ、やっぱり揉ませてるんだぁ」
その時点になってやっと、ミサキも自分の迂闊な発言に後悔した。
マサヒコ程下ネタに耐性の出来ていないミサキは、このテの心理戦には弱かった。
「誘導尋問だよぅ、マサ君……」
「馬鹿、今のはお前が悪い……こんなもん、誘導尋問のうちにも入らん。
 お前が馬鹿正直なだけだ……」

床に噴き出した茶をティッシュでふき取りながら、マサヒコは気をとりなおそうと努めた。
しかしリンコはしつこく聞いてくる。
自分は兎も角、ミサキがいつまでも耐えられるかどうかは微妙だった。
「あ、あのね、リンちゃん……そりゃあ私達、一応付き合ってるんだから
 その……胸くらい揉まれてても、不思議じゃないでしょ?」
馬鹿……とマサヒコは心の中で呟いた。徹底的な無視を決め込むという事が、こいつには出来ないのか。
「いーなー、私も揉んでもらいたい」
「だったら彼氏でも作れば良いだろ。脱線してないで、さっさと問題集解けよ」
「もーわかってないなー小久保君は。彼氏が欲しいから、揉んでほしいんだよ」
……ハァ?(゚д゚)
「胸が大きくなれば、男の子の目をひけるでしょ?」
「……だったら自分で揉んでろよ」
「うーん、自分でも揉んでみたんだけど、あんまり効果無くて……
 やっぱり人にやってもらった方が良いんじゃないかなぁ」
さり気なく爆弾発言をする辺りは、天然だからなのか、それとも中村の教え子だからなのか。
マサヒコはもう相手をする気は無かったが、ミサキが食いついてしまった。
「じ、自分でって……リンちゃん、いつも自分で揉んでるの?」
「だって、オナニーする時は胸も一緒にいじるでしょ?」
でしょ?と同意を求められても、ミサキには答えようがない。
その瞬間、ミサキはマサヒコの視線を背後から感じたが、それは明らかに、女性同士の猥談に対する興味ではなく
さっさと勉強をすすめろ、という、無言の圧力に他ならなかった。


「あのね、昔中村先生に聞いたの。女の子のオナニーは、良い事づくめらしいよ?」
どうでも良い話にマサヒコはブチ切れそうになったが、意外にもミサキが興味を持ったらしく、
彼女がリンコの話に耳を傾け始めたのを見て、とうとう諦めて、意識のスイッチを切る事に決めた。
「そ、それどういう事?リンちゃん……」
「感度が良くなるとか、女性ホルモンの分泌が多くなって綺麗になれて、若さを保てるとか。
 逆に女の子のアソコって、使わないと性能が落ちるらしいよ」
その中村情報がどこまで本当か疑わしいとミサキは思ったが、
ドア越しに話を立ち聞きしていたマサヒコの母は、その説が正しい事を知っており、一人でウンウンと頷いていた。
もっとも、ドアの向こうにマサヒコの母がいる事は、誰も気づいていなかったが。
「だから私、綺麗な大人の女性になるために、毎日欠かさずオナニーしてるよ。
 アヤナちゃんにはファッションスタイリストは向いてないって言われた事あるけど、いつか見返してやりたいもんねっ」
ふと見ると、机の上の問題集は最初の2、3問を除いて、空欄のままだ。
こいつは毎日何をするために俺の部屋に入り浸ってるんだ……マサヒコは外の風景にぼんやり視線を移しながら思った。

「あ、あとね、セックスって、結構エネルギーを消費するから、ダイエットに効果的らしいよ!」
もう知らん。お前らだけで喋ってろ、と言わんばかりに、マサヒコは廊下に出ようとした。
トイレに行くふりをしてそのまま二人が帰るまで逃亡していようと思ったのだ。
が、ドアは開かなかった。
「ん?おかしいな……」
ガチャガチャとドアノブを回すが、ドアは固く閉ざされて開かない。
その外側では、マサヒコの母がリンコの話に頷きながら、ドアの前にホウキをつっかえさせて、
マサヒコの逃亡を抑止しているところだった。
(その通りよ、えぇと……リンちゃん?だっけ。一説では週に三回のペースでセックスをすれば、
 年間8400カロリー消費している事になると言われているわ。
 これは年間で6回、サッカーの試合にフル出場しているのと同じ消費量になるのよ!
 ホルモン分泌量の増加とともに筋肉・骨が丈夫になり、善玉コレステロールも……以下略)
「ミサキちゃんは、小久保君と毎日ヤってるから、ダイエット出来るね!」
「あ、い、いや、私達は、まだ……その……ほら、まだ付き合い始めて一ヶ月ぐらいだし……」
「……ひょっとして、まだミサキちゃんも小久保君と、してないの?」
ミサキとリンコは、ほぼ同時に、ドアの前で立ち尽くすマサヒコに視線を注いだ。
ミサキの目には、明らかに「もうそろそろ私達も……」という期待感と、恥じらいが見え隠れしていた。
事実、付き合ってからの二人は、キスやボディタッチは多くなっていたが、本番はまだだったのだ。
そもそも、そのチャンスがあまり多くない。今日の場合もそうだが、二人きりになれる機会が、案外少ないのだ。
通う高校が違うと、中学の時のようにはいかない。
平日の昼間は当然会えないし、夜は夜で双方とも家に家族がいる。休日も同様だ。
ラブホテルに気安く入る程の経済力は無いし、仮にあったとしても、どちらも積極的にそういう事を言い出すタイプではなかった。


マサヒコは逡巡した。
ドアは何故か開かない。窓から逃げようにも、ここは二階。やや危なっかしい。
そして背後には、自分と肉体的な関係に発展したいと切望している恋人と、その恋人を唆しかねない天然の痴女。

……もはや観念するしかあるまい。
が、問題は、どこまで観念するか、だ。
リンコは放っておくと「ミサキちゃんと本番してあげなよ」とか「私の胸も揉んで」とか言い出しかねない。
勿論ミサキと自分の初体験が人前であるなどという事態は避けたいし、それはミサキも同様だろう。
だが、口車に乗せられた時のミサキは何を言い出すかわからない。
中学時代、アイ先生と中村の馬鹿に騙されてマサヒコを「お兄ちゃん」と呼んできた事がある辺り、既に実績があると言える。
「あー……ミサキ、それと的山」
「なぁに?」ほえ?という様な表情でリンコが答えるが、ミサキは黙り込んだままだ。
「お前らがよからぬ事を考えるのは勝手だが、俺を巻き込むのは……」
この言葉を、マサヒコはすぐに後悔する。
「……よからぬ、ですって……?」ミサキから闘気がにじみ出てきた。
「ミ、ミサ……」言いかけたマサヒコの言葉を、ミサキは気にも留めずまくしたてた。
「よからぬ事って何よぉ……私と寝るのは、よからぬ事なのぉ……?」
……出た。悔しさに耐えるような、あのミサキのお得意の泣き顔だ。
具体的に言うと、「私はどうせ家庭科2ですよ」の時の、あの表情。
「あ、あのな、ミサキ……冷静になろうぜ。別にお前とするのは、その……吝かじゃないんだけどさ。
 ただ、こういうのって、その場の勢いとかでするもんじゃないだろ?もっとムードとかお膳立てしてさ……」
「でも、セックスってのは大抵、勢いでするもんだって、中村先生言ってたよ?」
まとやまぁぁぁぁぁぁぁぁ!と叫びだしたくなるのを、マサヒコは堪えた。
と同時に、当時中学生だった教え子の教育に明らかに悪い事を、平然と教える中村の性格の悪さに腹が立った。


「マサ君……」
ミサキの目が潤んでいた。不意打ちな程の輝き。滝川クリステルもびっくりである。
しかも上目遣い、しかもいつもより声のトーンが高い、しかも顔が赤い。
「い、いやいやいや!お前ちょっと冷静になれって!今ここには、的山もいるんだぞ!?こんなところで……」
実際にはリンコだけではなく、ドアの向こうにマサヒコを産み落とした張本人がいるのだが、誰も気づいていない。
「そう言えば小久保君ってさぁ……」
「な、なんだ?」これ以上状況が悪くなりかねない事を、的山リンコはいとも簡単に口にする。
その事はマサヒコにも読めていたが、思わず反応してしまった。
「小久保君がEDって、本当なの?」
「EDって何なのか、俺は未だに知らないんだが……多分違う」
「えっとね、ちゃんと勃たない男の人の事を、そう言うらしいよ!」
普段自分より成績の良いマサヒコに、自分が何かを教えてやる事が出来たという満足感が、リンコに芽生えた。
いかにも得意そうな顔で、満面の笑みをマサヒコに向ける。何かに勝ったような気分のようだ。
「でねでね、中学以前にセックスを経験した人は、EDになる確率が高いらしいよ。あと、コミュニケーション能力が低下したり……」
ドアの向こう側にいたマサヒコの母は、人知れず大きく頷いた。
(その通りよ、リンちゃん!精神的に未成熟な段階でセックスする事は危険なの。
 結果、勉強が手につかなくなったり、落ちこぼれたり、引きこもりやニートになる確率が……はっ!)
そこでマサヒコの母は気づいた。
家庭教師を雇う以前のマサヒコは、成績が悪かった。勉強が手につかず、まさに落ちこぼれ一歩手前だった。
「まさか……」
ミサキとマサヒコの母が、小声でそう呟いたのは、ほぼ同時だった。
「ひょっとしてマサ君、私と付き合う前から、誰かとすでにしてたの……?」


「んなワケないだろうが!俺はお前と付き合うまで、彼女なんて出来た事ないんだから!」
「でも、彼女はいなくても、アイ先生とはいつも親密だったよね……?」
「お前……まさか、先生と俺の関係を疑ってんのか!?あり得ねぇだろ!」
しかしマサヒコの言葉はミサキにはもはや届いていなかった。
思えば、疑うべきだったのだ。
事実、最初は疑っていたではないか。濱中アイを、生徒を誑かす淫乱女教師だと、思っていたではないか。
布団の中でいかがわしい行為――実際には光の屈折の実験――をしたり
両親のいない夜に二人きりで――実際には嵐で帰宅出来なかっただけ――過ごしたり。

いつの間にか信用してしまっていた。
自分の彼氏の事も、あの優しい家庭教師の事も。
いや、今でも信じている。信じてはいるが、しかし小なりとはいえ、不信は払わねばならない。
とすれば、やる事は一つ。
マサヒコがEDでない事を証明する事が、同時に彼が童貞である事の証明に繋がる。
勿論実際にはそう単純に証明出来るものではないのだが、彼女の思い込みの激しさは折り紙付きである。
「……しましょう。マサ君。今、すぐ」
目がすわっていた。
マサヒコには、それを断ってこの場を逃亡する術が無かった。
マサヒコの母は、もうつっかえ棒がいらないだろうと判断し、ほうきをドアから離した。
そうしてこっそりとドアを開け、隙間から中の様子をうかがった。


-2-

今までソフトなキスは何度か交わしてきたが、濃厚なディープキスは初めてだった。
お互いに不慣れなためにその舌使いは拙かったが、問題はテクではなくハートである。
マサヒコもミサキも、お互いに愛を確認するようにキスを交わし続けた。
「そう言えば、フレンチキスって本当は、舌をねっとりと絡める濃厚なキスの事を言うらしいよ」
リンコが横から茶々を入れるが、二人とも気にしなかった。
まるでそこにリンコなど、他の人間などいないかのように、気兼ねなく深くキスを交わした。
リンコにとっては勉強になる反面、蚊帳の外のようで面白くない。
マサヒコは服の上からミサキの胸を揉んでいたが、ミサキがその手をとって、胸から離した。
「……嫌なのか?」
「ううん、違う……今日は、直接触ってほしいの……マサ君」
言われるがままに、マサヒコはミサキの白いブラウスのボタンを外していった。
慣れないためにやはり手間取ったが、それが済むと、控えめな乳房と、それを覆うブラジャーがそこに現れた。
「あ……あんまりジロジロ見ないで」
「あ、いや……ごめん」
しかしミサキは、言葉とは裏腹に、もっと堪能してほしいと言わんばかりに、ブラのホックを外した。
マサヒコはそれを手でつまんで、そっとベッドの端に退けた。
そうして、初めて見る自分の恋人の生の乳房に、可愛らしいその先端の突起物に、食い入るように指を這わせた。
その指の動きがあまりに遠慮がちだっために、ミサキは不満の声をもらした。
「何か、マサ君……ビビってない?」
「わ、悪いかよ、俺本当に初めてなんだってば!」
「もう……ほら、お口の方が疎かになってるよ……」
そう言われてマサヒコは、思い出したようにミサキと再びキスをした。
同時に、胸を揉みしだく手と指の動きも忘れない。
先程と違って、ミサキの口から、唾液とは別に、甘い吐息が漏れ出してきた。

たっぷり10分程、二人はその行為を続けた。
ミサキはその続きを期待していたが、マサヒコはどのタイミングで次のステップに移るべきか迷っていた。
恐らくリンコが「いつまで続けるの?」と横槍をいれなければ、後一時間はそうしていた事だろう。
「でも、毎日こんなに揉んでもらってたら、胸もきっと大きくなるよね!」
「だから、お前は自分で揉んでろっての……」
「だから、毎日自分で揉んでるってば。さっき言ったでしょ?私毎日オナ……」
「わかったわかった、お前とりあえず黙ってろ」
ドアの向こう側でマサヒコの母は笑いをこらえていた。
二人の会話を尻目に、ミサキはひっそりとスカートを脱いでいた。
しかしさすがにパンティは、まだ抵抗があるらしく、自分では脱げなかった。
マサヒコは構わず、下着の上からミサキのアソコを指先で撫でてみた。
「どうだ、ミサキ……感じるか?」
「ううん……なんか、よくわかんない。くすぐったい……」
「ミサキちゃん駄目だなぁ。普段オナニーしてないから、感度が発達してないん……」
「黙れって」


しかし、程なくしてミサキの下着がほんのりと湿ってきた。
好きな男に触られているという快感、プラス友人に見られているという背徳。
よくない事だと自覚しつつも、ミサキは反応を示し始めていた。
「ミサキ……脱がして良いか?」
「えぅ……ちょ、ちょっと、ま、待って……自分で脱ぐ、から……」
さすがにパンティまで脱がされる覚悟は、まだ無いらしい。
もっとも、この後に控えている行為を考えれば、相手に下着を剥ぎ取られる事など
大した覚悟ではなかったのだと、後になって知る事になるのだが。
兎も角ミサキは少しずつ、しかししっかりと下着を脱いだ。
そこには、控えめな恥毛に覆われたオアシスが、静かに水分をたたえていた。
「何度見てもミサキちゃんの毛が羨ましいなぁ」
「高校生なんだから、普通もう生えてるでしょ……リンちゃんはまだなの?」
そう言えば、リンコは卒業式の時点で、堂々とパイパンだと自己申告していた。
あれから一ヶ月。急には生えてこないだろう。
「ねぇ、マサ君……マサ君は脱がないの?」
マサヒコは、まだ自分は一切服を脱いでいなかった。
恥の感覚もあったが、それ以上に、ミサキの裸を拝むという事の方に意識がまわっていて、すっかり忘れていた。
「あ、あぁ、そうだな……ちょっと待っててくれ」
女性ほど恥じらいの無いマサヒコは、テキパキと服を脱いでいった。
それでも、トランクスを脱ぐ際には少々抵抗があった。
しかしミサキはもっと恥ずかしかった筈だと思い直し、覚悟をきめて自分のモノを曝け出す。
そこには、とても勃起不全とは疑えようもない、立派なモノがそびえ立っていた。
「どうだ?これで俺が、EDじゃないって証明されたろ?」
「う、うん……何ていうか……」
「ん?何だよ」
「……こわい……」
それは正直な感想だった。処女には想像も出来ない程の大きさ。
普段これがちゃんと萎んでいて、ちゃんとズボンの中に納まっているのが不思議だった。
しかも、ただでさえ大きくなっているのに、見る見るうちに、更に膨張していく。
それは小さなモンスターのようにさえ思えた。
なるほど、アメリカでは男性器をポケットモンスターと呼ぶのも、頷ける。
しかもこんな大きなものが、これから自分の中に入ってくるという……。


ミサキはそれを、恐る恐る指先で触れてみた。
ほんのちょっと触れただけで、それはピクンッと反応した。
「ひっ……ほ、本当の本当に怖いんだけど……」
「う、うるさいな……俺からしてみれば、お前のだって、十分グロテ((ボカッ!))
言いかけたマサヒコの頬に、ミサキの右ストレートがとんだ。
「もうっ!女の子にそんな事言わないでよ!デリカシー無いんだから!」
デリカシーの無い女ほど、相手の男にデリカシーを求めたがるが、ミサキはまさにそういうタイプだった。
つい数秒前に恋人のモノを怖いだのモンスターだのと感じた事は、もう綺麗に忘れている。
「す、すまん……いやでも、綺麗なピンク色だよ。可愛い」
可愛いと言われて、ミサキの顔は更に赤くなった。
思えば、マサヒコがミサキを可愛いと言ったのは、今回が初めてだったかもしれない。
それが、顔ではなく性器というのが複雑な気分だが。
「当たり前でしょ。まだ、使った事ないんだから……」
「あ、それは違うよ、ミサキちゃん。女の子のアソコの色って生まれつきのものらしいよ。
 発育が良いと色素が沈着しやすくて、色も濃くなるけど、発育が悪いと、ピンク色である事が多いんだって」
今日はいちいちリンコの性知識の博学ぶりを思い知らされる日だ。
その記憶力を何故勉学や日常生活にいかせないものか。
確かに、ミサキは発育が良くない。故に胸も小さいし、どちらかと言えばロリ体型だ。
という事は、的山のもピンク色なのかな……じゃあ逆に若田部のは……
「あ、今マサ君、他の女の子の事考えてたでしょ……」
瞬間、ミサキに図星をさされた。女の直感というものは恐ろしい。
「い、いやそんな……俺は、ちゃんと……」
「誤魔化そうったって無駄だよ、小久保君。女の子は、男の人のおちんちんを握っただけで、
 相手が浮気してるかどうか直感出来るらしいからね!」
その説の真偽は兎も角、いちいち目ざとい。マサヒコは、今日ほどリンコを邪魔だと思った事は無かった。
まるで中村二世だ。


しばらくの間ミサキを愛撫していたマサヒコだったが、やはり最後は挿入せねばなるまいと思っていた。
しかし、やはりタイミングがつかめない。
出来ればあまり痛くないように済ませてやりたいが、どの程度までならせば痛くないのか?
「指三本が入るぐらいまで女の人のアソコがなれてきたら、入れても良いらしいよ」
的確なタイミングでリンコがアドバイスをしてきた。こいつ実は処女じゃないんじゃないのか?
中村の教え子であるだけに、間違いなく処女だ、とは断言出来なかった。
奇しくも、マサヒコが再びリンコの貞操を気にするのはこの約二年後。
若田部アヤナが家族ともども帰国してくる日の夕方、リンコがセージの首輪を引っ張って犬のように扱う時なのだが
それはまた別の話である。(>>367からの『タイムカプセル』参照)
「指三本……ってもなぁ」
ミサキは少なくとも処女である。処女相手に無理に指三本いれて、膜が破れたりしたら大変だ。
マサヒコは、処女膜というものが入り口からどの程度の深さにあるものなのかも知らないのだ。
とりあえず入り口のあたりは、指先が三本ほど、ぎりぎり入るようだが、奥の方はどうだかわからない。
結局、確実を期すために、もう少し濡らしておく事に決めた。
幸い、ある程度濡らすだけならどうにかなりそうだ。
豆のような部分を発見したので、そこをいじってみると、それまでより若干大きくミサキが反応するのがわかっていたからだ。
恐らくはこれが、有名なクリトリスという器官だろう。何のために人体に存在する器官なのかわからないが、この際どうでも良い。
「えっとねぇ、そこは神経が集中してて、かなり感じる部分らしいよ」
リンコがそう言ったので、調子にのってそこばかり集中して責めてみる。
ミサキは先程から、小さな吐息を少しずつ吐き出していた。
「はぁ…………はぁ…………ふぅ…………は、ぁっ……」
目はとろけるように輝いており、まるで少女漫画のヒロインのようだ。……少女漫画は読んだ事無いが。
昔テレビで見た、ベルサイユの薔薇の登場人物が、大体こんな感じの目だったような気がする。
思えば少女漫画の登場人物というものは、何故あんなに目が輝いているのだろう。
あれが女性の理想の表情なのだと言われれば、それまでだが……。
(当たらずとも遠からず、よ。マサヒコ。女性の化粧というものは、イった時の顔を目標に作られているのよ。
 人間の女性は発情すると充血し、唇は赤く腫れる。頬も紅潮して、いわゆる色っぽい状態になる。
 そしてそれを見た男性は、性的に興奮し発情するのよ。
 化粧ってのは、常時その状態をキープするためのもの。
 赤い口紅とグロスによって唇を腫れているように見せ、頬紅は紅潮を演出する。
 イった時の顔が男性から見て一番美しく見えるという事を利用した装飾方法なのよ!)
まるでマサヒコの疑問を感じ取ったかのように、マサヒコの母は一人で勝手に脳内で講釈をたれた。


マサヒコは愛しむようにキスを繰り返していたが、やがてたまらなくなり、唇をミサキから離した。
そしてそのままミサキの下腹部に狙いを定めると、今度はミサキのアソコに優しくキスをした。
「やだ、恥ずかしいよ、マサ君……」
「今更だろ……」
それはまるで、水を含んだスポンジのようだった。ちょっと舌で押してやると、少しだけ水分が滲み出る。
マサヒコは探るように、舌先でミサキのアソコを舐めまわしてみた。
ミサキは、感じてくれているのだろうか?
マサヒコにはそれが不安だった。どうせなら、ミサキにも満足してもらいたい。
だが、それを確認する方法は、直接聞き出す以外に、マサヒコには考えられなかった。
「ミサキ……気持ち良いか?」
「……もうっ、わかんないよ、そんな事……」
「大丈夫だよ、小久保君。ミサキちゃん、目を閉じてるでしょ?
 男の子は目が性感帯になってて、だから女の人の裸とか見ると興奮するんだよ。
 でも女の子は目よりも肌で感じるから、本当に感じてる時は目を閉じて、体全体で相手を感じようとするらしいよ」
「そ、そうなのか?」
いつの間にか、邪魔だと思っていたリンコのアドバイスをしっかり聞いている自分に、マサヒコは驚いていた。
「だから男の子は女の子の裸を見ると目が輝くんだって。で、女の子は赤ん坊や子供を見ると目が輝くんだってさ」
なるほど、生物学的な男女の差異を考えれば、納得出来る。
子孫を増やす事を本能とする男と、子を守る事を本能とする女の違いというわけだ。


その後、しばらく沈黙が続いた。
静かな部屋の中に、ミサキの吐息と、ピチャピチャという恥ずかしい音だけが微かに聞こえていた。
やがてミサキが、暴発しそうな吐息をこらえながら口を開いた。
「……ねぇ、マサ君……」
「……ん?」
「も、もう……良いんじゃない、かな……?その……私、もう、大丈夫……だと、思う……からぁ……」
待ち望んでいた言葉だった。
マサヒコは呼吸を落ち着けると、上半身を起き上がらせた。
「痛かったら、すぐに言うんだぞ。遠慮しなくて良いから」
「うん……あ、そ、その前に!」
「何だ?」
「その……もう一度、キスして……」
ベッドの横に手持ち無沙汰で座っているリンコと、ドアの向こうの母に見守られながら
マサヒコは今一度、優しく、あくまで優しく、ミサキの唇に自分の唇を重ねた。
それ自体は、ミサキとしてはムードを演出するため、プラス愛を再確認するためだったのだが
リンコは別の解釈をしてみせた。
「さっすがミサキちゃん!セックスアピールをうまく活用してるね!」
「え……?どういう事?」
「えっとね、人間以外の動物には、唇って器官が無いんだよ。
 じゃあ何で人間には唇が発達してるのかっていうと、それはセックスアピールのためなの。
 二足歩行するように進化した人類は、そのせいで逆に性器が表面上目立たなくなったの。
 だから性器に変わって異性にアピールするために発達したのが唇で、だから
 唇が厚い人は性欲が強いって言われるの。アイドルだと、猪上和歌とか彫北真紀とか……」
「ごめん、お前やっぱり黙ってて」と呆れ返りながら、マサヒコはミサキの中に挿入を開始した。



-3-

「ぁっ……あ゙……い、痛……っ」
「ご、ごめんミサキ!大丈夫か!?もうやめるか?」
「やだ……やめるなんて、言わないで……」
やはりミサキにとって、相当な痛みを伴うようだった。
ミサキの痛みが和らぐまで、しばしマサヒコは待つ事にした。
「…………ありがとう、多分、もう大丈夫だから……続けて」
マサヒコは、苦痛で目に涙をたっぷりと浮かべたミサキを心配しながらも、ゆっくりと挿入を続けた。
純潔を現す血液がシーツの上に零れ落ちる。
(あぁっ、馬鹿息子!バスタオルしいとけば良かったのに……!)
母がドアの向こうでそんな事を考えながら立っているとは、毛ほども思わなかった。
「ひぐっ……うぅ……あ……」
「ミサキ、大丈夫か?動くぞ?」
「う……うん……」
始めはゆっくりと、そして段々とペースアップしながら、マサヒコはミサキに下半身を打ちつけた。
生ぬるい粘膜の中を、熱い肉の棒が蹂躙する。
初めてなので、マサヒコも痛かったが、やはりミサキほどではなかった。
締め付けるような痛みは、二人が共同作業をしてるのだと感じるに十分だった。
そりゃあ、俺のモノでこんなに痛がるんだから、まして出産なんて、死ぬ程痛いってのも頷けるよなぁ……
マサヒコは冷静にそんな事を考えていた。
と同時に、そんな痛い思いをして自分を生んだ母の事に思いをめぐらせたが、セックスの最中に母親の事を考えるなど
萎えそうだったので、すぐに頭から振り払った。
その母親がドアの向こう側にいるなどという事には、相変わらず気づいていない。


ミサキの足は、苦痛に耐えるように、マサヒコの腰を通って、背中にまわされている。
手は、これまた苦痛に耐えるように、シーツをしっかりと掴んで話さない。
たかがセックスでシーツをつかむくらいだから、出産の時は竹を握って痛みに耐えるというのもあながち嘘ではなさそうだ。
粘液と血液が、マサヒコの睾丸を伝ってシーツに飛び散る。
「うっ……うっ……あっ……あぁ゙っ……はあっ……」
最初は苦痛の喘ぎだったミサキの声も、段々と、湿った喘ぎに変わってきた。
汗の粒が舞い散る。確かにこれは良い運動だ。ダイエットにも効果的だろう。
リンコはその様子を、子供のように指をくわえてじーっと観察していた。
しかし、ただ見ている事に飽きたのか、くわえていた指を離すと、おもむろにミサキの乳首にあててみた。
「ひ、ひゃっ!リンちゃんっ何をぉ……」
指は、ただそこにあるだけだが、ミサキの体が前後するために、擦られるような感覚でミサキに襲いかかった。
(おいおい、初エッチが3Pかぁ?さすが我が息子!)
「ミサキちゃん、気持ち良ーい?」
「わ、はぁ……んっ!やめ、や、あはぁぁぁぁ……」
ところで、普通子供が指をくわえる時というのは、大抵片手の指だけである。
リンコがくわえていた指も当然片手だけで、その片手が今ミサキの乳首にあてがわれている。
つまり、リンコのもう片方の手も、ミサキのもう片方の乳首も、がら空きというわけだ。
リンコはそれに思い至ると、もう片方の手の指先も十分に自分の唾液で濡らしてから、
じっとりとミサキの乳首に擦らせた。
「はぁあ……は、じめて、なの……にぃい……」


本来なら、処女であるミサキが、初体験でそう簡単にイく事はなかったろう。
だが、人に見られているという背徳感と、その相手に乳首をいじられているという信じがたい状況。
そして女の子に乳首をいじられて感じている自分を、自分の恋人に見られているという後ろめたさ。
時間はかかったが、それでもミサキは、何とマサヒコより先に絶頂に達した。
「あ、あ、くる、何かくる、出ちゃうっでちゃうっ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
ミサキの体が痙攣し、膣内の肉壁はそれまで以上に締め付けを強くした。
そのショックでマサヒコもイきそうになったが、今日は何の用意もしていない。
ゴムもつけずに行為に及んでしまったため、このままでは中に出してしまう。
引き抜くのもキツかったが、無理やり何とか自分のモノをミサキのアソコから引き抜くと、
そのまま勢い良く、ミサキの腹の上に精液を迸らせた。
因みに、カウパー氏腺液――俗に言う先走り汁――にも妊娠の危険性があるため
たとえ外出しでもゴムはつけるべきなのだが、彼らにそんな予備知識はなかった。
もっともリンコだけは知っていたかもしれないが、面白そうなので黙っていただけかもしれない。

行為はそこで終わらなかった。
まだ息の荒いミサキの腹の上に飛び散った精液を、何とリンコが指ですくって
ミサキの半開きの口の中にねじこんだのだ。
しかし、半分意識が朦朧としているミサキには、リンコが何を自分の口の中につっこんでいるのかも判然としなかった。
ただぼんやりと、リンコの指と、その先に何か苦い、変な味ものがついてるのだな、という事はわかった。
「な……何やってるんだ、的山……」
じっとりと汗で湿った裸を、もはや吹っ切れたのか隠しもせず、マサヒコが問いただした。
「男の子のセーエキってね、健康に良いらしいよ?」
「また中村情報か?その情報に信頼性はあるのかよ?」
(本当よ、我が息子!精液の約95%はタンパク質!しかも低カロリーで、ダイエットにも最適。
 カルシウム、クレアチン、マグネシウム、フォフフォラス、ボタシウム、ビタミンB12、ビタミンC、亜鉛etc....
 そして濃縮されたホルモンを含む、実に多くの栄養素の塊なのよ!)
「セー……エキ……?」
「そ!ミサキちゃん、意識は大丈夫?」
「リンちゃん、私に……精液を飲ませたの?」
「うん!美容に良いんだって!これでミサキちゃん、もっと綺麗になれるよ!」
屈託の無い、悪意など欠片も無い笑顔で、的山リンコはそう言った。


疲れたので、しばし休息を……と思ったが、殆ど何もしていないリンコだけは、全く休もうとしなかった。
「二人の見てたら、私も何かウズウズしてきちゃった……」
「へ?お、おい、ちょっと待て、的山……」
「言ったでしょ?小久保君。私、胸揉んでもらいたいの。そんで巨乳になりたい!」
リンコは、いつも一人でする時のように、一気に服を脱ぎ始めた。
「リ、リンちゃん!いくら何でも、それは……!」
ミサキが、朦朧としていた意識を無理やり奮い立たせて起き上がった。
「駄目ぇ?」
甘えた幼児のような、母性本能をくすぐる表情で、リンコはミサキに懇願してみせた。
「だ、だって……わかるでしょ?マサ君は私の彼氏なんだし、他の女の子の……その……」
ミサキの戸惑いもマサヒコの動揺も無視して、リンコは下着すらも平然と脱ぎ散らかし、早々と全裸になった。
こう言っては悪いが、小学生のような体だ。
洗濯板のような扁平な胸、殆どクビレの無い腰に、ボリュームの無い尻。
無毛の恥丘はミサキと違って遮蔽物無くすっきりと拝む事が出来たが、代わりにビラビラした肉もはみ出ていなかった。
可愛らしい筋が一本、縦に短く伸びているだけだ。


殆どの男性は、マザコンかロリコンかに大別出来るらしい。
その前提に立てば、大多数の男性はどちらかと言えばロリコンに違いない。
一度は射精しておさまりかけたマサヒコのモノは、リンコの幼い肢体に反応して、またムクムクと大きくなりはじめた。
その様子を見たミサキは当然嫉妬する。いや、もはや激怒、と言っても差し支えがない程だ。
「だめぇー!そんなの絶対にだめ!マサ君は私だけのマサ君なんだから!」
とは言うものの、マサヒコは既にリンコの体に興味を奪われていた。
そもそも男性は、生物学的な本能から、一度セックスをしたメスには興味が無くなる。
男性がセックスでイった後急に冷たくなる傾向にあるのはこのためで、それは本能だから仕方が無い。
より多くの子種を残す事がオスの生態として当然の野性なのだ。
マサヒコはリンコに手を伸ばしかけた。
だが、やはりミサキがそれを許しはしなかった。
「だめだめだめっ!絶っっっ対にだめぇ!マサ君とキスして良いのも、マサ君に抱きしめられて良いのも、
 マサ君のに触って良いのも、マサ君のをいれて良いのも、私だけ!この世で私だけなんだから!」
もっとも、メスはメスで、本能的には多よりくのオスと交尾したがる傾向にあるのだが、それはこの際関係無い。
恋愛とは突き詰めて言えば相手を束縛する権利を得る事であり、独占欲を満足させる事である。
ミサキの独占欲が阻害される事は、ミサキ自身にとって許せない。
だが、マサヒコを奪われる事を必死に嫌がるミサキを見て、リンコは考えを巡らせた。
「そうだ……よく考えたら、別に小久保君に揉んでもらう必要も無いんだよね。
 ね、ミサキちゃん?」
言うが早いか、リンコはベッドの上で上半身を起こしていたミサキを、再び押し倒した。


「ちょっ、リンちゃん!いきなり何……!」
混乱するミサキの上に馬乗りになり、その両手をとって、リンコは自分の胸にあてがった。
「一緒に揉みあいっこしよーよ!ミサキちゃん」
無邪気とは時に恐ろしい。リンコはミサキから手を離すと、そのままミサキの胸を揉みにかかった。
「やっ、リ、リンちゃん……その、いくら何でも……ほら、マサ君もいるし……」
「その小久保君と、もっと凄いコトを今私の目の前でやってたじゃん。今更こんなので恥ずかしがる事もないよ」
そうは言っても、たった今処女喪失したばかりのミサキにとっては一大事だった。
しかもリンコは、さすが女の子だけあって、ついさっきまで童貞だったマサヒコよりは格段に愛撫がうまい。
ミサキは思わず顔がとろけそうになるのを必死でこらえて、険しい表情を作ろうとした。
しかし傍から見れば、頬を真っ赤にして、しかも然したる抵抗も行わないミサキの表情は
険しいというよりも恥辱と快感に打ち震える痴女一歩手前だった。
「……マサ君、助けて……」
「……の割りには、お前的山の胸から手ぇ離そうとしてないよな」
「いっ、いやこれは!混乱してて頭がまわってなくて……と、兎に角!
 私の胸はマサ君専用なんだから!たとえ女の子でも触っちゃ駄目ぇ!」
しかしリンコは、そんなミサキの懇願を気にしない風だった。
というより、揉む事に集中していて、ミサキの声が届いていないようだ。
勉強の時もこのぐらい集中すれば成績もっと上がるのに……とマサヒコは思った。
「ミサキちゃん、私の胸揉んでくれないの?」
「いや、だって、女同士でこんな事……!」
「ずるいよ、そんなの。ミサキちゃんは小久保君に揉んでもらえるけど、私は揉んでくれる人いないんだよ?」
何もずるくはないのだが、相手が天然だと、
こういう時に理路整然と反論しても効果はえられないのが困ったところだ。


「あ、じゃあこうすれば良いんだよ。ミサキちゃんの胸は小久保君専用なんでしょ?
 だったらミサキちゃんの胸は、小久保君が揉んでれば良いよ。
 その代わりミサキちゃんは私の胸揉んで」
「……はぁ?」
マサヒコはリンコの提案に呆れたが、逆にミサキが期待するような目で自分を見ているのを見、焦った。
確かにミサキからすれば、いくら上手とは言え女友達に揉まれて感じるくらいなら
下手でも彼氏に揉んでもらった方がまだ倫理的にマシだ。
また、既にリンコの眼前で本番まで済ませてしまっている以上、
今更マサヒコに胸を揉まれるのをリンコに見られる程度では、強い抵抗は感じない。
マサヒコも、胸を揉む程度の事ならさっきリンコの前でやっていたので、今更恥じる事でもないと思い直した。
「わかった……じゃあ、ミサキの胸は俺が担当するから。的山、お前ミサキから手ぇ離せ」
そこでようやくリンコはミサキの胸から手を離した。
マサヒコはミサキの背後にまわって、そのワキの下から両手を前に出した。
「あ、小久保君。女の子の胸にも、Gスポットみたいに感じる部分があるんだよ」
そう言うとリンコはマサヒコの手をとって、ミサキの胸の膨らみの外側、
乳首から斜め45度下からワキの下くらいのところを、押し込むように揉ませてみせた。
「ひうっ!や、そこぉ……」
確かに、効果はテキメンのようだ。
「えっとえぇ……スペランカー……じゃなかった。何だっけ、名前忘れちゃった」
テヘ、という顔でド忘れを誤魔化そうとするリンコを、マサヒコの母は
(違ーう!スペンスの乳腺尾部よ!)と、ひそかにツッコミをいれながら眺めていた。
マサヒコは、教えられた部分と、乳首の先端を、かわるがわる責めてみた。
「お前、今日が初めてにしては、感じすぎてないか?」
「貧乳の方が感度は良いらしいよ!」とリンコが説明する。例によって中村情報だろう。
「へぇ、そんなもんなのか……」


-4-

ミサキの胸を揉むマサヒコと、リンコの胸を揉むミサキの姿を見て
マサヒコの母は(たまにはこういうプレイも良いわね……今度天野さんご夫婦でも誘って……)と
早くも舌なめずりしていた。
さて、こうなると退屈なのがリンコである。
ただ一方的に触られるだけで、手持ち無沙汰な状態。
さりとてミサキの胸を揉む許可は得られないし、マサヒコにも手を出せない。
ミサキの胸を触らせてもらえないという事は、当然アソコに関しても同様だろう。
仕方が無いので、リンコは普段と同じように、自分のアソコをいじってみる事にした。
「ちょ、ちょっとリンちゃん!男の子の前で、そんな……!」
驚くミサキの肩越しにリンコの様子をうかがってみたマサヒコも、同じく驚愕した。
今日は何度リンコに驚かされたかわからない。
「だってぇ、暇なんだもん。二人だけ楽しそうで、ずるい」
リンコのオナニーに見とれていたマサヒコのモノが再び激しく硬直していくのを、
ミサキは背中に触れる感触の蠢きで察した。
他の女で欲情されるのは我慢ならない。何とかしてマサヒコの気を自分に戻さねばならない。
その為には、ある程度手段は選んでいられない。
ミサキは、自分の胸を揉むマサヒコの右手を握ると、自分のアソコに引っ張った。
「ね……お願い……さっきみたいに……」
マサヒコは、言われるままにミサキのアソコを弄び始めた。
独特の雰囲気も手伝って、ミサキのアソコからは再び汁が流れ始めてきた。
すると今度は、右側が空いたミサキの乳房を見て、リンコが自分の左手をそこにあてがった。
「ひゃうっ……リ、リンちゃぁん……」
「駄目だよ……ミサキちゃん。ちゃんと……両方、揉まないと。左右の……大きさの……バランスが」
こういう状況になれば、リンコがミサキの胸を揉もうとするのは予想済みである。
マサヒコ専用のつもりでいたが、この際四の五の言っていられない。
マサヒコの注意を極力自分の側に向ける為には仕方が無かった。


「ミサキ……お前らが気持ち良いのはわかったけど、その……」
再び果敢に隆起した自分のモノをどう処理しようか、マサヒコは迷った。
乳房へのマッサージを続けるのは構わないが、自分のモノが未処理のままで終わるのはいただけない。
さりとてこの状況では、リンコのように自家発電も出来ない。
もう無理やり、無断でミサキの中にもう一度挿入しようかと考えかけていると、リンコが提案をしてきた。
「今度は三人で一緒に気持ちよくなろうよ!」
リンコはミサキの体を自分の方へ引っ張ると、そのまま勢いよく後ろに倒れこんだ。
仰向けに寝転がったリンコの上に、ミサキが四つんばいで覆いかぶさっている状態になった。
「な、何をする気なの?」
「昔ねぇ、中村先生とこうして、よく一緒に気持ちよくなったんだよー」
リンコはミサキの腰に両手をまわし、お互いの恥部を押し付けるようにした。
「私とミサキちゃんの、この間のところにバイブを挟むんだよ。そしたら気持ちよくなれるの」
素股の改良版というところか。やはり中村はロクな事を生徒に教えていない。
「で、でもバイブなんて、そんなもの、ここには……」
躊躇うようにリンコに疑問を投げかけたミサキの目には、自分の後ろをじーっと眺めているリンコの目が映った。
「……俺か?」
どうやら今回はバイブの代わりに、マサヒコのモノをそこに挟み込もうというハラのようだ。


マサヒコもそうだが、ミサキもやはり相当迷った。
マサヒコのモノは自分だけのものである、と決め込んでいたのだが、未知の快感への期待は高まる。
結局「まぁ、私以外の女の子に、挿入なんてされるよりはマシかな……」と、妥協する事にした。
先程まで、他の女の子の胸を揉ませる事さえ許容出来なかった者にしては、思い切った妥協だった。
「良いよ、マサ君……許したげる」
ミサキの許可を得たマサヒコは、ミサキのアソコとリンコのアソコの狭い隙間に、自分のモノを挿入した。
襞とクリトリスをこするように直進したソレは、二人の汁で早くも水浸しになった。
ピストン運動と共にミサキの両胸を揉みしだくマサヒコ。
そのミサキの両手はリンコの両胸を揉みしだき、リンコの両手はミサキの首を通り越してマサヒコの頬に添えられた。
「あぁっ!気持ち!気持ち良いよぉ……っ!」
「こすれて……こんな、こんなの……初め……てっ」
「すっげ……ヌルヌルしてて、でもザワザワする……」
一方、その様子を観察していたマサヒコの母も、我慢しきれずにその場で自分のアソコをいじり始めた。
(ったく……私もあと五歳若けりゃ……あの輪の中に……っ)
大股開きで器用に性器を擦り合わせるミサキとリンコの隙間を、マサヒコのモノが激しく行ったり来たりする。
パンッパンッパンッと、肉のぶつかる音が部屋の中に響く。
まさか自分の母親がドアの向こうにいるとは相変わらず知りえないマサヒコには
一階にいる筈の母親にこの音と声が聞こえてしまわないか、などと考える余裕は、もはや無かった。
「あっあぁ、あぁぁっああああぁぁぁぁぁ……!いいよぉ、これぇっ!」
「イくふぅ……さっきイったばかりなのに……イっちゃうぅぅー!」
「だっ……出すぞ!二人とも!」
既に限界まで達していた三人はほぼ同時に絶頂を迎え、発射されたマサヒコの精液は、
先程とは違い、今度はリンコの腹の上に飛び散った。


リンコが目を覚ますと、ミサキが何やらリンコの腹を舐めているのがわかった。
「うぅん……くすぐったいよぅ、ミサキちゃん……」
「マサ君の精液は私だけのものなんだから。例えリンちゃんでも、あげられないよ」
スライム状の白い液体を舌からトローリとこぼすミサキは、あの聖光女学院の才女とは思えない程艶かしかった。
「ずるい……私もセーエキ飲んで、綺麗になりたい……」
「もう、しょうがないなぁ、リンちゃんは」
そう言うと、ミサキはマサヒコの精液を指ですくい、先程リンコが自分にやったのと同じように、
リンコの口の中に垂れ流してやった。
「これって……こんな味なんだぁ……何か苦い」
「我慢しなよ。良薬は口に苦し、だよ」
そう言ってお互いににっこりと笑う二人の様子を、不思議と微笑ましく感じながら、
マサヒコはその隣に寝転がってウトウトしていた。

「これで、私も中村センセイやアイ先生みたいに、胸大きくなって、綺麗になれるかなぁ……」
「なれるよ、きっと。あんなに揉んだんだもん」
因みに、女性の乳房は十五歳前後でほぼ完成されるため、もはや高校生となったミサキとリンコが
いくら揉まれようと、実は大して効果は無かった、という事を二人が知るのは
もう少し後の事である。


終了です
また名前間違えてたらどうしよ……

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