作品名 作者名 カップリング
No Title 伊東氏 -

イライラしていた。
無能な上司、無茶ばかり言う融資先、プライドだけ糞高い同僚。
入行以来やっと念願のセクションに配属されたのに。

イライラしていた。
「・・・お高くとまりやがってよ、どうせお前らなんて、ただの金貸しだろうがよ、
なにが銀行員だ?バブルの尻ぬぐいに公務員より税金食って、
自分たちだけヌクヌク生き残ったクセに。お前らなんて、社会の屑だ・・・」

イライラしていた。
バブルの頃なんて、知らない。税金が使われたことだって、
本でしか、大学の授業でしか、知らない。私に言われたって、何も答えられるわけがない。
あんたの工場が潰れてあんたが首をくくったって、私は知らない。
そう思って、融資を打ち切った。上司だって、それを勧めたから。
どう計算したって、あんな借金まみれの工場に、これ以上カネを使えるはずがなかった。

でも、その次の日に実際に首をつるなんて、思わなかった。本当だ。本当に、本当だ。

上司に呼び出された。なにか言われるのかと覚悟していた。
「中村君は初めてだな、こういうの?気を落とすな、ま、そのうち慣れるよ。
三人殺して十人行方不明にしたらやっと一人前、なんて言葉がこの世界にあるくらいだから」
通常業務の報告が終わった後、ついでに思い出したみたいな感じでそいつは言った。
信じられないことに、そいつはそれで私に気を使っているつもりらしかった。

イライラしていた。
そうだ、こんな日は、あそこに行こう。
終業後、馬鹿上司が何か言いかけるのを無視して職場を飛び出した。
カツカツカツ
ヒールがアスファルトを削る甲高い音が響く。
(ムカツク・・・)
イライラしているときは、自分の足がたてるそんな音さえも耳障りだ。
「ねえねえ、モデルとか興味ない?」
馬鹿みたいにフニャフニャした顔のスカウトが声をかける。無視する。
「だからよ、俺は言ってやったんだっての」
私と同い年くらいの酔っぱらったリーマンが、低脳全開の大声で議論している。

ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク

頭の中が、その一言で塗りつぶされる。
もしもう一回スカウトに声をかけられたら、迷うことなくソイツの股間を蹴り上げるだろう。

殺気立ってるのが伝わったのか、目的の店に着くまで誰も声をかけてこなかった。

着いた。
相変わらず、愛想のない店だ。古ぼけた重そうな戸。
寝ぼけたような書体で書かれた、店のプレートがだらんとかかっている。
カラン
「あ、リョーコちゃん、いらっしゃ〜〜い!」
にこやかにイチローが声をかけてきた。
ベビーフェイスなんで若いんだか年食ってるんだか分らないが、年は私と変わらないはずだ。
顔立ちこそ整っているけど、地味だしホストにしては華が無いうえひたすら低姿勢なんで、
最初この店に来た人は誰もこいつがオーナー兼任ホストだとは思わないらしい。
「お疲れね、今飲み物作るから。今日は?」
「・・・・・・軽く間食しちゃったのよ。なんで軽いカクテルがいいな」
「うん、わかった。じゃ、おつまみは後で出すね」


初めて出会ったのは前の店にいた頃で、
そのときは私も外見や物腰で苦労知らずのボンボンかと思ってた。
でもいつの間にか独立してて、そのうえ結構お店を繁盛させているんだから、
意外に苦労人なのかもしれない。全然そうは見えないけど。
「でさ、イチロー君。今日あいつは?」
「あ、マー君ね?今一見さんについてるけど・・・」
「ならいいわ。カウンターでゆっくり飲ませてもらってからアイツが来るのを待つから」
「ゴメンね〜〜、リョーコちゃん」
カウンターに座って、イチローがカクテルを作るのを待つ。
前の店をやめてしばらくバーテンダーの修行をしていたとかで、
ホストクラブにしては本格的なカクテルを出すのがここ、「ホストクラブアイ」の売りのひとつだ。
でもシェイカーを振る動作があまりに馴染んでいるせいで、
いっそうイチローがホストに見えないのも実際のところだったりする。
「ハイ、どうぞ・・・お腹いっぱいのときにはこんなの、どう?」
「なにこれ?トマトジュースのカクテル?」
「違う違う。いいから飲んでみて」
苦笑するイチローの勧めるまま、一口飲んだ。
「・・・・美味しい・・・ちょっと酸っぱくて」
「でしょ?ジャックローズと言ってね、リンゴの発酵酒をベースにしたカクテルなの。
それにオリジナルでグレープフレーツジュースをちょっと加えたんだけど、後味爽やかでしょう?」
お世辞抜きで美味しかった。こんなに美味しいお酒を作れるんだから、
年相応に渋い雰囲気出せばもう少し威厳とか出てオーナーホストっぽくなるのに。
オネエ口調なんで、全然そう見えないのがイチローらしい。
「あ、リョーコさん!お久しぶりッす!」
やっと私に気づいたのか、マサが隣に座ってきた。
「・・・やっと気づいたの?」
「なんだかご機嫌斜めっすね・・・じゃ、イチローさん、俺にもリョーコ姫と同じの」
「あんたね・・・この店を紹介した、大恩人に向かってその態度はなに?
ゴチになりますくらい言えないわけ?」
「ゴチになりや〜〜〜す!!!」
おどけたように両手をブラブラさせてマサが頭を下げる。
「まったく・・・調子いいんだから」
「へいへい、リョーコ姉さんには逆らえません」
なんてことを言いながら、私がタバコを取り出すと一瞬でライターをかざして火をつけるマサ。
「・・・しかし、あんたもすっかり板に付いたわね・・・」
「お褒めにあずかり、光栄の至り」
「はい、マー君」
カクテルを作り終わったイチローがマサにグラスを差し出した。
「はい、ありがとうございます、リョーコさん、イチローさん!じゃかんぱ〜〜〜い!!!」
カチン
グラスとグラスのかち合う小さな音が響く。
マサがゆっくりとそれを飲みほす。
クイッ、クイッ
剃り跡ひとつない、女の子みたいに白いマサの喉仏が動いている。
それを見つめているだけで、私の中のわだかまりが少しずつほどけていく。
「ぷはぁ。相変わらず旨いっすねえ〜〜〜、イチローさんの作るカクテルはサイコーっすよ」
「あんたねえ・・・そう思うならイチローが精魂こめて作ったカクテルをビールみたいにガブ飲みするの、
やめなさい。バイトとはいえホストなんだから」
「でも美味しいものは美味しく飲まないと。なんで、おかわり!」
「・・・・・まあ、いいけどさ」
なんにせよ、若い男の子が元気に飲み食いするのを見て、
嬉しく思っちゃうのは私も老けたってことなんだろう、、、、、、認めたくないけどさ。
「ちょっと、マー君!誰よ、そこのオバサン・・・」
「オバサン?アンタ誰よ」
なんてことを考えていたものだから、いきなりの乱入に過剰に反応してしまった。
「マー君は、私とおしゃべりしてたんだもん!こっちに戻ってきてよ、マー君!」


流行っぽくしてるつもりの化粧がまだわざとらしい。口調の幼さからして大学生くらい?
目に涙までためて、必死でマサのジャケットの袖をつかんで自分の方に引き寄せようとしていた。
そこそこ可愛いけど、悪い意味で男ズレしてない雰囲気がプンプンしていた。
(あっちゃ〜〜こりゃ、一番相手にすると危険なタイプの女だわ。
オマケに完全にマサにいかれてる感じ・・・一見なのにここまで落とすか?相変わらずねえ、マサは・・・)
「あ〜〜〜、ゴメンね、ヨシコちゃん?でもね、この人を責めないでくれるかな?」
「!!ヒドイ、マー君・・・この人の方が、私より大事なの?」
「あはは、違うんだよ。この人はね、俺の中学生の頃の家庭教師で、
ま、俺にとっちゃお姉さんみたいなもんだよ」
「う、嘘!そんな・・・家庭教師が中学からずっと付き合うのなんておかしいじゃん!
それに、昔の家庭教師のがこんなところにまで来るなんてヘンだよ!」
「それが嘘じゃないんだな〜〜〜。この人、イチローさんとも古い付き合いでね。
実はイチローさんに俺を紹介してくれたのもこの人なんだ。
だもんで、紹介した手前俺がしっかり働いてるかこうしてたまに抜き打ちチェックに来るわけ」
「・・・ホントなんですか?」
しばらく私とマサを見比べたあと・・・敵意に満ちた視線がオドオドしたものに変り、
口調も敬語に変わった。ほほ、こりゃ完全に世間知らずの嬢ちゃんだ。
「本当よ、ヨシコちゃん。だからこの人がいなかったらマー君はウチで働くこともなかったし、
あなたとも出会わなかったかも知れないのよ?」
「あ〜〜〜、ま、そのとおりかしらね。デキの悪い生徒だったんで、苦労したわよ」
「ひでえな、リョーコさん。リョーコさんも問題の多い家庭教師だったっすよ?」
「なにナマ言ってんの、志望校に合格したのは誰のオカゲなわけ?」
「はい!その節は、ありがとうございました、中村先生!」
わざとらしく敬礼のポーズを決めながらマサが言って、その場の緊迫した空気が完全に和んだ。
「あ・・・あの、ごめんなさい、私・・・マサ君が、本当に好きで・・・すいません、あの・・・」
「俺、そういうヨシコちゃん好きだよ」
「え?」
「そういう風に素直に謝れるのは、ヨシコちゃんのすごく良いところだよ。
大丈夫、この人は外見怖くてとっつきにくいけど、すごく心の広い人だから」
「外見怖くてとっつきにくい、は余計だろ、マサ」
「ひえええ、ごめんなさい、中村お姉様〜〜〜」
(しかし相変わらず、女の扱いは上手いモンだわ)
ふざけて笑いをとるマサを見ながら、内心舌を巻いていた。
ひとつ間違えれば修羅場になりかねないところだったのに、
いつのまにか笑いの場にかえてしまっているコイツの手腕は予想以上のものだ。
「ま、そういうわけでさ。もしかしたら、君にもお姉さんみたいな人になるかもしれないわけ。
仲良くしておいてね?じゃ、挨拶して向こうで飲み直そうか?」
「は、はい・・・これからも、よろしくお願いします、あの・・・中村さん」
その子がペコリと頭を下げる。なんだか白けたような、哀れなような。
可哀想だけど、マサはあんたのことを100%なんとも思ってないよ。
「ああ・・・マサを頼むね、ヨシコちゃん」
お義理でたった一言そういっただけで、そのコの目がキラキラと輝く。
単純なものだ。恋する乙女の目だ。
ふたりが向こうの席に移動する。と、もう一杯さっきと同じカクテルが私の前に滑るように出された。
「ゴメンね・・・リョーコちゃん。これは、ボクのおごり」
片手で謝りながら、イチローがウィンクした。
「・・・イチローが悪い訳じゃないじゃん」
「でもこういう時、オーナーとしては不快に感じられた常連客様に謝るのが普通でしょ?
ボクの顔を立ててこの場はおごられてよ」
「・・・ありがと。じゃ、いただくわ」
(イチローはこういう気遣いが出来るから、マサを紹介したんだよな・・・・)
カクテルをちびちび味わいながら、私はそう思っていた。

「あ・・・・・そこ。そこ、いい・・・・」
「ここですか?リョーコさん」
「うん・・・・もっと、強く・・・・深く」


「はい、じゃあ・・・こんな感じ?」
「あくっ!そう、いい・・・・」
「へへ、上手くなったっしょ?リョーコさん」
「・・・・元々結構素質があったからね、あんた」
「でしょでしょ。向いてると自分でも思うし、転職すっかな」
「・・・・・・ってあんたはまだ学生だろうが」
「はは、そうだったっけ。どうです?リョーコさん」
「おお〜〜、ありがとさん、かなり腰の張りが取れたわ」
「マッサージ付きホストクラブってのもいいかな?でもあの店じゃ難しいか」
「やめとけ。今日来た馬鹿女みたいのがますます本気になって、
絶対本番したがるわよ?」
「本番って、リョーコさんやらしいな〜〜〜」
「ふん、撃墜王が何言ってるんだか」
「?撃墜王?」
「イチローから聞いたわよ。ついた客をほぼ100%落してしかも絶対に寝ない、
別名「撃墜王マー君」だって?」
「はあ〜〜〜、俺、そんなアダ名ついてるんだ?」
「そのすっとぼけた顔もムカツクわね」
「あだだだだ!痛い!マジで痛いっす、リョーコさん」
「・・・・しかしこんな男のどこが良いのかしらねえ」
「ひどいっすよ。客と絶対に寝ないのはホストの鉄則だってリョーコさんが言ったんじゃないっすか?」
「そうだっけ?」
「・・・・しまった、こういう人だった」
「ま、いいわ。マッサージ、続けなさい」
「へ〜〜〜い」
店が終わってから、片づけとかあるところをイチローに頼み込んでマサを私の部屋までラチった。
いつもどおり、飲みまくってから(なにせこいつの酒の強さは尋常じゃない)風呂に入り、
バスローブ越しにマッサージをさせている。勿論、下は全裸だ。
会話のやりとりだけ聞いていたらエロくもなんともないが、マサの指技がまた・・・・・
「・・・そこ」
「ここがいいの?リョーコさん」
細くてしなやかなマサの指が太腿の裏あたりを刺激する。
一転に集中するのでなく、あそこにいったらまたそっち、という風に高速で移動するみたいに、
マサの指が私のからだを滑っていく。
(・・・・・金魚につつかれる、餌になった気分だわ・・・)
ヘンなたとえだけど、マサの指使いはそうとしか表現できない。
今度は背中をくすぐるみたいに撫でられている。くすぐったい。それ以上にそこが熱く、溶けるみたい。
「どう?リョーコさん?」
耳元にマサの吐息がかかる。でもそれは熱くない。口調もそっけないし、感じる温度も冷たい。
マサは、醒めている。多分、他の女の子とするときも、そうなんだろう。見たことないけど。
「いいよ・・・・マサ、続けて」
ふう、と息を一つ吐いてそう答えるのがやっとだ。既に私の下の方はムズムズしてる。
そんなものあるわけないんだけど、体の中に一本タケノコが生えてそこを突き上げてくる感じ。
ジェットコースターに乗ってのろのろと高いところに上っていく感じ。
「リョーコさん、ねえ?ここはどう?」
「わっ!馬鹿、くすぐったいでしょ!」
マサの手が脇腹に触れられる。離れたり、くっついたり。絶妙のタッチ。
くすぐったさと、それ以上の気持ちよさを感じてしまった照れ隠しでどなってしまう私だけど、
「へへ、いっつもそう言いながらリョーコさんハマっていくから。
ここは開発の余地があるってことっすね?」
完全に、見破られている。
何度も何度も、しつこいくらいにそこを責められる。
(あ・・・・来る)
(・・・・今日は)
(だから・・・・)
(イチロー・・・・・・)


(・・・・・セージ)
(マサ・・・・アイ)
独り言が頭の中で渦巻く。見える。かげろう。オーロラ。
特濃のどろっとしたジュースのコップの底で泳いでいるみたいな感じ。
どろ〜〜〜んとしてどよ〜〜〜んとして、私が部屋いっぱいに溶けて広がっていく。
皮膚の感覚が無くなって体全体が痺れる。
感覚が無くなって、私は広がってるのに、でも細胞一個一個はマサの指に感じている。
ううん、細胞なんてものじゃない。私は肉だ。肉の集合だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

来た。目の前が一瞬真っ暗になった。
最初に見えたのは、昔散々みんなで入り浸ったマサの部屋。
その次に見えたのは職場の給湯室。
最後に見えたのは、通勤途中にある、気にとめたこともない駅のホーム。

「ふわぁ・・・・・・」
大きく息を吐く。きつく絞られた雑巾になった気分。
ジェットコースターを急降下する気分。

「どうっすか?リョーコさん?」
当たり前の口調で、マサが私を見下ろしている。ムカツクけど、イヤなムカツキじゃない。
「お見事・・・・・・・・ね、ねえ?マサ?」
「なんすか?」
マサは普段どおりの表情だった。勝ち誇っているわけでも、無表情なわけでもない。
(ダメだ・・・・これ以上は・・・・)
知っている。マサは、これ以上のことはどんなカネを積まれても、絶対にしない。
ホストだからじゃない。私が自分の欲望に負ける瞬間を、こいつは見定めている。
だから、このくらいにしている。本当なら、もっと・・・もっと凄い快楽を与えることもできるのに。
(もしかして・・・・私が負ける瞬間を待っているの、マサ?)
じっとマサが私を見つめていた。もしそうだとしたら、こいつは相当の悪だ。
でも違うだろう。そう信じるしかない。
「あ、あははは、ありがとう、マサ!いや〜〜〜〜すっきりしたわ〜〜〜、
・・・今日はこれからどうするの?泊まってく?」
「ダメでしょ、これからリョーコさん、お楽しみがあるんだから・・・邪魔者は、消えますよ」
・・・・・・コレも、見抜かれている。何手先まで見抜かれてるんだろう。
昔は私がこいつを散々手玉にとったのに・・・
「で、でもこんな時間だし」
「いや、アパートまでだと酔い覚ましにちょうどいいくらいの距離っすからね、そんじゃ・・・・」
軽やかにジャケットを羽織ると、マサが姿を消す。私はベッドの上で呆然とそれを見守るしかなかった。
「あ・・・・・ああ、糞・・・・・・」
奴にホストの素質があるのを見抜いたのは、私だ。
イチローに紹介したのも、私だ。
中学時代からの四股を続けるには、普通のバイトじゃとてもムリだから、
と言って最初は渋る奴を説得したのも私だ。
(でも・・・・でも、まさか)
奴があんな怪物に成長するとは思わなかった。最初はマサと会える時間が少なくなるって
ブーブー言っていた四人も、最近じゃ全員メロメロ状態らしい。
「私が・・・・・つくったのかな、アイツを・・・」
誰に言うでもなく呟いたあと、携帯を取り出して、呼び出した。
「・・・・来い」
「・・・勘弁してくれよ、リョーコ、今夜の3時だぞ?明日俺は顧問のサッカー部の試合が」
「来い」
もう一回、それだけ言って切った。中途半端にされた体が、まだ少しぬるい。
(でも本当に・・・・もどかしいのは・・・・・・)
心でもない。体でもない。また朝が来て、そして奴が私の手に入らないことだ。
ベッドの上でタバコをくわえながら、ずっとそんなことを思っていた。

END

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