作品名 作者名 カップリング
「続・わるいひとたち」 郭泰源氏 -

「…こくぼくん………」
待ちきれなかったかのように、アヤナがマサヒコに抱きつくと唇を突き出してキスをねだってきた。
「…………」
マサヒコは、ひどく冷静に―――アヤナと唇を重ねた。
"ちゅ……ぷちゅ"
そのまま舌をアヤナの口内に入れ、歯茎と上唇の裏の間にある小さな空間をかき混ぜた。
「すき……すき、小久保君……すきぃ」
目をうつろにしたまま、マサヒコの舌戯にうっとりとした表情を浮かべるアヤナ。
ぎゅっ、とマサヒコに抱きつく力を強めると切なげな吐息を漏らした。
(これが………)
若田部アヤナの本当の姿なのか、と思った。クラス一の――いや、学年一の才女と謳われ、
その美貌と育ちの良さで男子生徒のみならず女子生徒からも憧れであるアヤナが……
今、自分の目の前でとろとろに蕩けてしまったような表情をしてしまっている。
(今は自覚できていないみたいだけど……アンタにも私と同じ淫奔の血が流れているのよ)

……違う。
俺は………
俺は……
俺は…

若田部邸でのあの日の出来事から―――保健委員会のある水曜日の放課後は、
こうして彼女の部屋で密会を繰り返すようになったマサヒコとアヤナ。
クラスでは……普段通りの二人だった。それは、むしろアヤナがなにより望んだことだった。
「私……小久保君のことが好き。でも……天野さんも大事に思ってる。だから……」
「でも……こんな関係を続けていたら、いつかは……」
「いつかは……天野さんにも、言わないといけないことは私も分ってるの。
でも……せめて高校受験までは……」
アヤナの懇願に折れるような形で、マサヒコはアイにもミサキにもリンコにも
今の状態を告げずに過ごしていた。意外だったのは、中村もそうしろと勧めてきたことだった。
「高校受験まではそうした方がベターだわ。それだけ周りを巻き込んじゃいかねないからね、
今のアンタたちは……ま、そこいらへんは私に任せといて……」
あの日無理矢理薬を使ってまでふたりを堕ちさせた責任を彼女なりに感じているのか、
とにかくふたりの交際にひととおり協力するつもりではいてくれるらしい。
――――いや、そんな思惑が全く甘かったことを、次の瞬間マサヒコは痛感した。
「……で、どう?マサ」
「……なにがです?」
「アヤナの具合よ……ふふ、とんでもないでしょう?私も何度か肌を重ねて知ったけど……
ただスタイルが良いだけじゃなくて、あの娘もかなり淫乱の素質があるからね。それも被虐の」
「……やめろ。いくらアンタでも怒るぞ」
「ま、でも……アンタほどじゃないわ。ふふ、これからアヤナっていう極上の女体を触媒にして
アンタがどれだけ目覚めていくか、楽しみにしてるわ……」
そう言って冷たく凶悪な微笑みを浮かべると、
中村は、けけ、と怪鳥のような笑い声をあげてその場を去っていった――――
£
「いや……こくぼくん……ほかのこと、考えてる……」
「え…」
夢見心地のような表情だったアヤナだが、マサヒコの表情の変化を鋭く見て取ると
いやいや、と左右に首を振って子供がおねだりをするような口調で言った。
「ダメ……ほかのときは…天野さんや濱中先生のことを考えていても良いの。
でも………アヤナと一緒にいるときだけはダメ。他のコトかんがえちゃ……いやあ……」
「ご…ゴメン、アヤナ」
「……でもわかったならいいよ?こくぼくん……うふ…じゃあ……」
「ああ……」
マサヒコがアヤナを抱きかかえて持ち上げると、そのまま彼女の身体をベッドの上へと横たえた。
"ふぁさ……"
§


アヤナの薄茶色の髪が白いシーツの上にほどかれたように広がる。
"ちゅ……"
軽くキスを交わすと―――アヤナが身をよじり、いったんうつぶせの状態になった。
そして腰を軽く浮かせ、マサヒコに向かってお尻を突き出すような体勢をとった。
「こくぼくん……お願い……」
"す……するっ"
アヤナのスカートを軽くめくり、ショーツをゆっくりと下ろす。
白桃のように丸く真っ白なお尻が、マサヒコの目の前に広がっていた。
"ぐっ……ちゅ……ちゅる"
「あ……あン」
お尻の両の肉を手で押し広げると、鼻先がその先端に軽くふれるように――
マサヒコが、アヤナの花弁にキスをした。既にそこはしっとりと汗ばみ、女体の匂いを漂わせていた。
"ちゅ〜〜ちゅる……"
「あ……いい……いいのぉ……こくぼくん……」
シーツをぎゅっと握りしめ、快感を貪るようにふるふる、とお尻を震わせるアヤナ。
"ちゅる〜〜〜、ちゅ"
裂け目に沿って、上下にそれを舐め上げ続けるマサヒコ。
「……ん…もっと……もっとぉ……うん……」
マサヒコの次なる舌撫を誘うように、アヤナがお尻を突き出す。
"ちゅくッ……くちゅん"
「あ……そう……いい……」
舌先をアヤナの裂け目の中にこじ入れた。そのぬるぬるとした感触を楽しむように……
温かな沼の中で泳がせるように……舌でこね回すマサヒコ。
「いい………いいよぉ……こくぼくん……もっと……」
「もっと……どうして欲しいの?アヤナ……」
「もっと……アヤナのおまんこの中、かき回して……舐めて…」
「……そんないやらしい言葉、教室じゃ絶対に言わないのにな、アヤナ」
「いや……そんなこと言わないで……大好きなこくぼくんだからアヤナは言うんだもん……」
「はは……ゴメン……なら中村先生じゃないけどこれは……言えたアヤナにごほうび……」
"くりゅ……"
「あ……」
マサヒコの小指が、アヤナの菊穴に吸い込まれるように……第一関節まで入っていった。
だがアヤナは……むしろ待ち焦がれるように、うっとりとその行為を受け入れていた。
「こっちも……好きだもんな?アヤナは。今日は舌と、指で可愛がってやるから……」
「好き……アヤナ、お尻の穴もされるの好きぃ……お願い……こくぼくん、舐めて……かいて…」
"ぐ……ぐにゅ。くちゅ……ぷっちゅ"
裂け目の中を舌でかき回し、両襞を舐め回しながら……小指を、菊穴の中で軽くこねながら……
マサヒコは、愛撫を続けた。その間も、アヤナのそこからはとろとろと愛液が溢れ続けていた。

お前が
この女を
狂わせていく

頭のなかでまたも囁くように浮かんできた言葉を、マサヒコは聞いた。
しかし――今回は、冷静だった。それを受け入れることも否定することもせずに――
ただ、無心のまま……目の前で悶える、可憐な少女の艶姿に集中していた。
"ぷちゅッ……ぢゅぶ"
「あぅん……イイ……スゴイのぉ…いあ……」
ここで会うたびに、アヤナはマサヒコを求めた。彼もそれを拒むことはなかった。
それは愛し合うというよりももっと稚拙で――野蛮な、獣のような交わりだった。
アヤナは普段の仮面を外し……幼児に退行したかのように幼い言葉使いになってマサヒコに甘え、
ねだり、求めてきた。マサヒコもそんな彼女を愛おしく思い、互いの体力を消耗するかのように……
夕方から夜に変わるまでの短い時間、激しい交わりを繰り返してきた。
「あッ……ダメ……もっとぉ……ん……」
「もっと……どうして欲しいの?アヤナ?」
§

「お願い………こくぼくん……もうアヤナ、我慢できない……」
「だから……どうして欲しいんだ?」
「アヤナの……おまんこに、こくぼくんのおちんちんを…いれてください」
「良く言えたね、アヤナ。じゃ……」
菊穴から小指を抜き、口を花弁から離すと、マサヒコは早速ベルトに手をかけようとしたのだが――

ま  ダ          だ

突然、あの暗く低い声が頭の中で――――再び、響くのを聞いた。
「……その前に、アヤナ?」
マサヒコは、自分に驚いていた。そんなことを、言う気さえなかったのに――
自然と、そんな言葉が口をついて出てきていた。
「その前に、なんなの?こくぼくん……」
「アヤナは……オナニーしたことある?」
「!え!?」
「だから、オナニーだよ。アヤナ」
「そ、それは……あの……」
「答えられないのか?もう散々こんなイヤらしいことをしておいて、恥ずかしいのか?」
「だって……」
「じゃあ、今日はこれで終わりだな」
「そ、そんな!イヤ!いやあ!……あの……ある……あり、ます」
「あるんだな?で、どれくらいしてるんだ?」
「あの……み、三日に一回くらい……」
「ふ〜ん、女の子ってそれぐらいのもんなのかな?ま、いいか。じゃあ、アヤナ?
今この体勢で、俺の目の前でそれをして見せて」
「!?それって……」
「オナニーして見せろってことだよ、アヤナ」
「!!そんなの……はずか……」
「じゃ、やっぱりやめて良いんだな?アヤナ」
「………わかり………ました……」
(おれは……俺は、なにを言っているんだ?)
間違いなく、自分が言ったことにもかかわらず……マサヒコは、ひどく動揺していた。
自分の意志とは全く別のところで……口が、動いていた。そうとしか思えなかった。
そしてプライドの高いアヤナが、そんな自分の言葉にあっさりと従ったことにも驚いていた。
「あの……こくぼくん、じゃ、じゃあ……するよ?アヤナ」
「あ、ああ……」
アヤナが、左手の指を両の陰唇に沿え、ゆっくりと花弁を開いた。
「あ………ン」
既に先ほどまでのマサヒコの口撫で十分に湿っていた襞が、ぬるり、とめくれた。
「ん……んンッ……」
右手の人差し指を、一番敏感な肉の芽に軽く触れさせた。固くなった中心を、
指の先でくすぐるように撫でまわした。そのまま裂け目の中に、ずぶり、と指を入れてかき混ぜる。
"ちゅッ……くちゅ"
「あン……あッ……」
(ああ……こくぼくんに……見られてるのに……恥ずかしいのに……)
羞恥心と屈辱に震えながら―――それでも、アヤナは自分のそこが激しく、
今まで以上に濡れてきたことを感じずにはいられなかった。
「アヤナ……丸見えだよ……アヤナが、一人でエッチなことをしているのが、良く見える」
「いや……そんなこと言わないで……」
「ふ〜〜ん、オナニーは穴に指を入れてするんだな……」
「あ……ン……そ、そう……でも……やだ……穴とか言っちゃ、やだ……」
「イヤらしい眺めだな……うわ、ぽたぽたエッチな液が流れてきてる……なあ、アヤナ?
もしかして俺のことだけじゃなくて、豊田先生とか他の男子とか考えながらしたこともある?」
「!酷いよ、こくぼくん……そんなこと、ないもん……あッ……アヤナ、これをするときは、
こくぼくんのことしか考えたことないもん。だって初めてこれをしたのは……」
§


急いで否定したためか、つい余計なことまで言いそうになったアヤナは慌てて口ごもった。
「……初めてしたのは?言えよ。続けながらだぞ、アヤナ」
しかし、その言葉を聞き逃さずにマサヒコはアヤナを責めた。
「あの……初めてコレをしたのは……あん……あの大雪の日……
こくぼくんに玄関で押し倒された、あの日のあとだったの……」
「ふ〜〜ん、泣いていたくせにそんなことしてたんだ……つくづくエッチな女の子なんだな、アヤナは」
「イヤ……それ以上言わないで……アあん…」
だが、アヤナはこんな恥ずかしいことをマサヒコに告白させられたことで――
"くちゅッ……ちゅくッ"
逆に羞恥心が薄れ、指の動きを更に早くしてしまっていた。
「だってお前……こんなにべっちょべちょ……ほら……このエッチな液の量……すげえ……」
マサヒコは思わず右手を伸ばし、アヤナの愛液を人差し指の腹で拭うと――
それを、肉の芽に塗りたくるようにして、ぐりぐり、と擦りつけた。
「?!?きゃッ!!あ、あン……ずるい……いきなりさわるなんて……」
そして腰を震わせ、鋭い声でマサヒコの行為に応えてしまうアヤナ。
「うわあ……ヒダがぴくぴく動いてるぜ?もしかして、もうイキそうなの?アヤナ」
「………」
「黙ってちゃ、わかんねーな………ホラ、ホラ…」
"ぐちゅッ…ちゅ"
マサヒコが指でそこを激しく嬲る。
「あ!ああんッ!ダメッ……ダメぇ!!そんなにするとぉッ!!!」
「やっぱりイキそうなんだろ?アヤナ」
「…………はい…………」
「イヤらしいことしてるところを俺に見られて、こんなに濡らして……感じてるんだな?」
「やめて……いや……」
「そんなこと言いながら、ぐっちょぐちょじゃん。クリトリスも、ぷっくり膨れて……」
「だって………」
「手の動きは止めちゃダメだよ、アヤナ。そのまま……やり続けるんだ」
「はい………」
"くちゅ……ちゅぐ"
アヤナの指が動き――湿った淫靡な音が、花弁から規則的に漏れていた。
「アヤナのクリトリス、なんだか皮みたいなモノに包まれてるんだな。じゃ、ちょっと……」
マサヒコが肉の芽の周辺の肉を両の人差し指でつんつん、とつつくと――
「あ!あああ!!!」
アヤナがまたも激しい声を上げた。しかしマサヒコはその声をあえて無視して……
熱くなったその包皮でくるまれた部分を、くにゅり、と剥いた。
「わあ……こんななんだな、アヤナのクリトリス……へえ、小さな粒っていうか…豆みたいな」
引き続き敏感すぎる肉の芽をマサヒコにつつかれて……アヤナは、とうとう激しく達した。
「ふわ!あん!ふぁああああああッ!」
"ぴゅッ……ぷるッ、ぴゅぷッ"
ガクガクと腰を震わせ、お尻の肉にはたっぷりと汗をかいて――
裂け目から、大量の熱い愛液を漏らし、溢れさせ……身体を痙攣させながら、達していた。
「あ……ああ……」
ひどく脱力し、涙さえ流しながら……自分の中の、女としての本能にアヤナは身を委ねていた。
今までに何度かオナニーで達したことも、マサヒコとのセックスで未熟ながらも達したこともあった。
しかし今回の絶頂感は、それまでの感覚以上の凄まじい快感だった。
恥ずかしく……そして切ない感情がアヤナの胸の中でいっぱいになっていた。
「イッたんだね、アヤナ?エッチな液がたくさん落ちて、染みになってるぞ……」
「………やめて……恥ずかしい……」
"ぐじゅッ"
「あ!もう……やめて……ダメえ……」
マサヒコが、人差し指と中指と薬指の三本の指をアヤナの中に突っ込んだ。
いともたやすく、それは裂け目の中へと呑み込まれていった。
「ダメ?こんなに濡らしてるのに?イッたのに?」
「………お願い……こくぼくん……もうイジワルしないで……」
§


「じゃあ、どうして欲しいんだ?アヤナ」
「お願い……もう、入れて……こくぼくんのおちんちん………」
「……でもアヤナばっかり気持ち良くなっちゃったのはずりいな、ホラ……アヤナ」
マサヒコが、アヤナの裂け目から指を引き抜くと―――ぐったりとした彼女の上半身を起こした。
そして向かい合うと、自分のベルトを外し、トランクスの中から勃起したペニスを取り出した。
「舐めて………アヤナ」
「うん……」
とろん、と潤んだ目でアヤナがマサヒコのペニスに両手を添える。
少し――蒸れたような、男の子の匂いがした。
"ちゅッ"
マサヒコのペニスの先にある小さな切れ目を、啄むようにアヤナがキスをした。
「ん……」
マサヒコが、小さく……声を漏らす。
"ぴちゃ……んっぷ"
アヤナが一気に根元までそれを頬張る。先端を唇で擦りあげ、舌を溝に這わせる。
"つるッ"
いったん口からペニスを放つと、竿を……袋を……カリ首を……
アヤナは、丹念に舐め続けた。まだ回数をこなしていないため、多少ぎこちなかったが――
熱心に、マサヒコのペニスを愛おしんでいた。
(こくぼくんの……こくぼくんのおちんちん)
"ぬるるぅ〜〜、ねちょ…ちゅッ"
夢中になって舐め続けるアヤナを見て、思わずマサヒコが尋ねた。
「んう……アヤナ……いつになく熱心だね?そんなにちんちん舐めるの好き?」
「好き……アヤナ、これ好きぃ……」
「生臭くないの?俺のコレ」
「ううん……だってこくぼくんの匂いだもん……それに……最初は少しキツい感じだったけど…
今はね、アヤナ大好きなの。こくぼくんのおちんちんの味……」
"ちゅるぅッ……こくん……"
アヤナが、言葉を切ると……マサヒコのペニスの先端からこぼれてきた透明な液を舌先ですくい、
口の中にたまった唾液と一緒に飲みほした。
「少し苦くて……ちょっと、ツン、って癖のある感じなの。それで大好きな、
こくぼくんのおちんちんを舐めてるって思うと……すごく、エッチなことしてるって気持ちになるの」
「ふうん……それにしても上手くなったね、アヤナ……おうッ!」
"んるぷッ"
アヤナが舐めるのを止めると、再びマサヒコのペニスを亀頭ごと口に含んだ。
「すごく……気持ち良いよ?アヤナ……おまんことは違うけど……
アヤナの口の中も、温かくて…柔らかくて……なまなましくて……それに、
こっから夢中になって俺のを舐めるアヤナの顔がすげえエッチで可愛い」
普段の優等生ぶりが嘘のように従順に、自分のペニスをしゃぶり続けるアヤナの姿に、
マサヒコは言葉にしがたい優越感と―――なぜか、小さな恐怖心を抱いていた。
(これで……いいのか?俺のしたいことは……本当に……これなのか?
アヤナは……こんなことをしていい女の子じゃ……)

                          壊        せ
        な に    モ   か  も
堕チ                                       ろ

また、あの声がした。しかも……ずっと、長く。ずっと……低く、かすれた声で。
「よし……もう良いよ、アヤナ?じゃあ……そろそろ入れてやるから」
だが、マサヒコの口から出たのはまたも意志とは別な言葉だった。
「はい……ください……こくぼくんの……おちんちん……」
「もう全然恥ずかしくないんだね、そんなこと言うなんて。
……でも良いよ。すっごくエッチで可愛い顔になってるよ、アヤナ」
「……アヤナはエッチな女の子なの……だから……こくぼくん……ぬがせて……」
子供が大人に着替えをねだるように……アヤナが、目を潤ませて両手をマサヒコに伸ばす。
§

「ふふ……甘えんぼだな、アヤナは……」
子供をあやすように笑顔を浮かべると……マサヒコは、アヤナの服を脱がしにかかった。
"しゅッ"
制服のリボンを、まず外した。
"ちゅ……"
そしてまだとろん、とした表情のアヤナに軽くキスをすると……
"すッ…ぱち…ぱちッ"
慣れた手つきでアヤナのブラウスのボタンをひとつひとつ順に外し、それを胸下までまくりあげた。
左手を背中に回して素早くホックを外し、ゆるんだブラの下に手を滑り込ませる。
「ん……んふぁ……」
出来る限り優しく……マサヒコは、アヤナの胸を揉んだ。
柔らかく……豊かな、むっちりとした手のひらの感触。
指先を移動させると、そこには少し固さを帯び始めた乳首があった。
"ふに………むに"
その柔らかさを確認するかのように、揉み続けるマサヒコ。
「なあ……アヤナ?もしかして、またおっきくなった?おっぱい」
「!嘘……そんなこと……ないもん……」
「いや、この前さわったときよりなんか揉みごたえがあるっていうか……でかくなったような気が…」
「やん……あん……そんな……どうしよう、また的山さんにからかわれちゃう……」
「はは……じゃ、本当に大きくなったかキチンと目で確認しないとね、アヤナ?」
「はい……お願い……こくぼくん……」
甘えているような、恥ずかしがっているような……そんな表情を浮かべて、
自分の名を呼ぶアヤナ。そんな彼女の表情をマサヒコは可愛く思いながら……
"ちゅ"
もう一度、キスをした。待ちきれないかのように、アヤナがマサヒコの方へと体を預ける。
"す………"
マサヒコがそのままアヤナのブラウスを、そしてブラを脱がせた。
見事に張り出したアヤナの豊かな胸がマサヒコの目元でたぷん、と揺れる。
さきほどまでの指先による刺激のせいか、乳首は心持ち濃いピンク色になり、
きゅっと固くなって上を向いている。
「アヤナ……」
マサヒコがアヤナを抱き寄せ、そのまま乳房の間に顔を埋めた。
汗と混じった微かなコロンの匂いが嗅覚をくすぐる。夢中になってマサヒコはその匂いをかいだ。
「やん……そんな……嗅いじゃダメ………汗くさいのに……」
「良い匂いだよ……アヤナの……可愛い、興奮した……エッチなときの匂い……」
すんすん、と鼻を鳴らして――マサヒコはアヤナの首筋や、胸元の匂いをかぎ続ける。
「ふぁ……は――っ……ダメ……もう……こくぼくんたら……犬みたい……」
「えへへ……犬みたいか、わん!」
"かぶッ"
犬の鳴き声を真似て、今度はアヤナの乳房を甘噛みするマサヒコ。
「?きゃッ……もう………ん……で、でも」
「でも?アヤナ」
「そういうのも……好きかも……アヤナ……」
「はは、アヤナも随分エッチになったもんだよな……よし、じゃあこっちもね、アヤナ?」
マサヒコが、アヤナのショーツに指先をかける。
「ん……うん、こくぼくん……」
アヤナがマサヒコに反応し、軽く腰を浮かせる。そしてそのままショーツをゆっくりと下ろしていった。
先ほどまでの口撫によって既にびしょ濡れになったそこに、硬く昂ぶったものをあてがった。
「あん……嬉しい……こくぼくん……」
思わず歓喜の声をあげるアヤナだが、
マサヒコはわざと焦らすようにペニスの先端でアヤナのぬめりを伸ばすようになぞった。
「ん……ふぅ―――ッ」
丸みを帯びたふっくらとした恥丘にそれが触れたとき、アヤナは溜息のような切ない声を漏らした。
"ぺた……くにゅッ……"
そしてそのまま丘の上にある、肉の芽を押しつぶすように上下に往復させた。
§


「あ……あはぁッ……もう……ダメ……お願い……ください……こくぼくん」
耐えきれず、アヤナがおねだりの声をあげる。
「うん……ちょっと……待って……」
取り出すのももどかしい思いでコンドームを素早くペニスに装着すると、
マサヒコはゆっくりとそれをアヤナの中へと潜り込ませていった。
"ず…ずぶ…じゅぶッ"
「あン!あああッ!」
「あ……気持いいよ……アヤナ」
「私も……すごく、いい…こくぼくん」
"じゅぶッ……ぶじゅッ、ぐしゅッ"
(ああ……クソ、どうして優しくできないんだよ、俺……)
焦らぬように、なるべくアヤナをいたわるように挿入しようと心がけているはずのマサヒコだったが、
アヤナの感度の良さと、とろけるような中の熱さに――
つい、我を忘れて無我夢中で突きまくってしまうのだった。
「ああン!……あ!いい!いいのお…こくぼく…ぅん!」
「ゴメンな……くッ、アヤナ」
「あ…な、なんで謝るの?」
「俺……うッ…いつも、乱暴にしちゃってるよな?本当は、もっと……優しくしてやりたいのに…」
「……こくぼくんは…いつも…あん!……優しいよ?だって……」
「?」
「こくぼくんのおちんちん、アヤナの中に入りたいって…アヤナの中で暖まりたいって、あッ!
そう言ってるんだもん……それで……アヤナのからだも、こくぼくんが欲しくてたまらないって…
そう言ってるんだもん……あッ、だから……ふたりが一緒になるのは、
あん!すごく自然で……優しいことなんだもん」
「アヤナ……ありがとう。好きだよ……」
「私も……大好き。だから……いっぱい、ください……こくぼくん」
「……うん」
"ちゅ……"
短いキスを交わすと、再びマサヒコは体を強く重ね合い、
アヤナの奥深くめがけて力強くピストン運動を刻み始めた。
"じゅッ……ぶじゅッ!きゅぷっ!"
蕩けだしたアヤナの中は目眩がするくらいの快楽で、マサヒコは理性も―――
いや、自分自身の全てが微塵に砕け散るかのような―――そんな感覚を覚えていた。
「アヤナ…?ちょっと腰浮かせて……」
「?な……なに?こくぼくん……」
「いいから……そのまま…そう、そんな感じで……こう……」
マサヒコはいったん腰を動かすのを止め、浅く結合したままアヤナの体を横に倒すと……
"ぷ……ずるっ…"
「!やン……こんなの……」
側位へと、体位を変えた。初めての体位に、思わず恥じらいの声をあげるアヤナ。
「いい眺めだ……ホラ、アヤナの中に……俺のが入ってるのが、よく見えるだろ?」
「やあ……アヤナ恥ずかしい……」
「アヤナのちっちゃくて気持いいおまんこが広がって、俺のを呑み込んでるよ…じゃ、このまま……」
"こりゅ……くしゅっ……ずっぷ"
「っきゃ?ふああああん!あん!そんなの……気持ちよすぎるのおッ!ダメえッ」
側位のまま、ピストン運動を再開しながら……マサヒコがアヤナの膨らんだ肉の芽を擦った。
あまりの快感に、アヤナの頭の中では白い閃光が弾け飛んでいた。
「あん…あッ!…やあ……!」
目を見開き、口の端から涎を垂らし……くたっ、と脱力してしまったアヤナ。
「もしかして……もう、イッちゃったの?アヤナ……」
「………ごめんなさい……だって……」
「もう、しょうがねえな……今日はもう2回も先にアヤナはイッちゃったのに、俺はまだなんだぜ?
そっか、じゃあもう止めろってことかな?アヤナ?」
「止めないで……もっと…奥まで…もっと……突いて……」
「はは、冗談だよ……それじゃ遠慮無く……」
§


マサヒコは、再び側位のままアヤナの奥を擦り上げた。
"ず……ずぷッ!ぐちゅッ"
「あッ……ああ……はぁ―――っ」
低く啜り泣くような、溜息を漏らしてアヤナは身を仰け反らし、自分から腰を揺らしていた。
包み込んでいる部分が、ちゅっ、ちゅっと淫らな水音をたてて蠢く。
「んッ……アヤナ……気持いいよ……そんな風に動いてくれると……」
「あ……んッ……私……動いてる?」
「うん……さっきから……腰を動かして……うッ…俺のとぴったりくっつくみたいに……」
「……不思議だね、こくぼくん……」
「?なにが?」
「アヤナ…自然と動いちゃってる……あんッ!きっと神様が、こんな風に……作ってくれたんだね」
「はは……アヤナの話は面白いね……でも、そうだな…男と女は、こういうことを……するとき、
自然と……何も…んッ、考えなくてもできるようになってるのかもね……」
「うん……あん!でも、それはね……好きな人と……こくぼくんとじゃなきゃ、アヤナ、嫌なの…」
「ふふ……ありがとう、アヤナ……」
アヤナのことが一層愛おしくなったマサヒコは、側位から体を軽く離すと―――
アヤナの体を、そのまま抱きかかえ、対面座位のままつながった。
「ホラ、アヤナ?じゃ、今度は動かしやすくなったから……」
「はい……」
"にちゅ、くちゅッ!"
アヤナが、自分から激しく腰を動かし……マサヒコの肉体を貪り、
さらに密着しようとするかのように交わった。先ほどよりも大きな音が、部屋に響いていた。
「あ、ああああッ!こくぼくん……んぅッ、   ッ……や、あ、ああん、あッ!」
「アヤナ……やらしい音がしてるぞ……こんなにべっちょべっちょに濡れて……」
「やだぁ……そんなの……いやあ……」
恥じらいの声を上げながらも、アヤナは腰の動きを止めようともしなかった。
幾度も幾度も、彼女の花弁はマサヒコのペニスを搾り取るように締め上げていた。
「感じてるんだろ?アヤナ……やらしい声を出して……エッチな顔になって……感じてるんだろ?」
「あ!   ッくふ!あん……はい……アヤナは……あ!感じて、ます…」
「素直なアヤナは好きだよ……うッ、ほら……アヤナのおまんこ、俺のをきゅきゅっ、って
締め付けて……よし、それじゃあ、次は……」
座位の体勢から、マサヒコは体を後ろに倒した。
騎乗位の体勢をとって、アヤナの豊かな乳房を両手で揉む。
「このまま……アヤナの好きなように動いて……俺も……」
「はい……いきます、こくぼくん……」
"ぐッ!ぐぷッ!ずぅ〜〜〜〜ッ"
アヤナがマサヒコの上で、いやらしく腰を振り始めた。
マサヒコは手のひらに収まりきらないほどの乳房を揉み、弄びながら………
"ちゅぱッ"
右の乳首を、口に含んだ。
「あん……ダメ…アヤナ、乳首弱いのぉ……」
「……知ってる……」
にやり、と笑うとマサヒコはそのまま乳首を甘噛みし、こね、ねぶるのだった。
「……やあん……イジワル……あッ!」
「ふふ……でも気持いいよアヤナ」
「あん……嬉しい……じゃあ……もっとアヤナで気持ちよくなって?こくぼくん」
"にゅるっちゅ!じゅぷッ〜〜〜〜ぐッ!"
さらに、奔放なまでに腰を使うアヤナ。
(つい先月までお互い童貞と処女だったのに、こんなになるなんてな……)


もっ     と……もっ    ト……  だ……


(ああ……わかって……る……)
§


誰に答えるでもなく、マサヒコは心の中で呟いていた。
「んッ………ああッ!いいの……いいのぉッ!こく…  ぼ…くん  」
アヤナが腰を振り身を震わせるたびに、とろとろに溶けた中がマサヒコと混ざり合ってきつく吸い付く。
「んっ…アヤナ……俺も……そろそろ……」
「私も…………あん!また……イッちゃいそうなの……だから…いいよ?こくぼ  くん……」
身体を強ばらせながら、貪欲に腰を動かして快楽を貪りながら……アヤナは、かすれた声で囁いた
強くアヤナの乳房を揉みしだき、マサヒコは自らアヤナとつながっているそこを夢中で突き上げた。
絶頂間近となってさらに狭くなったアヤナの中に、嬲られるような錯覚を覚えながら―――
マサヒコは、自分が最果ての地に辿りつきつつあることを感じていた。
「アヤナ……ッ、アヤナ!いく……ぞッ!ほらッ!ほ…らッ!」
"ず!ずくッ!ぷじゅッ!"
「はあッ!あああああああッ!んくうあああッ!」
完全にシンクロしたふたりの動き。マサヒコはめちゃくちゃにアヤナの奥を突いて突いて突きまくり、
アヤナはマサヒコのものを包み込みながらそれを挟み、揺らし、締め上げた。
「「あ………ああッ……」」
ふたりは、同時にのぼりつめていた。満足したような……それでも、物足りないような……
そんな、相反する思いを抱いたまま、吐息を漏らして、絶頂に達していた。
アヤナの花弁は、きゅうきゅうとマサヒコのペニスを搾り取るようにきつく収縮し、
そして、マサヒコのペニスは薄い膜ごしに……ありったけの、精を吐き出していた。
£
「今日は……ゴメンな?ちょっと俺、調子に乗っちゃって……激しすぎたよな、アヤナ?」
「大丈夫。だってその分ね、すっごく……気持ちよかったよ?こくぼくん…壊れちゃいそうなくらい」
「はは、ま、壊れちゃったりしたら困……」


                          壊        せ


(やめ……ろ……俺はそんな……つもりじゃ……)
「ねえ……こくぼくん?アヤナ、決めてきたよ?お父さんやお母さんは少しびっくりしてたけど……」
「………?なにが…」
「私、日本に残って、英稜を受けることにしたからね?」
「!え?聖光じゃないのか?」
「イヤ。だってアヤナ、こくぼくんと一秒でも一緒にいたいもん。だったら英稜に行くのが一番でしょ?」
「で、でも……」
「高校生になったら、お弁当作ったりしてあげるからね?
ふふ、それでね、屋上でふたりで食べたりするんだ。帰るときは必ず一緒だよ?」
夢見るように、楽しげに……アヤナが話す。―――しかしその隣で―――
マサヒコは、胸の奥からまたもあのどす黒い感情が湧き上がってくるのを感じていた。


                          壊        せ
        な に    モ   か  も
                                              狂   エ 
堕チ                                       ろ


断続的に……傷ついたCDを再生するときに起こるヒスノイズのように……
マサヒコの耳には何度も、地の底で這いずり回るかのような低い声が響いていた。
(やめ……ろ。俺は……おれは……オレは……お         レ、は……)
「?どうしたの……こくぼくん……苦しそう……」
「アヤナ……もう……やめよう。お終いにしよう、こんな……こんな関係」
「!うそ……いや…絶対に…イヤ!どうして……アヤナのなにが悪いの?直すから!
小久保君の……好きなアヤナになるから……私……なんでもするから……」
「違う。お前は……なにも悪くない。俺が……」
§


「それとも……やっぱりまだ、天野さんのことが……」
「それも、違う。怖いんだ………俺……このまま……お前に溺れていくのが……」
「……」
「俺は……お前が好きだ。大切だって思う……それなのに……ずっと、頭の中で声がするんだ。
壊せって。滅茶苦茶にしてしまえって。……このままだと…このままだと俺、おかしくなりそうで…」
"ぎゅっ"
アヤナがマサヒコを強く――強く、抱きしめた。ふくよかな胸から、甘くて少し湿った汗の匂いがした。
「アヤナ……」
「いいんだよ?こくぼくん……アヤナは、あなたになら…壊されても」
「ダメだ……今なら、まだお前は戻れる……。お前くらい美人で賢い女の子なら、
普通にしていれば俺みたいな奴じゃなくてきちんとした男といくらでも付き合えるは」
"ぎゅうッ"
マサヒコの言葉が終わるのを待たず、さらに強くアヤナが抱きしめる。
「イヤ!絶対イヤ!ズルイよ、こくぼくんは……」
「………おれ、は……」
「こんなにアヤナを好きにさせたのは、あなたなの。だから…責任取ってよお…逃げないでよ……」
「でも……」
「堕ちるときも一緒でいいの……あなたとなら……どこまでも一緒にいってあげる」
「これ以上俺といたら……おかしくなるって、思わないのか?……怖く、ないのか?」
「怖くないよ?……こくぼくんと一緒なら……それに、もうおかしくなっちゃったもん、アヤナは。
こくぼくんに……おかしくされちゃったもん。だから……ずっと一緒だよ?あなたと……壊れてあげる」
マサヒコを抱く力が、少し弱まった。
ゆっくりと柔らかなアヤナの胸元から顔を抜け出して顔を上げるとそこには
―――――笑顔の、アヤナがいた。
無邪気な子供のように、幼くあどけない笑顔だった。
マサヒコは、呆けたようにしばし彼女に見惚れていた。
(壊されたのは………俺の心の方だったのかもしれないな………)
そんなことを、マサヒコは思った。なぜか、頬に冷たい涙が伝って、落ちていた。

END

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