作品名 作者名 カップリング
「恋とカルキの記憶」 郭泰源氏 アヤナ×マサヒコ

「…しかし、豊田先生なんであんな焦って出て行ったんだ?」
「さあ…それより悪いけど、小久保君」
「ああ…じゃ、肩につかまって、若田部。よいしょっと…」
“ガチャ”
「先生、お願いしま…あれ?」
保健室には、誰もいなかった。
「?あ、書き置きがあるわ…1時間ほど部屋を空けるって…」
「そっか。ならしよーがねーな…若田部、イスの上に座れる?」
「う…うん」
「ちょい待ってな。タオル持ってくるから、体拭いて。そんで応急処置しとくから」
「あ、ありがとう…」
冷却スプレーをアヤナの患部に吹きかけ、アヤナに痛みの具合をたずねながら
シートを貼り付けるマサヒコ。テキパキと動くその姿を、アヤナは少し意外に思っていた。
「…結構、こういうの慣れてるんだね、小久保君?」
「え?ああ…はは、俺さ、一年のときも保健委員やってたからな。
それより大丈夫か?若田部…足少し、腫れてるかもだな…」
心配そうな目で見つめながら、アヤナのくるぶしのあたりに軽く触れるマサヒコ。
そんな彼の行為に、思わずアヤナは顔を赤らめてしまっていた。
勿論、マサヒコが邪心をもって触れているのではないということは、頭では理解していた。
それでもお年頃のアヤナにしてみれば、異性にそんな風に触れられるというだけで恥ずかしいのだ。
「よし…熱はとれてきたみたいだな。もう体も乾いたろ?自分でベッドいけそうか?」
「う…うん」
立ち上がり、保健室のベッドに向かおうとするアヤナだったが…。
「あッ…」
無理をして自力で立ち上がろうとしたものの、鋭い痛みが患部に走り、バランスを崩してしまった。
「ああ…ホラ、無理するなよ、若田部」
§

危うく倒れかけたアヤナを、マサヒコは軽く抱きとめた。
「ご…ゴメン…小久保君」
「いいって…じゃ、肩貸すからさ。よいしょ…」
マサヒコは仕切のカーテンを開け、ベッドにかけてあるシーツを折りたたむと、
丁寧にアヤナの体をそこに横たえた。
「大丈夫?若田部?」
「うん…ありがとう、小久保君」
「それじゃ…俺、先生が帰ってくるまで少し待ってるな?」
「え…そんな。いいよ、もう授業に戻った方が…」
「いや…女の子ひとりにしとくわけにはいかないよ。俺、向こうのイスに座ってるから…」
「あ、ありがとう…」
「いいって、若田部。昨日夜更かしして寝不足でさ。俺、少しサボりたいとこだったんだ」
微笑むと、マサヒコはカーテンを閉めた。
(小久保君て…不思議なひとだな…)
アヤナはそう思った。今日のこともそうだったが…。無神経かと思うと妙に優しくて、
意外に心配りがこまやかなところもある。そしてなによりアヤナが不思議なのは、
いつもと言って良いほど女の子に囲まれていながら、全く気取りがないところだった。
(それに…他の男子と違って、あたしのことも、全然…イヤらしい目で見ないし)
アヤナ本人はまだ気付いてなかったが―。
そのことについては、彼女の心の中で少し寂しい思いもあったのだった。
(でもなんだかんだ言って、やっぱり優しいよね…小久保君)
保健室に着くまでの時間を思い出していた。確かに少しトボけたようなところはあったが、
マサヒコが彼女の体を気遣ってくれたことは間違いない事実である。
(さっきも…あたしを抱きしめて…くれたし…)
思い出して、アヤナはまた顔を赤くした。
(小久保君の体…硬かったな…)
§

触れ合ったマサヒコの肉体の感触を思い出して、恥ずかしさとともに別な感情が芽生えるアヤナ。
(男の子のからだって…あんな風なんだ…)
身長も伸び、日に日に男っぽく、たくましくなりつつあるマサヒコ。
外見的にも、去年の夏合宿のときとは明らかに違っていた。
そしてアヤナは、自分の胸が今までに感じたことのない感情でざわつきはじめるのを感じていた。
年の離れた兄や仕事に忙しい父親とは元々あまり接触がなく、
実はアヤナは男性とうまくコミュニケーションをとれる方ではなかった。
しかし、不思議なほどマサヒコにはいつも素のままの自分でいられた。
(ふぅ…あたしは…こんな風に思ってるけど…小久保君は、どうなんだろう?)
そう思ってアヤナは少し体を伸ばすと、カーテンを開け、マサヒコがいるはずの場所を見た。
「すぅ〜…、くぅ〜…」
(こ?小久保君?)
どうやら、寝不足というのは社交辞令でも冗談でもなく、本当だったらしい。
イスに座り、腕を組んだ状態でマサヒコは爆睡中であった。
(ふふ…寝ちゃったんだ…可愛い寝顔だナ…)
アヤナは足の痛みをこらえながら起きあがり、ベッドから出るとマサヒコを起こさぬように近づいた。
(睫毛長くてばっさばっさ…肌もきれい…ヤダ、小久保君ってそこらの女の子よりキレイかも…)
成長中とはいえ、どこか中性的な雰囲気をたたえたマサヒコにまたも胸が高鳴るアヤナ。
さらに近寄ると―少し、斜め方向からマサヒコをのぞきこんだ。
(プールのカルキっぽい匂いと…汗の匂いかな?でも…ほかの男子やお兄ちゃんの汗みたいな…
臭くて、嫌な匂いじゃない…なんだか…小久保君の匂いって…好きかも…)
ふわり、とマサヒコの匂いがたちのぼり―アヤナの目の前には、無防備なマサヒコのうなじがあった。
(癖っ毛っぽいな、小久保君は…いつも少しハネちゃってるし…でも、なんだか色っぽい…)
ちなみに女性でも、隠れうなじフェチというのは結構いるそうで(友人の女性から聞いた実話)。
アヤナも今、至近距離で男性としては異常にキレイなマサヒコのうなじを見て、
興奮を抑えきれなくなってきていた。
§

(あ…ヤダ、あたしったら…)
アヤナは、己の股間が熱を持ってきているのに気付いた。
(ウソ…うそ…ダメ…そんな…)
理性は自分の行動を制止しようと必死だったが、本能がそれをふりきってしまっていた。
水着の脇から、アヤナは股間の中へと恐る恐る指を伸ばした。
“ぴちゅ…”
(!!!んっ…んんーっ!やだ…あたし、すっごく濡れてる…)
目の前で気持ちよさそうに寝ているマサヒコの横ではしたないことをしている―。
そんな禁断のシチュエーションにも興奮を加速させたアヤナのそこは、既にたっぷりと潤っていた。
“くちゅ…ぷしゃ…”
(ダメだよ…見つかっちゃったら…こ、小久保君に変態な女の子だと思われちゃう…。
嫌われちゃう…ダメなのに…あたし…だめ…ダメえッ!)
自分の思いとは別の意志を持った生き物のように、右手は激しくアヤナの中をかき混ぜていた。
(はッ…あ…っ…んンっ…ダメ…声だけは…出さないように…)
もはや行為を止めることも出来ず、左手で口をおさえて声をこらえるアヤナ。
ぽたぽたと、アヤナの股間からは熱い液が太ももを伝って落ちていった。
(ああ…ダメ…あたし、止まらない…止まらないのぉ…)
豊かな曲線を描く水着のうえからは乳首がつん、とはっきり浮き出ている。
一度も触れていないのに、そこは熱を持って固くなってしまっていた。
(あ…んッ、こくぼ…くん、小久保君…)
アヤナはかき混ぜるのを止めると、そっと中を開いた。べとべとに濡れてしまったヒダが、ぬるり、とめくれた。
(ああ…ヒダが…あたしのが…ひくひくしてる…イヤ…あたしは、そんなイヤらしい子じゃない…)
羞恥心と、嫌悪感と、おもらししそうな気持ちよさでいっぱいになりながら―アヤナは行為に没頭していった。
(あ!いい…ここ…いい…)
右手の指で、てっぺんの肉の芽に触れた。こりこりに固くなっている中心を、指の腹で撫でまわした。
指の動きは止まらず、早くなっていった。腫れたように膨れあがった肉の芽を、さらに強く押して刺激した。
§

“くちゅ…ぴちゅ…”
規則的で淫靡なリズムが、保健室に響いていく。そしてアヤナは―限界を、超えた。
(あ…あうッ!   あん…              い、イクッ!)
自分ではどうにもならない感覚で体中が満たされ、アヤナは頭の中が真っ白になった。
膝から力が抜け、ガクガクと上半身が揺れるのを止められなかった。
裂け目からは大量の熱い液があふれ、滴り落ちた。
太ももをひくひくと震わせながら、アヤナは大きく達していた。
(これが…イクってことなの…?)
今までも、戯れにじぶんのそこを触ってみたことはあった。
しかし優等生のアヤナには背徳感が先に立ち、気持ちよくなるどころか、
そんなことを試している自分を嫌悪してしまうのが常だった。しかし、今は―。
(すごい…すごかったけど…でも…なんで?こんなトコでしちゃったから?それとも…小久保君だから?)
アヤナはそんなことを考えながら呆然とするほかなかった―。
£
「ふああ〜、あ…寝ちゃったのか、俺。…ん?どったの、若田部?」
しばらくたってからようやくマサヒコが目を覚ましたが、
自分の横で惚けたような表情をしているアヤナを見て、不思議そうに声をかけた。
「う…ウウン、なんでもない…なんでもないの、小久保君…」
「??ならいいけど…顔も赤いし、お前、汗かいてるぞ?熱出てきたのか?」
アヤナの額に手をのせようとするマサヒコだが…。
「はぁうッ…ダメッ、だめぇ!小久保君!!」
アヤナは大声で拒絶の言葉を口にしながら、びくん、と大きく体を震わせた。
「わ、若田部?ど、どうしたの?」
「ご…ゴメン、なんでもないの。大丈夫なの、小久保君…」
目の周りまで真っ赤にして、泣きそうな表情で告げるアヤナ。
(な…なんだ?若田部?ムチャクチャいろっぺーんだけど…)
§

そんな彼女の様子を見て、マサヒコはどぎまぎしてしまっていた。
「な…なあ、若田部?ところでさ、足、もう大丈夫なのか?」
動揺している自分を隠そうと、少し甲高い声でマサヒコは言った。
「あ…そうね…まだ痛いかも…」
「ならさ、まだ寝てなって。先生も来ないし…俺、肩貸すからさ…」
「う…ウン、ありがとう、小久保君…でも…それなら…」
「?」
「だっこ…してくれない?」
「へ?」
「お願い…だっこ」
「う、うん」
保健室に来るまでの強気な態度はどこへやら…目をうるうると潤ませ、
甘えるような言葉で懇願するアヤナにマサヒコは逆らえるはずもなかった。
「よいしょっと…」
マサヒコはアヤナを抱きかかえると、再びベッドまで連れていった。
豊かな胸が、肉感のあるふとももが…マサヒコに、はっきりと押しつけられていた。
“ふさ…”
「じゃ、じゃあ…大丈夫だな?若田部。俺、次の授業出るから…」
「うん…ありがとう、小久保君」
マサヒコは、少し焦りながら保健室を後にした。
(なんだか…汗だけじゃなく…若田部のカラダ、濡れてたような???)
自分の両手に残るアヤナの肉体の質感と温かさに、興奮してしまうマサヒコ。一方、アヤナも…。
(ゴメン…ゴメンね、小久保君…あンッ…でも…あたし、ああッ…今日は止まらないの…)
保健室で、2回目の自家発電に励んでいた。
そんな大人未満、子供以上。友達以上、恋人未満なふたりの行き先は…誰にも、わからない。

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