作品名 |
作者名 |
カップリング |
「夕暮れどきの職員室」 |
郭泰源氏 |
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「じゃ〜ね〜、また明日、豊田っち」
「コラコラ…せめて先生をつけないか、お前ら」
「はははは、相変わらず女子生徒に人気ですな、豊田先生は」
「からかわれてるだけですよ…つっこまないで下さい、教頭先生」
「ところで…豊田先生?どうも先生に、妙な噂があるんですが…」
「え?」
「いや…文化祭のときですが、長身でメガネの美女に引きずられるようにして消えていって…。
その後、精も根も尽き果てた様子だったとか?まさか先生…」
「!!!!あ、あの!誓って!そ、そのようなことは!」
「いや、別にまだなにも言ってないんですが…そこまで慌てられると、かえって怪しいですな」
「!ち、違います…信じてください、教頭先生」
「ま、豊田先生も若いわけですから、女性とそういうことになるのを責めているわけではありません。
ただ文化祭中とはいえ、学校に恋人を招き入れるというのはいかがなものかと…。
ねえ、関根先生?風紀委員担当として、そう思われませんか?」
「…豊田先生に限っては、そんなこともないと思います。むしろ、なか、じゃなくて、その女性と
真剣にお付き合いしているからこそ、自分の職場を見せておきたかったんじゃないでしょうか?
どうです、豊田先生?な…じゃなくて、その女性とそろそろ身を固めたら」
「は、ははは…そ、そんな関係じゃないですよ。関根先生こそいかがですか?
頼りがいがあって大人の男性が良いと、りょ…じゃなくて私の友人の女性が言ってるんですが?」
「あは、ははは。え、遠慮しておきますよ」
白々しいふたりの会話を、冷めた目で見つめる女性教師がひとり。
「ふん…リョーコちゃんがあんたたちの手に負えるわけないじゃない…。
にしても、あのコにそのケがないのが惜しいのよね…素材も素質も十分なのに…ま、それより」
三浦は、机の中から写真を取り出した。そこには、スクール水着のアヤナが写っていた。
「ふふふ…気も強くてナイスバディで美人のうえ、素質もばっちり…楽しみな逸材ね…」
ごくり、と生唾を飲み込む三浦。その音と、獰猛な笑顔は、幸い誰にも気付かれなかった。
おしまい