作品名 | 作者名 | カップリング |
「マサヒコの女難週間」 | 郭泰源氏 | - |
「…で、誰を選ぶの?マサヒコ」 「…」 10の瞳が、彼の仏頂面を刺すように見ていた。最終日、当初の予定通り集まった いつものメンバーの前で、中村が今回のゲームの詳細を語り、 「…んなこったろうと思ってたけど…」 と、完全にふて腐れたマサヒコだが、女性陣にしてみればそんな反応は正直予想通りで、 肝心なのはその先…彼が、誰を選ぶかということなのであった。 「そう言うけど~、ま、アンタもそれなりに楽しんだのは確かなんだし~。 このままなんもなしってわけにもいかないでしょ~?ささ、選んだ、選んだ」 「…」 いまだ無言のマサヒコ。確かに、全員と関係を(リンコとは微妙なところだが)持ったのは事実である。 (…マサヒコ…童貞をもらったのは、あたし…) (好きだって、一番初めに言ってくれたよね、小久保君?嬉しかったんだから) (処女をマサヒコ君に捧げたんだもん…それにあのあと、に、2回も…したんだもん) (お嫁さんに、してくれるって…そう言ったよね?マサちゃん…) (ま、正直あたしの体の味を覚えたら…忘れられないわよね、マ・サ?5回もしたしな) 5者5様の思いが、マサヒコの部屋の中でわだかまり、渦巻いていた。 「き、決められるかよ!そんなの…無茶言うなって」 半ばヤケになって…と言うより、半泣きになって叫ぶマサヒコだったが…。 「ヤダ!マサヒコは、あたしのものなの!」 「マサちゃんは、あたしと結婚するの!」 「マサヒコ君…素敵だったよ、あの日。だから…」 「わ~ん、結局あたしとは最後までヤってない…だから、するんだもん、小久保君」 「の、のわああああ」 逆に火に油を注いでしまったようだ。手に、足に、胴に、頭に…。 抱きつかれてしまい、身動きが取れなくなるのであった。 § が、ここでマサヒコに救いの神登場。 「まあまあ…マサヒコも、こう言ってることだし…迷うわよね~? こんな魅力的な女の子たちに一斉に迫られたら?」 意外にも、冷静に場を仕切ろうとする中村。 「そ、そのとおり!ロクでもないことばっかしてきたあんたでも、たまには良いこと言う!」 「コラ、どさくさ紛れになに言ってんだ、マサ。でね、あたしに提案があるんだけど」 瞬間、中村の部屋で何度も感じたとてつもなく嫌な汗が、なぜか再び背中をつたうマサヒコ。 「こいつをさ、しばらくあたしに預けてみない?あんたたちも味見して分かっただろうけど、 マサってなかなか素質はあるのよ。でもまだいかんせん我流で粗削りでねえ。 てなわけで、どう?あたしが男として磨いた後にみんなに放流するってことで…」 「@!?あああああ…」 やはり、中村は中村だった。マサヒコは低く、絶望の声をあげた。結局死神だったか…。 「えぇ~ん、そう言って先生小久保君を食べちゃう気だ~、ひどいよお~、しくしく」 「ダメです!お姉様と言えども、今回は譲れません!」 「先輩、狙いが見え見えです!だいたいマサヒコ君はあたしの生徒なんです! だから…せ、性教育もあたしが責任をもって…指導を…」 「マサちゃんは…あたしのものなの!誰にも絶対、渡さない!キーーーーーッ!」 さきほどよりさらに手ひどく全身を女性陣に引っ張られるマサヒコ。 「あらあ…引っかからなかったか。やれやれ…若くてピチピチした棒奴隷が欲しかったのに…」 のんびりと呟く中村だが、マサヒコにしてみればたまったものではない。 「が、やめ、止め…か、体が…ちぎれるーーーー! わ、わかった!わかりました!選ぶ!選びますから…止めて下さい!」 マサヒコの言葉に、ぴた、と奪い合いを止める4人。 荒い息をようやく整えると、マサヒコは全員の顔を、ぐるり、と見渡した。 「決めますから…みなさん、座って目をつむって下さい。 で…俺が、その人の手を握ります。恨みっこなしで、お願いします」 § 「キスとかのほうが…気分でない?マサヒコ君?」 「なんなら、全員が口を開けとくから、そこにあんたのムスコを…」 「やめえええええええええ!とにかく、お願いします!皆さん!」 実に中村らしい発言をさえぎると、そう宣言するマサヒコ。 「ふむ。あんたが逃げ出さないように…。 入り口のドアの前に全員並んでってことなら、あたしはいいけど?みんなはどうよ?」 4人は、当初不満顔だったが…。選ぶ権利はマサヒコにあるという単純な理屈をやっと思い出して それぞれに目をつむり、マサヒコの手が自分に伸びてくることを信じて、待った。 そして、そんな5人の顔をマサヒコは一人一人見つめ、心の中で謝っていた。 (アヤナ…初めて同士で、あんまり上手くいったか自信なかったけど…ほんと、ありがとう。 的山…とりあえず、口ですんだからお前はまだ大丈夫だ。狂犬に噛まれたと思ってくれ…。 ってやられたの俺なんだけどな…。アイ先生…、可愛かったです、マジで。これから、 いっぱい素敵な恋をして下さい。ミサキ…約束守れなくて、ゴメンな。でも、お前とは本当に…。 メガネ、お前だけは…まあ、この際だ。なかったことにしてやる…) 最後はキチンとオチをつけてしまうあたりがマサヒコらしい。そして、覚悟を決めると…。 “ガラガラ…ドン、ドッスゥ!” 「「「「「?????」」」」」」 なにかが開き、そしてなにかが落ちたような音を、5人は聞いた。 「あーーーーーーーッ!マサの奴!ベランダから…」 いち早く目をあけた中村は、ことの次第を全て悟って叫んでいた。 そう、マサヒコは二階の自分の部屋から意を決し、飛び降りたのだ。 「&え?」「$ええ?」「#えええ?」「*えええええ?」 そして、驚いてベランダに出た女性陣は…。 両脚を押さえ、悶絶するマサヒコを見つけたのであった。 「の…がががが…」 § 「ま、マサヒコ!」 「小久保くぅん!!」 「マサヒコ君!!!」 「マサちゃん!!!!」 そして、中村を除く四人は呻き声をあげ、のたうち回っているマサヒコの元へと急ぐのだった。 が、ひとりベランダに残った中村は、そんな様子を実に愉快そうに眺めていた。 「ああああ!大変…あたしの家で介抱を…」 「なんで若田部さんちなの!隣のあたしのうちが一番近いんだからそこで!」 「大丈夫?小久保君、くすんくすん」 「リンちゃん!どさくさに紛れてなにズボンをおろしてるの!大丈夫だよ、マサヒコ君。 すぐに先生が手当をしてあげるからね?両脚が折れてたら、し、シモの世話もあたしが…」 「なははは…良い風景ねえ~?マサヒコぉ~?」 ベランダから、中村は声をかけた。 「ここここ、このぉ!中村、あんただけなんでそんな余裕しゃくしゃくなんじゃあああ!」 「あのねえ~、マサヒコお~?あたし、いいこと思いついたのね~? ジャ~ン!第二回戦!その名もマサヒコ介抱合戦! 全員ナースルックで、あんたが回復するまで何回イカせるかっていう…」 「「「「負けませんよ!」」」」 四人の声が重なり、再びマサヒコの体へと手が伸ばされる。 「たたたたた、助けてくれえええええ!」 そして、悲痛な雄叫びをあげるマサヒコ。まだまだ、マサヒコ争奪合戦は終わらない…。 そして、彼の不幸な日々も。 END
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