作品名 作者名 カップリング
マサヒコの女難週間(リョーコ編) 郭泰源氏 リョーコ×マサヒコ

「で…結局、全部あんたの差し金だったってわけだな?」
「ふふふ…ばれたか」
舞台は中村のマンション。中村はソファにもたれ、ニヤニヤとした表情だが─。
マサヒコはテーブル前のクッションに腰掛け、思いっきり険しい視線を彼女に向けている。
今回の一連の騒動について、さすがにマサヒコも思うところがあり、
中村と直談判すべく、はじめて彼女の住処へと一人、足を踏み入れたという次第である。
「あのなあ…ばれたか、じゃなくて!俺はこれからどの面さげてみんなと会えばいいんだよ!?」
「ん?いいじゃん、結局みんなとよろしくやったわけだし」
「よろしくって、なあ!いい加減にしてくれよ!」
「でっかい声出しちゃ、ダメですぅ♪ご主人様あ」
「な#な$な%な、な」
「ははは、その様子だとアイとのメイドプレーも堪能したみたいだね」
「ぐ…あんたなあ…」
「はは、でもさ、あたしもここまで上手くいくとは思ってなかったんだよね。
1週間で4人の処女食っちゃうなんて、滅多にない体験よ。さすがはマサ、
ヴァージンキラー〜♪って感じじゃん」
「…だから、あんた、歌とか微妙に古いんだよ!いまどきSILVAって…」
「そう言ってあたしのことばっか攻めるけどさ、マサ。あんた、自分が全然悪くなかったって言える?」
「え…」
「その気になったらさ、何とかできたんじゃない?それにだいたい、どの娘にもいい顔して、
結局本当のところあんたって誰が好きなのか全然はっきりしてなかったじゃん」
「だ、だから、俺は…ただみんなと…」
「初詣のとき、そんなこと言ってたわよね。でも、どのみちどの娘か選ばなきゃなんないのよ?
その気がないのに、中途半端に優しくして引っ張るのって、ムチャクチャ残酷よ」
「…でも、少なくとも、今度みたいにあんたがけしかけなけりゃ、
若田部や的山やアイ先生とは、あんなことにはならなかったはずだ!」

怒りに満ちた表情で叫ぶマサヒコ。
「そう言うけどさ〜、結局、みんながあんたに迫って、きっちりヤることヤっちゃったってことは、
やっぱりみんなマサに惚れてたってことじゃん。しかし、ここまでうまくいくとは思わなかったのよねぇ、
あたしも正直さ。あはは、まさかあんたが全員食っちゃうなんてねえ」
反省の色なく、愉快そうに笑う中村。
が、マサヒコは既に先ほどの怒りに燃えた表情は見せていなかった。俯き、肩を震わせていた。
「…マサ?」
そんな彼の様子に、さすがに心配になって中村はのぞきこんだ。
「…」
真っ赤な顔をして─、マサヒコは、泣いていた。大粒の涙を双眸から零して、震えていた。
「ま、マサ?」
「俺は…本心から、みんなと…。いつかは、みんな大人になって、離れ離れになるってことくらい、
俺だって…わかってたけど…。でも…そのときまでは、ずっと仲間でいたいって…。
ミサキが、俺に気があるってことぐらい、薄々気付いてたけど、でも、それも…。
なんとか、抑えてきたのに…全員と、こんな…こんな…ことに、なるなんて…」
マサヒコの口からは、訥々とではあるが、後悔の言葉が次々と溢れてきた。
「マサ…」
中村の心には、今、初めて、後悔の念が生まれていた。
それは、目の前の少年の、あまりに純粋な言葉を聞いたからだった。
(マサ…あんたって、どこまで…馬鹿素直なんだか…)
胸の中でそう呟きつつも、中村の中で、今までに無い感情が生まれてきていた。それは─
(でも…今まで、こんなに…真っ正直に、あたしに言葉をぶつけてきた奴なんて…)
生まれもっての美貌と、豊満な肉体。彼女は、それだけで、男に不自由することは無かった。
そしてまた、彼女に群がる男たちは…彼女の、そこだけしか、見ていなかった。
彼女の持つ悲しみや喜び、そういった感情に、誰も本当のところは、関心すら払っていなかった。
それは、豊田にせよ、関根にせよ…、かつての男はみなそうだった。

「俺は…俺は…どうしたら…」
そう言ったまま、言葉を失うマサヒコ。
彼は、本心から、自分のしてきたことに、後悔し、苦悩していた。
中村は、悔いの気持ちと─。愛おしさから─。思わず、マサヒコを、抱きしめていた。
「?!な、中村?へんせい?」
「ゴメンね、マサ…あたし、ホントはさ、こんなことになるなんて…。
思ってなかったんだ…。信じてくれないかも、しれないけど」
「…」
「あのさ、マサ。あたしね、あんたのことが…羨ましかったんだ、本音はさ」
「?」
「あんたって…多分、自分で、意識してないだろうけど…大切に、育てられて…。
んで、両親も、すっごく、いいひとで…。可愛くて、あんたのことを、好きで好きでしょうがない、
幼馴染のミサキちゃんがいて…。弟みたいに可愛がってくれてる、アイがいて…。
おまけにさ、仲の良い、クラスメイトのアヤナやリンがいて…。
うん、今だから言うよ。あたしは、あんたが、羨ましかったんだよ」
「…ほ、ほんなことは…」
「あたしさ、今でもそうなんだけど…家族と上手くいってなくて…友達らしい、友達もいなくて…。
寄ってくるのは、つまんない野郎ばっかでさ。こんな風に…本音を言える人間って、いなかったんだ」
「…」
予想外の、中村の告白に、戸惑うマサヒコ。
「ねぇ、マサヒコ?」
「は、ふぁい」
「さっきさ、全員と、こんなことにって、言ったよね?」
「?ふぁい?」
「まだ、全員じゃ、ないよ…」
「?」

「まだ…あたしが…残ってる」
「!?!??????」
あまりの急展開に、驚愕の表情を浮かべ、中村を見上げるマサヒコ。が、中村は…。
普段の彼女にも似合わず、清楚に頬を染めると、そんなマサヒコの視線を、逸らした。
「ねぇ、マサ…。確かにさ、勢いで、みんなと、こんなことに、なっちゃったんだろうけど…」
「は、はあ」
「でもね、それだけ、あんたが…、魅力的な男の子だってことも…確かなんだと、思うの」
「そ、そんなこと…」
「ううん。マサ…可愛い…」
そう言って、再び、強くマサヒコを抱きしめる中村。
「せ、へんせい?」
押し付けられてくる、中村の肉体の柔らかな感触と甘い香りに、戸惑いつつも陶然とするマサヒコ。
「マサ…こんな、ひどいことばっか、してきた、あたしじゃ…ダメかな?」
「はへ?」
「…もぅ。はっきり言うよ?し・よ!マサヒコ!」
「!」
中村は、少し照れくさそうな…それでいて、あたたかくマサヒコの心を包み込むような、
とびきりの笑顔で、マサヒコを見ていた。─キレイだった。母性すら、感じさせた。
なにしろ、素材については(まあ黙っていれば、の条件付だが)超一級品なのである。
マサヒコも、しばしその笑顔に見とれてしまっていたのだが…。
ハッと気付くと、中村から、急いで体を離し、距離をとった。
「ちょ、ちょい、タイム!それは、いくらななん、なんでもマズイっすよ、中村先生」
「…マサ?」
「だ、だから、俺は、こんなことになってしまった以上はですね、俺が誠心誠意みんなに謝って、
んで、そもそも今回の原因である、中村先生にも、みんなに謝ってもらおうと、そういうつもりで…」
「うん、いいよ。一緒に謝ったげる」
再び、にっこりと微笑む中村。

「そ、そうですか、ありがとうございます。じゃ、じゃあ…」
「その代わり、しよ、マサヒコ」
「だ、だからあああ!」
絶叫するマサヒコだが、中村はニコニコとそんなマサヒコを見守っている。
「じゃないと…謝ったげないし、逆にマサに襲われた〜ってみんなに言っちゃうんだもんね」
「た、タチわりい…」
頭を抱えるマサヒコ。やっぱり中村は中村だった、と思うのであった。
「なに?勃ちが悪い?それは若いのに一大事ねえ…ふふふ、じゃあ、あたしが…」
「い、意図的に人の発言を誤変換するなああああ!」
もはやすっかりいつもの彼女のペースである。中村は、マサヒコの様子を気にするでもなく、
逃げようと背中を向けた彼に後ろからのしかかり、その股間に手を伸ばした。
「ち、ちょっと、お願いします!中村先生!待った!ストップ!タイム!請等一下!」
何故か中国語まで飛び出すマサヒコだが、既に彼のそれはジーンズ越しから、
中村の手による柔らかな愛撫を受け続けていた。
「しっかしさ、ジーンズメーカーって、絶対男もののココ、分厚い生地使ってるわよねぇ…。
やりにくいったら、ありゃしないんだから…」
妙な不満をブツブツと言う中村だが、流石に熟練の手業師の仕事とでも言うべきか。
巧みなタッチに、マサヒコのものは、こんな状況にもかかわらず、少しずつ硬くなり始めていた。
「うほ♪四の五の言うておっても…体は、正直じゃのう、ほりゃほりゃ♪」
時代劇の悪代官のようなセリフを、楽しげに言う中村。正にノリノリである。
「こ、これは、男の生理現象であって…」
「ねぇ?マサ?」
「はひ?」
「そういうのって…男だけだと、思ってる?」
「へ?」

「女の子にも、あるのよ、その、生理現象ってやつが…」
そう言うと、中村は…のしかかっていたマサヒコから体を離すと、素早くブラウスを脱いだ。
淡いブルーのブラが、彼女の白い肌に映えて目にも鮮やかな光景であった。
「&%$ちちちち、とっとちちょっと、待った、中村先生」
「待・た・な・い。あのね、その生理現象ってのはね、生理の前後に、あるわけ」
「?はあ?」
「生理の後くらいはね、やっと終わった〜って感じで、もう男なんていらねー、って気分になるのよ」
「???はあ???」
マサヒコにとっては、あまりに突拍子もなく、未知のことであったため、
このような状況にもかかわらず、妙に素直に答えていた。
「でね、生理の前くらいはね…すっごく、男が欲しくて…仕方なくなるわけ…個人差、あるんだけど」
「?*:::?」
何故か、ぞくり、と非常に嫌な汗が、自分の背中を伝うのをマサヒコは感じていた。
「それで…非常に好都合なことに、今日のあたしはさ、生理の直前なわけね」
「!!!」
(そ、それって?うあ、やべーぞ、俺…)
急いで逃げ出そうとするマサヒコだったが…その動きは、中村の想定内であった。
“ガシッ”
腕を取られ、強引に─、中村の胸へと、持っていかれていた。
「でね、これぐらいの時期だと…すごく、おっぱいも張ってくるわけなの。…ホラ、マサヒコ」
“ふにゅん”
張りのある、感触だった。大きくはあるのだけれど、やはり少女のもの然とした、固さを伴った
アヤナの乳房とは違い、どこかしなやかな柔らかさを、てのひらにマサヒコは感じていた。
「…マサヒコ?」
「は、ひゃい」

「ねぇ、しようよ…、あたし、今…すっごく、マサが、欲しいの。ゲームだからとかじゃ、なくさ」
「で、でも…」
「マサ…、もしかしてさ、他の子たちに遠慮してんの?」
「そ、そりゃあ…」
「いいじゃん。ここまできたらさ、最後にあたしとヤっちゃったって、大して変わりゃしないって。
…でなきゃ、マジで、あたし、『マサに襲われた〜』って言っちゃうよ?ここでさ」
(や、やっぱり…タチ悪いよ、この人…)
もはや抵抗する気力も失ったマサヒコは、ぐったりとうなだれるのであった。中村は、
そんな彼の顎を、ちょん、と人差し指で持ち上げると…。楽しげに、マサヒコと、唇を重ねた。
“ちゅ…”
妙に、いやらしさのないキスだった。バードキスのお手本(あんのか、そんなもん)のようなキスだった。
「コラ、マサ…あんた、手ぇ、抜いてるだろ」
「はえ?」
「あたし、聞いたんだからね…あんたって、結構、上手いって」
「!!!?だ、誰からそんなことを?」
「誰でもいいから。もっと気ぃ入れなさい!さもないと…」
「わ。わかった!わかりました!」
ほとんど脅迫である。マサヒコは、涙目になりながら…。ゆっくりと、中村に向き合った。
「あ、あの…中村、せんせい?」
「…り、リョーコさん、って呼びなさい!気分出ないから!」
「?はい?…じゃ、じゃあ、リョーコさん?」
「う、うん、よろしい…なにかな?」
「あの…メガネ、外しても、いいですか?」
「え?」
「俺…メガネの子と、きちんとキスしたこと、ないんですよ。それに…」
「それに…なによ?」
「前、海いったとき…素顔のリョーコさん、キレイだったから、もう一回見たいな、って思ってて…」

「!」
天然ジゴロマサヒコ、またもや炸裂。本人は意識してないのだから、末恐ろしい。
中村も、あまりに自然に、マサヒコがそんな言葉を口にしたものだから、
百戦錬磨の彼女にも似合わず、顔を赤らめるしかなかった。
「も、もう。しょうがないわね、ビギナー君は。外してあげるわよ」
なんとか誤魔化そうと強がりを言って、メガネを外しにかかる中村だったが…。
「あ…違うんです。俺に…外させて下さい」
そう言って、マサヒコは中村の手を取って、膝に乗せると…そのまま、フレームに細い指を沿わせた。
(な、なによコレ…な、なんで…メガネとってもらうだけなのに…こんなにドキドキするのよ…)
マサヒコは、中村の髪の中に指を入れ、少しかき上げると…。フレームのかかっている耳元に
軽く指をのせ、ゆっくりとそれを外した。視線は、真剣に、メガネに集中させていた。
その、女の子のようにつぶらな瞳を、中村は間近で見て、胸が高鳴るのを感じていた。
(わ、わあ…マサの、指…細くて…長くて…きれいな…形、してる…)
思わずうっとりと、そんなマサヒコの挙措を眺めてしまう中村。
一方、マサヒコは丁寧にメガネを畳むと、テーブルの上においた。
「じゃ、じゃあ…なか…リョーコさん…」
「あ…うん」
ふたりは、見つめあった後、なぜか互いに顔を赤らめると…。ゆっくりと、唇を重ねた。
“ちゅッつ”
(んん…た、確かに…マサ、上手いかも…)
性格なのか、マサヒコのキスは、丹念で、丁寧なものだった。しばらく、唇を重ねあったあと…。
軽く中村のそれを吸い、舌先で彼女の唇の周りを軽くくすぐるようにして、動かしていた。
そして…。腰に回していた手を、中村の黒く豊かな長髪に、沿わせ、梳くようにして、触れた。
(!!!う、きゃあ、な、なによ、マサ、手、手つきが…)
なめらかなマサヒコの指使いに、思わず、びくんっ、と体を震わせてしまう中村。
「?あれ?リョーコさん?…大丈夫?」
唇を離し、少し不安げに中村の様子を見つめるマサヒコ。

「う、ううん…ご、ゴメン…大丈夫だから」
(こ、こりゃあ…アヤナやアイが、参っちゃうのも無理ないわ。マサ、こいつ…。
あと3年もしたら、ひょっとして…とんでもない女たらしになるかも…)
予想外に興奮してしまった自分をようやく抑えると、そう思ってじろり、とマサヒコを睨む中村。
「あの?なんで怒ってるんすか?リョーコさん?そんなに、俺、下手でした?」
(ううむ…天然で、そう言うところがまた…)
なぜだか、無性に腹が立ってきた中村は…。勢いで、マサヒコをその場に押し倒した。
「えいっ♪♪」
「?!?り、リョーコさん?」
「んふふ〜。逆襲開始〜♪」
そう言うと、中村は、ブラのホックを外した。
“ぱちっ……ぷるんっ”
南国の白い果実のような中村の乳房が、マサヒコの鼻先10cmほどの距離に実っていた。
「うわあ…き、キレイですね、リョーコさん…」
感に堪えない、という表情で、それを見つめるマサヒコ。
「ふふ…そう?で・も…見てるだけじゃ…だ・め。早く…味わいなさい」
「あ…はい」
“ちゅっぷっ”
マサヒコは、首を起こすと、中村の右の乳首に口を付けた。
乳雲は小さめだが、乳首は、かなり大振りだった。薄茶色のそれを丁寧にしゃぶり、
一度軽く歯を立てたあとに…、ゆっくりと、舌の上で、転がした。
「んっ…あん…いいよ、上手よ、マサ…」
中村の、切なげな吐息に力を得たマサヒコは、重そうに実っている、左の乳房に手をのせると、
はじめは優しく…。そして、徐々に、力をこめて…揉んでいった。
“くにゅ…ふにゃ…”
(うわ…すげえ、柔らかくて…揉むたびに…形が…変わる…)

力を加えるたびに、その形を変える、中村の乳房の弾力性に驚くマサヒコ。
「あん…いい…いいよ…」
(ふむ。でも、揉み方はまだまだ学習の余地アリね。それなりに上手だけど…)
声を上げながらも、冷静にそう観察しているのだから、さすがは百戦錬磨の猛者、中村である。
“とろ〜〜〜〜〜…”
マサヒコは、円を描くようにして、舌先を乳房の周辺に這わせた。真っ白な中村の乳房に、
唾液が、光る跡となって付いていった。ひどく、卑猥な眺めだった。
「ん…くぁん…うん…いい…」
(で、でも…舌使いのセンスは天性のものね…う、上手いわ、このコ…)
“つ〜〜〜〜〜ッ”
そのまま、マサヒコは舌先を胸の谷間から、腹部へと下降させていった。
同時に、遠慮がちにだが…。中村の、デニム地のスカートの脇のジッパーに手をかけた。
「んふふふ〜♪♪もう…そっちに、いきたいのかな?せっかちさんね、マサは」
そう言って、マサヒコの手を押さえる中村。
「で、でも…リョーコさん?」
「でも、ま・だ・だ・め♪もう少し…マサの、お口で、あたしのからだを…気持ちよくしてから♪」
「あ…はい」
(な、なんか…要望多いんですけど…)
そんなことを思いながら、マサヒコは中村のほっそりとした腰に腕を回すと…。
そのまま、一緒に体を起こした。座ったまま、ご対面状態になるふたり。
“ちゅ…すっ…”
再び、口づけを交わした後…マサヒコは、また、中村の黒髪に指を入れていった。
(あ…あン…このコの手つきは…はあっ、ホントに、すっごく、イイ…)
今回は楽しむだけの余裕があった。うっとりと、その愛撫に身を委ねる中村。
“かぷッ”
マサヒコは、中村の髪をかき上げると…その中に隠れていた、形の良い耳たぶを口に含んだ。

甘やかなくすぐったさに、思わず身をよじる中村だが…。マサヒコは、そんな彼女の様子にも構わず、
背中と髪に手を沿わせたまま…舌先を、うなじへと這わせていった。
“ちゅる〜〜〜”
「はッく…あアん…くすぐったい…」
「…リョーコさん?」
「あ…ゴメン、マサ。大丈夫、良いよ?すっごく。上手だよ?」
「いえ…可愛い声だな、と思って…普段は、そんな高い声じゃないのに…。
こういうときは、やっぱり、女の子の声になるんですね?」
「!…」
マサヒコの素直な指摘に言葉を返せず、思わず顔を赤らめてしまう中村。
(…前言撤回。『かも』じゃないわ…こいつ、間違いなく、女たらしになる…しかも、天然の…)
“ちゅう…ぷちゅッ…”
中村がそんなことを考えているとは知らないマサヒコは、彼女の体への口づけを再開していた。
うなじから、肩へ…そして、鎖骨のくぼみに…。マサヒコの唇が、跡をつけるように、なぞっていた。
同時に乳房への愛撫も忘れていなかった。指先で、乳首を摘み…くすぐるようにして…。
ときに、少し荒々しいくらいに力を込めて乳房全体を揉みながら…。
「んっ…あはあッ……」
中村も、そんなマサヒコの愛撫に、堪えきれず甘い声で応えてしまっていた。
(ん…すごい…もう、腰のあたりから…ビリビリきちゃう…勘が良いわ、このコ)
“ちゅろぉッ…ちゅぅ〜〜”
そして、マサヒコの舌先が中村の腋へと伸びて、ゆっくりと、そこから脇腹へと攻め立てたとき…。
「きゃ!…あああ…んっ…あッ。ふぁああッッッッ!!!」
中村は、自分の体が、釣り上げられた直後の魚のように、びくびくっ、と跳ねてしまうことを
止められなかった。早くも、一度目の軽い絶頂を迎えてしまっていた。
そんなところが、自分の性感帯のひとつだとは、彼女も生まれて初めて知ったのだった。

「り、リョーコさん???」
くたっ、と腰を落とし、惚けたような表情を見せる中村を、心配そうに見守るマサヒコ。
「ん…だ、だい、大丈夫よ、マサ…」
ポーッと頬を染め、上気したような表情を見せて答える中村。
(きゅ…きゅうじゅう、ご点ってところかしら???中学生でこれって…大物ルーキーね、マサヒコ)
「あ、あの?俺…まだ続けても…」
「…ん…いや、もう…いいわ」
(こ、これ以上、あたしも知らない自分の性感帯をこんなガキに開発されちゃったら…)
実は案外、敏感なうえ、臆病な中村であった。
「じゃ、じゃあ…リョーコさん?」
再びスカートに手を伸ばそうとするマサヒコ。
「…まだ、だめ〜♪」
そう言って、そのマサヒコの手を阻む中村。なぜか、とても楽しそうである。
そして、マサヒコはおあずけをくらった犬のような、なんとも情けない顔を中村に向けるのであった。
「んふふふふふ…今度は、あたしの、番だぞ〜ん♪」
歌うように、そう宣言すると、中村はマサヒコのジーンズのジッパーに手をかけた。
「ってまさか?り、リョーコさん、それは…うお?ちょ、ちょっと!恥ずかしいっすって!止め…」
慣れこそ上手の始めなり、とは良く言ったもので(なんやオッサンくさいな)。
手際良くジッパーを下ろし、そしてさっさとそれを脱がしにかかる中村。
多少は抵抗したマサヒコだが、所詮彼女の敵ではない。
「おねーさんに、まかせときなさいって♪お客様、こういうお店に慣れていないんですね♪可愛い♪」
「???」
中学生にはまだわかんないって、中村姉さん。それはともかくとして…。
「ほれほれ、こんにちは〜っと♪きゃあ♪恥ずかしいとか言っといて、お客様…まあご立派♪」
「だ、だから、なんの真似なんですか?その口調…」
大丈夫だ、マサヒコ君。その真の意味を君が知るのはもう少し後だ。

「ふふふ…こんなパンパンに張り切った状態で…苦しかったでしょ?
よ〜しよしよし、お姉さんが、すぐにおくちでスッキリさせてあげますからねっ♪」
“ちゅっちう…ねろ…”
「ふ、ふぉ、ふおおおお!」
『なんということでしょう…ペニスの先端に口先をつけられ、少し舐められただけだというのに…。
類まれなる技術と住人への優しさとが調和した、正にこれぞ、匠の技です』
某テレ朝のリフォーム番組のナレーターの声が、マサヒコの耳には聞こえていた。
凄まじい快感に襲われ、呻き声をあげてしまっていた。リンコやミサキとは、格が違うと言えよう。
「あらあら、そんな大声で…嬉しいですわ、お客様♪では、続けて…」
“ずぶぶ…くちゅ…むに…ふに…”
喉の奥までペニスを咥え、頭を前後に動かしながら…。
マサヒコの睾丸を、両手でしなやかに揉みほぐす中村。
「ほ、ほわああああ!」
もはや擬音のみ、というか、単語らしい単語を発することすら、マサヒコにはできなかった。
「んっ…んんっ…」
中村は、そして、喉奥から少しペニスを移動させ、口内に空間をつくると…。
舌の先を、カリと包皮の境目にこじ入れ、なぞるようにして幾度も幾度も舐め上げた。
「?ぎ、ひいい!すんません、リョーコさん、無理。限界。駄目。…す、すとぉーっぷ!」
なんとか最後の理性を結集させ、絶叫するマサヒコだが、中村は…。
(うむ。この技にここまで耐えるとは、なかなかの若者。
しからば、私もいち技術者として─。持てる技の全てを、君に伝えよう…)
…プロジェクトXの再放送を見た後だったようである。
「すと、すとっぷだっつの!」
“ず!ずる…”
が、そこはマサヒコ。なんとか中村の口から、いきり立った自分のものを引き抜くのに成功した。

「む〜〜〜、マサ!せっかくとっときの技を…」
「あ、あんたなあ…」
あと少し、引き抜くのが遅かったら、間違いなく中村の口内で発射することとなっていただろう。
場数を踏んだこともあるが、ルーキーとは思えぬ落ち着いたフィールディングであった。
「ふうむ、マサ、そう言えば、あたしたち、まだ脱いでなかったね…脱ぎなさい」
「へ?」
「なに、あんた、そういうフェチなの?ならいいけど…やっぱ、ヤるときは、お互い裸にならないとさ」
「は…はあ」
相変わらず、非常に強引な理論展開である。釈然としないものを感じつつも…。
マサヒコは、もはや暴発寸前といった感じのモノを静めるためにも、大人しくその言葉に従った。
「ん、しょっと…わお、マサ、結構いい体してるじゃん♪」
ベッドに移動し、自らもてきぱきと服を脱ぎながら、マサヒコの肉体を楽しそうに吟味する中村。
「リョーコさんだって…すっげえ、きれいで…いい体じゃないですか」
「ふふふ♪そうお?ありがと♪」
常日頃から鍛えているだけあって、贅肉らしい贅肉はないが…。乳房は形よく張り出し、
そして太ももや二の腕といった、ポイントには女性らしい適度なふくよかさをたたえている、
中村の肉体を、眩しそうに見つめるマサヒコ。中村は、誇らしげにその視線を受け止めている。
「じゃ、じゃあ…リョーコさん」
「ふふふふふ〜♪ねえ、マサ…その前にさ、も〜んだ〜い」
「?はあ?」
「あたし、今、やりたいことがあんのね。さて、去年妻夫木聡主演で映画化された、
村上龍原作の青春映画のタイトルは?」
「???…えーっと…シックスティ・ナイン?」
「ぴんぽ〜ん!てなわけで、そこに寝なさい、マサ」
「へ?」
「って…もしかして、あんた、かの有名な69を知らないの?」
「あの…それ、普通の中学生は、知らない種類の言葉ですよね、多分」

「もう…あたしがアンタくらいの頃は、
四十八手をいつマスターするかっていう目標に向かって日々精進を…」
「あんたと一緒にするなあああああ!」
「ぶー。ま、いいわ。マサ、これも経験よ。いつかはミサキちゃんや誰かともこういう体位で
する日がくるんだから、今のうちに、慣れておくこと!いいわね!」
(それって…個人差あると思うんですが…)
そう思いながらも、すっかり中村のペースに飲まれているマサヒコ。
命ぜられるまま…。ごろり、とベッドの上に横たわった。
「それじゃあ、失礼しま〜す♪お客様♪」
ゆっくりと、マサヒコの体にまたがり、自分のそこをマサヒコの頭部あたりに置く中村。
「え?ええええ?」
(こ、これを???シックスティナインって言うの?)
「ふふ〜、驚いてるね、マサ。あのね、69の由来は、6と9の丸が男と女の頭に見えることからなの」
「は、はあ」
「ふふふ。また、お勉強になったでしょ?来週から、ミサキちゃんやアヤナにも早速実習を…」
「で、できるかぁあああああ!」
絶叫するマサヒコだが、目の前の余りの絶景に、普段ほど声が張らないのであった。
(う…うわあ…り、リョーコさんの…、少し…開いて…動いてる)
視線の先は、やはり中村のそれに釘付けである。マサヒコは、思わずごくり、と唾を飲んだ。
「ぶうー、そんな、生意気言うコは、こうだッ♪♪」
“かぷぅ…ちゅる…ちゅる”
「ど、ぶわあああ!」
再び、マサヒコのペニスを口に含む中村。さきほどと変わらず、絶品のテクニックである。
“はぷぅ”
しかし、今回は、数度の口撃でそれを開放した。
「ふふふ〜♪マ・サ!」
「は、はい」

「69の醍醐味はねえ…男女で口技を同時に競い、楽しめるところにあるわけよ…。
てなわけで、アンタも、あたしのここを楽しませるこ・と♪」
「はい、が、頑張ります…」
“ぐにゅ…”
「あっッ!」
マサヒコは、両手の人差し指と中指で、中村の少し色づいた両陰を広げると…。
“る…えろ…れろ…”
必死に、舌をそこに這わせた。言葉どおり、早速頑張るマサヒコ。素直な生徒である。
(ん…いい…、いいよ、マサ…)
そのルーキーにしては見事すぎる舌技を、堪能する中村。
(でも…あたしも、負けてないかんね、えいやっ♪)
“つちゅう…ぷぅちゅ…とぅる〜〜〜”
負けじと、中村もマサヒコのペニスに舌を這わせた。指で、サオを撫で、さすり…。
ときに、軽く爪を立てるようにして…そして、舌を、線に、袋に、往復させ…。
その妙技を、惜しげもなく披露していた。
(ん、んん…き、気持ち良いけど…この体勢なら、結構粘れる感じかも…)
一方、マサヒコも自分の忍耐力に活路を見出していた。…しかしこの時点で、既にノリノリである。
(すいぶん…ミサキのとは、色も形も違うもんだな???で、でも…結構、きれいかも…。
うわ…リョーコさんの、さっきからまた開いたり…ピクピクしてる…あ、なんか、垂れてきた…)
ひたすらに舐め続けるマサヒコ。舌先だけでなく、唇で吸い上げたり…鼻先を直接つけたり…。
思いつく限りのヴァリエーションで、中村のテクニックに対抗していた。
既にそこは、唾液と愛液とが交じり合ってべとべとになっていた。黒い茂みもねっとりと濡れていて、
ところどころが蛍光灯に反射し、銀色に光ってマサヒコには見えていた。
が、そこでふと思い出した彼は、舌をさらにその上へと移動させた。
“ちゅぅるる…つ”

「え?ん…ダメ…そこ、急所…」
マサヒコの、菊門への予想外の口撃に、思わず咥えていたペニスを口から離す中村。
しかし、相手の弱点を知ったマサヒコは、勢いを得てそこを重点的に攻めた。
“ずぶるぅっ…とろ…つる…ちゅう〜〜〜ッ…”
裂け目と菊門に、同時に指を入れ、かき混ぜながら舌先を這わせた。
“きゅっ!…ぽと…ぽた…”
どちらの穴も、鋭く、締め上げてきた。そして、愛液が、そこを伝ってだらだらと垂れ流れてきた。
「あ…あ〜〜〜んっ…。イヤ…あん…は…はああああぁっ!」
中村、本日二度目の絶頂。しかし、口からは離しても、
右手はしっかりマサヒコのペニスを掴んでいたのであるから、その執念は賞賛に値…しないか。
「リョーコさん?」
中村がぐったりと腰をおろしたため、目の前に全開のそれが見えるという
至福のポジションにいるマサヒコだが、しばし彼女の反応がないため、心配になっていた。
「…ずるい」
「え?」
「あたしは、なるべくマサと楽しみたいと思って、ギリギリでイカせないくらいにしといたのに…。
マサったら、さっさとあたしをイカせちゃって…。ずるいよ…」
「で…でも…」
「…えいっ♪」
中村は、体勢を180度変え、女性上位の状態でのしかかった。
「もう、準備万端ね、マサ」
「は、はい」
「じゃ…一緒に、気持ちよくなるんだからねっ♪」
中村は、既に怒張し、ピクピクと震えているマサヒコのペニスを愛おしそうに手に取ると…。
ゆっくりと、腰を落とし、自分の中へとそれを導きいれていった。
“じゅぶっ…”

(ん…そんなに、デカいわけじゃないけど…け、結構…あたしの中との…相性、いいかも)
「り、リョーコさん?」
「ふふう〜♪マサ?あたしの中…どう?」
「はい…あったかくて…な、なんだか…すごく…包まれてるみたいな…」
「ふふふ。最初はね、あたしが、ゆっくりと動くから…良いって言ったらね、
それに合わせて、あんたも腰を動かすこと。焦っちゃだめよ?まず、相手のことを気遣うこと」
「は、はい…」
“ぐじゅっ…ぶじゅ…”
中村が、ゆっくり、ゆっくりと…味わうように、マサヒコの上で動いていた。
(ん…んん…デカけりゃ良いってもんじゃ、ないのよね…んう…形とか、硬さとか…マサのは、合格ね)
エロソムリエに、どうやらマサヒコのそれはお墨付きをいただいたようである。
そんな中村の、切なげな表情を見ながら…。
マサヒコは、おずおずと、目の前でふるふると揺れている乳房に手をかけた。
「あ、あの…リョーコさん、こっちは…いいですか?」
「ん…いいよ、許す。君の好きにしていいよ」
“ぶちゅ…ちゅっぷ”
実はもう、我慢の限界に来ていたマサヒコ。中村のたわわな乳房にむしゃぶりついた。
(ふふふ…なんだかんだ言っても、マサ、若いわね…)
余裕を取り戻し、そんな彼の様子を見下ろす中村だが、
マサヒコはそんな彼女の視線にも気付けないほど、ひどく興奮していた。
なにしろ、腰の動きを禁止されている以上、気を逸らさないと、すぐにも限界が訪れそうだったのだ。
“ぐしゃ…ぐしゅ…ちゅう〜〜ッ、ぶしゅ、ちゅッ”
中村が、腰を動かすたびに鳴る、湿り気を含んだ淫らな音と…。
マサヒコが、乳房に口づけ、しゃぶる、唾液の跳ねるような音が、静かな部屋に響いていた。
むせかえるような、音と匂いが充満し、ふたりを包んでいた。

「ん…はっ、ふぅーっ、よ、よし、じゃあ、マサ…動いていいよ?」
「あ…はい、じゃあ…動きます」
“ずりゅうッ!”
「!?きゃ?きゃああァ!」
待ちに待っていた、という感じで、中村の中を思いっきり強く突いてしまったマサヒコ。
あまりのその衝撃に、中村は驚いて体を反らしてしまっていた。
「あ…すいません、リョーコさん?つ、強すぎました?」
「う…だ、大丈夫だけど…」
(こ…このコの…確かに、バカデカいってわけじゃないけど…。
すごいわ、今、し、子宮の奥まできちゃった感じ…)
心配そうに自分を見つめるマサヒコの視線…それに気付いた中村は、
思わずほんの少し頬を染めると、にっこりと笑顔をマサヒコに返した。
「ねえ?マサ?」
「はい?」
「あのね、セックスで、一番大切なのは、お互いを思いやることなの…。
あたしは、マサに気持ちよくなって欲しいの。で、君にも、そんな気持ちを持って欲しい」
「は、はい!」
「よし。じゃあ…ふたりで、思いっきり…気持ちよくなるからね?」
“ずるぅ〜ッ…ぐじゅう〜…”
ふたりは、じっくりと、お互いのからだを確かめるようにして…動いていた。
マサヒコにも、それはひどく新鮮だった。それまでの、勢いだけのセックスではなく…。
絶えず、中村の様子をうかがいながら、腰を動かしていた。
「リョーコさん?」
「な、なに?」
「ちょっと…、体、起こしますよ…」
後ろに手をつき、軽く上体を起こすマサヒコ。ふたりの顔が、至近距離に、近づいた。

「キスして…いいですか?リョーコさん」
「ん…いいけど」
“ちゅっ”
あたたかさを、感じさせるキスだった。それまでに何度か交わしたキスよりも─。
ずっと、ずっと、親密感を感じさせる、キスだった。
「じゃあ…リョーコさん、いきます」
マサヒコは、その、座位の状態のまま…中村の中での、動きを再開した。
“じゅぶぅ…ぶっしゅ…ずるっ”
「ん─ああ…はぁ…いい…好き…マサ…いい」
中村も、両腕をマサヒコの首に絡ませ、彼の動きに合わせて、腰を動かしていた。
“ぐゅ…きゅうううっ”
(わ?わあわ?な、なんだ、コレ?俺のが…すげ、引っ張られるみてえ…)
完全に、ふたりの動きが同調し…。中村は、無意識に、マサヒコのそれを中で締め上げていた。
初めてのその感触に、驚くマサヒコ。
“ぐじゅっ…ぎゅっ…”
「あ…あっ…はぁーっ…マサぁ…」
夢中でマサヒコに全身をあずけ、彼の体を貪ろうとする中村。
目を閉じ、荒い息を吐き…。そして、顔に、肩に、胸に…玉のような、汗を光らせていた。
「リョーコさん…ちょっと…」
「え?」
中村ときゅっと手を握り、正面に体を倒すと、ふたりは正常位の状態で向かい合っていた。
「最後は…きちんとリョーコさんのこと、見ていたいんです…リョーコさんも…俺のこと、見てて下さい」
「う…うん…」
とろん、とした目を見開き、中村は彼の言葉を聞いていた。
マサヒコは左手で、ほつれ、乱れた彼女の髪を優しく梳いたあと…、唇を、重ねた。

「ま…マサヒコぉ…」
その手の感触に、唇の感触に─完全に我を忘れて相手の名を呟く中村。
“ずっ!…ずるぅ〜…ぬるぅっ…”
「あっ!…イイ…体中が…熱い…はぁーっ…ま、マサあ…」
マサヒコの、再開されたピストン運動…しかし、彼も限界近くまで達しようとしていた。
「あの…り、リョーコさん、お、俺、も、もう…」
「あ…あんっ…い、いいよ?あたし…避妊なら、してるから、中でも…。
くっ…その代わりあたしを、先にイカせてくんないと、あ…ダメだぞ?マサ?」
「で、でも…もうすぐ…」
「ん…でも、あたしも、もう…はぁーっ…すぐ、だから」
「わ、わかりました…が、がんばって、みます」
“ぐりゅっ…ぬうるぅ〜…”
が、もう既に、ふたりとも…。
「はあっ…ダメだ、リョーコさん…俺…」
「マ…まさぁ…はぁっ…いくっ…あたしっ…ふっ…ま…さ…いくっ」
「うっ…リ…りョー…コさん…」
ほぼ同時に、ふたりは達した。
“どふぷっ…ぴゅッ…”
「あ…ああ…」
中村の膣内に、思いっきり精液をぶちまけるマサヒコ。
(うわ…リョーコさんの中…お、俺のを…搾り取ってくるみてえ…)
(マ、マサの…あたしの中で…まだ震えて…動いてる…)
しばし、唇を重ね、抱き合ったまま…つながったまま…一言も発しようとしないふたり。
「マサ?」
何分か経った後─。中村が、マサヒコの顔をのぞきこみ、微笑んだ。
慈愛に満ちた、最高の笑顔だった。

「どうだった?あたしとの…セックス?」
「あ、あの…すごかったです。こんな…すごいもんだとは、思いませんでした」
「んふふふ〜♪そう言ってもらえるとね、女冥利につきるってもんよ」
「は、はあ」
「マサはね、これから、多分、いろんな女の子とつきあって、キスしたり、手を握ったり、
抱き合ったり、セックスしたりするの。そのときはね、相手の気持ちを考えて…。どんな風に、
してあげたらいいのか、考えて欲しいの。そうすれば、お互いに、すごくいい体験になるから」
「はい」
(しかし…すげえこと言うんだよな、この人は)
「でね、ちなみに…マサ?」
「?」
それまでの、マリア像のような微笑から一転し、突然ケダモノのような笑顔へと変貌する中村。
「あんた…あたしを、先に、二回もイカせてくれたわよね…。てことは…」
「!?!」
とてつもなく冷たいなにかが背中を走るのを感じ、
急いでその場から立ち上がり、逃げ出そうとするマサヒコだが…。
“ガシッ”
当然、逃げられるわけがない。
「あたしも、あんたのことを、あと二回以上、イカせる義務があるわけね…対価として」
「あ、あの!経済学関係の言葉を使われても、中学生には、わかりませんであります!」
「安心しなさい…精嚢が、空っぽになるくらい…イカせてあげるから…うふふふ〜♪」
その日、中村の部屋をあとにしたマサヒコが、ペンギンのような妙な歩き方だったのは…。
ま、言うまでもないわな。



                         リョーコ編END

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