作品名 作者名 カップリング
『耽溺』 乖離氏 アヤナ×マサヒコ

その日は、もう9月も残り少ないのに、まだ夏の残りが色濃い日だった

教室に入ると、ちょうど彼女は帰る支度をしていた

「天野さん、委員会もう終わったの?」
「あ、若田部さん。 うん、今日は大した連絡事項もなかったし」

私の声に振り向いた天野さんは、どことなく嬉しそうだ

がらっ・・

ちょうど計ったように教室の扉が開いて、入ってきたのは彼
こちらの方を見て、ちょっと決まり悪そうなのは、私の気のせいじゃない

「あ、マサ君、今帰るとこ?」
「あ、うん そうだけど・・」

ああ、そうか、だから嬉しそうだったんだ天野さん
じゃあ、次に彼女が何て言うか、賭けてもいい

「じゃあ、今日は一緒に帰ろうか?」

ほら、やっぱり
小久保君のカバンがまだ教室にあったから、今日は一緒に帰れると思って嬉しそうだったんだ
彼女はある意味とっても分かりやすい子だ。
私も彼女のそういうところには、むしろ好感を持っている

「ああ いいよ 」

少し照れたように彼も答える
私の前で、そう答えるのに多少照れているようだ

「仲いいわね 相変わらず」

ちょっとからかう様に口にしてみる

「え? やだ そんなんじゃなくて、ねえ? マサ君」

ばんばん!!と彼の背中をかなり強烈に叩きながら天野さんは照れている

最近二人の間でお互いの呼び名が変わった
何が『そんなんじゃない』のか、全く、本当に誰が見ても分かりやすい
中村のお姉さまが、この二人をからかいたくなるのもわかる気がする

「そうだよ からかうなって、若田部」
「別に? からかってなんかいないわよ」

私は笑みを浮かべて二人を見る
天野さんは、私の笑みを単なる冷やかしと受け取ったのだろう
照れて決まり悪そうな顔をしながらまんざらでもないようだ

彼は・・・・私の心の内を理解しているのだろうか?
当惑した表情、私は彼の表情を見るのが嫌いじゃない

意地の悪い笑みを浮かべながら、私はまだ生々しい記憶を反芻していた・・・・



少し前、私は彼・小久保マサヒコを女子トイレに呼び出していた

「じゃあ、始めましょうか? ふふっ、学校でするのは初めてよね」
「な、なあ若田部、やっぱりこんなの・・・」

彼の答えを無視して、後ろから彼に抱きつく
今日もいっぱいしてあげよう

ちぃぃぃ・・・・・・・
背中から手を回して、彼のズボンの前のファスナーを下ろしていく

「男の人が女性の服を脱がすときも、こんなどきどきするのかしらね」
「知らないって、そんなこと」
「脱がしたこと無いんだ? 天野さんとか」
「あるわけないだろ」

彼の反応を楽しみながら、ファスナーを下ろした事を確かめる

ぐにゅ・・・・
口を開けた窓から指を入れて、私は彼のモノをズボンの中から取り出して手に取る

「あ・・・ふぅ・・」

彼が思わず声を漏らす
ちょっと間の抜けた感じがして少しおかしい

「あら・・・意外と元気ないのね 男子っていつでもHな事で頭がいっぱいなんじゃないの?」
「いつでもそういうわけじゃないよ」

むに・・・・・
彼の背中に体を更に押し付けて、いやでも胸のふくらみを意識させる
自分でも驚くような露骨に品の無い行為だと思う
でも、彼の体が熱く反応するのが判って、あのゾクゾクする感じが湧いてくるのがわかる

「誰か来るのが心配なの? 放課後にこのトイレに来る人は殆どいないわよ」

この階は、美術や家庭科の実習室しかない
先生達も教務会議でいないのは確認済みだ

「でも・・・やっぱりもしばれたら・・」
「今更、やめるの? やめたくないわよね? 少なくとも私はやめたくないわよ」

私の手の中で、最初は萎縮していた彼のモノが硬さをどんどん増していってるのがわかる

「こういうのって、普通は男の方が言うのかしらね」



しゅくしゅく・・・・・
女子トイレの個室の中で、しばらく私の手が彼の茎に沿って往復する静かな音だけがしている

「ね、気持ちいい? こんなになってるわよ」

我ながら何て安っぽい表現のセリフかな、とも思う
でもこんな露骨な言葉の方が余計ゾクゾクする感覚を強く味わえるのも確かだ

「う・・・わ、若田部、やめ・・」

彼の声・・・
これが一番私をおかしくするような気がする
彼の羞恥と快感の入り混じった声

「止めて欲しいの? だったら私を突き飛ばしでもして出て行けばいいじゃない」

ぎゅ・・・茎を握り締める右の手に、少し力を増して
左手は彼の体の上をあちこち撫で回す

すっかり硬くなったモノの先から染み出した、露のぬるっとした感触が
前後に往復する私の手にもはっきり伝わる

「ほら、もうだめ? いつでもいいわよ」

強く握り締めた手の動きを速めて、彼の息遣いが荒くなるのに耳をすましながら
私自身の鼓動も今まで感じたことの無いくらい高まるのを感じていた

「うっ・・・あ・・・」

低く、くぐもった声で短くうめくと、彼のモノは私の手の中で激しく膨らんで脈打った


びちゃっ!・・・・びちゃ・・・・・

ほとばしった精は、最初のほとばしりは勢いよく、二度目はやや弱く壁に降りかかった

びゅくん・・・びゅく・・・
手の中で脈打ちながら、三度目以降は、個室の床にこぼれ落ちる

「はあ・・・はあ・・・・」

彼の口からこぼれるのは吐息だけで、なかなか言葉が出てこないようだ
でも、私は彼のその言葉にならない声だけで、あのぞくぞくする感じで満たされるのを感じていた

「ふふっ・・・・すごいわね、こんないっぱい それに、この前より早かったみたいね」
「・・・・・」

彼はすぐに答えない
もう息も落ちついたはずなのに

「学校の中で、余計ドキドキしちゃったから?」
「・・・そんなことない」
「そう? 私はした・・・すごく」

彼はまた答えない
その当惑した表情も、私の気分を高揚させてくれる



「きれいにしてあげましょうか?」
「え? いいよ、いい」

慌てて傍らのトイレットペーパーを引き出して、自分の出したもので
汚れた股間を、彼は慌ててぬぐった

「ねえ、こうするともっといやらしい感じがしない?」

さっきまで彼を弄んでいたを顔の前にかざしてみた
こびりついた白濁ごと、指をなめてみせる

「よせよ、そんなこと」
「そう? 男性なら喜ぶかと思って」

口の中に気持ちの悪い食感と臭い、味が一度に広まる
我ながら、何てことをしてるのだろう

「後始末は私がしておくから、あなたは先に出て」
「いいのか?」

服を直した彼が心配そうに尋ねた

「いつまでも二人でいるより、その方がいいと思うけど」
「そうだな」

妙に神妙な顔つきで聞いているのがおかしな感じがする

「教室に一緒のタイミングで戻らないようにしてね」
「あ、ああ」

人の気配が無いのを確かめて、彼は足音をできるだけ立てないように
女子トイレを出て行った

私は、手にこびりついたものだけを洗い流し、後から教室に戻った




ちょっと前まであんな事をしてたなんて、彼女は想像もつかないだろう
天野さんの嬉しそうな表情を見ながら私の中に、濁った感情が湧くのを感じていた

別に優越感というわけではないと思う
私は小久保君の事が好きなのか、それとも、率直にいってしまえば性欲の対象としてだけ見ているのか
自分でもそれはわからないからだ

彼は私の笑みをどう受け取ったのだろう
当惑した彼の表情に、私はついさっきの行為を思い出して鼓動が速くなるのを感じていた

「じゃあ、また明日ね」
「うん、若田部さん、さよなら〜」
「またな、若田部」

普段通りのさりげない挨拶を交わして、でも天野さんには気づかれないように早足で私は帰途を急いだ
家に着くや、私は二人が交わす行為を想像しながら、余韻にほてった自分の体を慰めるのに
没頭せずにはいられなかった




次の日、女子トイレの壁に着いた精液の跡の話は、生徒の間にたちまち広まっていた
私が、あの個室をそのままにしておいたから

『なんで、あのままにしておいたんだ?』

そう聞きたそうな顔でこちらを見ている
予想通り、彼の当惑した表情が見られて、思わず口元がゆるんでしまった
まさか、あなたの困った顔が見たいから、だとは気が付かないでしょうね


「外部の人間かなあ?」
「やっぱ、生徒じゃないのか、ウチの」
「気持ち悪いね〜」

こんな話題になれば、そろそろ天野さんが言い出すわね

「淫猥! やめてよ、もうそんな話」

ほら言った 
本当の事知ったら、彼女はどんな反応するのかな
言ってみたい気もしなくはないんだけど・・・・

「出た、委員長の決めゼリフ」
「何が決めゼリフよ、そんな話止めてって言ってるの。マサ君も何とか言ってやってよ」

男子の一人がからかうように言うと、彼女はすかさず小久保君に話を振った
おかげで、ますます彼のばつの悪そうな表情が見られるね

「ねえ、アヤナちゃん?」
「な、何よ? 急に声かけるからびっくりするじゃない」

的山さんにはいつもペースを狂わされる
でも、この唐突さも結構嫌いじゃなかったりするけれど

「いつもなら一緒に『風紀が乱れてるわ』とか言うよね? 何で今日は言わないの?」
「別に・・・やったのが生徒と決まったわけじゃないでしょ? ねえ、小久保君?」

「え? あ、うん、そう・・・そうだな、うん」

彼はちょっと恨みがましそうにこっちを見ている
今度はどんな表情させてあげようか

やめられない・・・・私は小久保マサヒコに溺れてるんだ
当分やめられそうにない、この癖は
思わず口元に笑みが浮かんでしまうのが自分でもわかる

今も、彼が私のその笑みに、気づいたような気がした・・・・

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