作品名 | 作者名 | カップリング |
『デュエル』 | ドミンゴ氏 | - |
最初に謝っておきます。申し訳ありません。終わりませんでした。ですが次スレに移行する為の埋め代わりに投下させていただきます。 タイトルは『デュエル』で古田氏お願いします。 テーブルの上にはビールから焼酎からワインからの各種アルコールと、適当に買ったおつまみが適当に散らかっていた。 そしてその周りには。 ヨダレを垂らしながら幸せそうな顔でたまに《うぅ~~んもう食べられ…………なくもないかな?》などと寝言を言っているアイ。 昼間も爆睡していたのにまだまだそれでも夢を見足りない少女リンコ。 部屋の隅っこで背中を猫みたいに丸めて、小さな身体を更に小さくしながら寝ているミサキ。 膝枕をされてスヤスヤと心地良さそうな寝息を立てているアヤナ。 そして。 「あたしのペースについてくるたぁ、マサヒコ中々強いじゃん、アイはこの通りからっきしだし、お姉さんは呑み仲間が出来て嬉しいよ」 アヤナの頭を撫でながら、マサヒコのコップにドボドボと、上機嫌で気前良くビールの缶を傾けてくるリョーコ。 それを。 「あの、おれが未成年だって覚えてますか?」 言いつつも注がれるビールが零れないよう受け止めるマサヒコ。 中学生ならば充分強い部類だろうが、それでも顔はさすがに赤くなっていて、目はちょっぴし据わっていたりする。 「いやいやいやいや、呑む打つ買う、この三つは若いうちに覚えた方が絶対良いって、おっさんになってからだと性質悪くなるし」 「呑むはまぁ、ん…………ぷはぁ、わかりますけど残りの、打つ買う、てのはなんですか?」 なみなみとビールが満たしていたコップを、マサヒコは体育会系の新入生飲み会みたいに一気に飲み干すと、リョーコに益々赤くなって きた顔で質問した。 「マサヒコ、その前にほれっ」 リョーコはズイッと、空のコップをマサヒコに差し出す。 「注いでもらったら注ぎ返す、これ大人の常識、飲んでる間ずっとやることはないけど、最初の一回はやっときなさい」 「あ、はい」 いまいち中学生のマサヒコには、飲むときの暗黙のルールを説明されてもピンとこなかったが、きっとそうなんだろうと素直に従って 新しいビールの缶のプルトップを開けて傾けた。 それをリョーコはマサヒコの飲み方に倣ったのかあてられたのか、アルコール初心者みたいにやはり一気飲みする。 瞬間。視線がマサヒコから隠れた。 「打つと買う、今日は気分が良いから、特別授業で教えてあげるよ」 リョーコはゆっくりとコップを戻すと、目元が“ニッ”と笑みの形に歪められている。 ろくなこと考えてねぇな。 と。 マサヒコは酔っていても非常に的確に分析していたが、そんなことはおかまいなしにリョーコは手を振り上げる。 「ジャンケン、ポンッ!!」 この掛け声が掛かったら咄嗟であっても、日本人の九割は手を出してしまうはずだ。 マサヒコも勿論出した。 手はグー。そしてリョーコの出した手はチョキ。 「こういう勝負事が打つ、博打打ちていうのは聞いたことあるでしょ、んであたしの負けかぁ、賭け事だから当然何かを払うんだけど」 “プチ……プチ……” 「中学生相手にお金っていうのもなんだしね、こんなのはどう? 負けた方が脱ぐの、野球拳の説明はいらないよね?」 いらない。 このゲームは日本人老若男女の九割九分九厘が、きっときっと絶対知っているはずだ。 あれだけ単純なルールであれほど盛り上がるゲームは、世界中を見回してみてもそうそうないだろう。知らないはずがないではないか。 ジャンケンに負けた者が服を脱ぐ。シンプル・イズ・ベストの素晴らしい日本の伝統遊戯だ。 ジャンケンに負けた者が服を脱ぐ。 ジャンケンに《負けた者》が《服を脱ぐ》。 ジャンケンに《負けた者》が《服を脱ぐ》。 ジャンケンに《負けた者》が《服を脱ぐ》。というわかりやすいルールのはずだが。 「なんで…………中村先生の服じゃなくて………………若田部のシャツのボタン外してるんでしょうか?」 「ん? 膝枕してやってる駄賃、マサも同級生の裸の方が興奮するかな、てあたしは気を遣ったんだけど、相手チェンジする?」 そういう問題じゃない…………んだけども。 マサヒコは視線を、白くて深くて柔らかそうな谷間から離せない。 チラッと覗いているブラジャーが、激しく《ナニ》かをマサヒコの《ナニ》かに訴えかけてくる。 「いらないみたいね、それじゃ二回戦、ジャンケン、ポンッ!!」 またしても咄嗟に出したマサヒコの手はグー。そしてリョーコの手はまたしてもチョキ。 思わずマサヒコは拳をグッと握り締めて、力強くガッツポーズをしそうになってしまった。 「おおっ!! やるじゃんマサヒコっ!! あんた勝負事意外に強いのかもよ? ギャンブラーの素質があるのかもよ?」 そして中村リョーコは顔にこそ出ていないが、意外にもう結構酔っているのかもよ? ていったところかな。 そんなことを考えつつもマサヒコの視線は、ぴたりとアヤナの胸元に、同級生の蒼い色香を放つ谷間に固定されて微動だにしない。 「三回戦、いっとく? お客さん」 「…………ジャンケン、ポンッ!!」 マサヒコの手はまたまたグー。フィスト好き? リョーコはパー。なんだか後出しクサかったが、小久保マサヒコ三回戦で初黒星だ。 自分の握り締めた拳を、マサヒコはじっと睨みつけたりする。 「グー…………」 「ささお客さん、お代をいただきましょうか」 「お代?」 「シャツ脱いで」 言いつつアヤナの髪の毛を梳きながら、にこにことコップを傾ける中村リョーコ。 対して不機嫌。 「………………………………………」 な風を装いつつも、マサヒコはいそいそとシャツを脱ぐ。 成人男性と比べるにはまだまだ百年遅いが、骨格が少しずつがっしりしてきていて、マサヒコの身体には中性的な魅力があった。 リョーコお姉さま益々ご機嫌。 「いっちゃう? 四回戦」 「…………ジャンケン、ポンッ!!」 初志貫徹のオトコ。小久保マサヒコ、またまたグー。そしてリョーコはパー。 「はい、どうぞ」 「………………………………………」 手のひらを晒して催促するリョーコだが、マサヒコはグーを出した格好で固まったままだ。 「おれ今日裸足なんですけど、じゃあお代としては、なにを払ったらいいんでしょうか、中村リョーコ先生」 「ズボン脱いで」 視線をマサヒコは下に向ける。それはリョーコに言われるまでもなくわかってはいた。払う代価はこれしかないと。でも、 「やっぱ…………脱がなきゃダメですか?」 「ダメ」 リョーコは無情にもあっさりと一言で撥ねつける。 「いや、でもこれ脱いでるところでみんなに起きられたら、言い訳利きそうにもないんだけど」 「でもここでゲームが終わっちゃったら、も~~~~ったいないよ~~~~ こ~~~~んなイベントも待ってるんだから」 人差し指と親指。 長く細い綺麗な二本の指でもってついっと摘むと、リョーコはそろそろと、マサヒコの劣情を煽るみたいにゆっくりと捲くっていく。 あ、あとちょっとで、パ、パンツが見えちゃうでげすよっ!! 興奮のあまりマサヒコは心の声ですら変になったが、それも思春期の男の子なら致し方ないだろう。 短いスカートなのでリョーコがもったいぶってもすぐに、少女の秘密を覆ってるだろう魅惑の布切れが覗けてしまうのだ。しかし、 「はい、サービスはここまで、続きはズボンを脱いだ後で、五回戦を勝てたらね」 ギリギリ絶妙な、もう少しでも動かしてくれればパンツが見えるというラインで、にやりと笑みを浮かべながらリョーコは手を止める。 それに真っ赤な真っ赤なむっとした顔で、マサヒコは憮然と立ち上がると――――立ち上がるとズボンを脱ぎはじめた。 トランクスの前はすでにこんもりと膨らんでいたが、下手に取り繕ったりすると余計に目立つので、素早く脱いで腰を降ろす。 あきらかにアルコール以外で赤くなっているマサヒコの顔。 リョーコは満足そうに二度、うんうん、と頷くと右手を高々と振り上げた。 「ジャ~~~~ンケ~~~~ン」 「ポ――――ッ!?」 マサヒコの手はパー。そしてリョーコの手を認識した刹那、マサヒコはその手をすぐに握り締めて、拳を天へと雄々しく突き上げた。 いまさら明記するまでもないが、一応リョーコの手はグーである。 「ありゃりゃりゃりゃ、負けちゃったかぁ、いや~~~~マサヒコくん、きみはほんとに強いわ~~~~…………というわけで」 “グッ” 負けたのになぜか喜々とした表情でマサヒコの手を取ると、リョーコはスカートの端っこを握らせた。 まぁ、マサヒコもリョーコに誘導されている形を、建前を取りながらも、その指先は率先してアヤナのスカートを握っている。 「イツ・ア・ショ~~タ~~イム それじゃマサヒコ…………はりきってどう~~~~ぞ」 リョーコの悪乗りしまくりの声を合図にして、はぁはぁと息を荒くしているマサヒコの手が、ゆっくりゆっくりと同級生のスカートを 捲り上げていった。 「…………あっ!?」 マサヒコの視界が白一色に染まる。 お膳立てはすでにリョーコの手によって為されていたので、布キレがマサヒコの目に触れるのは、実際はとてつもなく容易だった。 しかしマサヒコの胸中にはなにかを成し遂げたような達成感が、じんわりとスポンジに染み込むみたいに満たしていく。 中学生が身に付けるにしては、ちょっと小洒落たデザインのパンツを目にして、大袈裟ではなくマサヒコは泣きそうになってしまった。 「マサヒコ、あんたの頬が濡れてるように見えるのは…………あたしの気のせい?」 てか泣いてた。 同級生のスカートを捲りながら、パンツ一丁で涙する男の子。 彼の名誉の為に言っておくが、勿論マサヒコは普段はこんなんじゃない。 マサヒコはいま完全に酔っている。初めてアルコールを口にしたんだから、まぁこうなるのもしょうかたない。 つまりはちょっとご乱心気味なのである。 それもこれもあれも全部酒の所為だっ!! ごめんな若田部…………おれ、おれ本当はこんなことしたくはないんだじょっ!! 清く正しくしょぼい駄目人間の第一歩だった。 「う、うぅ~~~~ん お姉さま…………むにゃむにゃ…………」 「あっ!? あ~~~~あ!? あ~~~~……あ~~~~~~」 こちらもキャラどおりの正しい寝言を言いながら、むずがるようにアヤナが軽く身体をくねらせる。 お尻が身体の動きに合わせてもぞもぞ動き、マサヒコに意味不明な声を出させた。普段はこんな子じゃないんです。 パンツがよれて細く褌、というところまではいってはいないが、わかりやすく言えばアヤナはハミケツしていた。 男が女の子をカワイイな、と感じる魅力的な瞬間は人それぞれあるとは思うが、水着やブルマのハミケツを指を入れて直すあの仕草。 あの仕草がトップクラスなのは疑いようがないだろう。 マサヒコもやはりそうだ。 水泳の授業などでは、クール、というより無関心キャラで通ってるのに、ザ・ワールドが発動したみたいに時間が止まってしまう。 だからリョーコがパチンッと指を鳴らして、 「時間は動く…………」 と言ってくれなければ、マサヒコはもうしばらくフリーズ状態だったはずだ。 呪縛の解けた指先が裾を離し、スカートがパサリと落ちて、再びアヤナのお尻をマサヒコの熱視線から覆い隠す。 “ペチッ” 「痛っ!?」 無意識にもう一度捲ろうとしたマサヒコの手を、リョーコが軽く叩いて阻止した。 「お客さ~~~~ん、ルールは守ってもらわないと困りますよ」 右手を振り上げてる。すでに臨戦態勢だ。そして目は口ほどにものを言う、あれは本当みたいである。 リョーコのキランと光りを放つメガネ、その奥にある瞳は、愉しくてあたしゃ堪らん、とまったく隠しもせずにそう言っていた。 「六回戦? 六回戦でいいんだよね? オッケー、ジャンケン、ポンッ!!」 リョーコの手はグー。マサヒコの手は、 「………………………………………」 じっと見る。未練たらたらでチョキチョキしている二本の指を。 「わたしとしてもこれは非常に言いにくいんだけどさ、そんじゃまぁいこうか? ………………………………………パンツ脱いで」 もったいぶったわりに、結構あっさり目で言いやがった。 「あの、中村リョーコ先生、ご相談があるんですが、いいでしょうか?」 「言ってみたまえ、訊くだけは訊こうじゃないか、あたしだって血も涙もない鬼じゃないんだからね」 嘘つけ。 思いはしたが勿論口に出して言いはしない。マサヒコは最近になって黙るということを覚えた。正しく汚い大人の一歩目。 「どうもおれと若田部、負けたときに公平じゃない気がするんです、シャツ一枚にボタン二個ってのは、ちょとハンデがありすぎます」 「ふむ、なるほど、確かにそりゃそうだ、う~~~~んしっかしそれは、男の子と女の子の身体じゃなぁ、女の子は全身なんだしさぁ」 それはそうかもしれない。 男はシャツを脱いで上半身裸くらいなんでもないが、女の子の場合そこですでに、かなりの高いハードルだろう。 だがこと勝負という観点だけで見るなら、マサヒコが圧倒的に不利なのもまた間違いがない。 「よしわかった、ならこうしようじゃないか、マサヒコには助っ人を許可しよう、その助っ人の分も服が増えれば公平でしょ?」 「助っ人?」 自分の提案にきょとんと不思議顔をしたマサヒコに、リョーコはにやにやしながら、その助っ人候補を一人ずつ指差す。 すなわち、幸せヨダレ顔のアイ・猫丸まりのミサキ・爆睡街道邁進中のリンコ。 「さあ助っ人は誰にする? 選り取りみどりだよ、ちょっとやそっとじゃ目は覚まさないと思うから、決まったら抱きかかえなさい」 「…………なぜ…………抱きかかえなきゃならないのですか?」 「だってそうしないと、脱がしずらいじゃん」 至極当たり前のようにリョーコは言ったりした。 わざわざ描写していないが、二人とも相当速いペースでアルコールを摂取している。 ああそうかぁ、と考えてしまうマサヒコ共々、顔には相変わらず出てないが、かなりリョーコの方も酔いが回ってきたようだった。 「う、うぅ~~~~ん」 寝言。それはただの寝言である。でも、 「マサ……ちゃん…………むにゃむにゃ…………」 これで有無を言わさず決定。 あまりにもタイミングがいいので一瞬、起きてるのか? とも思ったが、寝返るを打った顔はアイにも負けないヨダレが垂れていた。 まぁこんな顔も、カワイイといえばカワイイ。 「………………………………………」 マサヒコは無言で立ち上がると、パンツ一丁の立派なテントを張った姿で、幼馴染にそ~~~~と注意して近寄っていく。 「………………………………………」 “ちょん…………ちょんちょん…………ちょん……………………” 「う、うぅん、むぅ~~、う~~~~ん」 顔を覗き込んで頬を突っついても、ミサキに起きる気配はない。 “ちょんちょん…………ちょん……ちょちょん…………ちょん…………ちょんちょん…………” しかしミサキの柔らかくぷにぷにとした肌の触感に、マサヒコはつい夢中になって突っつき続けてしまった。 「パートナーが決まったんなら、おいたしてないでさっさとこっちにおいでよ」 リョーコに声を掛けられなければ、マサヒコは朝まで勃起したまま、ひたすらミサキのほっぺをぷにぷにしていたかもしれない。 慌てて背中を支えながら、膝の裏に手を入れると、俗に言うお姫様だっこでミサキを抱き上げる。 「おおっ さすがに三本で支えると、パワーの足りないマサヒコでも、安定感バツグンだねぇ」 人間の手は二本。ミサキの小さくキュートなお尻を支えている一本の、まぁ説明はいらないだろう。必要以上に力が漲ってカチカチだ。 リョーコの前まで来て腰を降ろすと、マサヒコは後ろからミサキを抱きかかえる。 マサヒコのまだ少年らしく、いまいち頼りない胸板なのに、ミサキは完全に身体を預けて、安心しきって眠っていた。 ちょっと心が痛かったりなんかして、ごめんなミサキ。 「よ~~~~し元気に七回戦、いってみようっ!! ジャ~~~~ンケ~~~~ン、ポンッ!!」 リョーコの手はチョキ。マサヒコの手はパー。 早っ!! 決して狙ったわけでは、神にでもなんにでも誓っていうが、この結果をマサヒコは狙ったわけではない。 ないが早速ミサキの助けが必要になってしまった。でもちょっとだけ、ミサキの身体も見たいなぁ、と思ったのは白状しておこう。 「ほれほれマサヒコ、早くミサキのシャツかスカート、どっちか選んで脱がしなさい」 ミサキのシャツにはボタンがない。それでなくともマサヒコの助っ人なわけだから、やはり男と同じルールで、豪快に脱いでもらうのが 妥当だろう。 だいたいミサキの胸の大きさじゃ、ボタンを外したところで谷間なんて見えこないし、それじゃ面白くないよな、うん。 助っ人を快く(?)引き受けてくれたミサキに対して、マサヒコはなんとも失礼なことを考えながら、おもむろにシャツの裾を掴んだ。 面白くないと評しておきながら、マサヒコの手はパンチドランカーみたいに震えている。そして恐る恐る上げはじめた手を、 「あ、ちょい待ちマサヒコ」 リョーコの手が掴んで待ったを掛けた。 なんで止めるんですか? そんな目でマサヒコはリョーコを、睨むというほどではないが、それに近い目つきの視線を送る。 しかしきっとこんなだから、酔っ払いは嫌われるんだろう。 「女の子をそんないきなしあられもない格好にしたら、可哀想でしょ? だからさ」 言いつつリョーコはミサキの足首を持って、ぴんと真っ直ぐにのばすと、そのままスゴく自然な動きでスカートの中に手を差し入れた。 そしてすぐにス――ッと、音が聞こえそうなくらい滑らかに引き抜く。 掴んだもので軽く撫でるみたいにファサと、リョーコはマサヒコの顔を一瞬だけ触れさせた。 目の前の視覚に優しい位置まで離して、リョーコはパッとそれを、プリントがわかるように広げてマサヒコに見せてやる。 「ネコさん…………ですか?」 「カワイイねぇ、というわけで、はい、まぁ序盤はこれで我慢しなさい」 渡された白い物体が、マサヒコの手のひらの上で、クルン、と丸まって小さくなる。ほんのりとそれは温かかった。 胸が激しくドキドキする。 マサヒコは下着ドロの気持ちが、このときちょっとだけわかった気がした。 「それでナニを包んですると、いいらしいよン、お姉さんのマメ知識、さ~~~~てそれではではでは、…………八回戦だぁ!!」 拳を突き上げハジけてるリョーコと、握った温かい物体を、脱いだズボンのポッケに仕舞おうか迷ってから、渋々と床に置くマサヒコ。 そんなこんなで八回戦。 「ジャ~~~~ンケ~~~~ン、ポンッ!!」 本当にわざとではないはずなんです。ええ、そんなことが出来る子じゃないはずなんです。 リョーコの出した手はパー。マサヒコの出した手はグー。サクッと三連敗。わざとじゃないんです。信じてやってください。 「そいじゃブラジャーを…………えへっ マサヒコ脱がしてみる? ていうか脱がせて」 「えっ!?」 ぬ、脱がせてて、お、おれが、おれがミサキのブ、ブラを脱がすのか? えっ、そ、そんなの、えっ!? 混乱、というより興奮している頭でマサヒコは、自分の腕の中にいる幼馴染の少女を見る。 あまり昔と代わり映えしない胸の辺りは、よく見ればシャツにうっすらと、下着のラインが浮かび上がっていた。 しかしこうしてマジマジと見てみると、さっきは面白くないなどと思っていた胸も、まだ山になりかけな感じがなんだか可愛らしい。 脱がせろというのなら、いまの心境は望むところだった。 「まずミサキの身体を少し前屈みにして、背中だけシャツを捲くってみ」 リョーコに指示されたとおりミサキを前屈みにすると、マサヒコは背中の辺りだけシャツを捲り上げた。 少女の肌の白さと、見慣れないブラのホックが、男の子にはなんとも目に眩しい。 「慣れてなくても見ながらだったら、ブラのホックなんて外すの別に難しくないからさ、マサヒコ、やってみなよ」 「あ、はい」 “カチッ” 一発で成功。マサヒコ、これで意外に器用だった。後は肩紐のないブラなので、するりとひっぱるだけでノープロブレム。 「おお、重畳重畳、上手い上手い」 皮肉った響きなどはまったく感じられないリョーコの褒め言葉にも、マサヒコはなにも答えられない。 抜くとき少しだけチラッと見えた少女の薄い桜色の乳首に、ブラジャーを握り締めながら少年はただただドキドキしていた。 「おっ? カワイイ胸のポッチが浮かんでるじゃん」 “ちょん” 「んッ……」 ミサキの身体がぴょこんと跳ねる。そしてその舌足らずな声を聴いて、マサヒコの股間もびくんと跳ねた。 お、おまえ、こ、こんな、こんな女みたいな声、だ、だだ、出せたんですかにょ!! 幼馴染。 小さい頃から一緒にいるので、なんでも知っている気になるが、女はある日突然の不意打ちで変わるから、男はびっくりしてしまう。 マサヒコとミサキの二人も、どうやら例外ではなかった。――――まぁ、いまさらではあるが。 「えへへっ マサヒコ、ミサキちゃんの感度バッチリみたいで良かったね、こういうときに男に生まれりゃ良かったと思うよあたしゃ」 などとおっさん臭いことを言っている間も 「んぁあッ………くぅんッ……ンあぁッ……はぅッ……んンッ……ああッ………ふぁッ……ひッ……ふぅん……ンンッ…………」 リョーコは指先はくにゅくにゅと、ミサキの乳首を丁寧に弄い転がすのをやめようとしない。 そしてまるっきり知らない人みたいな、幼馴染の艶やかな声と蒼い痴態を、マサヒコはミサキの耳に荒い息を当てながら見つめていた。 何度もいうがこんな、こんな、こんな股間に訴えかけてくるような、ぶっちゃけエロい少女をマサヒコは知らない。 口唇がだんだんと大きく開いてきて、荒く切なげな吐息が、顔を近づけているマサヒコの唇にも、甘く甘く吹きかけられる。 なんだか物凄く、 「キスしたくなるでしょ?」 「………………………………………」 人間ズバリ本音を言い当てられたとき、それも一発で言い当てられれば、取れる選択肢はだいたい誰でも二つくらい。 ブチギレるか無視するか、マサヒコはとりあえず後者を選んだ。 前者を選んでもリョーコ相手じゃどうにもならないし、そもそもがいくらなんでもみっともなさすぎる。古臭いけど男のプライド。 「でさぁ、ちょっとミサキの乳首を苛めながら、あたし考えたんだけどね」 「………………………………………」 どうしてそんなことをしながら他のことを考えられるのか、マサヒコにはわからなかったが、多分誰にもわからないので流しておこう。 「やっぱりこれてもう女の子同士の対戦なんだから、ルールを統一しないと不公平かな、て思うわけよ」 グー・チョキ・パー。 その内どれを選んで出すかは、マサヒコとリョーコ、二人の胸先三寸次第だが、まぁ脱ぐのはミサキとアヤナなので、すでにこの二人の 勝負になってるとも、いえないこともない――――かもしれない。 「つうわけでね、アヤナも条件を互角にしようかなと、彼女に尊敬されてるお姉様のわたしは思うわけです、よっと」 言いながらリョーコは、マサヒコがしているみたいに、寝っころがっているアヤナの身体を起こして、後ろから抱きかかえる。 “プチ……プチ……” そしてマサヒコが苦労して外させることに成功したボタンを、リョーコは手早く無下に元に戻していった。 だがそのまま流れるような動きで、シャツの上からアヤナの背中をポンと叩いた後、素早く手を突っ込みすぐに抜き取る。 「ふ~~~~ん、パンツもそうだったけど、アヤナの下着のセンスは中々に良いね」 リョーコが目の前にぶら下げて、シゲシゲと眺めている戦利品。 これまたパンツと同じ小洒落たデザインのブラが、マサヒコの網膜にもしっかりくっきりクリアーに映っていた。 しかし中村リョーコの技の切れは、器用なだけで初心者なマサヒコからしたら達人芸である。ちょっとだけ尊敬の眼差しで見たりした。 「うん? 欲しいの? でもこれアヤナのだから、これだけで我慢しときなさい」 なにか勘違いされたみたいで、こいこい、とリョーコはマサヒコを手招きすると、素直に近寄ってきた頭にブラをくくりつけたりする。 マサヒコはクリンと右向け右をして、窓ガラスに自分の姿を映してみた。ミッ〇ーマ〇スの耳が凄くデカい。 「堪能したらちゃんと返すんだよ」 そりゃそうだろうが、うん、そりゃそうだろうが、マサヒコは窓ガラスに映る自分の姿に、なんだか返すのが惜しくなってきた。 脳が麻痺してきたのがはっきりわかる。 “パサッ” 「はい、これで二人の条件は一緒ね、オッケー、それじゃそろそろ九回戦いきま…………あっと? そうそうその前に」 マサヒコが目を閉じてちょっと考え込んでいた間に、リョーコはパンツも刹那のスピードで抜き取っていた。 床になにげなく放ったパンツにマサヒコの目が奪われると、その隙にリョーコは手を掴んで、ある場所、ある部位に導く。 “ぐにゅん” 「あンッ!?」 ゴムボール・プリン・ゼリー・スライムなどなど――――――柔らかいとマサヒコが認識しているものがパパッと脳裏に羅列された。 “にゅむ……にゅむ……” 汗ばんでる手に力を込めると、拍子抜けするくらい簡単に指先は沈んでいく。 女の子のオッパイはとてもデリケート。そんな先行情報だけは、マサヒコも年頃なので無論持っていた。 慎重に慎重に、間近で見ている酸いも甘いもとっくに経験積みのリョーコからしたら、可笑しくて可笑しくてしょうがないほど慎重に、 マサヒコはアヤナの大きなオッパイを、リハビリ患者みたいに震えてる手で、ぐにゅぐにゅと揉みに揉み込んでいく。 “にゅむ……むにゅ………にゅむにゅむ……………” しかし腕の中に自分に身体を預け、乳首をぴんぴんに勃たせている幼馴染がいるのに、同級生の女の子の大きなふくらみにご執心とは。 「あんた刺されないように注意しなよ、とりあえずバレたときは、シャツの中に週刊誌入れとくの忘れないようにね」 数々の恋愛、というよりも修羅場を経験してきたリョーコお姉様のありがたいアドバイスは、しかしマサヒコには一切届いてなかった。 “にゅむ……にゅむ……むにゅ………にゅむ…………ぐにゅん………ぽよんぽよん………ぽよんぽよん………ぽよん…………” ふくらみを掬い上げるようにして、手のひらに載せると、神妙な顔で何度か跳ねさせてみる ずっしりとしてた重さが大変に心地良い。 「マサヒコ…………マサヒコ? お~~~~い聞いてるか?」 ああ、なるほど、これならそりゃ肩も凝るよな、オッパイが大きいと苦労するってのは、嘘じゃないんだ…………よかったなミサキ。 瞳をヤバいくらい爛々と輝かせて、硬く尖らせているアヤナの乳首を凝視しながら、マサヒコは幼馴染の要らぬ心配をしていた。 こんなときでも人間は、結構どうでもいいことを考えられたりする。 誰にもわからない難問だと思っていたのに、マサヒコは僅かな時間で自分の手によって解決してみせた。 まぁ、誰にも自慢できないけど。 “グイッ” それは置いといて誰かに耳を引っ張られる。 「聞いてるか~~~~っ!! 小久保マサヒコく~~~~~~~~ん!!」 勿論リョーコに決まっているが、大音声にも少し無我の境地に入りかけていたマサヒコの反応は、 「おっ? あ、な、なに、ちゃんと聞いてるよ、うん、別に若田部のオッパイが大変そうだとか、ミサキは大丈夫とか考えてないよ」 脳細胞があまり働いてないトンチンカンなものだった。…………どうでもいいが、トンチンカンてなんだろう? こういうイベントもので途中投下は心苦しいんですが、今回はここまで。 他の職人の皆さん、文章表現力もそうですが、短くまとめられる構成力が凄い羨ましいです。GJでした。 古田氏へ アイのSSは削除をお願いしましたが、保管の邪魔にならないようでしたらおいといてください。 意見がころっと変わって申し訳ありません。 それでは「デュエル」続きいかせてもらいます。 それをリョーコに質問したならば、鏡を見ろ、そんなありがたい答えが頂戴できること請け合いだ。 「ミサキだって揉んであげればすぐに大きくなるよ、それよりもサービスはもう終わり、いい? これで貸し借りはなしだかんね?」 はて? 何か貸したものはあっただろうか? マサヒコはクエスチョンマークを盛大に頭の上に浮遊させる。 中村リョーコ先生は下ネタには鋭いのに、こういうことにはとんと鈍い生徒に、しかしそこが好感が持てる生徒に微笑で答えた。 「ミサキのカワイイ乳首をゴチになったから、アヤナのオッパイ触らせてあげたの、おわかり? ではそんなわけで九回戦――――」 こういうのも義理堅いというべきなのかどうかは(そもそもミサキとアヤナの身体だし)、非常に意見が分かれるところではあるが、 散々にゅむにゅむ、否、全然にゅむにゅむし足りない手を振り上げて 「ジャ~~~~ンケ~~~~ン、ポンッ!!」 フライング気味に叫んじゃってるマサヒコには、その是非を問う資格は勿論ない。あるわきゃない。 「よしっ!!」 もう臆面もなくガッポーズを取っちゃてるんだから、うん、そりゃまぁあるわきゃない。 勝敗はいうまでもなく、パーとグーでマサヒコの勝利。 ミサキのお尻にぴたりと密着している勃起の硬度が、またドクンドクンと血液を収束させて増していった。 そろそろ釘が打てるかもしれない。 「ははっ 気合入ってんねマサヒコ、思春期のオッパイパワーを舐めてたよ、それじゃ勝者の権利を堪能してちょうだい」 アヤナのシャツの裾が、予想通りではあるが、やはりそろりそろりと、マサヒコを煽るように捲くられていく。 まずは白いオナカがチラリと覗いて、なんだか可愛らしく感じてしまうオヘソを通り、そこで一旦ぴたりとリョーコの手が止まった。 「………………………………………」 マサヒコは無言でリョーコを見る。 「おっとと、睨むな睨むな、せっかちは女の子に嫌われるよ」 さっきからリョーコは酒の杯はすすんでいるが、各種取り揃えたおつまみには一切手をつけてない。 酒の肴は完全に目の前の、いちいち反応してくれる童貞少年だった。 「仕方ないなぁ…………ちょっとだけよン♪」 舞台の幔幕みたいに、ゆっくりゆっくりとシャツの裾が捲られ、たがまたすぐに、ぴたりとリョーコの手の動きは止まったりする。 しかしそれで、マサヒコがリョーコを睨むかというと、全然まったくそんなことはなかった。 “ごくん……” まだ目立たない喉仏が、生唾を呑み込んで大きく上下する。 柔らかい肉がその箇所に集中しているだろうことは、下半分を見せていただいただけでも、それが誰の目であっても一目瞭然だった。 ふっくらとした二つの大きな肉まんが、食べて、と誘っているような、そんなあって欲しい幻聴にマサヒコは襲われる。 そして頃合と見たのか、リョーコが手の動きを再開すると、それはとてつもなく可憐な姿を現した。 食い合わせとしては苺大福があるのだから、こんなのも当然ありだろう。腹を壊そうがなんだろが男、もとい漢なら喰うね。マジで。 肉まんの上にはちょこんと、甘そうなサクランボが鎮座していた。 「………………………………………」 ふらふらと吸い寄せられるようにマサヒコは、間抜けに口唇を開いてサクランボへと顔を近づけていく――――のを、 “バシッ!!” 「ぶぐっ!?」 リョーコに琴欧州ばりの見事な張り手で押し返されてしまう。 「乙女の清らかなサクランボは、そんなに安かないんですよお客さん、味見がしたかったら、もうちっと勝ってくださいよ」 場末の温泉街にいる呼び込みのように、でへへっ、とちょっとだけ赤くなった鼻を撫でるマサヒコを見ながら、リョーコはいまにも 笑い出しそうである。 そしてそんな風にお姉さまの酒の肴にされてるマサヒコはといえば、 「………………………………………」 てことはつまり勝ち続ければ、サクランボの味が愉しめるということなんだろうか? チラッとだけ見た幼馴染のものよりも、弱冠色素の濃い紅いサクランボを魅つめながら、そんなことをメチャメチャ真剣に考えてた。 「さてと、やっぱしここは区切りの十回戦だから、勝っときたいよね」 右手をリョーコが振り上げる。 それを見て、区切りどころか全部勝ちたいマサヒコも、ゆっくりとおもむろに右手を振り上げた。 乾坤一擲の大一番。 「ジャ~~~~ンケ~~~~ン――――」 二人の手が同時に振り下ろされる。 マサヒコの目が一瞬、ギラリ、と光ったのをリョーコは確かに見た。 「ポンッ!!」 出した手はグーとチョキ。勝敗が決しガクリと力なく肩を落としたのは、 「…………あんたさぁ、なんの為に目なんか光らせたわけ?」 「…………気のせいでしょ…………おれそんな人間辞めなきゃいけないような、びっくりな特技はないですよ」 マサヒコである。 「まぁいいや、じゃあマサヒコの手で、幼馴染のちょっぴしだけど成長して女の子になった身体を、じっくりと拝ませて貰おうかな」 その言い回しにマサヒコは俯いていた顔を上げ、そしてそのまますぐに、腕の中にいる少女に視線を下ろした。 すやすやと安心しきって、気持ち良さそうな寝息を立ててる。 いまになってやっとこさマサヒコは気づいた。勝っても負けても、参加することに意義があることに。スポーツマンシップ万歳。 そんなわけのわからんことを考えながら、わしっ、と力一杯ミサキのシャツの裾を掴むとそろそろと捲り上げ――――ようとはした。 リョーコがさっきアヤナのシャツを捲ったときのように、余裕を持って、がっついてるのを見透かされぬようゆっくり捲ろうとしたが、 思春期の男の子にそんなことが出来るわけもない。 気持ちを表すみたいに勢い込んで、一気にマサヒコは幼馴染のシャツを捲り上げてしまう。 「………………………………………」 そしてマサヒコは声を失った。 手で覆ったらすっぽりと隠れてしまうような小さなふくらみ、その頂でツンとその身を尖らせている乳首に魅入る。 アヤナと比べてやはりミサキは、どちらかといえば色素が薄い方なのかもしれない。 その淡い桜色の乳首はふるふると儚げに震えて、男の保護欲と嗜虐心、相反しているはずの二つの感情を同時に刺激してくる。 「微乳は美乳…………なんちって」 いよいよ酔いがお脳の方にも回ってきたんだろう。 そうじゃなきゃ言えない、言ってはいけないリョーコのハイブロウなギャグのおかげで、マサヒコはちょっとだけ冷静になれた。 そのカッカッカッカッと熱くなりまくっていた体温を下げてくれたリョーコは、見るとマサヒコのズボンをなんだかガサゴソしている。 「記念に撮ってあげるよ」 言って後ろのポッケから携帯を取り出すと、リョーコはカメラモードにして構えた。 「えっ!?」 “カシャッ” マサヒコがなにかを言う前に、シャッターを切る小気味いい音がする。 「はい、顔は写してないけど、絶対に人には見られないようにね、この画像はあんただけが見れる、最高の夜のオカズだよ」 渡された携帯の画面にはしっかりと、乳首を硬くしこらせているのまでもはっきりわかる、小さく可憐なふくらみが鮮明に写っていた。 リョーコを見ると惚れちゃいそうに男前な表情で、グッと格好よろしく親指を立ててらっしゃる。 取っときな。 マサヒコにはそんな声が聞こえた。 これが…………これがアイコンタクトなのですか? 目と目で通じ合う、というやつなのですか? 確かにう~~~~ん色っぽい。 ならばとそんな静かな歌詞を浮かべながら、マサヒコは目だけでリョーコに想いを伝えてみる。 するとリョーコは、うんうん、と頷いてからウインクを一つして、アヤナを仰け反らせるみたいにしながら背中を押した。 ただでさえ大きな乳房が、マサヒコに向かって迫ってくる。 「うおぅ!?」 ミサキとアヤナ。 どちらのふくらみが良いかは、それぞれの嗜好によって好みが分かれるところだが、迫力という一点だけならば圧倒的だろう。 その説明の要らないボリューム満点の圧力に、マサヒコも思わず仰け反ってしまった。 「へいっカメラマン、ショット・プリーズ」 リョーコに声を掛けられなければ、うわぁ~~っと、その迫力に呑まれまくって、アヤナのオッパイを見つめたまま固まってたろう。 しかしマサヒコはその声にはっとなると、プロ意識に(勝手に)目覚めて携帯を構えた。 ベストショットを求めて、携帯の画面を食い入るように見る。見る。とにかく見る。ひたすら見る。飽きずに見る。じっと見る。 そしてわかったことが一つ。 「………………………………………」 マサヒコはカメラを通してその大きなオッパイを見ながら、まるでエッチなビデオを見ているような感覚になったりした。 直に自分の目で見た方が勿論良いに決まっているのだが、そういうビデオをあまり見たことのないマサヒコには新鮮な発見である。 はぁはぁと荒い息で、 “カシャッ” とシャッターを押すと、マサヒコはこの日この夜撮った画像を、一生の宝にすると固く心に誓った。 ミサキとアヤナを早速画像で見比べて見る。 どちらもセクシーでキュート。どっちが好きなの? そんな感じで甲乙つけがたい。 わかっているのは自分一人になったならば、マサヒコは細かく画面を大きなふくらみと小さなふくらみで行き来しながら、自家発電に 勤しんでいることだろうことだけである。 リョーコはそれがわかっているのかいないのか(多分わかってる)“ニッ”と微笑むと、 「そいではではでは…………はりきって十一回戦いっちゃおうか? ジャ~~~~ンケ~~~~ン、ポンッ!!」 新たなる戦いの――――いや、まぁ別にそんな大層なもんではないが、それはそれとして、とりあえず開始を告げた。 今回はここまで。しっかし長いなぁ。このままだと三十回戦いくかもしれません。 特に好きな球団とかは無いんですが、あえて言うなら、いくらお金を使っても勝てないどこかの球団が好きですかね? 何でその戦力でその順位なの? そんなミステリアスな在京球団が好き。 負けますかね普通、シーズン前は勝ち馬に乗ったつもりだったのに、競馬中継だったら一回も画面に映らず終わってますよ。 このコメントを読んだファンの方がお気を悪くされたらすいません。おかげでちょっとファンキーな髪型になる羽目になったので。 それでは随分と愚痴が長くなりましたが「デュエル」>>88の続きです。 「!?」 互いに出した手はグー。 ジャンケンをしていれば珍しくもなんともないことではあるが、ここにキテのようやくのあいこに、マサヒコはちょっとびっくりする。 「あいこでしょ!!」 またしてもあいこ。 「しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! しょっ!! 」 どうもループに入ってしまったみたいだ。 動いたら負けるというやつで、手の変えどきが結構難しい。根性の見せどころであり、対戦相手との腹の探り合いだ。 だから。 「オーケーッ!!」 そうなったら。マサヒコは指をチョキチョキしている。リョーコに勝てるわけがなかった。 しかししかしの、だがしかし、小久保さん家のマサヒコくんには、あんまりガッカリといった感じもない。 マサヒコにはこの素敵なゲームの、仕掛けはもうわかっているのだ。 勝とうが負けようが、ミサキかアヤナ、どちらかが脱いでくれるという仕掛けは。 事例に照らし合わせるなら、ここはミサキが脱ぐはめになるんだろう。 それを思う度にマサヒコの良心はズキズキと痛み、そして更にその奥にあるなにかがドキドキして、トドメに下半身はムラムラした。 「さてと、どうしようかねぇ? このままスカート捲っちゃってもいいんだけど、脱がすだけってのも厭きてきたしなぁ」 「えっ!?」 今晩はかなりマサヒコは、この驚きを表す声を連発してはいるが、これはその中でも、大きくはないが最上級のものだったろう。 短いフレーズの中にマサヒコが、色んなものを内包した会心の、そして痛恨の声だった。 勿論そんなことはリョーコサイドからは、ひたすらどうでもいいことではあるが、マサヒコサイドからしたら心の叫びである。 これで終わりかもという、不安、を通り越してもう、恐怖といっていい感情が襲い掛かってきていた。 「うん? ふふふっ 安心したまえよ少年、打ち切りはないからさ でもそうだなぁ…………ああ、じゃさ、こんなのはどうかな?」 そこまで言ってリョーコは勿体つけるように一拍置いて身を乗り出す。マサヒコも引き込まれるように思わず身を乗り出した。 リョーコとマサヒコ。 二人の距離が吐息が吹きかかるほどに、唇が触れそうなほどに近くなる。 「あっ!?」 それに気づいたマサヒコは、顔を慌てて身を引こうとするが、 “グッ……” それは出来そうもなかった。いつの間にかマサヒコの首に、リョーコの腕が親しげに廻されている。 “チュッ” 冷たいメガネのフレームが、チョン、と軽くだがマサヒコの目尻の辺りに触れた。唇にも………………すごく柔らかいものが触れた。 「…………えっ!?」 考えなくともなにをされたかなど、年頃ならば誰でもわかる。でも年頃だからこそ、それだけでマサヒコの思考は軽く飛んでいた。 「マサヒコ、一応訊いておくけどさぁ、これがファーストキスだったり?」 「いえ………………そんなことは…………全然………………まったく…………ありません…………のだ」 事の成否はこれだけで十二分。 そもそもマサヒコにはミサキのような、どこに出しても可愛い幼馴染がいるにもかかわらず、いまだにその距離は出会ったときから ほぼ変わってないのである。 こんな神様が用意してくれた絶好のシュチュエーションを活かせないやつが、他にそんなチャンスを作る甲斐性があるわけもない。 「てなわけでさ、これからマサヒコが負けたら、あたしは一つずつマサヒコの初めて貰ってくから、そこんとこよろしく」 どんなわけだよっ!! 声には出さずにツッコミを入れながら、マサヒコは自分の初めてを、細かく熱心に数えてみたりしていた。 わかりきった結論ではあるが、数え出したらきりがない。 「はい、そいじゃ相互理解を深めたところで、十二回戦、ジャ~~~~ンケ~~~~ン、ポンッ!!」 出した手ははチョキとパー。 ブイサイン。田舎の子供みたいな、テレビカメラを前にしたみたいな、マサヒコ勝利のブイサイン。ブイブイブイ、ビクトリーッ!! しかしそれで、いっしし、と嫌らしく笑ったのはリョーコの方だ。 オーケストラのタクトでも振るうように、指先をフイと上げてから、ツイと下ろして、アヤナのスカートの裾を軽く摘む。 リョーコはチョイチョイと、マサヒコを反応を窺かのように、からかうかのようにしている。 「捲ったらさ、ここも、マサヒコくらいの歳だったら、一番見たいでしょう女の子の秘密のアソコも……………………撮っちゃう?」 最後のワードはなぜか、誰も訊いている心配もないのに、なぜかリョーコは小声だった。 だがその囁くみたいな声は、じんわりと、そして確実にマサヒコの心を、まだ土俵際でギリギリ頑張っているモラルを侵食していく。 でもまだ、でもまだ往生際悪く頑張ってはいるのだ。 マサヒコは悪魔の囁きに、少年らしく健気に、そして無駄な抵抗を試みる。 「そこまでいったらもう犯罪では?」 「ここまでやったらもう犯罪だよ?」 リョーコのカウンター一閃。 ああそうか…………ああ…………うん、そうだよな…………なるほどそうだよな………………。 マサヒコのあるかないかの勝負を賭けて、前に出てきたモラルを一刀両断。 惚れ惚れするような切れ味。 思春期のどこかある潔癖症な心を、痛みを与えて折るのではなく、妖刀中村リョーコ、本人にもわからぬほど鮮やかに切って捨てた。 今回はここまで。 ジャンケンばっかりで三十回戦はマンネリになって仕舞うので、どうにかならないかと思ってるんですが。う~~~~ん。 スレ初心者にもわかる。わたしも紹介して戴けるんでしたら、頻繁に故障・登板間隔が長い、戒めにもこの二つを是非入れてくださいw トマソンさんへ 剃毛プレイがど真ん中ストレートで心の琴線に触れました。そうかこれがあったかって感じでした。大変GJでした。 それでも何とかいつもの、今風の中学生にありがちな、醒めた表情を保とうとするのだが、上げた顔は頬の筋肉がひくひくしていた。 これを見てクールというやつはいないだろう。 「開き直りゃいいのに」 リョーコはそう言うがそれは無理だ。多分人生の中でこの五、六年が、もっとも自分に素直になれない年頃だろうから。 そのくせ異性に対する好奇心と欲求は、メチャ耐え難いというのだから困りものだ。 だがまあそれはそれとして。 「運命の十三回戦…………イッてみようか」 どんな運命が待ってるのか、マサヒコにはわからない。誰にもわからない。 しかし少年はどんな運命でも、甘んじて受け入れるつもりだった。要は野球拳続行だが、微妙に格好いいっぽい物言いだとこうなる。 「ジャンケン、ポンッ!!」 出した手はグーとパー。 ついさっきまでならばマサヒコは、勝とうが負けようが同じことだった。 でも導入されたばかりの新ルールによって、少しばかり勝負が終わった後の余韻に違うものがある。 「……いきなりか」 「そいじゃ~~ねぇ~~ マサヒコ、とりあえず~~パンツ脱い――ん?」 最後まで言葉を綴らなくとも、もちろんパンツなんてワードが出てくれば、マサヒコは自分が一体なにを望まれているのかはわかるが、 リョーコは皆まで言わずに途中で切ると、ジーーッと腕の中にいるアヤナを見ていた。 「……そりゃそうか。酔ってるったってなぁ。ここまでされてんだもん……そりゃそうだよなぁ、うんうん」 一人で頷いて得心いった顔をすると、ゆっくりとアヤナからミサキへと視線を移して、リョーコはキラリンッと目を光らせる。 人間を辞めなきゃいけないような特技。なにもマサヒコの専売特許ではなかったようだ。 「なるほどなるほど。そっちもか。いい感じで酔ってるとはいえ、こりゃお姉さん、一本取られちゃったよ」 「はぁ?」 「あんたはわかんなくていいの。……どれどれ、そうするとこっちもやっぱり――」 “バサッ” 「濡れてるのかな?」 さらに目元を鋭く愉しげに細めると、リョーコは何の予備動作もなしに、いきなりミサキのスカートを捲り上げる。 「ぶっ!?」 悲しい牡の習性に衝き動かされ、反射的に覗こうとした少年を、またしても張り手でブロックしながら、スカートの奥に可憐に息づく、 まだまだ幼さが残るほころびを、リョーコはしげしげと熱心に観察した。 「………………………………………」 スカートを捲られた瞬間“ぴくりっ”と、少しだけ内腿を揺らしてしまったものの、健気に下手くそな寝たふりを続行するミサキ。 おそらくは二人とも、最初は本当に寝ていたんだと思う。 じゃなかったらこんな、睫毛をふるふるとさせている茶髪の少女や、オバケにでも会ったみたいにぎゅっと目を力一杯つぶる少女に。 「このあたしが騙されるわきゃない」 伊達に女をやってないのだ。 これからそうなるだろう青い果実に、ラッキーで一本はくれてやっても、気前良く二本もやるほどには甘くない。 とはいえ中村リョーコは厳しくはあっても、話のわからない女性ではなかった。 確実に目を覚ましているのに、起きてます、という意思表示をしない恥ずかしがり屋の二人の為に、人肌脱いでやろうと心中決意する。 うん。 話はわかるがその解釈には、大いに問題のある人なのだ。 「ほらマサヒコ、あんたは早くパンツを脱ぎなさい。そしてミサキを右側にして寝かしたら、そこに男らしく堂々と勃ちなさい」 「……えっ? すいません、もう一回言ってくれます」 リョーコの指しているのは部屋のど真ん中。 ちょうどミサキとアヤナの位置からは、マサヒコのオールヌードを見るには、遮るもののない狙ったようなベストポジションだ。 もちろん狙ってるだろうけどさ。 「そ・こ」 「……やるんですか? マジで? どうしても?」 リョーコとデュエルし始めてから、もう彼此どのくらい時間が経っているのか、脳がとっくに麻痺しているマサヒコにはわからない。 だがこれがマサヒコにとって初めての、己の身体に降りかかる直接的なピンチだった。 パンツ一丁くらいならば、結構あっさり納得できるが、これ以上となると抵抗の度合いが違う。 「あんた同級生散々剥いといて、まさかいまさら男のくせに、ぼく恥ずかし~~~~ん、…………とか言わないよね?」 「うっ!?」 でもそれを言われたら、とてもじゃないが、脱がないわけにはいかなかった。 よ、よしっ!! お、おれも男だっ!! やったろうじゃん!! そんないつかどこかでしたような決意をすると、マサヒコはミサキを指示された通り寝かし、そ・こ、に立ってパンツに手を掛けた。 「……やっぱし……どうしてもその……見せないとダメ?」 「ダメ」 未練がましいマサヒコの言葉を、リョーコは短く簡潔に跳ねつける。 「あんたズバッといきなさいよズバッと。いつまでもウジウジしてたら男を下げるよ。そうは思わない小久保マサヒコくん?」 “バッ!!” 思った。 そして思った瞬間に身体は動いて、ズバッと足首までパンツを下げていた。 リョーコと薄目になってる他二名の視線が、鋭くマサヒコの股間に、ババッと、パンツを下げた勢いにも負けないくらい突き刺さる。 「なぁ~~だ立派立派。それだけのもんを持ってるんなら、別に恥ずかしがることないじゃないの。胸を張りたまえ小久保マサヒコくん」 「はぁ……どうも」 それが人よりたとえ大きかろうが小さかろうが、それで人としての、男としての価値が決まるわけじゃない。 だがそれでも拘ってしまうのが牡としての悲しい性だ。 ふいっと赤い顔で目を逸らしてはしまうが、マサヒコもそう言われれば悪い気はしない。 実際マサヒコの期待と興奮で膨らんでいる勃起のサイズは、中学生平均でいえば可もなく不可もなく、まずまず合格点のものだった。 きちんと剥けてはいるものの、まだ粘膜の味を知らないピンクの亀頭も、ぴくぴくしている様が中々にプリティである。 ただ……それはあくまでも、経験豊富なお姉さんの場合であって。 「………………………………………」 顔は動かさないまま、リョーコは目の端で隣りを見た。 幼馴染というオイシイ属性を持つ少女の目は、寝たふりをしていることも忘れたように、はっきりと大きく見開いている。 腕の中にいるアヤナの顔は俯いていて見えないが、身体が微かにではあるが後ろに引いたのは、ばっちりかっちりきっぱり感じられた。 こちらも少年と同じくで、その蒼い身体に勃起の味を知らない二人の少女には、強烈すぎるインパクトだったようである。 「そいじゃそのまま……オナニーしてみて」 「はい?」 「人前でするの初めてでしょ?」 当たり前だ。 そんな特殊な経験をするには、中学生はいくらなんでも早すぎる。――――大人になったからってできるわけじゃないけど。 「こんな可愛い娘が二人も、それもあられもない格好で寝てるんだから、ズリネタには困らないし、第一こんなチャンスそうないよ?」 当たり前だ。 こんなチャンスが二度も三度もあったら、毎日毎夜、チンチンが痛くなってもしている中学生男子にはパラダイスである。 1+2=パラダイスである。 「他に人がいると出来ない恥ずかしがり屋さん、って言うなら、ちょうど肴もないことだし、一時間くらいなら席を外してもいいよ?」 それだったらあまり抵抗はない。 オナニーという行為は、それはそれはとてつもなくプライベートなもので、他人に見られるのはメチャメチャ屈辱的だ。 まあ世の中には、それがいいんじゃないか、という人もいるが、マサヒコにはそういう特殊な趣味は……まだいまのところはない。 「………………………………………」 しかしそれだと人前でする、という条件をクリアーしてない気がするのだが。 そんなことをマサヒコが、ラッキーチャンスが手の届くところに転がってる中学生男子が、もちろん自分の口から言い出すわけがない。 「そうそう。それでいいのよ男の子は」 抱きかかえていたアヤナをそっと、ミサキと線対称に寝かせると、意味深な笑みを浮かべながら、リョーコはゆらりと立ち上がる。 何だかそこには妙な迫力が、あったりなかったりした。 「そいではあたしは一時間ばかり消えるから。……お姉さんの好意を無駄にしてくれるなよ少年少女達、じゃっ!!」 足取りはスキップ一歩手前、上機嫌の鼻歌混じりで、リョーコは部屋を出て行く。 「………………………………………」 でもマサヒコは。 “パタンッ” と静かにドアが閉まり、トントンと軽やかに階段を降りていく音がしても、その場から微動だにしなかった。 全神経を耳へと集中させる。 「………………………………………」 マサヒコは聴覚には自信があった。 ED疑惑がどこから出るんだというほど、毎日毎夜プライベートな時間を愉しんでいるわけだが、そういうときに限って図ったように、 母親がこっそりと足音を忍ばせてやってくるが、マサヒコは察知できなかったことはない。 その鍛えられてる聴覚は、リョーコが完全に家から出たのを確認したが、それでもしばらくは動かなかった。 「………………………………………」 否、動けなかった。 意識がどこで切り替わったのかは、マサヒコ本人ですらまったくわからない。 目がキョトキョトと右に左に、シャツが肌けたたままの乳房に、剥き出しの太股にと、ミサキとアヤナの間を行ったり来たりしていた。 今回はここまで。 とりあえずなんとか停滞は、かなり強引ですが脱出できました。 待っててくださった方、本当にありがとうございます。物凄い嬉しかったです。次の投下は少しでも早くできるように頑張ります。
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