作品名 |
作者名 |
カップリング |
「Sweet&Hot Night」 |
クロム氏 |
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妻に「どうしても離婚すると言うのなら、貴方を殺して私も死ぬ」と言われ、
愛人には「結婚してくれないのなら、貴方を殺して私も死ぬ」と迫られる。
あるいは、二股をかけていた恋人の両方から、相手と別れて自分と結婚するよう迫られる。
このような事態の回避を目的として、201X年、日本で重婚を認める法律が制定された。
その背景には、まさしくその立場に立たされた大物政治家の圧力があったと噂されるが、真偽のほどは定かでない。
当初は公序良俗に反する悪法との批判が後を絶たなかったが、それもやがて鎮火した。
口では不道徳を叫びながらも内心はこの新法に賛同する人間が、主に男性に多くいたためだと思われる。
まあいつの世も、ハーレムという言葉は男性にとって絶対の憧れなのであろう。
だが、実際に重婚を行っている世帯の数は、実はそれ程多くもない。
考えてみれば当然のことで、金銭面から人間関係まで、問題は山積みなのだ。
なので、先の例の様な事態に立たされた人間が、最後の手段としてこの法を用いるというのが現状らしい。
その証拠に、重婚家庭では家族全員が一つの家に同居する例は極めて少ない。
男性が女性の所に通う、所謂妻訪い婚のスタイルが主流である。
それ故、従来の正妻・愛人の関係と何等変わらないとの声もあがっているほどだ。
もっとも、何事にも例外があるのが世の常なわけで…オレ達も、その例外の一つだった。
「ただいま〜」
「「お帰りなさ〜い」」
土曜日だというのに仕事に駆り出され、クタクタになって帰宅したオレを、二つの声が出迎えた。
玄関に並ぶ、二人の美女。
一見少女のようだが、時折見せる仕種は完成された大人のそれで、そのアンバランスさが逆に魅力的な女性。
――旧姓天野ミサキ。
完璧なプロポーションを誇り、どこか冷たい印象を覚える顔立も含め、美そのものを体現したかのような女性。
――旧姓若田部アヤナ。
このタイプの異なる二人の美女は、今はどちらも小久保姓を名乗っている。
つまり、この二人はオレの――小久保マサヒコの、妻である。
オレ達三人が結婚したのは今から三か月ほど前、まだ新婚といって差し支えないだろう。
そこに至るまでの過程は、思い出すのも恐ろし…じゃなくて。長くなるので省かせて頂く。
だが、もしあの法律がなかったら、オレは昼ドラ並みの修羅場に立たされていたことは間違いないだろう。
まあ兎にも角にもオレ達は結婚し、重婚家庭には珍しく一つの家で生活している。
なにしろ中学時代からの長い付き合いだし、お互いのこともよく知っているのだ。
それならいっそ一緒に住もう、その方が経済的だ、というのが女性陣の決定だった。
ちなみに、ここにオレの意向は含まれていなかったりするのだが…。
閑話休題。
このようにして、オレ達の生活はスタートしたのであった。
「マサ君、先にお風呂にする?それともご飯にする?」
「ん〜、先に風呂に入ろうかな」
新婚さんの定番トーク。しかし我が家はここから先が違う。
「あら、じゃあ私が背中を流してあげましょうか」
アヤナが言う。これも新婚家庭では珍しくないのかもしれないが、何しろ妻は二人いるわけで…
「えっ!?…マ、マサ君!!私が流してあげる!!」
とこうなるのだ。
「なっ…ちょっとミサキちゃん、何で急にしゃしゃり出てくるのよ!!」
「だ、だって…この役は妻の特権っていうか、譲れないっていうか…」
「あのねぇ…私だって妻なんだから、私にもその権利はあるはずでしょっ!!」
「それはそうだけど…で、でもダメ、これだけは譲れない!!」
「なに子供みたいなこと言ってるのよ!!」
当事者(?)であるはずのオレを無視して口喧嘩を始める妻たち。
毎度のことだが、なんだこりゃ?夫婦漫才ならぬ婦婦漫才である。
別に彼女達は仲が悪いわけではない。むしろ、普段はまるで仲の良い姉妹みたいに振る舞っている。
それが何故かオレのことになると、互いに引くに引けなくなるらしい。
それだけ愛されているということなのかも知れないが、こう毎度だと逆に疲れてしまう。
「だいたい貴女はいつも…じゃない!」「そんなこと言ったって…でしょ!」
漫才、もとい口喧嘩は一向に止む気配を見せない。
(やれやれ…)
オレは心の中で溜息を吐くと、妻達に気付かれないようそっと移動し、風呂場に向かった。
いろんな疲れを、癒すために。
風呂から上がったオレは我が目を疑った。呆れたことに、彼女達はまだ漫才を続けていたのだ。
「なによ!昔は告白もできなくてウジウジしてたくせに、今じゃマサ君マサ君って!!」
「そ…そっちこそなによ!ちょっと顔が綺麗で、すっごく胸が大きいからって!!」
何かおかしな方向に進んでないか?確か、どちらがオレの背中を流すかで揉めてたはずなんだが…。
まあなんにしても、このままにしておくとどんどんエスカレートしてしまいそうだ。
「あのさ、二人とも…」
「「なによ!!」」
四つの眼に睨み付けられ、その気迫に圧倒されそうになる。が、引き下がるわけにもいかない。
「いや、オレもう風呂済んじまったんだけど」
オレは彼女達の言い争いが無意味なものであることを告げた。
「「えっ…!?」」
正気に戻ったのか、険しかった二人の表情が理性の光を取り戻していく。
かと思ったら、ホッとしたのも束の間、より一層険しい顔付きになった。
「ちょっとマサヒコ君、何で勝手なことするのよ!」
「いや、勝手って…」
「そうだよ!何の為に私達がこんなことしてると思ってるの!?」
こんなこととは、この漫才のことを指すのだろうか?というか、オレには風呂に入る自由すらないのか?
「「ないわよ!!」」
「……」
何故だろう、物凄く理不尽な気がする。それに、いつの間にか矛先がこっち向いてるし。
「いや、それよりメシを…」
「そうだ!マサ君がもう一回お風呂に入ればいいんだよ!」
オレのささやかな抵抗は、突然あがったミサキの声にかき消された。
「は?」
「だから、マサ君がもう一回お風呂に入って、私とアヤナちゃんが一緒に背中を流してあげればいいんだよ」
「いや、オレ風呂はもう…」
「うん、それは良い考えね。それなら喧嘩する必要もないし。じゃあマサヒコ君、行きましょうか」
「いや、オレはメシを…」
「「文句あるの?」」
「…ありません」
『妻には逆らうな、逆らえば死あるのみ』
オレがこの三か月で身を以て体得した教訓だ。
「じゃあ問題ないわね」
右腕をミサキに、左腕をアヤナに掴まれ、オレは風呂場へと連行されていった。
両の目いっぱいに、大粒の涙を浮かべながら。
「つ、疲れた…」
自室に下がったオレは、そのままベッドに倒れ込んだ。
あの後二度目の入浴で妻達が満足するまで身体を洗われ、
漸く着いた食卓でも、両サイドに陣取った妻達によって、
「はいマサ君、アーン」
「くっ…マ、マサヒコ君、こっちもおいしいわよ!はい、アーン」
「うっ…マサ君、これも食べて!」
と、不毛な意地の張り合いが繰り広げられたのだ。おかげでドッと疲れが出た。
何が悲しくて自分の家でこんなに疲れにゃならんのだ。
『羨ましいよな、小久保は。こんな綺麗な奥さん達がいてさぁ。両手に花って感じだよな』
以前友人達を我が家に招いた時、その中の一人がそんなことを洩らしていた。
確かに両手に花という言葉は間違っていないし、その通りだと思う。
ただ、実際に手に持ってみなければ、その花に棘があることには気付かないのだ。
「やれやれ…」
ふと時計に目をやると、八時半を示していた。
「今日は土曜日だよな…あと二時間か」
その時、急な睡魔に襲われた。週の終わりにアレでは、致し方ないだろう。
「あー、ちょっと寝とくか…」
どうせあと二時間すれば、イヤと言うほど消耗させられることになるのだ。
それまでに、少しでも体力を回復させておかなくては。
オレはその格好のまま目を閉じると、一瞬で深い眠りに落ちていった。
オレ達の生活において、曜日は重要な意味を持つ。
結婚している以上当然夜の夫婦生活というのもあるわけだが、ウチではこれを曜日で決めているのだ。
月・水はミサキ、火・木はアヤナ。安直だが、これが一番揉めなくて済む。
曜日ごとにオレがそれぞれの部屋に赴き、そこで一晩を共にする。
言い方は悪いが、家の中で妻訪い婚をやっているようなものだ。
ちなみに、金曜日と日曜日は休養日となっていて、オレ一人でこの部屋で寝ることにしている。
実は結婚当初は休養日などなかったのだが、二週間で体力の限界をむかえてしまった。
このままでは夜の夫婦生活どころか、日常生活や職務にも支障を来してしまう。
そう考えたオレは、渋る妻達に頭を下げ、やっとの思いで自由な時間を手に入れたのだ。
世の男が聞いたら『贅沢言うな!』とお叱りを受けそうだが、キツいものはキツいんだから仕方無い。
では何故こんな中途半端な位置に休養日を据えているかと言うと、原因は間に挟まれた土曜日にあるわけで…
ガチャッ…
ドアの開く音でオレは目を覚ました。
「あれ、マサ君寝てるの?」
ミサキの声で完全に覚醒する。
「いや…今目が覚めたよ」
ノロノロと身体を起こし、声のした方に顔を向ける。入口付近にミサキとアヤナが並んで立っていた。
次に時計に目を移すと、十時半を少し回っている。
(もう時間か…)
結局まる二時間眠ることができた。まだ疲れは抜け切ってないが先程と比べればだいぶマシだ。
もう一度妻達に視線を戻す。どちらもパジャマを身に着けており、湯上がりなのか頬がほんのり赤い。
「マサヒコ君…じゃあそろそろ…」
「ああ、そうだな…」
妻達はオレの返事が終わらない内に部屋の中に入り、徐に服を脱ぎ始めた。
そして、それを受けてオレも服を脱ぐ。
そう…これが、金曜日・日曜日という半端な位置に休養日を据えている理由である。
土曜の夜、夜十時半。三人でその…あー、早い話が、一対二でいろいろすることになっているのだ。
そのため金曜日に身体を休めて体力を温存し、日曜日には前の晩に使い果たした体力を回復させる。
この図式は変わらない。というか、変えさせてもらえない。オレがどんなに疲れていようとも。
しかし哀しいかな、美女二人を目の前にして、その魅力にオレの男の部分が抗えないのもまた事実。
結果いつものように、この狂宴が幕を開けるのであった。
ギシッ…ギシッ…
服を脱ぎ捨てたミサキとアヤナがベッドに上がり、オレの方に擦り寄ってくる。
(あー、やっぱりコレは反則だよなぁ…)
タイプは違うが、妻達はどちらも男を狂わせるのに十分過ぎる魅力を備えていのだ。
一人でもそうなのだから、二人揃えば破壊力は二倍、いや二乗である。
かく言うオレも、妻達の裸身を目にして既に全身の血液が下半身に集まり始めていた。
「マサ君…」
ミサキがオレの首に腕をまわし、唇を押しつけてくる。そして、やや強引に舌を捩じ込んできた。
オレの口腔を、柔らかな舌が這い回る。
「ん…む、ン…んんっ…」
押し付けられたミサキの唇から甘い吐息が漏れ、鼓膜を刺激する。
唾液を啜る音が響き、それに応えるようにミサキの舌の動きも激しさを増していった。
「ミサキちゃん…ずるい…」
アヤナの呟きが耳に入り視線だけをそちらに向けると、何か言いたそうにこちらを見ている。
オレはミサキと唇を重ねたまま腕を伸ばしてアヤナを抱き寄せ、その髪を指で軽く梳いた。
そしてミサキからそっと顔を離すと、そのままアヤナの唇を塞いだ。
意外だったのだが、セックスになるとアヤナの性格はガラリと変わる。
普段は手厳しくやや攻撃的な面を持つ一方で、肌を重ねる段になると急におとなしくなるのだ。
受けにまわる方が好きであるらしく、キスなども自分からはあまりしてこない。
逆に、普段おとなしいミサキは、先程のキスでもわかるようにかなり積極的になる。
どちらも普段とのギャップが激しく、それはそれでそそられるものがあった。
オレはアヤナの上唇を舐め、そっと舌を挿し入れた。
舌同士が触れるとアヤナの身体がビクッと振えたが、構わずその舌を吸う。
「ンっ…ハァ…んン…」
オレの舌の動きに合わせて、くぐもった声が漏れる。
しばらくするうちにスイッチが入ったのか、オズオズとではあるがアヤナも舌を絡めてくるようになった。
「マサ君…私にも…」
待ち切れなくなったのか、ミサキも割り込むようにキスをしてきた。
三人一度のディープキスだ。
競うように侵入してくる二人の柔らかな舌を同時に味わい、送り込まれてくる唾液を嚥下する。
混じり合った吐息が鼻腔をくすぐり、オレの興奮をどこまでも高めていく。
三人でピッタリと唇を合わせ、舌を吸い合い、長い長いディープキスを重ねていった。
どのくらいそうしていただろう。甘い感触を存分に味わい、漸くといった感じで二人の唇が離れた。
どちらも目をトロンと濁らせ、口の端から滴る涎を拭おうともしない。
「二人とも…横になって」
オレはミサキとアヤナを並べてベッドに横たわらせた。
どちらも両手で身体を隠してはいるが、その表情は羞恥というよりもむしろ恍惚に近い。
「アヤナ…手、どけて…」
先にアヤナの手を外し、白い胸を露出させた。
中学の頃もう既に大人と変わりない大きさだったアヤナの胸は、年齢と共に更に成長していた。
オレは膨らみに掌を這わせ、片方の乳首に軽く吸い付いた。
乳首は早くも固くなり始めていて、舐める舌の圧迫を弾き返すほどだ。
「あン…、アぁっ…んンッ…」
アヤナが熱い喘ぎ声を洩らし、快感に身体を捩る。じっとしていることができないようだ。
乳首を舌で転がし、指で弄び、その反応を楽しむ。
だが、もちろんアヤナだけに専念するわけにもいかない。
アヤナの胸から口を離すと、今度は隣に横たわるミサキの胸にも同じように舌を這わせた。
「ん…あッ…あぁ…んんゥ…」
鼻先に抜けるような甘い声。アヤナに比べて胸は小振りだが、その分感度は良いようだ。
上目遣いにミサキの顔を窺うと、何とも言えない艶かしい表情を浮かべている。
それを見て、オレの中で理性が弾け飛んぶ。
オレは二人を抱き起こすと、更に激しくその肢体を弄んだ。
ところ構わず舌を這わせ、指で弄り、柔らかな肉体の感触を楽しむ。
「ふぅっ…あぁ…はぁ…」
「アッ…ンん…んッ…」
二人の喘ぎが室内に官能的な響きをもたらし、それがオレの行為に拍車をかけていく。
オレは二人の股間に手を潜り込ませ、濡れそぼった二人の秘所を指で掻き回した。
「あッ!!…あ、あ、んッ…!!」
「ぅ…んンッ!!ひッ…アッ…!!」
二人の声がより大きく、より甲高くなる。それに合わせて、二人の秘所から溢れ出る愛液の量も、明らかに変化していた。
指を動かすたびにクチュクチュと卑猥な音が立ち、オレの手を濡らしていく。
「マサヒコ君…ッ!!ダ、ダメッ…も…イっちゃ…あああぁぁぁッッ!!!」
先に達したのはアヤナだった。身体を大きくのけ反らせ、そのままベッドに崩れ落ちた。
「マサ君…私も…んッ…イきそ…ああッ…!!」
ミサキも限界が近いようだ。
オレは体の向きを変えると、ミサキの秘所に顔を近付け、溢れてくる液を舌で掬い上げた。
「あうッ…!あ…アアッ…い…くッ、あッ、アアアーッ!!!」
絶頂の瞬間大量の蜜が噴き出し、オレの顔を濡らす。
よほど深く達してしまったのか、ミサキは動くのも億劫そうだ。
部屋に、二人分の荒く乱れた息遣いが響いていった。
「マサ君…今度は私達がしてあげるね」
漸く息を整えたミサキは、起き上がるとそう言ってオレのモノに手を添えた。
そして、先程から十分過ぎる固さになっていたオレのモノに、可愛らしい舌を這わせ始めた。
アヤナも、初めは躊躇していたようだが、すぐにそれに加わった。
ピチャ…クチュッ…ピチャッ…
二人の舌がアイスキャンディーのようにオレのモノを舐めあげる。
オレのモノが見る間に唾液に塗れ、テラテラと妖しい光沢を帯びていく。
「マサ君、気持ちいい…?」
「ああ…」
竿を、袋を、雁首を、アヤナの舌が、ミサキの唇が、執拗に這い回る。
その刺激に、オレのモノが更に怒張する。気を抜くと一気に達してしまいそうだ。
「マサ君、もう…いいよね?」
意を決したようにミサキが呟く。答えを待たず、オレの腰にまたがってきた。
そして、ゆっくりと腰を下ろしていった。
温かく、柔らかく、ザワザワと絡み付くような感触が、オレのモノを包み込む。
ミサキが静かに上下運動を始めると、彼女の全身は瞬時に紅潮した。
「はぁ…んっ、くぅ、あっ…」
間を置かず、ミサキの喘ぎ声が室内の空気を震わせる。
その淫らな響きに煽られて、いつしかオレの思考は麻痺し、腰は無意識のうちにミサキを突き上げた。
「ひあッ、うぅ…ふわぁ、マ、マサ君ッ…アアァーッ!!」
ブルブルとせわしなく首を振りながら、ミサキは追い詰められた喘ぎ声をあげる。
「ああッ…ふあぁ…いいッ!うぅぅーんッ…!」
やがて最初の絶頂を迎えたのか、声を上げながら背中を大きくのけ反らせる。
だが、ミサキから引き抜いたオレのモノは、まだ痛いくらいに張り詰めたままだ。
グッタリとしたミサキをベッドに寝かせると、アヤナを乱暴に引き寄せた。
「えっ…きゃっ!」
バランスを崩してベッドに倒れるアヤナ。オレは彼女を横たわるミサキの上に重ねた。
「ちょっ、マサヒコ君、何を…」
そして、抗議の声を上げようとする彼女の女陰を、後ろから一気に貫いた。
「あっ!ああああ…!」
半ば驚いたような、アヤナの絶叫。しかし、苦痛の響きはない。彼女もすっかり準備ができていたようだ。
「あぁッ…あっ、ぅん…くぅう…ああッ!」
アヤナはシーツを握り締め、内側を掻き回される圧迫感と快感を、必死に耐えているようだ。
彼女の、ミサキとはタイプの異なる締め付けが、オレのモノに絡み付く。
その感触をしばらく楽しんだ後、オレは前触れなく、アヤナから自分のモノを引き抜いた。
「あっ…ふぅぅっ…はぁ、はぁ…」
ホッとしたような、それでいて残念そうな溜息。
オレはそれを聞きながら、アヤナの下で気持ちよさそうに横たわるミサキに、自らを挿入した。
「…ああっ!ふぁ…」
一休みのつもりで油断していたミサキが、突然の侵入に悲鳴に近い声を上げる。
オレは込み上げてくる射精感を堪え、二人の妻の間を何度も往復した。
「はぁっ、はっ…あンッ!」
(ヤベ…そろそろ限界…)
押し寄せてくる波に耐え切れなくなってきた。オレはアヤナの腰を掴むと、思いっきり突き上げた。
「アアッ!!あっ、あっ…イクッ、あ…んあああぁぁぁッ!!!」
アヤナの腰が痙攣し、その刺激でオレも達してしまった。アヤナの中にドクドクとオレの精液が注ぎ込まれる。
アヤナから自身を引き抜き、身体を離す。オレのモノは、自分の精液とアヤナの愛液で汚れていた。
ミサキが起き上がり、何も言わずにオレのモノを口に含む。
付着した体液を、ミサキの口がキレイにしていく。
その温かな感触に、出したばかりにも関わらず、オレのモノは再び固さを取り戻していった。
「マサ君…私にも…ちょうだい…?」
ミサキを押し倒し、正面から突き入れる。
「くぅうンッ…うぅッ…あぁ、あンッ!」
何度も焦らされ、ギリギリまで高まっていたようだ。内部が細かく震え、絶頂が近いことを知らせる。
「あああぁーッ…マサ君ッ…イクッ…また、イッちゃうぅーッ!!!」
ミサキの身体がベッドの上で跳ね、三度目の絶頂を告げる。
「クッ…!」
ほとんど同時に、オレも二度目の射精を迎えた。
ミサキの身体を抱き締め、その中に最後の一滴まで、搾り出していった。
「あ〜、マジで疲れた…」
妻達との行為を終え、オレは一人呟いた。
ミサキとアヤナは、どちらもオレの隣で規則正しい寝息を立てている。
その寝顔を交互に見比べながら、オレはもう一度溜息を吐いた。
なにしろこっちは二人分疲労しなくてはならないのだ。もうあまり若くもないというのに。
とりあえず、今すべきは体力の回復だろうか。
「オレも寝るか…」
そう思い、目を瞑ろうとした矢先のこと。
「おー、お楽しみだったみたいねぇ」
ドア付近から声が聞こえ、慌てて起き上がった。そこにいたのは…
「リ、リ、リョーコさん!」
「オッス、マサ」
「オッスじゃなくて、なんでここにいるんですか!?」
そこにいたのは、旧姓中村、現豊田リョーコだった。ただし、もう一捻り…
「何よ、妻が夫の家にいちゃ悪いっての?」
そう、重婚は別に男だけがするわけではない。当然その逆もあるわけで。
この人は、二人の夫を持っていたりする。そして、その片方がオレだったりする。
つまり、オレの妻は二人ではなく、三人だったりする。
ただ、普段この人はオレの元担任、豊田先生と二人で暮らしているはずだ。それが何故?
「それがねー、セージの奴昨日から出張でさぁ。暇なのよね。
そんで、アンタと遊ぼうと思ったってわけ」
それを聞いて、背筋に嫌な汗が流れるのを感じた。
「あの…遊ぶってのはその…ゲームとかトランプとか…」
「んなわけないでしょ。分かりやすく言い直そうか?アンタで遊ぶのよ」
「あああああ〜〜」
この甘くも辛い夜が明けるのは、当分先のことらしい。合掌。
FIN