作品名 作者名 カップリング
「エロなし オチなし 女装あり」 778氏 No Couple

「ただ勉強するのもつまらないわよね」
いつものように俺の部屋でいつもの5人
―俺、濱中先生、的山、中村先生、天野―
で勉強していると中村先生がいきなりそんなことを言い出した。
「いやいつも勉強してないじゃ」
「黙れ」
俺の抗議は素早く遮られた。
「ただ漫然と勉強しても実力は身に付かないわ。
勉強は緊張感があってこそ効果があるのよ?」
やな予感がした。この人がまとも臭いことを言うときは何か裏があるのだ。
「と言うわけで・・・」
ほらきた。
「チキチキ、第1回小テスト勝負大会〜!」
…ものすごい笑顔だ。
「先輩、なんですかそれ?」
「いやなに、ちょっとテストをして、一番悪かった者が罰ゲームを受けるってことよ。
ただ勉強するのも(私が)つまらないでしょう?」
「はー、なるほど。だらけがちな普段の勉強に緊張感をもたせるんですね。
さすが先輩!」
「いや、だらける原因はだいたいその先輩の」
「黙れ」




「そうだよ小久保君、おもしろそうじゃない。ね、ミサキちゃん?」
的山が天野に同意を求める。つうか最近天野も自然にいるよな…。
俺たちと一緒に勉強してもあんまり役には立たないだろうに。
「え、う、うん…。」
「あーでも、私たちじゃあきっと勝てないね」
こっちを向いてにこやかに聞く
「悲しいがその通りだな…」
「よしわかった、じゃあハンデをつけよう。
ミサキちゃんは二人の半分の時間で解きなさい。集中力を養う特訓よ。」
「え、ハ、ハイ。」
天野も結構流されやすい性格してんな…。人のことは言えんが
「じゃあ準備して…スタート。ミサキちゃんはちょっと待っててね」
負けられん。ただのテストならともかくあのメガネが罰ゲームを考えるのだとしたら、
これは意地でも負けられない。
どんなことをさせられるかわかったもんじゃない。
「アイ、あんた誰に賭ける?」
「えっ、あの…」
「真面目にやってる生徒を横目に当て馬始めないでください」
答えを考える間にも突っ込まなければ。
「はい、ミサキちゃんスタート」
う、もう半分か…いかんいかん、集中集中。
「わー、ミサキちゃん、速いっ」
「あんたも少しは集中しなさい」
プ、的山ってほんとマイペースな。
「ああほら、マサヒコ君、そこは…」
「口出し禁止。」
え!?そこってどこだ?うわーどこどこどこ




「3…2…1…ハイ終了!」
結局あんまりよく出来なかった…。天野には負けただろうなぁ…。
「結果を発表します。一位、天野さん。あんたらもあっさり負けんじゃないわよ。」
やっぱり…いや、次が真の勝負だ。二位はどっちだ!?
「二位、リンコ。三位がマサ。」
がーーーん負けた…。
「…あんた途中で動揺したね。」
「う。」
「だめだよ小久保君、真剣勝負なんだからちゃんと集中しないと。」
的山に言われた…
「まぁ…負けたものは仕方ないよ、次また頑張ろ。ね?」
「ハイ…」
「さーて罰ゲームだけど…」
ギク。やっぱ忘れてなかったか。
「アミダにしましょう。」
と言って紙にアミダを四本書き、
「ほら、あんたら下に罰ゲーム書いて。一人一本よ。」
と言って渡した。
よかった…それならまだまともなものに当たる可能性もあるよな
・
・
・
中村先生は受け取るとにやりと笑い
「へぇ、なかなかいいじゃない。じゃあ私は…と。」

さらさらっと右端に書いて下部分を折って見えなくする
「さぁ選びなさい」
うう…中村先生の以外で…!
「これだッ…!」

「へ、どれどれ」
「どう?どう?」
「…。」
「あんみだくじ〜あんみだくじ〜♪と」みんな紙の上に頭を集める。
あー、なるべく害のない奴で頼むッ…!
てかこれ先生二人には何のリスクもないじゃん…はめられたか…

「おっ、ここは…」
「予習20P!」

助かったー!なんて普通な罰ゲーム!
たぶん濱中先生だよな、ありがたい!

「あ、違いますよぉ先生。ほらここ、もう一本線が」
「ん?ホントだ。てことは…ツーとずれて…オホ」
明らかに「ツマンネー」とおもってた顔がほころぶ。
「え…?」

「マサ、女装の経験は?」
「あるわけないでしょ」
まさか…
「じゃあ初体験だねあっはっはっはっは。」
最悪だ…
うわー超幸せそうな顔してやがるこいつ
「あっはっは、これ、誰の案?」
えっあんたじゃないの!?


おずおずと手を挙げる・・・
あ、天野…
「いや、ちがうの、その、ほら、小久保君お母さん似だし、似合うんじゃないかなー…と。ね?」
「勘弁してくれ…」

「なにじゃあマサ、私の案の『童貞より先にアナルの処女喪失』が
いいっての?そうか、それなら早速大学のゲイの友人に連絡を…」
「すいません女装させてください。」こいつはホントにやりそうだ…

「じゃあ私かわいい服持ってくるね!」「あ、天野…」
と手を伸ばす間に行ってしまった
「ミサキちゃん生き生きしてるわねー…。」
それにしてもまた勉強が…
「ただいまー!」
「速ッ」
「ほら、いいでしょこのミニスカート。それにね、ウィッグも持ってきたの!」
天野の目がいつもと違うッ…!
「いいねーミサキちゃん。アイ、あんた今化粧品持ってる?」

そうだ。た、助けて濱中先生!
「あ、ハイハイ、ありますよー。」
…だめだ、こっちも生き生きしてる…。
「あのねマサヒコ君、なんだか私、ショタコンじゃなくて…シスコンみたい」
「惜しい!近づいてるけどまだ違う!」

ま、的山…
「ちぇー私の案外れちゃった」
「な、何て書いたの?」
「『フルチンで町内一周』」

ガックリきている俺の横で中村先生が大笑いしている。

「さーてじゃあ着ている物を脱いでもらいましょうか」
「…あ、あの、考え直しません?ほら、今ならまだ間に合いますし」
何に間に合うのかわからないが、一応の抵抗をしてみる。

「えー、小久保君の女装した姿、見たいな…?」
的山が首をかしげてこっちをみつめる。多分こいつはほんとにただみたいんだろうなあ…
ああ、その純真な瞳を向けないでくれ…!

「問答無用。じゃ、みんな手伝ってね。」
女たちがアイコンタクトで連携をとる

「マサ、こういうの、何て言うか知ってる?」
「多勢に無勢?」
「正解。」
言うが早いか全員で脱がしにくる。
「あ、や、止めて、な、ほら、先生?的山?あ、天野はそんなことしないよな?」
無情に伸びる無数の手。
あ、天野の目がいつもと違うッ…

「ああぁーー…ぁ」


・
・
・
「じゃああとは私の化粧テクで…メイクアップshadowミ〜♪」
「何ですかその歌」
「井上陽水の名曲じゃない、知らないの?」
「平成生まれですからそんな昭和の歌知りません。」
と言ったら眼球にアイラインをひかれた。
・
・
・



「これは…」
「わぁ…」
「やっぱり…」
「マサヒコ君…」 

「う、そんなにみないでくれ…」

「カワイイっ!」
「へ…?」
「わぁースゴいかわいいよ小久保君!ね、ミサキちゃん!」
「うん…思った通り…かわいい…」
心なしか天野の顔が赤くなっている

「あっ、いや、別にそういう趣味があるとかじゃないからね!?
…でも、今度そのかっこでどこか遊びに行かない?」
「…勘弁してくれ…。」
さっきから中村先生がずっと笑っている。

「あっはっは、いや、こりゃ上玉だわ。そうだ、大学のオカマ友達に…」
「止めてください…」

「マサヒコ君…」
「せ、先生…」
「お姉様、って呼んでくれない?」
うぎゃあ、やっぱりこの人もだめだったか
「…勘弁してください、お姉様。」
「ああっ…!」

天野も先生も変だよ…。
と言って冷静?に写メを撮ってる的山をまともというわけじゃないけど

「ただいまー」
げ、母さん!
「あ、おかえりなさーい。今二階でおもしろいものが見られますよー」
「呼ぶなぁぁぁああ!」
「なになにー?」
トントントン。ガチャ。
無情にも開く扉。目が合った。あ、母さんの目が丸くなってる。
「あ、あの、これは、違う、その、罰ゲームで。」
「…プ」
プ?
「ぎゃっはっはっはっは!なにあんた!超似合う!私の中学生の頃とそっくり!!」
おなかを押さえながら女達に向かって親指を出す。

ああもうこの母親は…!


マサヒコの涙だけが虚しく流れるのであった


―終了―

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