作品名 作者名 カップリング
実母の午後 75氏 マサヒコ×マサヒコママ

 息子が二階で勉強している間、私は居間で自慰にふける。
 家庭教師とふたりきりの密室――。
 彼女は見た目も性格も悪くない。息子の初めての相手にはこの上なくふさわしい。
 本音を言えば私が初めての女になりたい。
 女というものを教えてあげたい。
 それができないのは私達が親子だからだ。
 もしも私が息子とは血の繋がらぬ女であったなら、私はためらうことなく息子を誘っていただろう。
 夫との生活に不満があるというわけではない。不倫願望があるわけでもない。
 息子に抱かれたい。ただそれだけなのだ。
 私の後にくっついてくるだけの子供の頃が懐かしくなるほど、一人前といっていいほどに息子は成長した。
 息子達が二階へ上るのを見送ると、パンティの上から秘所に指を這わせてみる。
 パンティの染みは予想以上に大きかった。
 息子の顔を思い浮かべながら指をパンティの中へと入れると、後から後から愛液が出てくる。洪水のようにあふれた淫水が太ももをつたい、お尻へと流れ落ちていく。
 指を秘唇の合わせ目に移動させるとクリトリスはすでに充血しているようだった。愛液をなすりつけるように撫でると、全身を心地よい震えが駆け抜ける。
 私の指を息子の指に見立て、息子に愛撫されている想像をする。
 想像の中の「息子」はもう片方の手をTシャツの中に入れ、まだ張りの衰えていない乳房を揉む。手の平で乳房の重さと柔らかさを確かめながら、指先は夫以外に誰にも触らせたことのない乳首をそっとやさしくつまむ。
 乳首を人差し指で回すように揉みながら、もう片方の手はパンティの中へと進入する。
 指での愛撫もほどほどに、想像の「息子」はズボンとパンツを脱ぎ、はちきれんばかりにそそり立つモノを入り口にあてがう。
 入ってもいないのにビクンと身体が震える。
『か、母さん……大丈夫?』
「大丈夫よ」
 ここにはいない「息子」に笑顔で答え、私は「息子」を誘導する。
「そう……そこに、そうやって……んんっ……」
 私の想像通りの大きさのモノが中に入ってくる。「息子」は私の腰に手を当て、自分の腰をおずおずと、しかし力強く突き入れる。
「どう?」
『……気持ちいいよ』
「ホントに?」

 私の口調が夫の前ですらしたことのない、女の口調になっていることに気が付いた。
 初恋の人を前にした初々しい少女のような想いを、私は実の息子に抱いているようだ。
 息子に貫かれている自分の姿を想像するのは実に容易なことだった。
 想像の中で「息子」は初めてとは思えない腰つきで私を刺激する。
 ただがむしゃらに振っていた腰も、緩急をつけながら振るようになってきた。
『母さん、もう我慢できない……』
 必死に射精を我慢している――そんな顔で訴えてきた。
 私の絶頂も近い。
「中に……出して……いいよ……」
 私の言葉を合図に、二度三度と体が震え、私の中に注がれる「息子」の熱い精液を一滴残さず受け止めた。
 肩で息をする「息子」に私はやさしくキスをした。
「また、しようね」



「――てなことになるかもよ」
「人の親でおかしな想像すんな」
 小久保宅二階、マサヒコの部屋。
 いつものように授業は脱線したわけで。
「最近は母親とする人も多いらしいですからね。――マサヒコ君、やってみたら?」
「初めての相手が、じ、実の……」
「うるせーうるせー!!」
 ろくに授業も進まない、いつもと変わらぬ、そんな冬の日。

                                          おしまい

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