作品名 | 作者名 | カップリング |
夏といえば | 687氏 | - |
「なんであんな事…………言っちゃったんだろう?」 マサヒコは壁に身体を預けながら体育座りで、自分のいまの心境を声に出して吐露してみた。 ここは若田部家が邸内、アヤナ嬢の部屋の前である。 さっきからずっとマサヒコは、他人が見たら透視能力があるのかと、勘違いしそうなくらいの熱い熱い視線をドアに浴びせていた。 なにしろその証明というわけではないが、身体を丸めているマサヒコの股間、溢れる若さを象徴する勃起はビンビンである。 部屋の中ではアヤナが、マサヒコのリクエストに応えて着替え中だ。 「小久保くん………もういいよ……………入っても」 ドアの厚さも手伝って、注意深く耳を澄ましていなければ、おそらく聴こえなかったろうか細い声。 しかし無論、マサヒコが聞き逃すはずもない。この言葉を待ちに待っていたのだから。耳といわず全神経を研ぎ澄まして待っていた。 ノブに手を掛ける。 “ごくっ……” と、喉を一度上下させてから、ドアを開けて部屋に入った。そしてすぐに固まる。 「…………………………」 アヤナは正座していた。髪をポニーテールにして。そして――――学校指定のスクール水着で。 マサヒコは胸に込み上げてくる自分の気持ちが言葉に出来なかった。 学校の水泳の授業などで、さすがにマジマジと凝視したりした事はないが、しかし何度も何度も見た姿であるというのに。 「…………………………」 多分このじんわりと、心地よく全身に広がっていくものは、感動と呼ばれるものだろう。 海があるからでもない、プールがあるからでもない、そもそもからして、泳ぐのが目的ではないのに、こうして好きな女の子に水着姿に なってもらったその理由とは――――マサヒコのさらに硬度の増した勃起が物語っていた。 意外とおっさん趣味な自分に気づいて凹んでいたマサヒコだが、そんな後悔は遥かお空の彼方に飛び去っている。 「本当に…………こんなのでいいの? その、小久保くんが、み、水着が好きだっていうなら………もっと可愛いのあるよ?」 「いや、それがいいんだ」 きっぱりとマサヒコは答えた。そういうのは男らしいとは思うが、だがどこか、なんだか侠気の無駄遣いをしているのも否めない。 しかし自分に素直になろうと想った男の顔は、それはそれは、眼鏡にフィルターが二重三重に張られた恋する乙女には凛々しかった。 「あの、さ…………じゃ…………いいかな……………」 まぁもちろん、そんなに長くエロガキの凛々しさは続かない。 マサヒコの興味津々の視線は、薄い水着の布地を張切れんばかりに引き伸ばす、アヤナの大きなふくらみに釘付けである。 この年頃の女の子は特に、異性の視線には敏感だ。 その上ここまで露骨な視線であれば、アヤナでなくとも気づいて当然だが、顔を真っ赤にさせたその表情はどこか誇らしげである。 「うん…………いいよ………………好きにして」 “ご……くんっ……” お許しが出た。これ以上ないくらいの、男の琴線にズガンッと突き刺さるような、最高に魅力ある狂わせるような言葉で。 いつの間にかカラカラになっていた喉に、苦労して唾を流し込むと、マサヒコは爛々と輝く血走った目で、水着の胸元に手をのばした。 “ふかっ……” 「あ…………」 軽く乳房に手を宛がう。それでも柔らかいふくらみは少し弾んで、マサヒコの手に優しい反発を返した。 「…………………………」 そしてその手をじ~~っと見ていたマサヒコだが、一瞬だけアヤナを見ると、ゆっくりとゆっくりと手を動かしはじめる。 指先にはまるで力は籠められてはいない。 それは乳房を揉むというよりは、撫でるという方が正しいだろう。 マサヒコの手はスク水の感触を確かめるかのように、じっくりと何度も同じところを、丹念に丹念に這い回っていた。 アヤナは両膝にぎゅっと握った両手を置いたまま、マサヒコの手を熱っぽい視線で追いかける。 「…………………………」 しかしのろのろと焦らすようなその動きは、マサヒコにそんな計算があるわけもないのに、もっと乱暴で激しくワイルドに揉まれると 身構えていたアヤナには、なんともむず痒くもどかしい。 無意識だろうが水着少女の身体は、微かではあるが催促でもするように、ゆらゆらと揺れてマサヒコの手の動きを追いかけていた。 「あの…………さ」 「…………なに?」 呼びかけられて顔を上げたアヤナの瞳は、もう涙を浮かべて切なくうるうると潤んでいる。 「……いや………なんでも………ないよ……………うん」 本当は気持ちいいかのかどうか訊こうとしたのだ。だがそれを言葉にしてしまうのは、いくらなんでも不粋というものだろう。 こうしてアヤナの瞳を見ればわかる事だし、本人的にはこっそりのつもりなんだろうが、もじもじと腿を擦り合せる仕草でもわかる。 そしてなによりマサヒコの手のひらの下では、アヤナはもっとわかりやすく教えてくれていた。 「…………………………」 そっと宛がっていた手をどける。アヤナの欲情のバロメーターは、可愛らしくぷくんっと膨らんでいた。 マサヒコは所在のわかりやすくなった乳首を、今度はさっきのフェザータッチからは一転して、少し強めに摘んでみる。 「ひんッ!?」 待ち望んでいた鋭い刺激に、アヤナの身体が大きく跳ねた。 「んッ……くぅん……ンンッ…………」 グミみたいな硬く柔らかい不思議な感触を、人差し指と親指でもって丁寧に弄うと、その度にアヤナの身体は面白いように反応して、 触覚と視覚のダブルパンチで、マサヒコの蒼い獣性を昂ぶらせてくれていた。 “ハァハァ…………” と、犬のように激しくパンティングをくり返すマサヒコ。それにシンクロするみたいに、肩を緩やかに上下させるアヤナ。 二人の欲望のゲージはあきらかな飽和状態。 「わ、若、若田部っ!!」 そしてこんなとき、先に暴走するのは大抵男だろう。 マサヒコは本能に従って床に押し倒した。しかしアヤナの身体を庇うように、背中に手を廻す優しさは忘れない。 鈍い朴念仁キャラだが、小久保マサヒコ中学三年生、これで意外に器用である。 “ちゅむ……” 「ふぁッ!? んンッ!!」 でもやっぱり、男はオオ~~~~カミ~~~~!! 餓えたケモノのようにマサヒコは、水着越しの硬くしこっている乳首を口唇に含んだ。 甘い悲鳴を洩らしたアヤナだが、暴走した事すら予定調和のように、すぐにマサヒコの頭を愛しげに抱きしめる。 満更ではなさそうだ。というよりそうなんだろう。 “んくぅんくぅ…………” 「うッ…うッ…んあッ……あッ…はぁんッ……あ…あぁんッ……ふぁッ…………」 ザラザラの水着の質感を舌で確かめながら、乳飲み子みたいにチュウチュするマサヒコの口内には、夏の味がじんわり広がっていった。 使用したらその都度洗濯されてるはずなのに、学校のプール、そこにある強すぎる塩素の味が間違いなくする。 古い料亭の土鍋は、それ自体でダシがとれるというが、スクール水着もそれに劣らぬ、最高級のスペシャルアイテムなのかもしれない。 そんな悟りを開いたんだかマニアに目覚めたんだか、とりあえずマサヒコ、青少年の道から確実に一歩外れたのだけは間違いなかった。 「んぁああッ!? はぅッ……んンッ………くぅ……………ああッ!?…………うぁああッ!!」 まぁ、それはそれとして。アヤナもこの水着越しの乳首愛撫が、ひどくお気に入りのようである。 乳房に押し付けるみたいにマサヒコの頭を掻き抱くだけでは物足りないのか、アヤナの長い足はしっかりと胴をロックしていた。 「ん………んぁッ………ううぅッ、んぅッ………あンッ…………は……ぅッ!?………くぅああッ!!」 アヤナは甘い悲鳴を詠いながら、切なげに身体をマサヒコに擦りつけてくる。 なんだかオナカの辺りがぬるぬるしていて、それを感じるたびにマサヒコの勃起は、その熱さと硬さを増していった。 “ちゅぷ……ちゃぷ……にゅるる…………にゅちゅ………………” そして二つの音。 乳首を弄う音とオナカの辺りからする粘着音が、完全に混ざり合ったそのとき、マサヒコは乱暴にアヤナの抱擁から逃れる。 そのまま慌ただしく、カチャカチャとズボンを下ろすと、 「あッ…………はひッ!?」 水着の股間の部分を引き千切るように捲って、今か今かと出番を待っていた勃起を、アヤナの秘裂に思いっきり根元までぶち込んだ。 「ぅあッ……は………はひッ…ひッ……あッ……はぁ……んぁッ……んぅッ!!」 前戯もなにもなしに、覚えたての娘に無茶をするおサルさん少年だが、アヤナの方もスタンバイはばっちりだったようで、 “くちゅ……くちゅ…………じゅちゅぐちゅ……………ぬちゅ……………にちゅ……………” 女の子の粘膜を容赦なく突かれる度にする卑猥な音が、痛みの心配などする必要はないのだと、はっきりマサヒコに教えてくれている。 「ん………んぅッ……はぁ……んぁッ……んッ……ふぁ……あ………ぅああッ…………はひッ!?」 こうして二人の夏は、毎日がこんな感じで、楽しく激しく…………そして愛しく想いながら、嵐のように過ぎていった。 受験生。まさに性春真っ盛り。――――入試まであと〇〇日。 終わり
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