作品名 作者名 カップリング
リョーコ14歳/幼妻 541氏

§ 幼妻
 金曜の朝、低い冬の日差しが食卓へ窓枠の影を落していた。
リョーコはトーストの最後の一片を口に入れると、カフェオレで飲み下す。
手軽で簡単な食事だが、毎朝これではさすがに飽きがくる。
「たまには、ご飯と味噌汁にしてみようかな」リョーコは一人で呟いた。

 いつの頃からか、中村家の朝の食卓から家族の姿は消えていた。
母親は浮気相手の男が経営する店を手伝って夜明けに帰宅、父親は家族を捨て
て家を出ていった。最初は戸惑い、ヤケになって夜遊びを重ね、不良の真似事
もしてみたが、夜の街で知り合った連中には馴染めなった。中学生のリョーコ
の目から見ても、連中のやっていることは、くだらないことばかりだった。
 音楽、暴力、薬、セックス、抗争、それらに囚われて破滅していく男や女を
リョーコは醒めた目で眺めていた。バカらしいが、退屈しのぎには丁度良い。
そう思っていた。

 だが、そのような孤高の観察者という立場は永くは続かなかった。
リョーコ自身がレイプ未遂事件の被害者となり、体にも心にも傷を負った。
観察者から被観察者へと立場が一転してみると、それは不快なものだった。
リョーコは観察者を気取っていた過去の自分を苦々しく思い返す。
…渦中に身を置き、自分だけは安全に高見の見物をしようだなんて、連中の中
でも一番愚かだったわね、私は。


¶
 リョーコは食器棚へ皿を片付けたついでに、ガラス扉に顔を映して容姿を確
認した。前髪が伸びて眼鏡の縁に掛かりそうだ。髪の脂がレンズを汚すように
なる前に、美容院に行かなくては。そんなことを考えている時、背後からいき
なり声をかけられた。

「リョーコ、朝食は?」

珍しく登校前の時間に起き出してきた母親だった。

「もう食べた。ママの分はそこ」

リョーコはそういって、テーブル脇のワゴンを指差す。そこには、タッパーに
入ったサラダと、ゆで卵、食パンが用意されていた。リョーコは自分の朝食と
ともに、後から起きてくる母親の分を用意していた。事件後、自宅療養中に始
めたことがそのまま日課になっていたのだ。
 家族崩壊の原因である母親をリョーコは憎んでいたが、同時に自分に関心を
示さない母親に対して、自分の存在価値を示したい気持ちがあった。

「ああ、ありがと。ねえ、リョーコの学校、今週は土曜休みだったわよね?」
「休みだったら何?」

学校のことを聞いてくるとは、珍しいこともあるものだ。全く無関心だったの
に、今頃どうして。リョーコは期待を込めて答えを待った。

「彼のお店ね、土曜日に臨時休業するの。
 それでリョーコと3人で週末を過ごさないかって、彼がいってくれたの」
「嫌よ!あんなヤツ、顔も見たくないっ」

…ママに一瞬でも期待した私がバカだった。リョーコは失望とともに怒りがこ
み上げてきた。その怒りは母親に対してものか、何かを期待をした自分に対し
てものか、よくわからなかった。


「リョーコは、彼のことを良く知らないからそう思うのよ」
「知りたくない」
「彼、素敵よ。逞しくて頼りになるし、夜も凄いのよ」
「そんなこと聞きたくない」

どうしてそんな話をするのか。さっぱり理解できない。

「一度でも抱かれれば、彼の良さがわかるわよ。
 そうだわ、リョーコも抱いてもらいなさい。きっと満足するわよ」
「な、自分の娘に何いってるの」

頭おかしいよ、ママ。

「娘だからよ。他の女と寝るのは許せないけど、リョーコとならいいわ」
「し、信じられない」
「信じて。リョーコに嫉妬したりしないから」
「そういうことじゃなくて」
「気になるなら、リョーコと私、二人同時に抱いてもらいましょうよ。
 そうだわ、そのほうがいいわ」
「…ありえない」
「あら、大丈夫よ。彼は精力絶倫だから」

まったく会話がかみ合っていなかった。

「そうじゃなくて。普通、母親は娘の純潔を護ろうとするものでしょ。
 逆に、男に抱かせようとするなんて信じられない、って言ってるの!」

リョーコはキレそうになって叫んだ。だが母親の返答は予想外のものだった。

「純潔?  あなた、もう処女じゃないでしょ」
「えっ」
「隠したって、わかるのよ」


¶
 始業の予鈴が響く中、リョーコは急ぎ足で校門をくぐった。
校門に立ち、生徒の服装をチェックしていた生活指導の関根先生が、リョーコ
に声をかけた。

「中村、こんなに遅いとは珍しいな」
「先生、あの…」

リョーコは関根に近付き、周囲に聞こえないように声を低くして告げた

「…ママにバレちゃった」

関根は一瞬、驚いた様子を見せたが、平静な表情を取り繕い、小声で

「…ここではマズイ。詳しいことは後で」

とささやく。リョーコが小さく頷くと、関根はわざと大きな声で言った。

「教室に急げ、遅刻するぞ」

 リョーコは駆け足で校舎に向った。
冬の北風が背中から吹きつけ、リョーコの長い髪をバラバラと乱していった。

 リョーコと関根には、公にできない秘密の関係がある。
最初はただの生徒と生活指導教師の関係に過ぎなかったが、ある夜を境に二人
は男女の関係となった。リョーコにとっては初めての男性、関根にとっては歳
の離れた若すぎる恋人、二人は手に入れたものを味合うことに夢中になった。
だが、こんな関係は永くは続けられない。リョーコはこのとき、初めて終りを
予感した。


¶
 昼休み、廊下をぶらぶら歩きながら、リョーコは今朝の母親との会話を思い
返していた。

 あのにやけた下衆野郎の顔を見るだけでもぞっとするのに、母娘で3P?冗
談ではない。あんなヤツに体を触られ、胸を吸われて、クリトリスを弄られた
りするのか。ヤツの男根をママと一緒になって舐め上げ、堅く大きくなったそ
れを、自分の膣口にあてがって…嫌、何を想像してるの、私。

 下半身に熱い疼きを感じた。下着にはねっとりとした湿り気の感触がある。
リョーコは、淫靡な想像にふけって濡れる自分に愕然とした。これでは、あの
淫乱な男狂いの母親と変わらないではないか。それはまさに母親の血を色濃く
受け継いでいることの証明であった。認めたくない現実。

「あら、中村さん。どうしたの?気分でも悪いのかしら」

 いつの間にか廊下の真ん中でぼんやり立ち止まっていたリョーコに、学校医
が声をかけた。この学校医は30代の女性で、気さくな物言いで生徒には人気
があった。だが、リョーコはこの女医が苦手だった。

「いえ、何でもないです。失礼します」

そう言ってその場を離れようとしたが、女医は許さなかった。

「まあ、待ちなさいよ」

 女医はわざとらしく顎に手をやり、リョーコの周囲をぐるぐる回りながら、
クンクンと匂いを嗅ぐ真似をした。こういう芝居がかった仕草が癇に障る。
何か言い返そうとしたとき、女医の方が先に口を開いた。

「あんた、女になったね」
「な、どうして」
「ふふーん、図星か」
「あっ」

 単純な罠にひっかかり、自分から白状してしまった。なんたる失態。
…だから、この先生は苦手なのよ。

「わかるのよ。女の直感ってやつね。匂うのよ、フェロモンがね」

 今朝の母親といい、この女医といい、どうしてこうも鋭いのか。

「中村さん、避妊はしっかりしないとダメよ」

 セックスを止めさせようとするのではなく、避妊を勧めるのが、この女医ら
しいところだ。

「あんた達の年頃の男の子なんてお猿さんなんだから、
 女の側がリードして避妊に気を配らないとね」

 さすがに相手まではわからないらしい。
女の直感にも限界があることがわかって、リョーコはホッとした。


¶
「バレたというのは、そういうことか」

関根は自宅にリョーコを呼び、詳しい話を聞いて胸をなでおろした。
その様子にムッときたリョーコは、頬を膨らませた。

「何よ、私にとっては一大事なんだから」
「まあまあ」
「もう〜、相手は関根先生だってバラしちゃうぞ」
「おい」
「だったら、もっとマジに考えてよ」
「うーむ、バレてしまったことはどうしようもないだろ。
 とりあえず今夜はここに泊まっていけ。家には帰りたくないだろ」
「うん、そうする」

 母親の浮気相手とともに週末を過ごすなど、まっぴら御免だった。最初から
関根のところへ避難するつもりだったリョーコは、話がまとまると居間から続
きになっている台所へ向った。冷蔵庫の扉を開けて中を覗き込む。思ったとお
り、まともな食材はほとんど無かった。

「先生、夕飯どうする?」
「近所の飯屋でどうだ」
「私、制服なんだけど。一緒にいるところを他人に見られたらマズくない?
 まあ、困るのは先生で、私じゃないけどね」
「それは困るな」
「じゃあ、私が作ってあげる。先生はスーパーへ買出しに行ってきて」


¶
 リョーコは要領良く具材を刻み、鍋に入れて炒める。
程よく火が通ったところで、水と調味料を加えて煮立てに移る。部屋には食欲
をそそる匂いが充満した。手持ち無沙汰にTVを見ていた関根は、匂いに誘わ
れるように振り返ると、台所に立つリョーコに声をかける。

「なんか、美味そうな匂いだな」
「もう少しで出来上がるから、待ってて」
「ああ」
「えへへ、なんだか新婚生活みたい」
「おまえみたいなのを、なんていうか知ってるか」
「えーと、『幼な妻』かな」
「ハズレ。『押しかけ女房』って言うんだよ」

 関根はリョーコにそっと近付き、背中から抱きすくめた。首筋に軽くキスを
して、制服の上から柔らかな乳房をゆっくり揉んでゆく。

「もう。料理が出来上がるまで待ってよ」

 リョーコはそう言ったものの抵抗はせず、台所に立ったまま関根の愛撫に体
を任せた。胸から腰へ、再び胸へと、関根の手がリョーコの体の線を確かめる
ように移動する。やがてその手は、不器用に制服を解き始めた。
 はじめにセーラー服のスカーフが床に落ち、続いてスカートが落ちて床に広
がった。関根の両手はリョーコの腰にかかり、秘部を覆う小さな布を掴むと、
膝まで引き下げた。関根は跪いて、先ほどまで布が隠してた部分に顔を近づけ
た。色々なものが混じった複雑な匂いが関根の鼻腔を刺激する。

「やだ、やめて。今日はお風呂で洗ってないからダメ」

 リョーコは関根のクンニから逃れようとしたが、関根にがっちり腰を掴まれ
て体の自由が利かない。関根はリョーコの抗議を無視して、舌を彼女の陰裂に
差し入れる。

「いや、嫌よ、止めて…ぁ」

 関根はちゅばちゅばと卑猥な水音をたてて、リョーコの陰核を吸い上げる。

「汚いよ、だめぇ」
「こっちの味もみてみるかな」

 リョーコの肛門に、関根の舌が進入する。

「そこはダメッーー」

 恥辱と性の興奮で、リョーコの全身が紅潮し始めた。

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