作品名 | 作者名 | カップリング |
No Title | 518氏 | - |
「プールへ行こう!」 ここは英稜高校。 そして放課後。 とある教室。 冒頭の一言は小久保マサヒコと気のあう友人が週末の休みついて話している最中の友人の言葉だ。 「プール?」 「そう! プールだ! マサヒコなんか予定あるのか?」 「いや、無いけど」 「だったら行こうぜ! 女子も誘ってさ! 青春しようぜ!」 こぶしを握り締めて目を燃え上がらせる彼に何を言っても無駄だろうと思い、 マサヒコは苦笑して頷く。 「でも女子って誰誘うんだよ?」 「お前的山と仲いいだろ? 的山誘えば誰かついてくるさ」 そう言って明後日のほうを向いてしまう彼の顔は赤い。 はは~んとマサヒコは当たりをつける。 「目的はそれか」 「な、何の事かさっぱりだな! べ、別に的山と夏の思い出を作りたいとかじゃないんだぞ!」 男のツンデレはちとキモイが、まあ、友人だ。 でっかい心で大目に見よう。 「わかったよ。じゃあ――」 「おーい小久保くーん」 噂をすればなんとやら。 的山リンコが友人数人と歩いてきた。 「よう、的山。どうした?」 「一緒にプールに行こう!」 今まさに誘おうとしていたのに逆に誘われてしまった。 「プール?」 「そうだよ。男子も誘おうってことになったから、一緒に行こう? ね!?」 そう言って首をかしげて、イスに座ったマサヒコの顔を除きこんでくる。 ……つーか近い。 「まあいいけど」 マサヒコの言葉にリンコの友人が嬉しそうな顔をする。 目的はプールで無くマサヒコなのだろうとの事は想像に難くない。 もちろん。 マサヒコが彼女のそんな様子に気づくことなど天地がひっくり返ってもありえない。 イスラエルとレバノンがチークダンスを踊るほどありえない。 「あ、こいつも一緒でいいかな?」 すぐ傍の友人を指差し確認を獲る。 その友人はといえば万が一にも「嫌だ」と言われたらどうしよう?とでも思っているのだろう。 落ち着かない様子でそわそわしている。 マサヒコは苦笑する。 リンコの口から出てくる言葉など決まっている。 「うん、いーよ。大勢のほうが楽しいもんね」 「だってさ」 友人の肩をぽんぽんと叩くと、 「小久保……」 「どした?」 「お前は神だ」 「はぁ?」 ゴッドっすか? 「お前が喜びを共に味わえる友人でよかった」 「そりゃどーも」 やれやれとまた苦笑して、自分達をを不思議そうな様子で眺めていたリンコとその友人達に声をかける。 「で、いついくんだ?」 「ふえ? あ、えーっと……今日この後水着買いに行くから今週末かな」 「水着買いに行くのか?」 「うん。飛びきりセクシーなの買うんだ!」 そう行って嬉しそうに言うリンコにマサヒコの友人がちょっかいを出す。 「セクシーっても的山の体型じゃなぁ」 「あー! ひどーい!!」 好きな子についいぢわるしてしまう子供っぽい友人にマサヒコまたまた苦笑。 やいのやいの言い合う二人を頬杖をついて眺める。 ……まさか自分に飛び火するなんて夢にも思わなかったんです。 「ぺったんこじゃないよー! ちゃんとあるもん!」 「へっ! どうだかな!」 「む~……小久保君!」 「は? な、なんだよ」 不意をつかれたマサヒコ。 だから反応が遅れた。 手を掴まれ、導かれるままに、リンコの胸へ。 瞬間、心、重ねて…………いや、そうじゃなくて。 瞬間、教室が凍りついた。 「私ぺったこんじゃないよね!? 胸あるよね!!?」 「ばっ!」 リンコの言葉に立ち直ったマサヒコはすぐさま手を引っ込める。 「お前なに考えてるんだよ!?」 「だってぇ……ぺったんこじゃないのにぃ」 マサヒコに怒られて泣きそうな顔になる。 「そりゃ……まあ確かに……僅かながらの膨らみがあったような無いような」 咄嗟のフォローとしてはよかったやもしれない。 しかし、 「はいはい、リンちゃん。ちょっと席をはずそうね~」 「ふえ?」 友人の一人に連れられてリンコは教室から出て行く。 残されたのはマサヒコ、そして…… 「ま~さ~ひ~こ~」 「おおぅ!?」 悪鬼の形相の友人……達。 具体的に言うと教室に残っていた男子生徒、そして女子生徒だ。 マサヒコは知らない。 男子の間でリンコがかなりの人気があることを。 そして自身が女子からかなり好感を持たれていることを。 「な、なんだよみんな。さっきのは的山のほうから!」 「関係あるかボケー!」 「よくもマイエンジェル的山さんを汚してくれたなぁ!」 「不潔よぉぉぉ!」 襲い掛かってくるクラスメートを前にマサヒコは、一言だけつぶやいた。 「……なぜだ…………」 その日……マサヒコは伝説になった。 THE END
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