作品名 |
作者名 |
カップリング |
No Title |
518氏 |
アイ×マサヒコ |
「先生風邪ひいたから今日は来れないってさ」
「え?まさか俺のがうつった?」
「関係ないんじゃないの?インフルエンザじゃないんだし」
「そっか…」
自分が原因じゃないとは言えサヒコとしては少々後ろめたくもある。
「俺の看病したせいかな?」
「先生は寝冷えしたって言ってたわよ。
でも、あんたの看病で疲れたせいってのもあるかもね」
「……」
「責任を感じるんなら見舞い行ってきな」
「でも濱中先生一人暮しだし。そこに男の俺が尋ねてくのってあれじゃないか?
まして病気なんだし」
「なに言ってんの。一人暮しで体調崩すと物凄く不安になるのよ。
昨日お世話になったんだから、今度はあんたの番よ。男を見せてきなさい」
「わかった」
「あ、安全日かどうかだけはしっかりと確認を――」
「いってきます」
母の戯言を馬耳東風しつつ濱中家へ力の限りゴーゴゴー!!
「くしゅん!」
アイのかわいらしいくしゃみ。
「んぁ〜ティッシュティッシュ……」
その後の鼻をかむ音はえらく男らしかったのだが、あえてここでは描写しないでおこう。
アイの名誉の為に。
「あ〜…だるいよ〜……しんどいよ〜…」
己の体調不良を恨めしく思う。
その一方で歓迎もしないでもない。
「でも…マサヒコ君に会わなくてすむんだし…」
つい昨日のこと。
風邪で寝こむ教え子に対して少々ひどい事をしてしまった。
オブラートに包んで言うと……性的いたづら。
おお…包んでもケッコウ卑猥な響きだ。
そんな事をしてしまい、さらにその事をおかずにしてしまったものだからあんた。
仮病でも使ってしばらく合わないでおこうと思っていたのだが、まさかほんとに発熱するとは。
渡りに船なんだか天罰覿面なんだか。
「まあいっか。とりあえずマサヒコ君と顔合わせなくてすむんだし」
そう言ってフウと息を吐いた。
甘い。
大甘ですアイ先生。
だってこのお話はアイ×マサヒコなんですから。
ここでマサヒコが登場しなかったら看板に偽りあり。
作者は打ち首獄門です。
そんなのイヤですから。
ピンポーンとインターホンが鳴り、続いて馴染みの声。
「先生?大丈夫ですか?マサヒコですけど」
「!!?」
びびくぅっっと。
アイは横になったまま30cmほど飛びあがってしまった。
新記録だ。
…………何の?っていわれても困るけど。
「はわ!はわわ!!」
「先生?……寝てるのかな?寝てるんのなら邪魔しちゃ悪いよな」
「お、起きてるよ〜!」
大声で言ってから「しまった!」と思う。
なにも言わなければマサヒコは大人しく帰っただろうに……迂闊だ。
「あ〜…えっと、風邪は大丈夫ですか?」
「う、うん」
「そうですか」
ちなみに二人の会話はドア越しだ。
だってアイがドアを開けないから。
「……すいませんでした」
「え?なにが?」
「なんか…俺の看病のせいで風邪ひいちゃったみたいで」
「そ、そんなことないよ。偶然偶然」
ある意味マサヒコのせいなのだが、間違ってもホントのことなんか言えやしない。
言ったら身の破滅です。恥死します。
「あの…お見舞い持って来たんで、ドアノブにかけときますね」
「へ?そんなことしないでも――」
直接渡してくれればと言いかけて、バカなことを言おうとしている事に気づいた。
自分がドアを開けない限りマサヒコは部屋に入ってこようとしないだろう。
招かれもしないで一人暮しの女性の部屋に入ろうとなど、マサヒコはしない。
そーいう男なのだ、彼は。
「いいよ。鍵開いてるから入ってきて、マサヒコ君」
「でも……」
「入って来て」
再度そう言うと「おじゃまします」と言ってマサヒコが恐る恐る入ってくる。
「大丈夫ですか先生?」
「うん。そんなに熱は高くないから」
「それはよかった……んですが。あの、何で顔を逸らすんですか?」
「気のせいだよ!」
「はあ…」
とてもじゃないがマサヒコの顔を見れないアイ。
アイの妙な様子に首を傾げるが、まあ熱のせいだろうと納得する。
「あ、先生お腹すいてません?母親から材料渡されましたし、雑炊でも作りましょうか?」
「作れるの?」
「材料はもう切ってありますから。後は温めるだけなんですよ」
「じゃあ…お願いしちゃおうかな?」
「任せといてください。キッチン借りますね」
笑顔でキッチンに向かうマサヒコを見て。
感謝の念と罪悪感が同時に胸に込み上げてくる。
(マサヒコ君、あんなにいい子なのに。そんな子にあたしあんなことを……)
まして意識のないときに。
いや、意識がありゃいいってわけじゃないんだけど。
(ごめんね、マサヒコ君。このお詫びは必ずするから。
でも、お詫びって、どうすればいいのかな?)
微熱で幾分回転の鈍い頭では何も思いつかない。
「……あうぅ」
「先生塩は何処に……って先生!真っ赤ですよ!?熱上がったんですか!?」
知恵熱で真っ赤になったアイを見て焦りまくるマサヒコ。
気の早い男である。
もう少しすればこの上なく焦る事態に陥るというのに。
クックックッ。
「すいません」
マサヒコはしゅんとしてアイに頭を下げた。
雑炊の作成に失敗したのだ。
失敗したのだが、アイはそれを気にもとめなかった。
マサヒコにとって失敗でもアイにとっては失敗ではない、むしろ大成功。
どーゆうこと?
答え、量だ。
うっかり土鍋いっぱいの雑炊を作ってしまったマサヒコ。
食欲の落ちる病人に普通食べきれる量ではない。
よって失敗。
土鍋いっぱいの雑炊を見せられたアイ。
味も悪くないし、かわいい教え子が自分のために作ってくれた料理だ。
よって大成功。
ぶっちゃけ全部食った。
ぶっちゃけあり得ない。
「おいしかった〜♪ありがとねマサヒコ君♪」
「あれを全部食べるとは……」
アイの胃袋はマイクロブラックホールに違いない。
そんな事を思いながら鍋を片づける。
「先生、他にして欲しい事とかありますか?」
「ん〜…特にない、かな?おなかも膨れたし。薬も飲んだし」
「そうですか」
「あ……」
「なんですか?」
「えと……一つお願いしてもいいかな?」
「出来る範囲でしたらなんでも言ってください」
「あの、ね。もうちょっと一緒にいてもらってもいいかな?」
「え?」
意外な申し出にマサヒコはきょとんとする。
「あの、ね。その……一人だとちょっと寂しいかなぁ〜って。
その…このあとに用事とかあったら無理してくれなくてもいいんだけど……」
アイは恥ずかしげに布団を目元まで引き上げ、風邪のせいで潤んだ目でマサヒコを見つめる。
マサヒコは母の言葉を思い出していた。
一人暮しで体調崩すと物凄く不安になるとの言葉。
つい先日マサヒコが風邪を引いた時はアイがすぐ来てくれたから意識しなかったが。
(そうだよな。やっぱ不安になるよな)
アイの姿はマサヒコの中の保護欲を刺激しまくる。
「わかりました。もうちょっとお邪魔させてもらいますね」
「ごめんね」
「いいんですよ。帰ってもゲームするだけですし」
にこりと笑顔。
そんなマサヒコにアイはさらに甘えてしまう。
「あの…ね」
「はい」
「手、握っててもらってもいいかな?」
スッと布団から手を出す。
「あっ!いやならいいんだよ。風邪引いたせいでちょっと荒れちゃってるし」
そう言って顔を赤らめて、恥ずかしそうに手を布団の中に引っ込めようとする。
「先生」
「あ…」
そんなアイの手をマサヒコは優しく握り締める。
「俺一人暮しした事無いからわかんないですけど、
一人っきりの時に体調崩すと不安になるってのは、ちょっとだけわかりますから。
だから、今日だけは無しにしませんか?」
「無し?なにを?」
「家庭教師と教え子とか、年齢の事とか。そういうこと無しにしましょう。
だから、弱いところ見せてくれていいですから。
好きなだけ甘えてください。俺は全力で答えますから」
「マサヒコ君…」
小久保マサヒコ。
意識せずに心の琴線に触れるセリフを吐くのは彼の持って生まれての才能だ。
そのせいでアイはすっかり骨抜きだ。
「あ、でも先生、ちょっと待っててくださいね」
スルリと手を離して台所に引っ込む。
離れてしまった手をアイは寂しげにニギニギさせた。
「お待たせしました」
5分ほどしてマサヒコはお盆と洗面器を持って戻ってきた。
お盆に乗った湯のみを見てアイはピンと来る。
「あ、それってひょっとして」
「はい。玉子酒です。俺のときに効果ありましたから、お墨付きですよ」
「わ〜ありがとう」
受け取ると熱いそれをフーフーしながらコクリと一口飲む。
「おいし〜♪」
笑顔で全部のみ干す。
「ごちそうさま」
「おそまつさまです」
アイが飲み終わったのを確認すると、洗面器の中に入っていたタオルを絞ってアイの額に乗せる。
「冷たっ!……あ、でも気持ちいい」
うっとりと目を閉じる。
「ありがとね、マサヒコ君」
「気にしないでくださいよ。さ、寝てください、先生」
「うん……あ、そうだ」
「どうしました?」
じっとマサヒコを見つめる。
「?? 先生?」
「……エッチな事しないでね」
「しませんて」
「……それはそれでちょっとショック」
「俺にどーしろってんですか!?まったく……」
「ごめんね」
「まあ、いつもの事ですから。さ、先生」
「うん……」
目を閉じたアイはすぐに寝息を立て始めた。
さて、残されたマサヒコ。
「どうしたものか?片手じゃろくな事できないし」
マサヒコの左手はアイの手ががっちり握っている。
ちょっと微笑ましいし、頼られてるんだと思うと誇らしくもあるし。
……なんか…嬉しい。
「まったく…なんだろな、いったい」
くすぐったい思いに苦笑しながらアイの寝顔を見る。
いつもに比べ若干赤い顔だが穏やかな寝顔だ。
それ以上に……。
「……むぅ」
見つめていると……なんか、変な気持になってきた。
いつもは感じない、なんと言うか……アイに女を感じる。
「……なに考えてんだよ、俺は」
もっとストレートにいえば性欲の対象として意識してしまう。
まあ、ある意味でそれも無理はない。
弱った雌は庇護を求めるために本能的に雄を誘惑するとか。
哺乳類の宿命とでも言うべきものがある…………らしい?
「やれやれ。俺も男だったって事か」
ため息をつきつつ、マサヒコはそこらに放置されていた雑誌を手に取り読み始めた。
別に興味のある内容ではなかったが気を紛らわせるには十分だった。
「ん……」
どの程度の時が経ったか。
アイが不愉快げに身動ぎしたので、マサヒコは雑誌から目を上げてアイの様子を見る。
「汗かいたのか…つっても俺が拭くわけにもいかないしなぁ」
「んん……」
アイはさらに深いそうに身動ぎし、布団を跳ね飛ばす。
「うおっ!?」
アイの服装は言うまでもなくパジャマだ。
年頃の娘さんらしくなかなかかわいらしい物なのだが。
そのパジャマが汗でべったり貼りついたせいで上半身のラインがくっきり。
特に胸。
「ノ、ノーブラ!?」
思春期のマサヒコにはちと刺激が強い。
ブンブンと頭を振って煩悩を払いつつ、マサヒコは布団をまたかけてやるのだが、
「ん〜!!」
ガッテム!
アイはいやがって布団を跳ね飛ばしてしまう。
二、三度そんな事を繰り返した後、
「……しょーがないか」
マサヒコはやむなくアイを起こすことにした。
「先生、濱中先生」
「ん……マサヒコ君?」
眠りも浅かったのだろう、すぐにアイは目を覚ます。
「大分汗掻いたみたいですから。拭いてから着替えてください」
「……うん」
「今タオル用意しますから」
洗面所に行き、タオルを数枚持ってくる。
「これ使ってください。俺は向こう向いてますから」
「……マサヒコ君」
「あ、それとも外出てた方がいいですか?」
「あのね。拭いて……くれないかな?」
「……………」
マサヒコの意識は冥王星までかっ飛んで行き、
「……………」
「マサヒコ君?」
「……はっ!?」
そして返ってきた。
「聞き違いですか?今拭いてくれって」
「うん」
「えっと……思うにそれは色々まずいんじゃないかなぁと」
「……だめ?」
「う……」
潤んだ目で顔を覗き困れたマサヒコは言葉に詰った。
どうしてこうも風邪を引いた女性ってのは……なんだ…その…あれなのだろ?
魅力的なのだろう?
なんて思いつつ、大きく息を吐いた。
負けだ。負け戦ですよ師父。
「……わかりましたよ」
「ん、ありがとう。じゃあ早速」
「うおっ!」
言うが早いか。
アイはするすると服を脱ぐ。
背中とはいえ、妙齢の女性の素肌にマサヒコの鼓動はドッキドキだ。
「じゃあ……お願いします」
恥ずかしげに手で胸を隠したアイにお願いされ、マサヒコはついぞ味わった事の無い生唾を嚥下。
どうしたって震えてしまう手で、タオルをアイの背に押し当てて汗を拭い取る。
「んっ……」
一瞬あげたアイの声がたまらなく色っぽいと思った自分はどうかしているのだろうか?
自問自答しながらアイの背を拭く。
あれだけ飲み食いしてもアイの背に贅肉らしい贅肉は無い。
(まあ、贅肉ってのは普通腹につくものだよな)
少しばかり余裕を取り戻す。
取り戻したのだが、
「じゃあ…次は前、お願いね」
「!っ!?」
一瞬で吹っ飛んだ。
M78星雲まで吹っ飛んだ。
助けてウルトラマ〜ン!!ってなもんだ。
「ま、まままま!前って、しぇんせい?」
だから噛むぐらい許してやれ。
「拭いて」
アイはそう言って手を上げる。
マサヒコから見えるのは背中だけだが。
一度前に回ってしまえばそこにあるのは……エル・ドラド!?
焼ききれそうな理性の糸をマサヒコは必死に繋ぎとめる。
思春期の中学生とは思えぬパワフルな理性で己を律する。
「せ、先生…あの、やっぱりそれはどうかと思うんですけど…」
「……そっか。そうだよね……」
マサヒコの渾身の具申にアイは納得してくれた様子で。
ホッと息をつこうとしたのだが
「私の身体なんか、触りたくないよね」
なぜそうなる!!?マサヒコは心の中でシャウトする。
つーかひょっとしてアイの頭茹ってるんじゃなかろうか?
「ごめんね……わがまま…ひっく…いっちゃったよね……」
「おおぅ!?せ、先生泣かないでくださいよ!」
「だってぇ…」
「わかりました!わかりましたよ、拭きますよ」
フウと大きく息を吐き、そして大きく吸う。
心静かに落ちつける。
「じゃあ、先生……こっち向いてもらって言いですか?」
「……うん」
アイとマサヒコ、正面から向き合う事なんて何度もあった。
だが今回は勝手が違う。
アイは上半身に何も身につけてないのだ。
もちろん豊かな胸も白日の下にさらされていて。
マサヒコを持ってしてそのまま押し倒してしまいそうになる。
生唾を飲み込む音が妙に響いた気がした。
「拭きますね」
そっとタオルを肌に這わせる。
ほのかに赤らんだ肌をなるだけ見ないように手探りで。
首回りや脇、おなかを拭いて、残るは……胸。
「あの…先生。流石にここは」
「…拭いて」
「……はい」
最後の抵抗も却下。
覚悟を決めて胸に触れる。
「ん、あんっ!」
「先生…お願いですから声あげないでください」
タオル越しにも感じる柔らかな感触だけでも理性をふっとばすには十分。
その上甘い声などあげられては堪えられない。
さっさと済ませようとマサヒコはやや乱暴に胸周りの汗をぬぐう。
「んぁ!ふあぁ……マサ、ヒコ君…強いよ…」
しかしそれは逆効果だったようで。
アイは艶っぽい声をあげてしまう。
「んぁ……あれ??マサヒコ君?」
マサヒコの手が止まる。
「……すいません、先生」
限界だった。
もう、限界だった。
いや、むしろよくぞ今まで我慢した!
感動した!!……ああ、ネタが古い。
「え?きゃっ!」
マサヒコはゆっくりとアイを押し倒した。
「マサヒコ君」
「先生が、悪いんですよ。俺だって男なんですから……」
アイに圧し掛かり、苦しげな表情でそう言う。
「我慢出来る事とできない事があるんですから」
「うん」
「……抵抗、しないんですか」
「うん」
「………なんで」
「看病してくれたお礼、かな?だから、いいよ」
「お礼って…それはこっちのセリフじゃないですか。昨日看病してもらってたんですから」
「うん。だからマサヒコ君もシテいいよ」
「……「だからマサヒコ君もシテいいよ」?」
微妙な言いまわしにマサヒコが反応。
アイはと言えば「まずいっ!」といった様子で口をさえているが時既に遅し。
ストンと、マサヒコの目が座る。
「マサヒコ君”も”って、先生……ひょっとして昨日俺になにかしました?」
「し、してないよ!なんにもしてない!
寝てるのをいい事に身体を全身くまなく拭いたとか!
その上ちょっとエッチなコトしちゃったとか無いから!」
「んなことしたんすかぁ!?」
「あぁ!まんまと誘導尋問に!」
「誘導してないし!なんなんですか!?俺にナニしたんですか!?」
「そ、それはその……」
「せ・ん・せ・い」
グッと顔を近づけられ、強い口調でいわれ、
「その……ちょっと、マサヒコ君のモノを…刺激しちゃったかなぁって。
で、そのまま…幾多の生命の終焉を見届けちゃったりしちゃったりして」
回りくどく白状。
マサヒコは唖然とする。
「どーりでなんか妙な疲労感があると思ったら……」
「ううう……ごめんね」
謝られてもどうすればいいのか、マサヒコは視線をさ迷わせる。
そんなマサヒコにアイは声をかける。
「だからね、マサヒコ君も、シテいいよ。私に、エッチな事」
「……」
マサヒコ長考開始。
(さて、どうしたものか?シテいいよと言われて果たしてやっちゃっていいものなのか?
男と女では立場とか色々違う気がしないでもないが、さて?いやまてまて。
仮に「なにもしない」と結論付けたとして今更引き下がれるのか?
つーか既に先生を押し倒しちゃってるし)
結論は出た。
ま、マサヒコも男の子だって事だよ諸君。
無言でアイの胸に手を伸ばす。
「あんっ…」
直に揉まれ、アイは悩ましげな声をあげて身体をくねらせる。
ヤワヤワとマサヒコの手が動く。
時折ぷっくり膨らんだ乳首を指で弾いてみたり、口に含んでみたり。
新しいおもちゃを与えられた子供のようにやりたい放題にアイの胸をいじる。
そーいや昔「やりたい放題」名前のおもちゃがあったよーな。深く考えると凄い名前だ。
「先生。下も、いいですか?」
マサヒコのある意味当然の要望にアイは顔を真っ赤に指せて頷く。
「じゃあ…失礼します」
ズルリッとショーツも一緒に引き下ろす。
「やっ!そんな…やぁ!」
まさかそれほど手際よくされるとは思ってもみなかったアイは反射的に股間を手で隠そうとするが、
「先生」
「うう……」
マサヒコに咎められて恐る恐る手をどかす。
改めてマサヒコはアイの股間をまじまじと見る。
「……そんなに、見つめないで…」
消え入るようなアイの声。
マサヒコは顔を近づけ、ぺろりと一舐め。
「ひあああ!な、なに!?何したの!?」
「舐めただけですよ」
「な、舐め!?そんな、きたないよ」
「汚くなんかありませんよ」
さらにペロリ。
「はぅん!やぁ……ひぅ!」
「気持ちいいですか?」
「そ、んな…あぅ!言え…ない、はぁ!」
「どんどん濡れてくるってことは気持ちいいんですね」
マサヒコの再度の問いにアイは恥ずかしげにコクリと頷く。
「うん…気持ちいい」
ならばもっと気持ちよくしてやろうと思ったら目前にぷっくりふくれる豆が。
コリッと前歯で刺激してやる。
「っ!!あぁぁぁぁぁ!!」
ビクビクとアイは身体を痙攣させ、やがてぐったり動かなくなる。
「先生?」
問いかけても返事が無い。
どうやら刺激の強さに気絶したようだ。
そんなアイの様子にマサヒコは自分に冷めていくのを…いや。
落ちついていくのを感じた。
普通ならさらにいきり立って、アイに意識が有ろうが無かろうが挿入して気持ちよくなりたがるだろうに。
しかし、それではだめだとわかっていた。
悟っていた。
だから。
アイの身体を丁寧に拭き、そっと布団をかけた。
「どうしてあれから何もしなかったの?」
アイの目覚めての第一声はそれだった。
マサヒコは苦笑する。
「じゃあ先生は処女開通が意識が無い状態でもよかったんですか?」
「それはイヤだけど……」
アイは俯き、恐る恐る尋ねる。
「やっぱり、私に魅力が――」
「そんな事ありません」
みなまで言わせず、マサヒコはアイの言葉を切って捨てる。
きょとんとするアイに続ける。
「先生は凄く魅力的です。俺が保証しますよ。けど、だからこそ。
こんな形で先生と一つにはなりたくありませんから。
今回は昨日いたづらされた事への仕返しって事で、寸前で止める事にしました」
「……「今回は」?」
アイの疑問にマサヒコはコクリと頷く。
「先生さえよければ、俺は、次回があってもいいかなって」
「マサヒコ君……」
アイは目を大きく見開く。
だってこれはまるで……愛の告白ではないか。
「じゃあそーいうことなんで!俺帰りますからゆっくり養生してくださいね!」
「あ、待ってマサヒコ君!」
あわただしくお暇しようとするマサヒコを引きとめ、尋ねる。
「ねえ、次回って、いつごろだと思う?」
「……多分…受験後です」
それだけ言ってマサヒコは部屋から出ていった。
残されたアイはぽかんとしていたが、
「……きゃ〜♪」
いやんいやんと、枕を抱きしめてベットの上をゴロゴロと転がった。
「きゃ〜♪きゃ〜♪きゃ〜♪」
風邪の事など何処吹く風。
そのまましばらく緩みっぱなしの顔でゴロゴロとベットの上をゴロゴロ転がっていたそうな。
めでたしめでたし